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1-20 2.個別テーマに関する評価結果

2.1 高効率熱電変換モジュールの開発 1)成果に関する評価

低温域や高温域熱電変換モジュール各々に設定された目標値はほぼ達成して いる。各温度領域および使用した熱電材料によるモジュールの性能は世界最高 レベルである。これは高効率化に向けて熱電材料特性向上と最適化が種々の手 法・技術で検討され有益な成果を得たことによるものである。その中でも、新 たな材料として Co-Sb 系及びシリサイド系が開発されたことやシリサイド系 /Bi-Te カスケード型モジュールの設計と製造に取り組んだこと、熱電性能向上 の観点での素子構造設計に加えて熱応力・歪等の熱の影響を考慮した設計を行 い耐久性・信頼性の向上についての検討、さらにコスト低減のための検討も行 っており、解決すべき課題は残されているものの特筆した成果が得られ、実用 化に向けては一歩前進した成果を得ているといえる。今後の研究開発の進展を 見守りたい。加えて、本事業で開発された測定法などの共通基盤技術は本技術 分野の更なる発展のためにも、公開、規格化することを望む。

実用化を念頭に置いた開発のため致し方ない点があるとはいえ、本事業の結 果は従来技術を総合的に改善し、最適化したものであると思われ、画期的な開 発がなされたとは言いにくい面がある。新材料の探索や開発、素子そのものの 組成検討や他の機能素子との複合化等汎用化のための検討にも今後取り組まれ ることが望ましい。また、熱電変換素子及びモジュールの形状や構成について も、更に多面的に検討を行ない、材料の使用量、コストを抑えることを念頭に 置いた設計がなされることが望ましい。

<肯定的意見>

○ 低温領域、高温領域ともほぼ目標値を達成している。各温度領域および使用し た熱電材料によるモジュールの性能は世界最高レベルである。Zn-Sb系材 料からCo-Sb系材料への開発転換は、適切な判断であったといえる。作製 された各種モジュールを同一の評価装置にて評価した点も高く評価できる。ま た、参加企業ごとに創意工夫した材料製造方法、モジュール作製方法も確立さ れた。

○ 研究開発成果は極めて顕著であり、当初の目標水準に概ね到達している。

○ 低温域熱電変換モジュールに課した高い効率を、プロジェクター光源などの用 途を考慮した温度域に限定してであるが、達成したのは優秀である。

○ 一部の成果は、世界最高水準であると国際会議などで認められた最良レベルで ある。これらのモジュールは現在市場が存在していない民生用のモジュールと して開発されたが、熱電発電市場の新たな端緒になったことは間違いない。

○ 今回開発されたモジュールは先発者であるアメリカの Hi-Z 社のモジュールと 比較して、それを超えた性能である。

○ 成果の汎用性については今後の技術効果によるが、大略は基本計画段階で有望 であると認められていた材料での実用化を狙い、当時の技術レベルから期待で きると考えられる正常な延長で取り組んでいた。とりわけ新規な技術が得られ た様には思えなかった。すなわち、不純物の添加効果、機械加工による配向性 の向上、カスケード型モジュール設計と製造、解析の高度化などについて、従 来技術を極限まで高めることによって得られた成果である。またこれらのモジ

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ュールは、量産型に近いモジュールとして組上げられている。

○ 論文の発表も多く、新聞発表は適切に行われた。

○ 目標値は達成している。

○ 実装での短期的な結果は良好である。

○ 現状保有する素子は世界トップレベルで特性が向上している。

○ 量産化を踏まえた技術開発がされている。

○ 生産技術開発でモジュール価格の低廉化の目処が得られた。

○ 各温度範囲でのプロト型での目標仕様を満足している。

○ 新たな材料系として Co-Sb 系及びシリサイド系が開発され、モジュール効率が 目標値を達成あるいは達成の目処が得られており、大きな前進があったといえ る。

○ Bi-Te 系従来材料に関しても、一方向凝固+塑性加工プロセス、超急冷法+特 殊せん断付与固化成形法の開発により、結晶組織配向化した高効率素子の作製 技術を確立し、世界最高レベルのモジュール開発に成功している。

