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x
u (3.34)
y=[X Y f/lf
この線形システムは以下により可制御、可観測である。
rank[Ål -A
Bト
10('v'λ(A)) rank[Âl -AT CT ] = 10 ('v'λ(A))
Fig. 3.40に制御対象のゲイン線図を示す。 共振現象である長周期動揺がそれぞれ の運動に顕著に認められる。制御目的はスラスターによる駆動力が線形波浪外力に 反応しないように、この共振現象である長周期動揺を抑制することである。このこ とより、 コントローラ設計の際の制御仕様を次のように定める。
-仕様1
変動波漂流力と係留系の共振現象である長周期動揺を抑制する0
・仕様2
波浪外力F;cw,Fyw, Mzwから制御力FxnFyn Mーまでの伝達関数のゲイン 特性を波周波数領域4"""'10rad/secで出来るだけ小さくする。
・仕様3
実機のスラスター性能の限界を考慮、して、スラスターの推力の範囲を ー0.2 Kg<Fth1, Fth2, Fth3< 0 .2 Kgとする。
Fig.3.41 にH∞コントロールシステムの相互結合系を示す訂),28)。 コントローラ 凡ct は積分動作とアクチュエータダイナミックスCFig.3.39)を含む。 アクチュエータダ イナミックスはスラスターダイナミックスを持たないモデルを実機と同じスラスタ ーダイナミックスを持つかのように動作させるために必要なものである。 実機と同 じ動特性を持つ模型スラスターを作ることが可能であればいらないもので、あるが、
そのような模型スラスターを作ることは困難であると思われる。
また、W1, W3, W5 とW2, WんW6は重み関数で、 トレードオフの関係にある、 波力 ( F xw,F yw,M zw)から各運動(X,Y,lf/)までの共振周波数付近における共振特性(長周期 動揺〉を取り除くことと、 波力から制御力(えr,Fyr ,M zr)までのゲイン特性を波周波 数領域で十分小さくすることを、 共にできるだけ高い次元で満足させるように決定 する。 本節ではFig.3.45に示すような重み関数を選択した。
以上の準備のもとで、Fig.3.42 に示す制約下vできるだけ小さなァ>0に対して、
波浪外力凡=[Fxw Fyw Mzwfから制御量Z=
七
1 Z2 Z3 Z4 Zs z6f
までの伝達関数のH∞ノルムを最小にするコントローラ K を求める。
γ' < ∞ ,t・→ dw F Tt
(3.35)
コントローラの設計にはMatlabのLMI Control Toolbo�9)を使用した。 重み関数 W1, W2, W3, W4, W5, W6はそれぞれ4,4,2,2,2,2 次の関数なので、 コントローラKは 26次となり、 積分器、 アクチュエーターダイナミックスを付加した最終的なコント ローラ凡ct は32 次となる。設計されたコントローラιct は状態空間表現に直され、
離散化することにより実装した。離散化のタイムステップは使用するAD 、DA変換 機の性能やCPUの能力、 コントローラの次数によって決まり、本実験の場合約0.01 秒である。 最初Fig.3.42 に示す制約を付けずに解いたところ、 閉ループ系とコント ローラの極に 10 の4乗のオーダーのものが現れた。このままでは;ハイゲインのため ノイズを増幅してしまいスタートアップができず、 高速サンプリングが必要となる。
そこで、 設計に要する時間は長くなるが、 前記制約を付け、, 0.01秒のサンプリング 周期でスタートアップ可能とした。
3ム3 設計された各コントローラによる周波数特性
設計されたそれぞれのコントローラによる周波数特性を Fig. 3.43 、3.44 、3.45 に
示す。 それぞれの図の左側は制御対象の波浪外力から運動へのゲ、イン線図、右側は 波浪外力から制御入力へのゲ、イン線図と波力のパワースペクトルである。 波力は実 験で計測した不規則波をもとに生成したものを使用した。 また、閉ループは制御を 行わない場合、閉ループは制御を行う場合の特性である。
PID制御の場合(Fig.3. 43)、2次元と同様に波力から運動までの共振周波数付近 における共振特性( 長周期動揺〉は取り除くことができるが、波力から制御力まで のゲイン特性を波周波数領域で十分小さくすることができない。
LQI制御(Fig.3.44 )の場合も2次元と同様で、共振周波数における長周期動揺を 取り除くことができ、波力から制御力までのゲイン特性も波周波数領域で十分小さ くすることができている。
H∞制御による特性をFig.3.45に示す。左側の図の重み関数問,ßうy 院は、共振周 波数付近における共振特性(長周期動揺〉を取り除くように、右側の図の重み関数 民, W4, W6は、波力から制御力までのゲイン特性を波周波数領域で十分小さくする ように選ばれている。重み関数院,院は、2つのピークを持つ4次の関数である。
低域側のピークは共振周波数における共振特性を抑え、 高域側のピークは閉ループ の共振周波数よりわずかに高域側にあるピークを抑える役割を持つ。 LQI 制御の波 力から運動への閉ループゲ、イン線図(Fig.3. 44)と比べると、 H∞制御による閉ルー プの方が共振周波数付近で広い範囲にわたってピーク値が低く抑えられていること がわかる。 重み関数民は一山の2次の関数であるが、重み関数のピーク位置を共 振周波数からわずかにずらすことで、LQI制御より良い性能を得ている。 後に示す シミュレーション計算や実験結果から分かるように、船首揺はほとんど制御をかけ なくてもよいぐらいに小さいため、コントローラの次数を下げるために二山の4次 関数を使わず一山の2次関数を使用した。また、院については、波力から制御力 までのゲイン特性を波周波数領域で前後揺、左右揺のような形で小さくすることが 困難であったので、波力のパワースペクトルのピーク位置で鋭く落ち込むような関 数を設定し、制御力の波周期領域での応答を抑えた。
