単元内容 創造的なアンサンブル 教材名 物語によるアンサンブル 教材 音楽室にある楽器や音素材 対象学年 小学校6年生
単元目標 自由に物語を作り,語りと音楽が一体となった器楽によるアンサ 塔uルをさせる。
図形楽譜を作る活動を通して,ここの創造性と音楽性を高めさせ
驕B
考察方法 「つくって表現する」ことの自由さの中に「音楽的な内容」の指 アをどのように織り込んでいるかということに着目する
指導計画 時 学習活動
第1次
グループ作りをし,物語の展開を考える(2時間)第2次
物語にふさわしい場面の音楽を作り,図形楽譜にする(2條ヤ)
第3次
楽器分担をし,楽器の組み合わせや和音,リズムを工夫す 驕i3時間)第4次
グループごとに中間発表をし,互いに評価し合いながらア 塔Tンブルをよりよいものにする(2時間〉第5次
ミニコンサート(録音,録画をする)を行う(1時間)評価 図形楽譜作りを通して,物語と音楽の構成を考えることが出来て
「る。
このように高学年においては様々な音楽づくりの授業が行われていることが分かる。し かし,見て推察できるように非常に抽象度が高い実践が多いのである。高学年になると,
かなり抽象度の高い内容でも理解できるようになる。このことから高学年における音楽づ くりの位置づけはそれまでに学習し,会得してきた基礎的な音楽的諸能力のまとめになり うると考えられる(下図参照)。よって,高学年における音楽づくりでは学習指導要領でも 明記されている「音を音楽へと構成する」ということに焦点を置いた授業計画を考えたい
と考える。
[音楽づくりの位置づけ1
●音楽的な基 礎的諸能力 を学習する ための導入
●音楽的な基 礎的諸能力
を学習する
手段の一つ
●音楽的な基
礎的諸能力 を学習した まとめ
このことから高学年の音楽づくりでは「音楽的な構成」に着目した学習を行うことが望 まれる。そのことに着目すると,小学校の6年間で学習する鑑賞教材を見る必要がある。
鑑賞教材は児童たちが6年間をかけて蓄えてきた知識の1つであると考えられる。その中 において良く使われており,音楽を形作る申でも非常に重要な役割を果たしている「音楽 的な構成」を選び出す必要がある。
しかし,抽象的な内容を理解できる能力が高くなったといっても既得知識に頼る部分が 非常に大きいと考えられる。また,あまりにも抽象的である内容は高学年の児童であって
も理解,創作することは難しいと考えられる。
6年間の鑑賞教材を形式ごとに分別すると以下のようにまとめられる。
[1年生]
・ミュージカル《サウンド オブ ミュージック》〈ドレミの歌〉
オスカー・ハマースタインH世『一部形式』
・〈おもちゃのシンフォニー〉レオポルト・モーツァルト 第1楽章『ソナタ形式』
第2楽章『三部形式』
・〈おどる こねこ〉ルロイ・アンダーソン『複合三部形式』
・〈おもちゃの兵隊〉レオン・イェッセル『複合三部形式』
[2年生]
・〈トランペットふきの休日〉ルmイ・アンダーソン『複合3部形式』
・〈シンコペーテッド・クロック〉ルロイ・アンダーソン『複合三部形式』
・〈そりすべり〉ルロイ・アンダーソン『三部形式』
・組曲《ハーリ・ヤーノシュ》からくウィーンの音楽時計〉ゾルダン・コダーイ 『三部形式』
[3年中]
・〈ユモレスク〉ドヴォルザーク『複合三部形式』
・〈中国のたいこ〉クライスラー『三部形式』
・《動物の謝肉祭》よりく白鳥〉サン・サーンス『小三部形式』
・組曲《アルルの女》からメヌエット『三部形式』ファランドール『三部形式』
・〈森の水車〉リチャード・アイレンベルク『序奏,小ロンド形式』
[4年生コ
・〈さくら変奏曲〉宮城道雄『変奏曲形式』
・〈トルコ行進曲〉ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン『三部形式』
・〈メヌエット〉ヨハン・セバスチャン・バッハ『二部形式』
・《交響曲第6番》〈田園〉第2楽章 ヴェートーヴェン『ソナタ形式』
・〈ノルウェー舞曲〉第2番 エドバツド・ハーゲループ・グリーグ『三部形式』
・歌劇《魔笛》からくパ・パ・パ…〉モーツァルト『二部形式を基とした有節歌曲形式』
[5年生]
・組曲《カレリア》からく行進曲風に〉シベリウス『三部形式』
・ピアノ五重奏曲くます〉第4楽章 シューベルト『変奏曲形式』
・歌劇《イーゴリ公》よりくダッタン人のおどりと合唱〉 ボロディン『メドレー形式』
〈6年生〉
・《ハンガリー舞曲 第5番》 口布ネス・ブラームス『複合三部形式』
・《交響曲第5番ハ短調》〈運命〉第1楽章 ルートヴィヒ・ヴェートーヴェン 『ソナタ形式』
・交響組曲《シェラザード》から第1楽章く海とシンドバッドの船〉
リムスキー・コルサコフ『ソナタ形式を基とした自由形式』
・〈春の海〉宮城道雄 『三部形式』
・《交響曲第9番》〈新世界より〉第4楽章 ドヴォルザーク『ソナタ形式』
・〈別れの曲〉フレデリソク・ショパン『三部形式』
・〈ラプソディー イン ブルー〉ガーシュイン『自由な形式』
これに加えて和声も重要な授業内容の要素になりうると考えられる。高学年で初めて学 習する和声は,曲を構成する大きな要素の1つであるからである。しかし,和声について はその進行や禁則,借用などの様々なルールや技術が存在する。それを児童に全て理解さ せることは非常に困難である。よって,和声については教師側の教材研究に基づく大きな 配慮が必要であると考えられる。
これらの要因から考えて高学年における音楽づくりに必要なことは以下の5点である。
・音を音楽に構成することに着冒した内容であること
・基礎的な音楽的諸能力を学習したまとめとなる内容であること
・既得知識を有効に用いるような内容であること
・抽象的すぎず,児童に理解できる内容であること
・児童が和声に着目した構成を考えられる内容であること
2)授業実践モデル
以上のことを踏まえて,考案した高学年における音楽づくりの授業計画は以下の通りであ る。下線を引いてある部分はH章で挙げた問題点に対する批評・改善点を考慮した部分で ある。※R章との比較を授業計画の最後に表で示してある。
題材:三部形式
教材名:まとまりのある曲ってどういうもの?
