図2.外装ダンボール箱の英文表示
2 2 13 2
分析結果 (一)
( + ) *
(ー) (ー)
1 3 0
Ann. Rep. Tokyo Metr. Res. Lab. P.H.,4 4
,1 9 9 3
A B
o . 5 1 0 1 5 o 5 1 0 1 5 R e t e n t i o n t i m e ( m i n ) R e t e n t i o n t i m e ( m i n )
図3 . C 1
樹脂の熱分解物のカ、、スクロマトグラムA :
C 1
樹脂標準品 B グレープフルーツ抽出液ピーク 1:インデPン,ピーク 2 クマロン,ピーク3 インダン フイー
( G C )
による確認検査を行った.( 1 ) TLC
による確認前報に従って,
C 1
樹脂のTLC
による定性試験を行っ た.展開後,薄層板に2 5 4 n m
の紫外線を照射したとこ ろ,抽出液及び残品には,C 1
樹脂標準品と同じR f
値を 示す複数のスポットが認められた.さらに, i農硫酸を噴 霧し,1 2 0 " C
で加熱したところ,これらのスポットは赤 紫色を呈し,また,3 6 6 n m
の紫外線照射により赤燈色 の蛍光を発し,C 1
樹脂の存在が確認された.(2) 熱分解物の
GC
による確認TLC
によりC 1
樹脂の存在が確認された試料について 熱分解を行い,GC
によりC 1
樹 脂 モ ノ マ ー の 分 析 を 行った.その結果,C 1
樹脂の構成成分であるインデン,クマロン,インダンが検出され,
C 1
樹 脂 標 準 品 の パ ターンと一致した(図3).標準品とグレープフルーツから得られたクロマトグラ ムを比較すると,モノマーの構成比に若干の相違が認め られたが,主ピークであるインデン量を指標として換算 したところ,グレープフルーツ中の
C 1
樹脂は約1 7 0 p p m
と推察された.また,本件の後,安全確認のため 11月
1 0
日から1 3
日に かけて,大田, :i定橋市場において収去されたグレープフ ルーツ( 1 5
検体,いずれも表示なし)について検査を行っ たところ,いずれもC 1
樹脂は検出されなかった.以上のように,今回,外装ダンボール箱に
C 1
樹脂使用の旨の英文表示(邦文の表示はなし)のあった2例(日Ijブ ランド)のうち,
C 1
樹脂が検出されたのは1例であった.多くのかんきつ類が輸送中にかびの発生などによる不良 の個体を取り除くため,たびたび,外箱と中身が入れ換 えられることを考えると,箱の表示と中身が一致しない ということも十分考えられる.言い換えると,表示のな い箱に
C 1
樹脂を使用したかんきつ類が混入している可 能性も考えられる.ま と め
グレープフルーツ
1 7
検体,1 9
試料について検査したと ころ 1検体からC 1
樹脂が検出され,その一量は, イン デン量から換算したところ1 7 0 p p m
と推察された.我が 固でかんきつ類からC 1
樹脂が検出されたのは,これが 初めての事例であり,食品衛生法第6条違反(指定外添 加物使用)として取り扱われ,当該グレープフルーツは 廃棄された.今回,表示と検査結果が一致しないものがあったこと から,今後さらに,輸入かんきつ類についての情報の収 集,監視体制の強化,検査体制の充実が望まれる.
文 献
1 ) C o d e o f F e d e r a l R e g u l a t i o n s
(l9 8 8 )
,T i t l e 2 1
,S e c t i o n 1 7 2 . 2 1 5
,U . S . G o v e r n m e n t P r i n t i n g O f f i c e
,W a s h i n g t o n . D . C
2
) 藤 沼 賢 司 , 冠 政 光 , 中 里 光 男 他 : 食 衛 誌 ,2 2
,2 6 3 ‑ 2 6 9
,1 9 8
1.東京衛研年報 A附 •Ret. To紗oMelγ. Res. Lab. P.H., 44, 131‑137, 1993
食品中の銅ク口口フィリンナトリウム分析法
天 川 映 子 * 荻 原 勉 * 竹 内 正 博 * 大 西 和 夫 * 加 納 い つ * *
Determination of Sodium Copper Chlorophyllin in Foods EIKO AMAKA W A ,* TSUTOMU OGrWARA ,* MASAHIRO TAKEUCHI ,*
KAZUO OHNISHI* and ITSU KANO* *
An analytical method for the determination of sodium copper d山rophyllin (CN) in foods was stu di巴dusing HPLC.
