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1-27 2.2 高効率熱電変換システムの開発

1)成果に関する評価

開発された各々のシステムはいずれも独自性が高く、各々で設定している目 標値は一部目標を多少下げたものがあるものの、耐久性を確保した上で概ね達 成している。本事業では産業用が3テーマ、民生用が1テーマ採用し、いずれ も既存の設備、装置に取り付けることに留意しており、本事業の目的にあった ものであり妥当であった。熱伝達の方法として、輻射を利用したもの、ヒート パイプの原理である沸騰・凝縮を利用したものなど新規性が高く、一定の成果 が得られている。熱電発電市場の創造になった点もあり、信頼性や低コスト化 が実現すれば、今後の応用展開が期待される。

しかしながら、各々のシステムがどの程度付加価値が付与されているかが明 確にされていない。システムで発電した電力の利用も含めて適用する設備や装 置全体での省エネ効果などの付加価値を使用者側の視点で実証、評価しておく べきであった。また、既存の設備、装置に取り付けるという必然性から、各シ ステムとも必ずしも汎用性がある形態をとっていない。コスト、汎用性を高め るためにも共通化、規格化が望まれた。知的財産保護の関係もあるが、この様 な観点からも実施者相互が協力し本事業を進めるべきであった。加えてシステ ムの運転環境・条件における適応性の検証、実証が十分なされていないことな ど今後の実用展開へ向けて多くの課題を残しており、市場開拓・顧客確保の面 から更なる検討を要する。

一般社会へ熱電変換技術が認知されるほどのアピールがなされたとは言えな い。今後も熱電変換技術の重要性を社会に認知してもらうよう PR していただき たい。

<肯定的意見>

○ システムはいずれも独自性が高く、各々目標値を概ねクリアしている。開発テ ーマが、産業用が3テーマ、民生用が1テーマというのも妥当であった。いず れも、既存の熱源設備、装置に取り付けるものであり、本プロジェクトの趣旨 にあったものであり、当初の目標を達成している。

○ 熱伝達の方法として、輻射を利用したもの、ヒートパイプの原理である沸騰・

凝縮を利用したものなど新規性が高く、今後の応用・展開が期待される。

○ 研究開発成果は概ね良好であり、当初の目標水準にほぼ到達している。全体と しても計画段階での目標は概ね到達の目処を得た。なかでも効果の大きいディ ーゼルエンジンコジェネレーション向けの開発について、新規な熱回収システ ムを導入して高いシステム効率を達成したことは特筆できる。

○ 現在存在していない熱電発電市場の創造になった。特に光源への利用を積極的 に検討して成果を挙げている。

○ 論文の発表や、新聞発表は適切に行われ、多くの報告を生み出している。成果 の受取手に対して適切に普及活動が行われた。一般向けの啓蒙活動も積極的に 行われた。

○ 目標値は達成している。

○ 実装での短期的な結果は良好である。

○ 各温度範囲でのプロト型モジュールを使用しシステムの目標仕様を満足して いる。

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○ 想定したシステムへの熱電応用のいくつかは相当程度の成果が上がっている と思われる。これは熱電モジュールの開発成果に基本的に支えられている。

○ 一部目標を多少下げたものもあるが、成果は、ほぼ目標を達成しており、国際 的にみても大きな成果を得た。

○ 各熱電変換システムともに当該プロジェクトの最終目標値を実証もしくは目 処を得ており概ね達成できている。

○ 抵抗加熱式工業炉システムでは輻射熱を利用する場合の要素技術について一 定の成果が得られている。

○ コージェネレーションシステムへの応用については、ガス排熱から高効率にモ ジュールへ伝熱する手法として沸騰・凝縮型熱交換器システムを検討した点に 新規性がある。

