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Environment

ドキュメント内 Annual Report 2017 (ページ 80-100)

環境保全に貢献する車載用リチウムイオン電池

――電気自動車普及で気候変動抑制へ

 電気自動車(EV)の普及が世界的に進んでいます。走行 時に温室効果ガスである二酸化炭素(CO2)や生物に有害 な窒素酸化物を排出せず、環境への負担が少ない点が 評価されているためです。すべてのガソリン車をEVに 置き換えることにより、日本では、CO2排出量を約半分に まで削減できると試算されています(動力源の電気について は、火力発電所でのCO2排出を考慮)。

 当社は、このEVの心臓部ともいえる「車載用リチウム イオン電池」の分野において、市場シェアNo.1(容量ベース)

を誇っています。リチウムイオン電池以前のニッケル水素 電池の時代から、お客様であるカーメーカーと密に連携を とりながら研究開発を推進。電池に最も求められる「安全 性」と「品質」の両面で、期待に応え続けてきました。そう した長年の歴史に裏打ちされた信頼と実績の積み重ねが 業界での競争優位と高シェアにつながっています。

 特に他社の追随を許さないのが電池の材料技術と高品

質製品の量産技術です。例えば当社が開発したリチウム イオン電池「18650」は、当時の一般的な製品に比べて容量 が 約3割 大きく、また約2倍の長 寿 命を実 現。同 製 品は 2012年度よりテスラ社のEV「モデルS」に、2015年度より 同「モデルX」に供給され、最上位車種では1回の充電で 500km超の長距離走行が可能となっています。

 また、近年では、今後の需要拡大を見据えて米国や中国 でのリチウムイオン電池生産能力強化を実施しています

(詳細はP5-6P26参照)

 当社はこれからも電池分野の優れた技術力によって、

EVの普及を下支えし、世界 的な環境課題である気候 変動の抑制に貢献してい きます。

気候変動や資源減少、水不足など、さまざまな環境課題の深刻さが増しています。

そのような中、パナソニックは企業の社会的責任の遂行と経営リスクの低減を目指し、

環境に配慮した事業活動を行うとともに、製品やサービスを通じた環境課題の解決を推進しています。

電気自動車の導入によるCO2の削減効果 パナソニックの電池事業の歴史

環境的側面

一次電池 二次電池 出典:国立環境研究所「電気自動車は環境にやさしいの?」

CO2排出係数(kg-CO2/kWh

CO2排出量(ガソリン軽自動車=100としたとき)

0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0

120

100

80

60

40

20

0

フランス の例

日本 の例

中国 の例

90

%

削減

55

%

削減

15

%

削減

1931 1937 1964 1971 1973 1989 1994 2004 2010

乾電池 鉛蓄電池 ニカド電池、充電器 リチウム一次電池 ボタン電池 ニッケル水素電池 リチウムイオン電池 車載電池(ニッケル水素電池)

車載電池(角形リチウムイオン電池)、蓄電システム リチウムイオン電池「18650

Panasonic Annual Report 2017

79

 2017年6月、パナソニックは環境経営における長期ビ ジョン「パナソニック環境ビジョン2050」を策定しました。

当社の製品の多くは、電気をはじめとするエネルギーを長 期間にわたって消費します。今後は製品のエネルギー使用 量を削減することはもとより、エネルギーを創る・貯める 事業を拡大し、社会のさまざまな場面でクリーンなエネル ギーの活用機会を増やすことに貢献することで、地球への 負荷を削減していきます。そして、使うエネルギーよりも 創るエネルギーを大きくすることで当社が地球環境に とってプラスをもたらす存在になることを目指します。

 今後は、このビジョン実現に向けて、関連技術の開発 強化にも取り組んでいきます。

 パナソニックでは、グループの経営方針や環境ビジョン 2050、環境行動指針、環境行動計画グリーンプラン2018 を踏まえ、毎年度の運営方針を策定しています。運営方針 は、社長から権限を委譲された環境担当役員が主宰する

「運営方針発表会」を通じて、全社に共有されます。カンパ ニー・事業部と海外地域統括会社は、本方針に基づいて、

自部門や地域の環境方針・環境目標を設定して、それぞれ の取り組みを計画・推進しています。グリーンプラン2018 で社会にお約束した環境目標の主要項目に対する進捗と 実績や、環境ビジョン2050は、社長と4カンパニー社長な どの経営幹部が出席するグループ戦略会議で確認し、方向 性や課題、特に重要な施策について意思決定しています。

 2016年度からは、環境担当役員と4カンパニー環境責 任者による環境責任者会議(年2回開催)を新たに設置し、

全社環境経営に関する意思決定を迅速に行っています。

さらに従来同様、カンパニーや地域が実践した成功事例や 推進上の課題、中長期目標の考え方については、カンパニー や地域統括会社の環境責任者/環境実務責任者で構成す る環境運営委員会(年2回開催)で共有・討議して、PDCA のマネジメントサイクルを回し、全社環境経営のレベル アップを図っています。