Samples were suspended in citrate‑phosphate buffer (pH2. 6) and homogenized after the addit間1of ethyl acetate/ acetone (5 1). The organic layer was taken and CN was extracted with 1 % aqueous ammo‑
nia solution. The aqueous layer was filled up with ethanol and subjected to analysis by HPLC. The condi‑ tions of HPLC were as follows: Column, Chemcosorb 5‑0DS‑UH; mobile phase, methanol/water/acetic acid
(100 : 2 : 0.5); d巴tection,625nm and a photodiode array detector.
Recoveri巴sof CN exogenously added to commercial foods were 90.7 ‑102.5%. The determination limit was 5.0μg/ g. CN was detected in two kinds of chewi昭 gumsand two kinds ぱ0fc印a凶nd問1lI町I
U. K. a抗tth巴levelof 4.3一85.3μg/g
This method is considered to be useful for the rapid and accurate ananlysis of CN in foods.
Keywords:銅クロロフイリンナトリウムsodiumcopper chlorophyllin,食品food,液体クロマトグラフィーli‑ quid chromatography
ま え が き
銅クロロフィリンナトリウム(CNとsI告す)は,クロロ フィルを原料に合成された緑色の着色料で,食品添加物 として野菜類の貯蔵品,チューインガムなど限られた食 品への使用が認められている. しかし,平成5年4月に 使用基準が改正され,新たにあめ類,生菓子,魚肉ねり 製品など多種の食品にも使用出来るようになった. また,
最近, CNはAmes試験による4ーニトロ oフェニレン ジアミンの変異原性を低下させ1) 塩化セシウムや塩化 第二水銀によるマウスの染色体異常を抑制する効果を有 する2‑3)と報告されている.このようなことから, CNの 使用は,健康食品の分野などへさらに広がって行くこと が予想される.
現在, CNの使用量が食品中の銅含有量により規制さ
れているため, CNの分析は銅含有量のみの測定により 行われている←7) したがって,これらの方法では CN そのものが測定されず, CN以外の銅を含めた銅のトー タル量として分析されるので,正確なCNの定量値が得 られない.著者らは,従来から天然系の着色料について 分析法を開発すると共に市場での使用実態調査を行って
来た8‑10) 今回はCNについて広範囲の食品を対象に,
HPLCを用いた精度の高い分析j去を検討し, CNの使用 される可能性のある種々の食品に適用したところ,良好 な結果が得られたので報告する.
実 験 方 法 1 . 試 料
平成2年1月から平成5年5月の聞に都内の小売庖よ り購入したCNの使用が予測されるガム,山菜加工品,
*東京都立衛生研究所多摩支所 190東京都立川市柴崎町3‑16‑25
*Tama Branch Laboratory,The Tokyo Metropolitan Research Laboratory of Public Health 16‑25, Shibazakicho 3 chome,Tachikawa,Tokyo, 190 Japan
**東京都立衛生研究所
132 Ann. Rep. Tokyo MetγRes. Lαb. P.H.. 44. 1993 海草加工品等計54試料を用いた.
2 .
装 置高 速 液 体 ク ロ マ ト グ ラ フ は 日 本 分 光 工 業 ( 株 ) 製 880‑PU,検出器は同社製紫外可視分光検出器870‑UV 及ぴ紫外可視多波長検出器MULTI‑340,データ処理に は同社製データ処理システムDP‑L340/98を用いた.
また,冷却遠心機は佐久間製作所(株)製M160‑IVを, ホモジナイザーは日本精機製作所(株)製DX‑3をそれ ぞれ使用した.
3 .
試 薬CN:和光純薬工業(株)製鋼クロロフイリンナトリウ ムを分析条件を検討する時にはそのまま用い,市販試料 を定量する場合は
4 .
試験溶液の調製の項に準じて精製 し,カルボン酸の形として得たものを標準として使用し た.すなわち,銅クロロフィリンナトリウムの粉末を水 に溶解後,倍量の緩衝液(pH2.6)を加えた後に少量の酢 酸エチル/アセトン(5: 1)混液で色素を振とう抽出した.有機層に水を加え穏やかに振り 3回水洗した後,無水硫 酸ナトリウムを加え1時間放置して脱水後,溶媒を減圧 留去(40'C以下)し,得た残留物を減圧したデシケーター で一夜乾燥した.参考品としては,東京化成工業(株)製,
シグマ社製及ぴアルドリッチ社製の銅クロロフイリンナ トリウムを用いた.
