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ethyldiisopropylamine

ドキュメント内 発光キノコ、ヤコウタケ生物発光機構研究 (ページ 64-73)

H N dipropylamine

N- ethyldiisopropylamine

L ig h t in te n s it y ( c o u n ts /s e c )

Fig.2-24

ヤコウタケ切片へ添加したアミン類の化学構造式

2 2

2 2----10. 10. 10. 10. ヤコウタケ ヤコウタケ発光 ヤコウタケ ヤコウタケ 発光 発光に 発光 に に に対 対 対 対する する する するキレート キレート キレート キレート剤 剤 剤の 剤 の の効果 の 効果 効果 効果

ホタルやオワンクラゲのイクオリンによる発光系の例に見るように、発光生物の中に は金属イオンを必要とする発光系が存在する。酸素除去の実験から、ヤコウタケにおい ては発光タンパクによる発光の可能性は低いが、金属イオンが発光に関与する可能性が ある。そこで、ヤコウタケ発光への金属イオンの関与を確認するため、

Shimomura

の イ ク オ リ ン 抽 出 法 (10) を 参 考 に

EDTA(ethylenediaminetetraacetic acid)

EGTA(ethylene glycol tetraacetic acid)

などのキレート剤を用いて確認した。

予備実験としてヤコウタケ切片に

EDTA-2Na、 EDTA-4Na、EGTA-4Na

の各種水溶 液を添加する実験と、キレート剤添加によって切片の発光が低下した場合には各種金属 イオン水溶液を追加し、発光が再び起こるかを調べた(Fig.2-25)。その結果、

EDTA-4Na

EGTA-4Na

の添加がヤコウタケ切片の発光量を約

30

分かけて徐々に低下させた。

また、発光量が低下したヤコウタケ切片に金属イオンを添加することで発光量の回復が 確認できたものの複数の金属イオンで回復が確認でき、また発光は徐々に回復した。こ の結果からではヤコウタケの発光への金属イオンの関与は判断し難いので、よりキレー ト剤、金属イオンの影響を受けやすくするためにヤコウタケ切片を破砕して同様のキレ ート剤の効果確認実験を行った。

EDTA-2Na

を添加した場合、何も添加していない場合と比較して発光が安定して持

続する効果があり、発光を低下させる効果はなかった。

EDTA-4Na

EGTA-4Na

には発光低下効果があった。また、低下した発光量が金属

イオンを添加することである程度回復した。ただ、オワンクラゲのイクオリンはカルシ ウムイオンを添加した場合再び発光を起こすが、ヤコウタケの場合は回復の程度も低く、

打ち消しているだけである可能性がある。今回の実験からはヤコウタケ発光に直接金属 イオンが関与していることを支持する結果が得られなかった。

EDTA-2Na EDTA-4Na EGTA-4Na distilled water

Time (hour)

0 0.5 1

L ig h t in te n s it y ( c o u n ts /s e c )

0 1.0x10

7

1.0x10

6

1.0x10

5

1.0x10

3

1.0x10

4

1.0x10

2

10

1.5 2

Time (hour)

0 0.5 1

L ig h t in te n s it y ( c o u n ts /s e c )

0 1.0x10

7

1.0x10

6

1.0x10

5

1.0x10

3

1.0x10

4

1.0x10

2

10

1.5 2

Fig.2-25-1

キレート剤を添加した際のヤコウタケ切片発光量変化

(n=3)

EDTA-2Na + CaCl2 EDTA-4Na + CaCl2 EGTA-4Na + CaCl2 distilled water + CaCl2

Time (hour)

0 0.5 1

L ig h t in te n s it y ( c o u n ts /s e c )

0 1.0x10

7

1.0x10

6

1.0x10

5

1.0x10

3

1.0x10

4

1.0x10

2

10

1.5 2

Time (hour)

0 0.5 1

L ig h t in te n s it y ( c o u n ts /s e c )

0 1.0x10

7

1.0x10

6

1.0x10

5

1.0x10

3

1.0x10

4

1.0x10

2

10

1.5 2

EDTA-2Na + MgCl2 EDTA-4Na + MgCl2 EGTA-4Na + MgCl2 distilled water + MgCl2

Time (hour)

0 0.5 1

Light intensity (counts/sec)

0 1.0x107 1.0x106 1.0x105

1.0x103 1.0x104

1.0x102 10

1.5 2

Time (hour)

0 0.5 1

Light intensity (counts/sec)