○ 変圧器等の社会インフラ用システムは、BiTe 材料に適した温度域の応用であり、

信頼性と低コストが実現できれば、低温排熱の回収や自然熱など適応の幅が広 がることが期待される。

○ プロジェクター光源排熱利用は、波及技術展開として大型照明器具・高輝度 LED 照明等への適用へ繋がると望ましい。

<問題点・改善すべき点>

● 既存の設備、装置に取り付けるという必然性から、各システムとも必ずしも汎 用性がある形態をとっていない。コスト、汎用性を高めるためにも共通化、技 術の公開が望まれる。参加企業間の相互協力関係も望まれる。

● 数値目標を完全に達成したのは2つの応用例に留まったのは少し残念である。

● 成果の汎用性は輻射熱の利用技術や蒸発潜熱による熱回収技術など一部の点 ではかなり有望であると思われるが、そのほかの技術や用途に応用する具体的 な展望が見られなかった。

● 抵抗炉への応用は興味深いが、定常的な使い方を想定した場合、熱の有効利用 の観点からは断熱を十分にして保温を考える方が、冷却によって発電するより 全体効率が向上するのではないかと思う。一方、過度の断熱は被処理物の冷却 過程に長い時間が必要となることから抵抗炉に要求される操業時間とのバラ ンスの中でさらに十分検討して欲しい。

● 熱電変換技術と原理的に全く異なる方法による発電とは概念と適用温度範囲 が異なり、直接比較することが出来ない。

● 熱電発電技術を適用することで製品に付加価値がどの程度付与されるか、を数 値的に効用を示し社会に発信する必要がある。

● 試行システムで、有効なコストパフォーマンスを期待している。

● 変換効率の目標ではなく、実用上の初期投資と償却期間、入熱に対する発電量、

長期間保障、メンテナンスなどの使用者側の視点での指標に対しての効果を明 確にしてもらいたい。

● 受熱部や冷却部のより効率化が必要。

● 熱電システム開発に関しては、目標が達成されたものもあるが、達成されたも のも未達成のものも今後の実用展開へ向けて多くの課題を残しており、市場開 拓・顧客確保の面から更なる検討を要する。

● 折角の成果があまり外部に出てこず、説明責任の点で若干問題があると感じる。

論文、国際会議等での発表、受賞等を通じて成果発信をしてはいるが、その数

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は十分とは言えず、また他分野を含む一般社会へのアピールがあまり多くなか ったとの印象を持つ。モジュール開発に関しては、各社で競争する態勢を取っ たため、その成果の詳細が外部に出なかったようで、やむを得ないかもしれな い。今後は顧客確保のためにも熱電の重要性を社会に認知してもらう努力を惜 しまないで頑張って欲しい。

● 個々のシステム用途について技術開発知見を確かなものにしているが、広い適 用の観点からシステム技術の成果をまとめていくことが望ましい。

● 当該プロジェクトの効率の目標値は概ね達成されているが、実用化に向けた研 究開発である観点から、各システムはいずれも熱電変換システム部分の効率で 評価されているので、回収した電力の利用も含めて適用するシステム全体での 省エネルギー効果を実証評価する必要がある。

● 目標値達成の目処を得たとするシステムは、所期の高効率モジュールが達成さ れていることが前提となっているので、実用化・事業化に向けては高効率モジ ュールが確実に達成されることが必要である。熱技術の面では高効率化の余地 が残されている。さらに、コストと耐久性・信頼性には依然多くの課題が残さ れている。変圧器用システムは模擬実証試験評価であるので、風雨に曝される 影響や気温変動によるモジュールの放熱への影響など実際の運転環境・条件で の実機による検証も望まれる。

<その他の意見>

熱エネルギーの電気エネルギーへの変換は、多種多様にあり、環境を損なう電 気エネルギー創生を熱から作り出すこととすれば、今回の対象はかなり限定し たものであり、緒に就いたばかりである。使用者からみれば、変換効率と言う 視点だけでは不十分で、発生電力や断熱特性といった使用者が興味を持つ視点 でその活動の成果を表現してもらうと良かった。

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