この周波数特性の図より、2次元係留と同等の結果が3次元係留のコントローラ でも得られたことがわかる。
3ム4 定常力に対する係留ライン張力の制御
2次元係留ではスラスターによる定点保持性能のみを検討したがJ次元係留では
スラスターアシステッドモアリングシステムの利点である係留ラインの制御につい ても検討を加える。
係留ラインの制御には次に示すようなフィードフォワード制御を使用することに する。
( 1 )ある適当な時間間隔で一定時間内のスラスター推力の平均値iJ.Fth1、
iJ.Fth2, i1Fth3を計算する。
(2) x軸方向y軸方向の係留張力の差が推力の平均値の値になるように 係留ライン長さ調節量iJ.L1、 i1L2を計算する。
ð.L,
=
Mth1 + �h2 +企Fω;
- 4kcos45。!1L"
=
- Mth1 + Mth2 - Mth34k cos45。
(3 )係留用ウインチで計算された調節量だけラインを巻き取る〈伸ばす〉。
調節を行う時間間隔は12時間周期の潮流を考えると2時間程度が適当と考えられ るが、最適な時間間隔は周期的に変動する実際的な潮流を用いたシミュレーション 計算によりスラスターと係留用ウインチのエネルギー消費を計算して決める必要が ある。 スラスター推力の平均値を計算する時間は長周期動揺周期を考慮、し、短くな
りすぎないようにする必要がある。 本実験では左右揺長周期動揺周期の4倍とした。
係留用ウインチにもフィードパック制御をかけ、 スラスターと共に制御を行う方 法も考えられるが、 係留システムはできるだけ単純なシステムが望ましく、 さらに 常にウインチを動かしておくのは機械的な負担が大きく、 エネルギー消費も大きい
3.2.5 実験方法
位置保持実験状態をFig. 3.46、 3.47に示す。 係留ラインに働く抗力は、 浮体の長 周期動揺に対して減衰力として大きな影響を持つことや、 係留鎖張力の変動に対し て大きな効果を持つことは良く知られている4)が、2 次元係留実験で線形パネによる 係留システムに対して設計した位置保持コントローラが有効であることが確認され た。 よって、 水槽の幅の制限もあり3次元係留実験では、 線形バネによる4点係留 を採用した。係留は左右揺の長周期動揺が 20秒になるように調節した。これは実機 で約3.5分に相当する。 線形バネ 〈係留ライン〉 はFig. 3.46 に示すようにプーリー を介して結ぼれている。 実際には係留用ウインチが係留ラインの長さ調節に使われ
45
るわけであるが、ここでは対角に結ぼれているラインをそれぞれLJ.L]、LJ.L2移動さ せることによりウインチの代わりとした。ラインをLJ.Lz移動させると、 係留ライン 3が延ばされ、 係留ライン1が巻き取られることと同じになる。 よって、 係留ライ ン1の 係留張力が増し、 係留ライン3の係留張力が減ることになる。同様にライン をLJ.L2 移動させると、 係留ライン4が延ばされ、 係留ライン2が巻き取られるこ とと同じになる。 係留ライン長さ(係留張力〉がこのようにして調節されることに より、 潮流が変化した場合、流れに対して位置を保持するためのスラスター推力を 大幅に減少させることが可能となる。なお、 潮流は曳航電車で実験装置全体を速度 κで曳航することにより与えた。模型の運動(前後揺、左右揺、船首揺〉は摩擦な
どの影響を受けない非接触式の光学式運動計測装置で計測、 横揺・縦揺は傾斜計で 計測し、実時間で、ディスプレイ上に表示した。運動計測装置・傾斜計からのアナロ
グ出力はAD変換されノミソコンに入力される。コンビューターは制御則に従って演 算を行いスラスターの制御信号を出力する。出力はDA変換された後、スラスター 駆動用サーボノミックに入力され、スラスターが制御される。すべてのデータはサン
プリング周波数10Hzで 410秒間記録した。
3.2.6 実験結果及び考察
Fig. 3.48に模型実験で使用した平均波周期1.0 秒、有義波高0.04mの不規則波 の時系列、JONSWAP型パワースペクトル及び、制御を行わない場合の運動の時系 列とそのパワースペクトルを示す。不規則波はθ。= 30 deg (Fig.21)で入射してく るものとする。図は上から順に入射波、 前後揺及び入射波の拡大図、 前後揺、左右 揺、船首揺を、 また、左の図が実験結果、右の図が数値シミュレーション結果を示 している。それぞれの運動に対して長周期動揺が顕著に現れ、 前後揺、左右揺につ いては計算された時系列の波形が、実験結果と良く一致している。船首揺について は計算値の方が大きい。これは振動流に対する粘性抗力の項を線形近似したものを 使用しているために、角速度rが大きくなるほど誤差が大きくなるためであると考 えられる。
Fig.3.49、3.50にPID 制御を行った場合の運動・スラスター推力の時系列とそのパ ワースペクトルを示す。図は上からJI債に 前後揺、左右揺、船首揺、スラスター1の 推力、スラスター2の推力、スラスター3の推力を示している。推力の実験結果は 実際のスラスターの入力電圧から(3.9 )式を用いて計算した結果である。制御を行