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VERITAS NetBackup におけるバックアップとリカバリの基本概念

ドキュメント内 VERITAS NetBackup™ の技術概要 (ページ 33-46)

以降の項では、バックアップ オペレーションに関係する基本概念について説明します。

ストレージユニット

VERITAS NetBackup は、すべてのストレージデバイスとメディアを論理ストレージユニットに関連付けます。NetBackup では、ストレージユニットは論理エンティティを指します。この論理エンティティには、特定のメディア密度の物理ストレージ デバイスが 1 台以上含まれ、特定のホストに接続されます。ストレージユニットは 3 つに分類できます。

直接接続されたスタンドアロンあるいはロボティック メディアのストレージユニット。これは、VERITAS NetBackup メディア マネージャによって管理され、テープデバイスまたは光デバイスが含まれます。

NDMP(Network Data Management Protocol)を介して VERITAS NetBackup メディア マネージャにより管理されるスタ ンドアロンあるいはロボティックのストレージユニット

ディスク ファイルシステム ストレージユニット。これは、バックアップデータまたはアーカイブデータを受け取るファイルシス テム内の指定ディレクトリから構成されます。

設定時に、NetBackup 管理者は、最初に必要なデバイスとメディアをすべて設定し、次にすべてのデバイスとメディアを適 切な VERITAS NetBackup ストレージユニットにグループ化します。たとえば、Hewlett-Packard 光ディスク ライブラリを 1 つのストレージユニットに指定し、ATL テープライブラリを別のストレージユニットに指定して、それぞれのホストにすること が可能です。個々のストレージユニットや 1 つのストレージユニット内の個々のデバイスに、優先順位を割り当てることが できます。VERITAS NetBackup™ には、バックアップ中に使用するストレージユニットを設定する機能があり、VERITAS

NetBackup を使用すれば、ストレージユニットの指定が非常に柔軟にできるようになります。

VERITAS NetBackup では、バックアップおよびリストア中に必要となるメディアを指定できます。VERITAS NetBackup メ ディア マネージャが自動的に指定したメディアを検出し、使用可能なストレージユニット内のデバイスにこのメディアをマウ ントします。

このストレージユニットという考え方により、バックアップの設定が容易になります。管理者が、個々のデバイスを意識する 必要がなく、クライアントバックアップに必要なタイプのストレージユニットを割り当てるだけで十分だからです。また、同じタ イプのストレージが必要になった場合、このストレージは、VERITAS NetBackup メディア マネージャと VERITAS NetBackup 構成に追加され、自動的かつトランスペアレントに使用できるようになります。

これにより、バックアップ ストレージへの仮想アプローチが可能になります。詳しくは、後述の「スクラッチプール」の項を参 照してください。

VERITAS NetBackup ポリシー

VERITAS NetBackup の重要な機能に、バックアップポリシーの設定があります。1 つのポリシーは、バックアップニーズ

が類似している 1 つ以上のクライアントから構成されます。VERITAS NetBackup クライアントは、1 つ以上のポリシーに 所属することが必要です。多くの場合、複数のポリシーに所属します。旧バージョンの NetBackup では、ポリシーはクラス と呼ばれていました。

VERITAS NetBackup ポリシーの主なメリットは、管理者がクライアントをポリシーにグループ化し、バックアップの設定の

対象をクライアントごとにではなく、グループ全体にできることです。

さらに、1 つのクライアントを複数のポリシーに所属させることができるため、管理者は同じクライアント上の異なるファイル に異なるスケジュールを設定したり、1 つのクライアントに対して自動バックアップのポリシーとユーザー指示によるバック アップ/アーカイブのポリシーの 2 つを割り当てることもできます。

新しいクライアントがインストールされた場合には、そのクライアントを既存のポリシーに追加することができる他、管理者 は新しいクライアント用に新しいポリシーを一対一で定義することもできます。新しいポリシーを作成する容易な方法は、既 存のポリシーのクローンを作成し、そのクローンを変更することです。

管理者が各ポリシーで設定するプロパティは次のとおりです。

ファイル — ポリシーに従った自動バックアップ オペレーションの対象となるファイルのリスト。リスト上のすべてのファイル がすべてのクライアントに存在する必要はありません。ファイル リストは、必要なファイルのスーパーセットにする方が多く の場合に便利です。管理者またはユーザーは、各クライアントバックアップから除外するファイルのリストを指定することも できます。除外リストはポリシー定義の一部ではなく、各クライアントに対して固有です。

