(4) BPDU ガード
6.2 Ring Protocol の基本原理
図 6‒5 マルチリング構成
それぞれのリングを構成しているノードは独立したシングルリングとして動作します。このため,リング障 害の検出および復旧の検出はそれぞれのリングで独立して行われます。
(3) 共有リンクありのマルチリング構成
マルチリング構成のうち,隣接するリングの接点となるノードが二つ以上の場合の構成について次の図に示 します。
図 6‒6 共有リンクありのマルチリング構成
複数のシングルリングが,二つ以上のノードで接続されている場合,複数のリングでリンクを共有すること になります。このリンクを共有リンクと呼び,共有リンクのあるマルチリング構成を,共有リンクありのマ ルチリング構成と呼びます。これに対し,(2)のように,複数のシングルリングが一つのノードで接続さ れている場合には,共有リンクがありませんので,共有リンクなしのマルチリング構成と呼びます。
共有リンクありのマルチリング構成では,隣接するリングで共通の VLAN をデータ転送用の VLAN グ ループとして使用した場合に,共有リンクで障害が発生すると隣接するリングそれぞれのマスタノードが障 害を検出し,複数のリングをまたいだループ(いわゆるスーパーループ)が発生します。このため,本構成 ではシングルリング構成とは異なる障害検出,および切り替え動作を行う必要があります。
6 Ring Protocol の解説
Ring Protocol では,共有リンクをリングの一部とする複数のリングのうち,一つを共有リンクの障害およ び復旧を監視するリング(共有リンク監視リング)とし,それ以外のリングを,共有リンクの障害および復 旧を監視しないリング(共有リンク非監視リング)とします。また,共有リンクの両端に位置するノードを 共有リンク非監視リングの最終端ノード(または,共有ノード)と呼びます。このように,各リングのマス タノードで監視対象リングを重複させないことによって,共有リンク間の障害によるループの発生を防止し ます。
6.2.2 制御 VLAN
Ring Protocol を利用するネットワークでは,制御フレームの送信範囲を限定するために,制御フレームの 送受信に専用の VLAN を使用します。この VLAN を制御 VLAN と呼び,リングを構成するすべてのノー ドで同一の VLAN を使用します。制御 VLAN は,リングごとに共通な一つの VLAN を使用しますので,
マルチリング構成時には,隣接するリングで異なる VLAN を使用する必要があります。
6.2.3 障害監視方法
Ring Protocol のリング障害の監視は,マスタノードがヘルスチェックフレームと呼ぶ制御フレームを定期 的に送信し,マスタノードがこのヘルスチェックフレームの受信可否を監視することで実現します。マスタ ノードでは,ヘルスチェックフレームが一定時間到達しないとリング障害が発生したと判断し,障害動作を 行います。また,リング障害中に再度ヘルスチェックフレームを受信すると,リング障害が復旧したと判断 し,復旧動作を行います。
6.2.4 通信経路の切り替え
マスタノードは,リング障害の検出による迂回経路への切り替えのために,セカンダリポートをブロッキン グ状態からフォワーディング状態に変更します。また,リング障害の復旧検出による経路の切り戻しのため に,セカンダリポートをフォワーディング状態からブロッキング状態に変更します。これに併せて,早急な 通信の復旧を行うために,リング内のすべてのノードで,MAC アドレステーブルエントリのクリアが必要 です。MAC アドレステーブルエントリのクリアが実施されないと,切り替え(または切り戻し)前の情報 に従ってデータフレームの転送が行われるため,正しくデータが届かないおそれがあります。したがって,
通信を復旧させるために,リングを構成するすべてのノードで MAC アドレステーブルエントリのクリアを 実施します。
マスタノードおよびトランジットノードそれぞれの場合の切り替え動作について次に説明します。
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図 6‒7 Ring Protocol の経路切り替え動作概要
6 Ring Protocol の解説
(1) マスタノードの経路切り替え
マスタノードでは,リング障害を検出するとセカンダリポートのブロッキング状態を解除します。また,リ ングポートで MAC アドレステーブルエントリのクリアを行います。これによって,MAC アドレスの学習 が行われるまでフラッディングを行います。セカンダリポートを経由したフレームの送受信によって MAC アドレス学習を行い,新しい経路への切り替えが完了します。
(2) トランジットノードの経路切り替え
マスタノードがリングの障害を検出すると,同一の制御 VLAN を持つリング内の,そのほかのトランジッ トノードに対して MAC アドレステーブルエントリのクリアを要求するために,フラッシュ制御フレームと 呼ぶ制御フレームを送信します。トランジットノードでは,このフラッシュ制御フレームを受信すると,リ ングポートでの MAC アドレステーブルエントリのクリアを行います。これによって,MAC アドレスの学 習が行われるまでフラッディングを行います。新しい経路でのフレームの送受信によって MAC アドレス 学習が行われ,通信経路の切り替えが完了します。
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