0 1.0x107 1.0x106 1.0x105

1.0x103 1.0x104

1.0x102 10

1.5 2

Fig.2-25-2

キレート剤添加と金属イオン添加の際のヤコウタケ切片発光量変化

ヤコウタケ切片は

0~1

時間の間各種キレート剤に浸潤し、1時間の時点で

EDTA-2Na + MnCl2 EDTA-4Na + MnCl2 EGTA-4Na + MnCl2 distilled water + MnCl2

Time (hour)

0 0.5 1

L ig h t in te n s it y ( c o u n ts /s e c )

0 1.0x10

7

1.0x10

6

1.0x10

5

1.0x10

3

1.0x10

4

1.0x10

2

10

1.5 2

Time (hour)

0 0.5 1

L ig h t in te n s it y ( c o u n ts /s e c )

0 1.0x10

7

1.0x10

6

1.0x10

5

1.0x10

3

1.0x10

4

1.0x10

2

10

1.5 2

EDTA-2Na + KNO3 EDTA-4Na + KNO3 EGTA-4Na + KNO3 distilled water + KNO3

Time (hour)

0 0.5 1

L ig h t in te n s it y ( c o u n ts /s e c )

0 1.0x10

7

1.0x10

6

1.0x10

5

1.0x10

3

1.0x10

4

1.0x10

2

10

1.5 2

Time (hour)

0 0.5 1

L ig h t in te n s it y ( c o u n ts /s e c )

0 1.0x10

7

1.0x10

6

1.0x10

5

1.0x10

3

1.0x10

4

1.0x10

2

10

1.5 2

Fig.2-25-3

キレート剤添加と金属イオン添加の際のヤコウタケ切片発光量変化

ヤコウタケ切片は

0~1

時間の間各種キレート剤に浸潤し、1時間の時点で

2

倍の濃度の金属イオン溶液を添加した。(n=3)

EDTA-2Na + FeCl2 EDTA-4Na + FeCl2 EGTA-4Na + FeCl2 distilled water + FeCl2

Time (hour)

0 0.5 1

Light intensity (counts/sec)

0 1.0x107 1.0x106 1.0x105

1.0x103 1.0x104

1.0x102 10

1.5 2

Time (hour)

0 0.5 1

Light intensity (counts/sec)

0 1.0x107 1.0x106 1.0x105

1.0x103 1.0x104

1.0x102 10

1.5 2

Fig.2-25-4

キレート剤添加と金属イオン添加の際のヤコウタケ切片発光量変化

ヤコウタケ切片は

0~1

時間の間各種キレート剤に浸潤し、1時間の時点で

EDTA-2Na + FeCl3 EDTA-4Na + FeCl3 EGTA-4Na + FeCl3 distilled water + FeCl3

Time (hour)

0 0.5 1

Light intensity (counts/sec)

0 1.0x107 1.0x106 1.0x105

1.0x103 1.0x104

1.0x102 10

1.5 2

Time (hour)

0 0.5 1

Light intensity (counts/sec)

0 1.0x107 1.0x106 1.0x105

1.0x103 1.0x104

1.0x102 10

1.5 2

2 2

2 2----11. 11. 11. 11. ヤコウタケ ヤコウタケ ヤコウタケ ヤコウタケ発光物質可溶化 発光物質可溶化 発光物質可溶化の 発光物質可溶化 の の の試 試 試 試み み み み

ヤコウタケの発光研究の難しい点は、発光系が単純な

L-L

反応を示さないことや、

発光物質が抽出されていない点にある。それを解決するための方法について、これまで ヤコウタケ発光の性質について研究を行った結果やヤコウタケ発光物質について判明 した結果から考察を行った。

ヤコウタケ発光の性質としては、

2-5

章において、ヤコウタケの発光は熱によって急激に失活するので、発光、または その持続に酵素などのタンパク質が関連していると思われる。

2-6

章において、ヤコウタケは

Dubois

の伝統的な熱水・冷水抽出法では

L-L

反応を 確認できなかった。

2-3-2

章において、ヤコウタケ発光は細胞破砕によって減少し、またヤコウタケ破砕

溶液を遠心分離した場合の発光部分の分布が沈殿部に集中していたことから、ヤコウタ ケ発光成分は不安定であり、また緩衝液に対して不溶性であると考えられた。

以上のポイントから、ヤコウタケは単純な物理的破砕では溶質(水や緩衝液など)へ の発光成分の溶出が極僅か、あるいは皆無であることが考えられた。これが原因でヤコ ウタケをなどの発光菌類では