教材:三部形式が理解しやすいソナチネ程度の短い曲,図形楽譜,コンポ,リコーダー,
キーボード,五線譜,和声カード 対象学年:小学校5・6年生(高学年)
単元目標:
・三部形式に興味を持ち,音楽づくりに積極的に参加できる。
・三部形式の構造を理解し,全体のバランスを考えながら音楽づくりができる。
・三部形式の構造を理解した上で,その特徴を踏まえて演奏できる。
・三部形式の構造を意識しながら,音楽を鑑賞することができる。
指導計画(全時間15時間):
時
第1次 第2次 第3次
学習活動
・音楽ゲームで曲想の変化(リズム・旋律・テンポなど)を感じる。
・グループごとに三部形式の曲を鑑賞し,その大体の構造を図形楽譜に記す。
・前時の図形楽譜を基にして曲の構造をグループごとに分析し,その結果を発表する。
・各グループの発表から共通点である「三部形式:A−B−A(A )型」を見つけ出
し,理解する。
・第1次で鑑賞した曲の和音の変化を五線譜で確認する。
・和音だけでも曲が進行したり,終止していることに気付く。
・第1次に鑑賞した曲の楽譜を用いて,和声が終わっている感じがする箇所(終止して いる箇所)を五線譜に書き込む。
・和音カードを用いて,曲の和声進行をつくる。
・和声カードを使って今次に作った和声進行を用いて,それに合うメUディーをグルー プごとで考える。
・グループごとに和声進行に従ってつくった旋律を和音伴奏と一緒に発表する。
・グループごとにつくった旋律の動きに合わせて,和音伴奏をリズムや音型を変化させ,
旋律に合う伴奏を考える。
・グループごとにつくった曲(旋律と伴奏)をつなぎ合わせてクラスオリジナルの三部 形式の曲をつくる。
第4次 第6次
・クラスオリジナルの三部形式の曲にリコーダーやキーボード以外のパートを入れ,編 成を大きくする。
・パートを決めたらパートごとに相談して,パート譜を完成させる。
・クラスオリジナルの三部形式を用いた曲を発表する。
・録画された自分たちの演奏を見て,ワークシートに振り返りを行う。
評価計画(全15時間):
評価の観点 評価基準 評価方法
【観点1】
ケ楽への関心・意欲・態度
ソナタ形式に興味を持ち,音楽づくりに積 ノ的に参加している。
(観察)
【観点21
ケ楽的な感受と表現の工
v
ソナタ形式の構造を理解し,その和声進行 ノあった旋律や展開部を考えることが出
?トいる。
(観察)
i発言)
【観点3】
¥現の技能
ソナタ形式の構造を理解した上で,その特
・を踏まえて演奏出来ている。
(演奏)
【観点4】
モ賞の能力
ソナタ形式の構造を意識しながら,音楽を モ賞することができている。
(ワークシート)
展開(第1時)
学習活動 指導上の留意点 予想される児童の反応
(評価)
1.音楽ゲームをする。
①サン・サーンス作曲の「亀」 ・鑑賞として児童に身構えさせる ○全く聞いたことのない曲 を聴き,基になっている曲 のではなく,クイズ形式にする のように感じる。
を当てる。 ことで意欲を高める。 o耳を澄ませて自分が知っ
・クイズは三士の中から答えを選 ている曲と照らし合わせ
②サン・サーンス作曲の「象」 び出す形式にする。選択肢にあ て答えを考えようとして を聴き,基になっている曲 る曲の有名な部分を数回聴き, いる。
を当てる。 答えさせるようにする。 ○教師からのヒントを得
・何度,聞いても戸惑っている児 て,正解がわかる。
③○○作曲の「○○」を聴き, 童にはテンポや音程が変わっ ○どうしても正解がわから 基になっている曲を当て ているのでは?といったビン ず,周りの児童に聞いて
る。 トを出すようにする。 回る児童もいる。