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SHARED STORAGE OPTION(ダイナミック ドライブ共有)

ドキュメント内 VERITAS NetBackup™ の技術概要 (ページ 55-58)

VERITAS NetBackup の Shared Storage Option ソフトウェアにより、個々のテープドライブ(スタンドアロンの場合も、ロ ボティック ライブラリ内の場合も)を、複数の NetBackup マスターサーバーまたはメディアサーバー間で動的に共有するこ とができます。ドライブは、バックアップ/リストア オペレーションでの必要に応じて、動的に NetBackup サーバーの間に割 り当てることができます。このソフトウェア オプションでは、SCSI マルチプレクサやファイバ スイッチ/ハブ ストレージエリア ネットワーク(SAN)など適切なハードウェア接続が必要です。ロボット制御が SCSI ベースの場合には、1 つのホストでロ ボティックデバイスを制御します(下の「テープライブラリの共有」の項を参照してください)。

次の図 41 に、共有ドライブ構成の例を示します。複数の NetBackup サーバー(マスターサーバーまたはメディアサー バーなど)が、ファイバ スイッチまたは SCSI スイッチにより接続された 1 つ以上のマルチドライブライブラリを中心として グループ化されています。システム管理者は、セットアップ時に、NetBackup サーバー間で共有されるドライブを、共有ドラ イブとして定義します。共有ドライブとして指定されていないドライブは、1 つのサーバー専用となります。すべての共有ドラ イブは、SAN 内のどの NetBackup サーバーからも利用できます。ある NetBackup サーバーでバックアップ セッションが 開始すると、このサーバーは、使用可能な共有ドライブから適切な数のドライブを要求します。要求された数のドライブが使 用可能な場合、ドライブはこのサーバーに割り当てられ、スイッチの電気的接続が設定されて、バックアップが開始します。

バックアップ セッションが終了すると、ドライブの割当ては解除され、他の NetBackup サーバーが使用できるようになりま す。他の NetBackup サーバーがバックアップまたはリストアのオペレーションを開始した場合も、同じプロセスが繰り返さ れます。すべての共有ドライブが割り当てられると、バックアップ/リストア セッションは、要求された数のドライブが使用可 能になるまでキューに入ります。

図 41: NetBackup の Shared Storage Optionを使用した NetBackup サーバー間でのテープドライブ リソースの共有

テープライブラリの共有

VERITAS NetBackup メディア マネージャにより、複数のバックアップサーバーが 1 つのマルチドライブ テープライブラリ を共有することが可能になります。1 つの NetBackup サーバーが「ロボット コントローラ」として機能し、他の NetBackup サーバーは、ロボット コントローラにテープ マウント/ディスマウント サービスを要求します。この構成では、各 NetBackup サーバーが専用のデータパスを確保し、大型テープライブラリのコスト効果と経済性を犠牲にすることなく、パフォーマンス を最大にすることができます。

図 42: NetBackup サーバー間での大型ロボティック ライブラリの共有

下の図 43 に示すように、NAS NDMP ホストに接続されたライブラリも、複数の NDMP NAS サーバーおよび 1 つ以上の NetBackup サーバー間で共有することができます。上記の NetBackup サーバーの場合と同様に、NetBackup サーバー または 1 つの NAS NDMP ホストがライブラリのロボットを制御します。

図 43: NetBackup サーバーと NDMP NAS サーバー間でのロボティック ライブラリの共有

ロボット インベントリの管理

ロボットの内容を管理することは重要な作業であり、多数のロボティック ボリュームを持つサイトでは非常に困難な場合が あります。VERITAS NetBackup メディア マネージャには、この作業を容易にするためのオプションがあります。このオプ ションにより、管理者は次のことが可能になります。

新しいロボットに対応した情報のボリューム データベースへの自動登録。

新しい構成では、管理者がロボットに新しいメディアをロードし、VERITAS NetBackup メディア マネージャに対して、ボ リュームをボリューム データベースに自動的に追加するように指示します。バーコードが使用されている場合には、

VERITAS NetBackup メディア マネージャはバーコードに従って新しいメディアを自動的に登録します。管理者は、

バーコードに基づくルールを定義することにより、VERITAS NetBackup メディア マネージャにボリューム データベース の初期化を指示することができます。この初期化では、データベース エントリに、ボリューム プール、メディア タイプ、最 大マウント数、およびボリューム記述に対応する指定値を設定します。

