• 検索結果がありません。

宇部 コマツ 東芝

ヤマハ

T

h

Cooling Oil

変圧器 プロジェクター コージェネレーション

抵抗加熱式 工業炉

東芝 ヤマハ コマツ

IHI

図Ⅱ-3 高効率熱電変換モジュールと高効率熱電変換システムの適用温度域

7

1.2 目標の設定理由

1.2.1 ニーズ側(開始時及び現時点の想定製品・サービス)から見た根拠

経済社会の様々な分野で発生する熱エネルギーの多くは、未利用のまま排熱エネルギーとして 排出されている。プロジェクト開始時点においては、我が国で実用に供されている排熱有効利用 電力変換技術は鉄鋼業界の炉頂発電やスーパーごみ発電などの大規模・集中型のものが中心であ り、利便性の観点から急速に普及が進んでいる小規模・分散型システム向け排熱有効利用技術の 開発が期待されている。(参考文献:㈱矢野経済研究所、2001 年版 小規模分散電源市場の現 状と将来展望)

本研究開発は、エネルギー有効利用等の観点から、民生及び産業の分野から発生する未利用熱 エネルギーを熱電変換素子によって電気エネルギーとして利用することのできる熱電変換モ ジュール及びシステム技術の実用化を目的とする。また、本研究開発が幅広い分野に普及してい くことが想定されるため全体としての二酸化炭素排出削減量への貢献は多大なものになることが 期待される。

従来の熱電変換モジュールの効率は 6%前後であった。このレベルの熱電変換モジュールを用 いた熱電変換システムは、システム効率並びにその経済性が低く、二酸化炭素削減への貢献が少 ないため、実用化されなかった。熱電変換システムが社会の中で実用化され、二酸化炭素削減に 大きく貢献するためには、システム効率で 10%近くの高い値が必要であり、モジュール効率 12

~15%程度が必要である。このレベルは世界的にも極めて高い値であったが、プロジェクト開始 時点では、先導研究の調査結果等から達成の見通しがつきつつあった効率 12%の熱電変換モ ジュールの実現が必須で、さらに実用化を加速するために、より高い目標値 15%の熱電変換モ ジュールの実現が求められた。このため、本プロジェクトでは最終目標として、15%の高効率熱 電変換モジュールの目処をつけることとした。

1.2.2 シーズ側(開始時及び現時点の技術水準)から見た根拠

(1)高効率熱電変換モジュールの最終目標(熱電変換効率15%の目処をつける)

熱電変換効率 15%の達成はかなり高い目標値であるが、本プロジェクトにおいて熱電素子の 材料組成の検討、添加剤の絞込み、電荷濃度の最適化、素子形状の最適化等を通して熱電変換効 率向上を目指す。さらに使用温度域に最適化したカスケード化技術、熱抵抗の低減技術の開発を 行うことにより、上記の目標は達成可能と判断した。

(2)高効率熱電変換システム最終目標(高効率熱電変換モジュールを用いた高効率熱電変換シ ステムの実証と実用化技術の確立)

プロジェクト開始時点においては、ガスエンジンコ-ジェネレーションシステムの排熱回収、

ゴミ焼却炉の排熱回収等で熱電変換システムを研究した事例もあったが、いずれも現有低温用モ ジュールを用いたもので、効率的には不十分であり、実用化のためにはより一層の効率向上が必 要であると判断した。また、高温域モジュールの効率は全く低いレベルであることが明らかと なった。さらに、耐久性にも多くの課題があった。

本プロジェクトでは、輻射熱伝達、沸騰・凝縮熱伝達等を用いた伝熱技術の高度化と共に、耐 久性向上のための応力緩和技術を織り込んだシステムの設計・試作とその評価・改良を行う。

同時に、実用化に向けコージェネレーションシステム等、有望なシステムに適用した場合の効 果の定量的、総合的な評価を通して、熱電変換システムの普及の条件及び社会的効果について精 査する。

これらにより、上記の課題を克服するとともに、開発した熱電変換モジュールを用いたシステ ムを実証し、実用化技術の確立を目指す。

8

2.事業の計画内容

2.1 全体のスケジュール

研究開発の期間は、平成 14 年度から平成 18 年度までの 5 年間とする。表Ⅱ-5 に全体スケ ジュールを示す。

表Ⅱ-5 全体スケジュール

主な実施事項 H14年度 H15年度 H16年度 H17年度 H18年度 H19年度 高効率熱電変換

モジュールの開発

効率12%

(ΔT550K)

効率15%

(ΔT550K) 高効率熱電変換

システムの開発 成果とりまとめ

中間評価

終 了 後 、 最終評価 注)

注)

