図 1(a)に PANTA の schematic view (top view)を示す.円筒の真空容器の片
側底面で RF により生成されたプラズマを軸方向磁場で閉じ込める.反対側
の底面ではプラズマがターミネートされており,中性化したガスを排気する
ためポンプが取り付けられている.円筒側面にはプラズマを取り囲む計測ポ
ートが配置されている.本研究では,主に 64-channel 周方向プローブアレ
イ 5-channel 径方向プローブアレイ(tip 間隔 1cm)を用いる.プラズマ生
成部から 1375mm 離れた位置に図 1(b)に示す SMBI 装置が取り付けられている.
本研究では, SMBI 特有の局所的にフォーカスした入射特性は積極的に用い ず,むしろ長時間パルス入射で装置全体にガスを行き渡らせることを目的と する(ガスパフ装置として用いる) .パフするガス種は,He, Ne, Ar を用い る.1 回のガスパフで,装置内に満たされている中性ガスと同程度の粒子数 が供給される.
図 1. (a) 直線装置 PANTA の schematic view.(b) SMBI 装置.
2.2 実験結果
図 2 は典型的な放電波形を示す.t=0.3s でガスパフを開始し,50ms 継続す る.ガスパフが行われている間 He I 発光強度は増加し,ガスパフ終了後も 微減はするが維持される.プラズマ密度を主に反映していると思われるイオ ン飽和電流はガスパフ後もほとんど変化がない.このことから,入射された ヘリウムはほとんど電離されず,中性のまま装置内に留まっていることが考 えられる.図 2(c)のスペクトルの変化をみると,Gas puff 後,高周波成分 (f>5 kHz)が減り低周波成分(f<5kHz)が増える.
図 3 に,He, Ne, Ar パフ時の,イオン飽和電流と浮遊電位の変化を示す.イ オン飽和電流に関しては,Ne 入射でほぼ変化なし,He 入射は勾配が微減,
Ar は全体的に増える傾向にあった.一方浮遊電位に関しては,He で勾配増,
Ne で微増,Ar は勾配減となった.これらの変化が Gas puff の直接的影響に
よるものか,Gas puff が揺動を変化させたことによる影響かを議論する必要
がある.
間発展
図 3. (a) He, (b) Ne, (c) Ar ガスパフ入射前後のイオン飽和電流プロファイ
ル及び(d) He, (e) Ne, (f) Ar ガスパフ入射前後の浮遊電位プロファイル
図 4. (a) He, (b) Ne, (c) Ar ガスパフ入射前のイオン飽和電流 2D スペクトル 及び(d) He, (e) Ne, (f) Ar ガスパフ入射後のイオン飽和電流 2D スペクトル
図 4 には,ガスパフ入射前後の周波数―周方向モード数スペクトルの比較を示 す.He ガスパフでは,4kHz のモードパワーが増え,高周波成分が減る.また,
m=-1 の Mediator のパワーが減る.Ne ガスパフは,その前後でイオン飽和電流 のスペクトルにほとんど変化が見られない.Ar のケースでは,全体的にスペク トルピークが低周波側にシフトしている.ガスパフ後のスペクトルは,単純に ソースガス圧を上げた際の放電のスペクトルと良い一致を示す.
He と Ne を比較すると,中性ガス数,プロファイルの変化はよく似たものである のにも関わらず,He では乱流スペクトルに有意な変化が見られ,Ne では見られ なかった.今後は入射ガス量のスキャンを行い,入射ガス種の違いが揺動スペ クトルにどの様に影響を及ぼすかを議論する.
3. まとめ
直線プラズマ装置 PANTA において中性ガスパフ装置を開発した.He,Ne,Ar パフ
実験を行い,次に列挙する変化を得た.
ドキュメント内
研究成果報告書
(ページ 163-166)