ロボット内容の変更に伴うボリューム データベースの更新。

管理者は、ボリュームの追加または削除の後、VERITAS NetBackup メディア マネージャに対して、ロボットの物理イ ンベントリと、インベントリ結果に合わせたボリューム データベースの自動更新を指示することができます。ロボットから のボリュームの出入りがあると、VERITAS NetBackup メディア マネージャはそれに従ってデータベースを更新します。

管理者は下記のレポートを生成することもできます。

ロボットの物理的内容

ロボットの物理的内容とボリューム データベースの登録内容の相違

スクラッチプール

VERITAS NetBackup メディア マネージャを使用することにより、管理者はスクラッチプールを設定し、使用可能にできま

す。NetBackup などのアプリケーションに追加メディアが必要になると、スクラッチプールから新しいメディアを取得すること ができます。スクラッチプールは 1 つのライブラリとして 1 つのストレージユニットに帰属させることができる他、複数のスト レージユニットを対象に設定することもできます。このため、管理者は、新しいメディアの用途を特定のアプリケーションに 固定するのではなく、すべての新しいテープボリュームをスクラッチプールに追加することができます。また、NetBackup は、

元々スクラッチプールにあったテープのバックアップイメージ有効期限が切れると、このテープを再利用のためスクラッチ プールに自動的に戻すように設定することができます。

メディア プール機能を NetBackup ドメインを対象として設定すると、オペレータの作業負荷が著しく軽減します。

NetBackup ストレージドメイン内のライブラリの 1 つに、使用できる空きメディアがなくなった場合を考えます。NetBackup は、スクラッチプール機能を使用して、NetBackup ドメインの中で使用可能なメディアを持つ任意のライブラリからスクラッ チ テープを自動的かつトランスペアレントに取得し、これをバックアップ用のメディアとして使用することができます。

サイズの大きいイメージを複数ボリュームに分散

バックアップイメージのサイズが大きく、1 つのボリュームに格納しきれない場合、VERITAS NetBackup は、ボリュームの 容量を最大限使用した後、自動的にイメージを次のボリュームに分散します。これは、メディアの使用方法として最も効率 的であり、データベースにありがちな大きなイメージをバックアップするときに特に有用です。ボリュームの分散が望ましくな い場合には、管理者は必要に応じてこの機能を無効にすることができます。

メディアの使用期間およびマウント回数の追跡

使用期間を重ねるごとにメディア障害の発生頻度が増加するため、Media Manager は、メディアの使用経過時間とそのマ ウント頻度について継続的に統計をとります。管理者は、日付やマウント回数を基準に、メディアの有効期限を指定するこ とができます。

VERITAS NetBackup が、書込み障害の頻発などからメディア障害の可能性があると認識した場合には、NetBackup は

このボリュームの使用を中断します。もう 1 つの状況として、ドライブが故障した場合には、NetBackup がストレージデバ イスをシャットダウンします。いずれの場合も、VERITAS NetBackup は、エラー データベースにこの措置の理由を記録し、

オペレータに通知して問題の解決を求めます。

メディアの上書きを防止

多くの環境で、VERITAS NetBackup 以外のアプリケーションによるメディアへの書込みが行われます。このような場合、

旧メディアが偶発的に上書きされないことが重要です。メディアが上書きされると、データは消失し、リカバリが不可能にな ります。これを防止するため、VERITAS NetBackup は、tar、CPIO、ANSI ラベルなどいくつかの形式に対応した上書き 保護を提供しています。

デフォルトでは、VERITAS NetBackup は、保護対象の形式のデータへの書込み命令を拒否します。NetBackup バック アップイメージのためにメディアを再利用することが必要な場合には、この保護を無効にすることができます。このオプショ ンは、保護対象の形式のいずれかを使用しているアプリケーションから NetBackup が処理を引き継ぐときに便利な場合 があります。

メディアの検証

管理者は、検証オプションを使用することにより、NetBackup メディアを読み取り、その内容を VERITAS NetBackup 内 情報のオンライン カタログと比較することができます。

ドキュメント内 VERITAS NetBackup™ の技術概要 (ページ 55-58)

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