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XRD (X-Ray Diffractometer)

ドキュメント内 島根大学審査学位論文(k667) (ページ 40-43)

第 2 章 装置原理

2.1. XRD (X-Ray Diffractometer)

XRD (X-Ray Diffractometer)は結晶質の試料に特性X線を入射し、結晶からの回折X線を

測定することによって、結晶相、配向性などを評価する装置である。本節においては相の 同定並びに格子定数の決定に用いた2法、結晶の配向性を調べるために用いたロッキン グカーブ測定並びにスキャン測定の原理を説明する。

2.1.1. 2法

ディフラクトメータによる測定方法の一つとして、一般的に2法が用いられる。図 2-1

にXRD 2–法の概略図を示す。X線源から照射されたX線は試料の最表面で回折し、計数

管が移動することによって 2の値と強度が記録される。このとき、計数管は試料の表面を 中心軸とした円周上を移動する。計数管が2移動するとき、試料回転台が回転する。この ように測定することで、常に試料表面に対する入射角と回折角が等しい回折 X 線が記録さ れる。以上のことから、2法で測定するのに適している試料は、試料ホルダーに圧粉して 表面を平坦にした粉末や、基板上に成膜された試料など、表面が平面的な試料である。

2法の長所は、粉末試料の作成が試料ホルダーに圧粉するだけであるため簡易的であ ることや、配向面に対する入射角と回折角が常に等しい状態で測定しているため試料が配 向していても測定できるという点が挙げられる。また、試料に対するX 線の照射面積が大 きく強度の強い回折X線を得られる集中法を用いることができ、これは大きな長所である。

本研究においては、2法によって合成相の同定並びに格子定数の評価を行った。

2.1.2. スキャン(ロッキングカーブ測定)

測定対象の試料の結晶が配向している場合、2法では回折X 線を観察できない場合が ある。これは、デバイシュラー環は無秩序な向きで結晶子が配置されていなければ出来ない こと、また、2法においては、X線の入射角と回折角が常に試料表面に対して等しい角度

図 2-1 XRD 2法の概略図 2

 X線源

計数管 試料

回転試料台

入射X線

回折X線

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になるように測定されるため、試料表面に平行な回折面が存在しない場合、回折が起こらな いことが原因である。このような時、結晶の有する回折面の向きに対して、入射角と回折角 が等しくなるように調整(補正)する必要があり、スキャン(ロッキングカーブ測定)を行う。

配向した試料から回折が予測される2に計数管を固定し、試料をだけ回転させることによ って、回折面に対して入射角と回折角が等しくなった時に、計数管によって回折 X 線が観

察される(図 2-2 (a))。配向した試料であれば、図 2-2 (b)に示すようなパターンを得ること

が出来る(無配向であれば平坦なパターンが得られる)。回折強度が最大となるように、に オフセットをかければ補正が完了する。

また、スキャンから試料の配向性を評価することが出来る。試料中の結晶が強く配向し ているほど、ピークパターンは鋭くなり、その鋭さを示す指標として、ピークの最大値の半 分の値におけるピーク幅 (FWHM: Full width at half maximum)と言う値が用いられる。FWHM が小さいほど配向性は高い。本研究では、超伝導相の配向性を検討するために、スキャン 測定を行った。

 スキャン測定

スキャンからは結晶の1つの軸がどれだけ同じ向きを向いているかという1次元的な 情報が得られるが、1つの軸が同じ向きであっても、残りの軸が同じ向きであるとは限ら ない。ある向きに結晶の1つの軸が配向している場合、残りの軸がその軸に対してどれだ け回転しているかのばらつきの度合いは、スキャンによって評価することができる。

図 2-3にスキャンの概略図と、面内方向に配向した試料のスキャン結果の模式図を示

す。スキャンにおいては、特定面からの回折を予測し、予めその面から回折が得られる ように並びにの値を設定する必要がある(図 2-3 (a))。は回折が予測される面の2の値 から設定する。X線源並びに計数管を、試料の既知の配向軸からだけ傾ける。は回折が 予測される回折面の面指数から求めることが出来る。この状態において、を回転させる

FWHM

[degree]

Intensity [cps]

配向試料 回折面

 (回転)

2 (固定) 入射X線

回折X線

計数管

(a) (b)

2-2 (a)スキャン(ロッキングカーブ測定)の概略図と、(b)配向した試料のス キャン結果の模式図。

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ことによって、図 2-3 (b)のようなスキャン結果を得ることが出来る。模式図において

は、90間隔でピークが現れており、結晶の対称性が既知の配向軸に対して四回対称である

ことを示す。無配向である場合には、平坦に近いパターンが得られる。本研究において は、単結晶基板上にc軸配向したRE123に対してスキャンを行うことで、a, b軸の配向情 報を得た。

 

回折面

X線源 配向試料 計数管

Intensity [cps]

[degree]

90

(a)

(b)

2-3 (a)スキャンの概略図と、(b)面内方向に配向した試料のスキャ ン結果の模式図。模式図は、結晶の対称性が四回対称の場合。

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