クライアント – ポリシー内のクライアントのリスト。VERITAS NetBackup に新しいクライアントが追加された場合、管理者 は新規クライアントのホスト名を該当するポリシーに追加するだけで十分です。また、クライアント ソフトウェアを自動的に ネットワークインストールすることもできます。

スケジュール – ポリシーに該当するスケジュールのリストです。詳しくは、次のスケジュールに関する項を参照してください。

ポリシー タイプ – 設定しているポリシーのタイプを指定します。大部分の UNIX クライアントではStandardポリシー タイプ を使用します。Windows クライアントでは、MS-Windows-NT ポリシー タイプを使用します。その他のポリシー タイプは特 殊な場合に使用します。たとえば、Microsoft Exchange クライアントをバックアップする場合は、Microsoft Exchange サー バーバックアップ タイプを指定し、Oracle を実行しているクライアント上の Oracle データベースをバックアップする場合は、

Oracle バックアップ タイプを指定します。

ポリシー ストレージユニット – ファイルのバックアップ先となるストレージデバイスのタイプを指定します。これはオプション です。指定しない場合は、バックアップとアーカイブは、使用可能な任意のストレージユニットに格納されます。バックアップ とアーカイブの保管先を、使用可能で優先順位の高いストレージユニットから先に選択するように設定することができます。

ポリシー ボリューム プール – バックアップの保管に使用するボリューム(メディア)を指定します。指定しない場合、バック アップとアーカイブにはデフォルトの NetBackup ボリューム プールが使用されます。

ポリシー属性 – ポリシー固有の属性は次のとおりです。

◯  ポリシーごとのジョブ数の制限 – 使用するポリシーで同時に実行できるクライアント ジョブの数を指定します。管 理者はネットワーク ロード バランシングのため、このパラメータを使用できます。

◯  ジョブ優先順位 – このポリシーの他のポリシーに対するバックアップ優先順位を指定します。最も重要なデータ を確実に最初にバックアップするために、このパラメータは有用です。

◯  キーワード フレーズ – ポリシーを一意の名前で定義できるため、管理者はリストア中にこのポリシーを容易に参 照できます。デフォルトでは、キーワード フレーズはありません。

◯  アクティブ – NetBackup がこのポリシーに基づくバックアップまたはアーカイブを許可するかどうかを指定します。

この指定は、ネットワークのトラブルシューティングや補修などのために、一時的にポリシーを無効にする場合に 便利です。管理者はポリシーがアクティブになる日時を指定することもできます。

◯  バックアップ ネットワーク ドライブ – 該当クライアントに NFS マウントされているリモートファイルのバックアップ を許可するかどうかを指定します。

◯  クロス マウントポイント – VERITAS NetBackup がディレクトリ パスとファイルをバックアップするとき、ファイル システムを交差させるかどうかを指定します。

◯  True Image リストア情報の収集 – このポリシーに属するクライアントによりバックアップ

◯  されたディレクトリについて、その True Image リカバリをサポートするために必要な情報を NetBackup が収集 するかどうかを指定します。詳しくは、後述の「True Image リストア」の項を参照してください。

◯  イメージ圧縮 – バックアップ オペレーション時にデータ圧縮を使用するかどうかを指定します。

◯  暗号化 – バックアップ オペレーション時にクライアント で暗号化を有効にするかどうかを指定します。56 ビット DES暗号化がサポートされます。暗号化は、別売りの NetBackup オプションです。

すべてのポリシー定義は、NetBackup マスターサーバー上の設定データベースに保管されます。VERITAS NetBackup サーバーのストレージドメインを複数持つネットワークの場合、クライアントは複数のマスターサーバー上のポリシーに所属 することが可能です。クライアントは通常は 1 つのマスターサーバーを使用しますが、他のマスターサーバーが使用できる のであれば、通常のマスターサーバーがダウンした場合にもバックアップが実施できます。クライアントにクリティカルデー タが存在する場合には非常に有効な機能です。

スケジューリング

各 VERITAS NetBackup ポリシーには、その対象であるバックアップとアーカイブを制御するためスケジュールセットがあ

ります。これらのスケジュールはポリシー定義の一部であり、ポリシーの各スケジュールは、そのポリシーに属するクライア ントとファイルのリスト全体に影響します。

次の図 23 に代表的なポリシーを示します。ここでは、毎週 1 回フルバックアップを実行し、その後、1 日おきにインクリメン タルバックアップを実行します。

ドキュメント内 VERITAS NetBackup™ の技術概要 (ページ 33-46)

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