注)H14年度はMETI直轄 2.2 開発予算

平成14年度から平成18年度までの5年間の開発予算を表Ⅱ-6に示す。

表Ⅱ-6 予算

特別会計(高度化 補助率2/3)単位 百万円 会計・勘定 H14年度 H15年度 H16年度 H17年度 H18年度 合計 特別会計(高度化,助成額) 395 436 408 320 252 1,811

2.3 研究開発の内容

熱電変換システムは、産業分野では小型分散電源装置、ゴミ焼却炉、加熱炉、各種工場排熱回 収などにおいて、民生分野では住宅からの各種排熱等において、実用化が期待されている。具体 的事例としては以下のとおりである。

・電気抵抗式加熱炉排熱を熱電変換で回収し計測用等補機電力及び電気炉加熱電力に投入す    る。

・ディーゼルエンジン及びガスエンジン型コージェネ排気ガスの熱エネルギーを回収、電気 エネルギーに変換して、総合変換効率を高める

・プロジェクター用ランプ排熱を熱電変換で回収、冷却ファンを駆動することによる省エネ ルギーと、使用停止後のクールダウン時の省エネルギーを図る

・変圧器等、社会インフラ関連機器の未利用低温排熱を回収し、電気エネルギーに変換して 計測用等補機電力などに利用する

熱電変換システムの実用化を推進するためには、技術ブレークスルーを達成し、長期間に亘っ て安定して発電を可能とするだけの信頼性の実現が求められる。このためには、熱電変換モ ジュールの高性能化(高効率、高信頼性、耐久性向上等)、及び熱電変換システムの高度化を進 めることが期待されている。

また、熱電変換モジュール開発者と熱電変換システム開発者との連携並びに開発の同期、熱電 変換モジュールの統一的かつ公正な性能評価技術の確立、新たな適用先の調査などは、熱電変換 技術の研究開発、実用化普及を推進する上で是非とも必要なものである。

したがって、以下の研究開発を行う。

9

高効率熱電変換モジュールの開発では、実用化を図る上で課題となる素子材料の選定、耐久性 を有する素子構造技術、温度域に最適化を図るカスケード技術、温度損失の低減技術、熱応力緩 和技術、破損防止技術、低コスト製造技術等を開発する。また、耐久性の確認及び普及のための 調査研究を行う。

高効率熱電変換モジュールの個別研究開発テーマを表Ⅱ-7に示す。

表Ⅱ-7 高効率熱電変換モジュールの個別研究開発テーマ 高効率熱電変換モジュールの開発

(1)高温域熱電変換モジュール&カスケード型熱電変換モジュール

①高温域Zn-Sb系、低温域Bi-Te系材料を用いたカスケードモジュールの開発

②高温域Co-Sb系、低温域Bi-Te系材料を用いたカスケードモジュールの開発

③高温域シリサイド系、低温域Bi-Te系材料を用いたカスケードモジュールの開発

(2)低温域熱電変換モジュール

①プロジェクター光源等の低温域排熱利用熱電変換モジュールの開発

②低温排熱(変圧器用等)回収熱電変換モジュールの開発

(3)熱電変換モジュール性能評価技術

低温域熱電変換モジュールの性能評価を行う定型 300℃級評価装置と評価技術の開 発、高温域熱電変換モジュール&カスケード型熱電変換モジュールの性能評価を行う 定型700℃級評価装置と評価技術を開発する。

これら世界最高レベルの評価技術を用いて、(財)エンジニアリング振興協会/

(独)産業技術総合研究所は、モジュールの統一的かつ公正な性能評価を行い、当該 性能評価結果を事後評価における達成度評価に供する。(図Ⅱ-2参照)

高効率熱電変換システムの開発では、民生及び産業の分野から発生する未利用熱エネルギーを、

長期的に亘って効果的に電気エネルギーに変換する高効率熱電変換システムの開発を行い、その 実用化を図る。

高効率熱電変換システムの個別研究開発テーマを表Ⅱ-8 に示す。これらにおいて、システム 設計及び要素の開発、システム試作、評価と改良及び耐久性確認、実証試験、経済性を含む総合 評価等を行うとともに、熱電変換システムの普及に向けた調査研究を行う。

表Ⅱ-8 高効率熱電変換システムの個別研究開発テーマ 高効率熱電変換システムの開発

(1)産業用熱電変換システム

①抵抗加熱式工業炉用熱電変換システムの開発

②ディーゼルエンジンコージェネレーション向け高効率熱電変換システムの開発

③低温排熱(変圧器用等)回収熱電変換システムの開発

(2)民生用熱電変換システム

①プロジェクター光源等の低温域排熱利用熱電変換システムの開発

(3)熱電変換システム用途調査

①多用な適用に関する分析・まとめ

②コージェネレーションシステム(CGS)の検討

10

関連したドキュメント