鉄クロロフィリンナトリウム:日本葉緑素(株)製鉄ク ロロフイリンナトリウム
緩衝液:クエン酸ーリン酸塩緩衝液ll),pH2.6(0.lM クエン酸溶液約90ml十0.2Mリン酸二ナトリウム溶液約 11ml)
他は全て市販の特級品を,水は精製水を用いた.
4 .
試験溶液の調製試料をよく細切し,ガム,菓子類のように水分含有量 の少ないものの場合は2g,山菜加工品のような水分含 有量の多い試料は 5gをホモジナイザーのカップに秤取
した. これに緩衝
i
液夜(句pH2.6引)及ぴ (何5: 1υ)混
i
液夜それぞぞ、れ2加Om凶lを加え, ホモジナイザーで色 素を抽出した(10,000回転/分 3分間).次いで,カッ プの内容物を遠沈管に移し,遠心分離した(3,000回転/分, 10分間,
5 ' C ) .
有機層を別の遠沈管に分取した後,水層及ぴ残さを再びカップに移し,さらに酢酸エチル/
アセトン(5: 1)混 液10mlを加え,同様の操作を繰り返 し得られた有機層を先のものと合した.
次に,有機層に 1%アンモニア水を 2ml加え,振と うし(5分間)色素を水層に抽出した後,遠心分離した (3,000回転/分, 10分間, 5
t ) .
有機層を除去後,水層を分取しエタノールで洗い込んで5mlにした後メンブ ランフィルター(0.45μm)によりろ過し,ろ
i
夜を HPLC 用試験溶液とした.5. HPLCによる分析
下記の条件でHPLCを行った.
カラム:ケムコ(株)製ケムコソルブシODシUH,5 μm,125mmX4.6mm l.D.
移動相:メタノール/水/酢酸(100: 2 : 0.5)混液 検出波長:625nm
注入量:20μl
クロマトグラムの3本の主ピークについて保持時間と
1多波長検出器で測定した吸収スペクトル(350‑650nm) により確認するとともにピーク面積の合計値を用い ピーク面積法で定量した.
結果と考察
1 .
抽出時のpHCNは中性一アルカリ性で、水に溶解するが,酸性では カルボン酸の育会となり有
f
幾溶官某に可溶となる. しかし,酸性が強すぎると銅を脱離してしまうので, pH2.1‑
5.5に調製した緩衝液を用いて抽出時の最適pHを求め た.
CN500μgをとり,これに緩衝
i
夜を それぞPれ20ml加え 本法に従って回収率を求めたところ, pH2.1‑4.5では 99.5 ‑ 102.5%抽出されたが, pH5.0以 上 に な る と pH5.0では82.1%,pH5.5で60.0%と減少した従来の方法1)では希塩酸を用いて弱酸性に調整後,抽 出しているが, pH調整に手聞がかかり試料によっては 抽出操作中に溶出する試料中の成分により pHが変動し,
色素の抽出率が低くなることがある.これらのことを防 ぎ,広範囲の食品を迅速に分析するために,本法では,
抽出に際し緩衝液を用いることにした.緩衝
i
夜のpHは 抽出操作中のpHの上昇を考慮し, 2.6とした.2.安定性
CNは水溶液中で徐々に分解するといわれている.本 法ではCNを酸性下にカルボン酸の形にして,酢酸エチ ル/アセトン(5: 1)混液で有機層に抽出した後,さらに 1 %アンモニア水で逆抽出する事によりクリーンアップ を行った後, HPLC用試験溶液を得ている.そこで,水 溶液, 1 %アンモニア水及ぴ1%アンモニア水/エタ
ノール(1: 1)混液中でのCNの安定性を検討した.
CN100μg/mlを含む溶液を調製し,褐色の試験管に 入れて冷蔵庫で保存し経時変化をみたところ, Fig.1に 示したとおり水溶液では1.5時間後に92%,24時間後に は61%と減少が著しかった. 1 %アンモニア水では6時
東 京 衛 研 年 報 44,1993 133
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