4.3.1 概要
VLAN インタフェースは VLAN が通信可能な状態になったときにアップして,VLAN のポートがダウン したときや,スパニングツリーなどの機能でブロッキング状態になり通信できなくなったときにダウンしま す。
VLAN debounce 機能は,VLAN インタフェースのアップやダウンを遅延させて,ネットワークトポロジ の変更や,システムメッセージ,SNMP Trap などを削減する機能です。
スパニングツリーや Ring Protocol など,レイヤ 2 での冗長構成を使用したときに障害が発生した場合,
通常レイヤ 3 のトポロジ変更と比べて短い時間で代替経路へ切り替わります。VLAN debounce 機能に よってレイヤ 2 での代替経路への切替時間まで VLAN インタフェースのダウンを遅延させると,レイヤ 3 のトポロジを変化させないですみ,通信の可用性を確保できます。
レイヤ 3 での冗長構成を使用する場合,マスタ側に障害が発生したあとの回復時に,両系がマスタとして 動作することを防ぐために VLAN インタフェースのアップを遅延させたいとき,VLAN debounce 機能で VLAN インタフェースのアップを遅延できます。
4.3.2 VLAN debounce 機能の動作契機
(1) VLAN インタフェースのダウンに対する動作契機
VLAN で通信できるポートがなくなった場合に,VLAN インタフェースのダウンに対する VLAN debounce 機能が動作します。VLAN インタフェースのダウンに対する VLAN debounce 機能の動作契 機を次の表に示します。
表 4‒2 VLAN インタフェースのダウンに対する VLAN debounce 機能の動作契機
契機 備考
ポートのリンクダウン −
VLAN ポートのブロッキング状態への変更※ − リンクアップしているポートを VLAN から削除(コンフィグ レーションの変更)
VLAN に所属するポートが 0 になった場合は,す ぐに VLAN インタフェースもダウンします
(凡例)−:該当なし
注※ スパニングツリー,Ring Protocol などによります
(2) VLAN インタフェースのアップに対する動作契機
VLAN で通信できるポートが一つできた場合に,VLAN インタフェースのアップに対する VLAN debounce 機能が動作します。ただし,コンフィグレーションコマンド up-debounce の extend パラメー タの有無によって動作契機が異なります。VLAN インタフェースのアップに対する VLAN debounce 機 能の動作契機を次の表に示します。
表 4‒3 VLAN インタフェースのアップに対する VLAN debounce 機能の動作契機
契機 extend パラメータあり extend パラメータなし
装置起動および再起動 ○ ×
4 VLAN 拡張機能
契機 extend パラメータあり extend パラメータなし
ポートのリンクアップ ○ ○
VLAN ポートのフォワーディング状態への変更※ ○ ○
コンフィグレーションコマンド state active で VLAN を enable 状態へ変更
○ ×
リンクアップしているポートを VLAN に追加(コンフィグ レーションの変更)
○ ○
(凡例)○:VLAN debounce 機能が動作する ×:VLAN debounce 機能が動作しない 注※ スパニングツリー,Ring Protocol などによります
4.3.3 VLAN debounce 機能と他機能との関係
(1) スパニングツリー
スパニングツリーでは,ポートに障害が発生して代替経路へ変更されるまでに,スパニングツリーのトポロ ジ変更に必要な時間が掛かります。この間に VLAN インタフェースをダウンさせたくない場合は,VLAN インタフェースのダウン遅延時間をトポロジ変更に必要な時間以上に設定してください。
(2) Ring Protocol
Ring Protocol を使用する場合,マスタノードではプライマリポートがフォワーディング状態,セカンダリ ポートがブロッキング状態となっています。VLAN debounce 機能を使用しない場合,プライマリポート で障害が発生するといったん VLAN インタフェースがダウンして,セカンダリポートのブロッキング状態 が解除されると再び VLAN インタフェースがアップします。
このようなときに VLAN がいったんダウンすることを防ぐためには,VLAN インタフェースのダウン遅延 時間を設定してください。なお,ダウン遅延時間はコンフィグレーションコマンド health-check
holdtime で設定する保護時間以上に設定してください。
(3) その他の冗長化機能
スパニングツリーや Ring Protocol 以外の冗長化を使用する場合でも,VLAN が短時間にアップやダウン を繰り返すときには,VLAN debounce 機能を使用するとアップやダウンを抑止できます。
4.3.4 VLAN debounce 機能使用時の注意事項
(1) ダウン遅延時間の注意事項
ダウン遅延時間を設定すると,回復しない障害が発生した場合でも VLAN のダウンが遅延します。VLAN debounce 機能でダウンが遅延している間は,通信できない状態です。ダウン遅延時間は,ネットワークの 構成や運用に応じて必要な値を設定してください。
VLAN にコンフィグレーションコマンド state で suspend パラメータを設定したときや VLAN のポート をすべて削除したときなど,コンフィグレーションを変更しないとその VLAN が通信可能とならない場合 には,ダウン遅延時間を設定していても VLAN のダウンは遅延しません。
4 VLAN 拡張機能
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(2) アップ遅延時間の注意事項
アップ遅延時間を設定すると,いったんアップした VLAN がダウンしたあと,再度アップするときにアッ プが遅延します。装置を再起動すると,VLAN は初期状態になるため,アップ遅延時間を設定していても VLAN のアップは遅延しません。
4 VLAN 拡張機能