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Replication Protein A の機能と構造

ドキュメント内 高 橋 俊 介 (ページ 33-36)

第 3 章 微細流路内での 1 本鎖 DNA の直接観察

3.1.1 Replication Protein A の機能と構造

RPA は 70kDa、32kDa、14kDa のヘテロ3量体のサブユニットから構成されており、

ssDNA のリン酸基側に対して静電気的に結合することができる真核生物の ssDNA 結合

タンパク質である。図3-1はHomo sapiens RPA (HsRPA) のドメイン構造と立体構造を 示す [8]。RPAは4つのA、B、C、DのssDNA Binding Domain (DBD) がある。その なかでもRPA70は DBD-A、DBD-B、DBD-C の3つのDBDを持ち合わしており、柔軟 なリンカーを通してお互いに繋がっている。また、RPA32 は DBD-D の1つの DBD を持 つ。RPAは3つの異なるssDNA結合モデルが存在すると考えられており、RPAを構成す る4つのDBD の柔軟なリンカーの特徴的な配置が ssDNA への結合に影響すると考えら れている。ssDNAへのRPAの結合のモデルは、DBD-AとDBD-Bを通して8 ~ 10ヌク レオチドと結合する1番目のモデル、DBD-A、DBD-B、DBD-Cを通して12 ~ 23ヌクレオ チドと結合する2番目のモデル、DBD-A、DBD-B、DBD-C、DBD-Dを通して28 ~ 30ヌ クレオチドと結合する3番目のモデルが考えられている。

RPA はゲノム安定化維持に重要な役割を果たしている。DNA 複製反応において、

RPA は姉妹複製フォーク上の DNA の ssDNA 領域に対して特異的に結合することによ って DNA の1本鎖領域から生じるヘアピン構造やセルフアニーリングの形成を防ぎ、

DNA 合成反応の進行を円滑にする効果がある [7]。また、DNA 修復反応において、

RPAは紫外線照射等により生じた損傷DNAの修復過程で産出したssDNAに結合する ことで、ssDNA を保護し、DNA 修復反応を円滑に進行させる [7]、[8]。従って、RPA を

蛍光標識することによって ssDNA1分子の可視化することが可能になれば、1分子レベル での DNA 複製反応や修復反応などの素反応やその中間過程を直接観察することができ ることが考えられるため、蛍光RPAによる ssDNA の可視化はDNA複製反応をはじめと するDNA代謝反応中間過程のより詳細な理解を深めるための極めて有効な手法である。

図3-2はDNA複製、修復、癌抑制遺伝子などに関与するタンパク質と相互作用するRPA の領域を示す [7]、[8]。

3-1. HsRPAのドメイン構造と立体構造 [8]

HsRPAのドメイン構造 (図上) 赤線:タンパク質結合ドメイン領域

青斜線領域 (ABCD)ssDNA結合ドメイン 青領域:オリゴヌクレオチド結合フォールド 黄領域:リンカー

緑領域:winged-helix-turn-helixフォールド 環状P:ホスホアミノ酸クラスタ

HsRPAの立体構造 (下図 左から) RPA70のアミノ基末端領域の構造 RPA70DBD-ADBD-B領域の構造

RPA70DBD-CDBD-DRPA14の相互作用領域の構造

RPA32のカルボキシル基末端領域の構造

3-2. DNA複製、修復、癌抑制遺伝子などに関与するタンパク質と相互作用するHsRPAの領域 [8]

Xeroderma Pigmentosum A (XPA)

Ataxia Telangiectasia Mutated (ATM) and Rad3-Related-Interacting Protein (ATRIP) Facilitates Chromatin Transcription (FACT)

Replication Factor C (RFC) p53 binding protein 1 (p53bp1) Breast Cancer 2 (BRCA2)

Xeroderma Pigmentosum G (XPG) Xeroderma Pigmentosum F (XPF)

Excision Repair Cross-Complementation group 1 (ERCC1) アミノ基末端 (N末端)

カルボキシル基末端 (C末端)

ドキュメント内 高 橋 俊 介 (ページ 33-36)