L-L

反応を確認するのが難しいと考えられる。発光成分 が溶出しない原因を考察すると、例えば発光に関連する酵素、タンパク質が膜タンパク 質であるために発光成分の可溶化が起こらない可能性や、キノコ類の強固な細胞壁に発 光成分が結合している可能性などが考えられる。もちろん、緩衝液中で発光物質が極め て不安定である可能性もある。

よって、この章ではルシフェリンやルシフェラーゼなどの発光物質が緩衝液に不溶性 であるため抽出できないと仮定し、膜タンパク質などを可溶化するために用いられる試

薬である界面活性剤を用いてヤコウタケ発光物質の緩衝液への溶解処理を試みた。また、

キノコ類の細胞壁の構成成分を消化できると考えられるセルラーゼ、キチナーゼを用い てのヤコウタケ発光物質の可溶化処理も検討した。

2 2

2 2----11 11 11 11----1. 1. 1. 1.

界面活性剤界面活性剤界面活性剤界面活性剤をををを用用用用いたいたいたヤコウタケいたヤコウタケヤコウタケ発光可溶化試験ヤコウタケ発光可溶化試験発光可溶化試験発光可溶化試験

界面活性剤は一般的に親水基と疎水基を持つ分子であり、混ざり合わない親水性分子 と脂溶性分子を均一に混合する働きを持つ。界面活性剤で細胞を処理することで、細胞 膜の構成成分であるリン脂質二重膜を溶解することができるので、ヤコウタケ細胞内の 酵素ルシフェラーゼが膜蛋白質であった場合、ルシフェラーゼを水溶液として溶解する ことができ、水中において発光が確認できると期待した。また、界面活性剤によりヤコ ウタケ細胞を緩衝液中に溶解することができれば、発光基質、酵素を抽出できる可能性 もあると期待した。

サンプルチューブにヤコウタケ切片と臨界ミセル濃度の界面活性剤を含む pH 6 の 10 mM リン酸緩衝液 1 mlを入れ破砕し、氷浴で5時間インキュベート、培養後遠心分離を 行い、上澄み500 µlと上澄み以外の破砕組織を含む沈殿部約500 µlに分割してそれぞれ発 光測定を行い、発光の上澄みへの溶解状態を確認した(

Fig.2-26

)。

まず、破砕直後の発光量からは各界面活性剤がヤコウタケ発光に及ぼす影響を確認した。

この時点で発光している界面活性剤は発光への悪影響が少ないと言える。発光が失活して いる界面活性剤については二つの可能性が考えられる。一つは界面活性剤が発光反応の阻 害や発光物質を分解する作用があるため発光がなくなっている可能性である。二つ目は界 面活性剤の作用でヤコウタケ発光物質の可溶化に成功しているものの、可溶化した発光物 質が緩衝液中で不安定であり発光が失活してしまった可能性である。二つ目の可能性(可

を行ってきたので、この可能性は低いと考えている。しかし、酵素、タンパクの活性を維 持させつつ可溶化するためにはプロテアーゼ阻害剤など他のファクターの検討も必要であ る。

次に 5 時間後のインキュベート後の遠心分離上澄みと沈殿の発光測定を行った。上澄み の発光が確認できた場合、界面活性剤によってヤコウタケの発光が緩衝液に可溶化したの ではないかと推測できる。上澄みと沈殿の発光量を比較したグラフである

Fig.2-26

より、

多くの界面活性剤水溶液中では上澄みの発光が全く確認できなかった。しかし Pluronic

F-68、Sulfobetaine SB8の界面活性剤を用いた場合、沈殿物の発光量の1/1000程度である

が遠心分離上澄みに発光が確認できた。この 2 種の界面活性剤ではヤコウタケ発光物質の 可溶化に成功した可能性がある。今回の実験は溶液を可溶化に必要な最低濃度であるCMC に調製して行ったが、より高濃度で可溶化処理を行うことでもっと多くの発光物質を可溶 化し、上澄みをより高発光量で得ることができる可能性がある。

Fig.2-26

CMC界面活性剤でのヤコウタケ発光可溶化試験 濃い灰色:ヤコウタケ破砕溶液の遠心分離上澄みの発光量 薄い灰色:ヤコウタケ破砕溶液の遠心分離沈殿の発光量

Light intensity (counts/sec)

n-Octyl-b-D-glucopyranoside

Triton X-114

ドキュメント内 発光キノコ、ヤコウタケ生物発光機構研究 (ページ 64-73)

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