○ いずれの材料・モジュールも熱電システム開発にある程度有効であり、今後の 研究開発の進展を見守りたい。

○ 成果は、目標を達成している。

○ 開発された BiTe 熱電変換モジュールは、国際的にみても高い水準であり、予 定されているように大量生産時にこの性能を保ち市場に出せれば市場の拡大 が期待できる。

○ 特許取得など知的財産権確保もなされている。

○ 論文発表、フォーラム開催など、成果の普及活動も実施している。

○ 熱電モジュールの高効率化に向けて熱電材料特性向上と最適化が種々の手 法・技術で検討され有益な成果を得ている。Zn4Sb3 で世界最高水準の熱電性能 が得られている点や、環境負荷・資源量の観点からシリサイド系材料の開発に 進展があった点は意義がある。高温度域シリサイド系/Bi-Te カスケードモジュ ール、低温度域 Bi-Te モジュールで、世界的にも高水準のモジュール開発が達 成できた点を評価する。

○ 各システムに適用するモジュールを最適設計するために、熱電性能向上の観点 での素子構造設計に加えて熱応力・歪等の熱的な影響を考慮した設計を行い耐 久性・信頼性の向上についての検討、さらにコスト低減のための検討も行って おり、解決すべき課題は残されているものの実用化に向けては一歩前進した成 果を得ている。

<問題点・改善すべき点>

● モジュールを構成する熱電エレメントのディメンションや構成については、多 くの検討を行っていないように見受けられる。熱電材料は、資源的に問題が大 きな材料である。材料の使用量、コストを抑えるためにも、モジュールを構成 するエレメントを含めた設計が望まれる。

● 高温域熱電変換モジュールに課した 15%という極めて高い数値目標の定量的な 目標設定は明瞭である。基本計画にある「達成の目処をつける」との表現は少々 不適切なように思われる。成果では幾つかの事例につき、「概ね目処を得た」

といった定性的な表現が多用されているが、何をもって達成の目処を得たとす るかは難しいものがある。

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● 従来技術を総合的に改善し、最適化した結果であるので、今後さらに卓越した 展開は期待できそうにない。新材料の開発が待たれる。もし、優れた新材料が 開発されたならば、本研究プロジェクトの成果をすぐさま適用できるように準 備されることを望みます。

● モジュールの成分系、新規生産方式などで、より一層の特性向上を願う。

● 低価格の汎用化モジュールについても検討いただきたい。

● 変換効率の目標ではなく、入熱に対する発電量、長期間保障、メンテナンスな どの使用者側の視点での指標に対しての効果を明確にしてもらいたい。

● 測定法などの共通技術は公開し規格化してもらいたい。

● 接合技術の長期保証面からより高度化を進めたい。

● 受熱部や冷却部には短絡を防止するため、どうしても絶縁性の高い材料を使う 必要があり、それは断熱性の高いものとなる。従ってその部分におけるより効 率化が必要。

● 新材料として期待していた Zn4Sb3 系の開発が途中で断念されたのは残念であ る。やむなく開発した ZnSb 系材料は従来から知られていた材料であり、これ の改良(?)によるモジュールも当初目標を達成するには至っていない。N 型 化の必要性は指摘されているが、その具体的展望が明らかにされていないため、

この材料の将来性は不明である。

● シリサイド系、ZnSb 系の熱電変換モジュールは、国際的にみても高い水準であ るものの早期に実用化の目途をつけ、生産販売できる段階に達することが望ま しい。

● 高温度域 Zn-Sb/Bi-Te カスケードモジュールでは当初の材料組成で元素拡散の 問題から組成を変更し、材料特性から効率 9.7%の目処を得たとしているが、

最終目標の効率 11%を得る課題解決策を見出していない。事業化の計画によれ ば、将来は高温度域の排熱(産業排熱、製造プラント、移動体など)への適応 を検討しているが、そのためにはカスケードモジュールの材料・組成を含め再 検討を行いモジュールの高性能化が達成されることが求められる。

<その他の意見>

今回は見送られたが、素子そのものの組成検討や他の機能素子との複合化等汎 用化のための検討は大切である。

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