2017年度環境経営推進体制

環境行動計画「グリーンプラン2018

コーポレート戦略本社 取締役会

社長

プロフェッショナルビジネスサポート部門

協働推進

【課題別推進体制】

連携

関 連 職 能

事業部

営業・

地域 グループ

戦略会議

事業部 事業部 事業部 事業部 事業部

環境運営委員会

製品化学物質管理委員会 製品環境法令対応WG モノづくり環境情報共有会

環境責任者会議

パナソニックエコリレー全社推進委員会

品質 生産技術

調達 物流 人事 広報 リスク・ガバナンス本部

生産技術本部 グローバル調達社

先端研究本部 イノベーション推進部門

運営方針発表会 品質・環境本部

カンパニー

環境行動指針

私たちは、持続可能な社会の実現を目指し、

環境価値の創出を通じた事業発展に取り組みます。

そのために、事業活動を通じて環境課題の改善を進めるとともに、

社会の人々から共感を得て、環境取り組みを拡大します。

×

CO2削減 資源循環

化学物質 生物多様性

顧客 サプライ

チェーン 地域社会 環境課題への取り組み 社会との共感を通じた取り組み

パナソニック環境ビジョン2050

「より良いくらし」と「持続可能な地球環境」の両立に向け、

クリーンなエネルギーでより良く快適にくらせる社会を目指し、

パナソニックは使うエネルギーの削減と、

それを超えるエネルギーの創出・活用を進めます。

使うエネルギー < 創るエネルギー

資源循環

 当社は多量の資源を使用するメーカーの責務として、

2010年よりCO2削減に並ぶ重要課題として、資源循環を 掲げて、循環型モノづくりを進めています。

環境課題への取り組み

CO

2

削減

 2016年11月に発効したパリ協定は、世界の気温上昇を 産業革命前から2度未満とする目標、1.5度未満とする努力 目標を設定し、今世紀後半にCO2などの温室効果ガスの排出 量実質ゼロを目指しています。これを実現するためには、CO2 排出量を可能な限り減少させる必要があり、企業はこれまで 以上にCO2削減に貢献していくことが求められています。

 当社は、独自の指標CO2削減貢献量を導入し、商品(省 エネ、創エネ)による削減を加速しています。CO2削減貢献 量とは、2005年度から商品の省エネ性能改善がないと仮定 した場合の想定排出量から実際の排出量を差し引いた量 に、創エネ商品の発電による排出抑制量を加えたものと定義 しています。この指標はCO2排出削減の継続的努力を反映 することができ、当社はCO2削減貢献量の最大化を推進し ていきます。

 商品の省エネ性能を高め、商品使用時の消費電力量を 下げることで、CO2削減に貢献します。省エネ商品をより 普及させることで、CO2削減貢献量は一層大きくなります。

 また、太陽光発電や燃料電池からの電気を使うことで、

一般の火力発電所などから発生するCO2排出量を抑制す ることができます。当社は創エネ事業を発展させること で、創エネによるCO2削減貢献量を増やしていきます。

 一方、当社は住宅や車載、B2B分野での事業推進も強化 しており、2014年度実績からこの領域でのCO2削減効果

を開示しています。具体的には、当社住宅の断熱性能向上 による空調負荷の削減効果、当社の省エネ型コンプレッサ やモーターを搭載する他社製品による省エネ効果、当社製 車載電池を搭載する電気自動車などによる燃費改善効果 などによるものです。これらのCO2削減貢献量は、家電の ようなパナソニックブランドの製品における直接的な CO2削減効果と区分するため、間接的な貢献と位置づけ ています。当社製品が支えている、他社製品のCO2削減効 果を示しています。

 当社は、工場のCO2排出量削減にも取り組んでいます。

2016年度のCO2原単位は2013年度比で8%削減を達成 しました。省エネ・CO2削減施策として、各工場単位の個 別の取り組みに加えて、全社として優秀事例の横展開や専 門人材の育成のほか、エネルギー使用量の見える化・削減 対策を実践しています。2016年度には、継続的にCO2を 削減する仕組みを検討するため、全社活動として「工場 CO2削減ワーキンググループ」を立ち上げました。さらに、

当社事業場への再生可能エネルギー・LED照明の導入も 推進しています。

製品・サービスによるCO2削減貢献量

6,000 5,000 4,000 3,000 2,000 1,000 0

(万トン) (万トン)

3,985 1,047

3,999 3,882

3,780

1,101

間接的なCO2削減貢献量 直接的なCO2削減貢献量

3,958 1,311

生産活動におけるCO2排出量と原単位

400

300

200

100

0

(各表示年3月期)

(各表示年3月期)

100

75

50

25

0

(%)

92

CO2排出量 CO2排出量原単位20143月期比)

230

(注) CO2排出量原単位20143月期比)は、CO2排出量を、各工場の生産高、生産台数など、CO2 排出と密接に関連する活動量で除して算出した「原単位」20143月期対比の改善率を加重 平均して算出。加重係数は、改善がなかったと仮定した場合の各工場のCO2排出量を使用。

(注)2016年度より家庭用エアコンは、年間消費電力量の算出に用いる基準(JISなど)を更新し、

直接的なCO2削減貢献量を算定。従来の算定方法による、2016年度の直接的なCO2削減 貢献量は4,203万トン。

292 100

248 93

232 93

’17/3

’16/3

’15/3

’14/3

’13/3 ’14/3 ’15/3 ’16/3 ’17/3

環境的側面

Panasonic Annual Report 2017

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ドキュメント内 Annual Report 2017 (ページ 80-100)