CS-US 随伴性の呈示
Phase 1 Rating 1 Phase 2 Rating 2
12PCU + 12PRCU +
12PCU + 12PRCU +
12PCU- 12PRCU-
12PCU- 12PRCU-
Note : Letters indicate names of the cues. Numerals indicate numbers of the trials. “+” and “-” signs indi-cate presence and absence of the outcome, respect-ively.
Table 2-1
P? R? C? U?
P? C? U?
Design of Experiment 1 and 2
第2項 方法
(1)被験者 24 名の大学生 (男子 12 名,女子 12 名) であった。平均年齢 は 21.3 歳 (19 歳から 23 歳) であり,いずれの被験者も本実験で用いた実験 課題,および類似の課題に関する先行経験はなかった。被験者は無作為に予測 学習群と診断学習群の2 群に半数ずつ割りあてた。
(2) 装 置 実 験 課 題 の 制 御 は パ ー ソ ナ ル コ ン ピ ュ ー タ(DIMENSION-8400 DELL 社 製) を 用 い て 行 っ た 。 パ ー ソ ナ ル コ ン ピ ュ ー タ に は マ ウ ス (M-FG2UP2RRD ELECOM 社 製) お よ び 17 イ ン チ カ ラ ー デ ィ ス プ レ イ
(LCD-AD171F-T I-O DATA社製) を接続した。被験者は簡易遮音室内の机上に
設置されたディスプレイの前方約60cmの位置に着席し,実験課題を遂行した。
(3)手続き 被験者を実験室内で着席させた後,印刷された教示文を手渡 した。教示の内容は予測学習群と診断学習群で異なっていた。予測学習群で用 いた教示は次の通りであった。下線部は群間で大きく異なる部分を示す。
①フェイズ1“ピーターは,心理学研究室の Aルームで働き始めました。最 近の心理学研究では,ヒトの外観が,それを観察した人物に新しい感情反応を 生じさせることが判明しています。観察者の感情反応は直接目で見ることはで きませんが,心理生理学の装置を用いることで,間接的に測定することができ ます。ピーターの仕事は,観察者を心理生理学的に測定し,感情反応の有無を 確認することです。観察者が見る外観は,「発汗」・「皮膚」・「姿勢」の三つです。
課題ではそれぞれの外観について異常があるか否かについての情報が与えられ,
その後,感情反応の有無が表示されます。これを 1 試行とします。1 試行は,
イコール観察者 1人分のデータです。各外観について,異常があった場合は緑 色,異常がなかった場合は青色で,表示されます。それぞれの試行で与えられ
た情報の全てが重要になります。あなたの課題はそれらの実験の様子を観察し て,それぞれの外観が感情反応の有無を予測するか否かを評価することです。”
②フェイズ 2 “メアリーは,ピーターが働き始めた同じ日に,同じ心理学 研究室の Bルームという違う部屋で働き始めました。メアリーの仕事は,ピー ターと同様に観察者を心理学的に測定し,感情反応の有無を確認することです。
しかし,メアリーが確認する外観は,「体重」の一つだけです。試行に関しては,
フェイズ 1と同様ですが,画面上に AルームとBルームが上下に分かれて表示 されます。各外観について,異常があった場合は緑色,異常が無かった場合は 青色で,表示されます。それぞれの試行で与えられた情報の全てが重要になり ます。あなたの課題はそれらの実験の様子を観察して,それぞれの外観が感情 反応の有無を予測するか否かを評価することです。”
また,診断学習群で用いた教示は次の通りであった。
①フェイズ1 “ピーターは,病院の中のAルームで働き始めました。最近,
あるウイルスが原因となって引き起こされる新たな病気が広まっています。そ のウイルスは直接目で見ることはできませんが,外観に異常が見られることに よって,間接的に確認することができます。ピーターの仕事は,それらの異常 が見られる外観を確認し,ウイルスの有無を検査することです。確認する外観 は,「発汗」・「皮膚」・「姿勢」の三つです。課題では,それぞれの外観について 異常があるか否かについての情報が与えられ,その後,ウイルスの有無が表示 されます。これを 1 試行とします。1 試行は,イコール検査を受けに来た 1 人 分のカルテです。各外観について,異常があった場合は緑色,異常がなかった 場合は青色で,表示されます。それぞれの試行で与えられた情報の全てが重要 になります。あなたの課題はそれらの試験の様子を観察して,それぞれの外観 がウイルスの有無を予測するか否かを評価することです。”
②フェイズ 2 “メアリーは,ピーターが働き始めた同じ日に,同じ病院の B ルームという違う部屋で働き始めました。メアリーの仕事は,ピーターと同 様に異常が見られる外観を確認し,ウイルスの有無を検査することです。しか し,メアリーが確認する外観は,「体重」の一つだけです。試行に関しては,フ ェイズ1と同様ですが,画面上に Aルームと Bルームが上下に分かれて表示さ れます。各外観について,異常があった場合は緑色,異常が無かった場合は青 色で,表示されます。それぞれの試行で与えられた情報の全てが重要になりま す。あなたの課題は,それらの試験の様子を観察してそれぞれの外観がウイル スの有無を予測するか否かを評価することです。”
被験者がこれらの教示文を読んだ後,カバーストーリーの内容や実験手続き について被験者が理解していることを確認し,課題の実施を求めた。
(4)デザイン 各フェイズは48試行の観察試行からなっており,フェイズ 1では PC―U―+,PC―U+,P―C―U-,P―C―U―-を各12試行呈示した。また,フェイズ 2では PRC―U―+,とPRC―U+,P―R―C―U-,P―R―C―U―-を各12試行呈示した。フェイ ズ 1 の直後には評定試行 1 を挿入し, P(predictor),C(constant off),U
(uncorrelated)の各手がかりがどの程度結果を予測するかを訊ねた。フェイズ 2の直後には評定試行2を挿入,R(redundant)への評価を追加し,各手がかり がどの程度結果を予測するかを訊ねた。評定試行2における Rの評定値は順行 阻止が生じているか否かを検証するための標的刺激として,Pの評定値は Rへ の比較刺激となっているか否かを検証するために用いた。C は一度も手がかり として呈示されたことのない刺激であり,連合形成モデルの考えではこの手が かりには何の学習も成立しないことになる。また, Uは因果帰納モデルの考え では随伴性が0であり,結果とは無関係な手がかりとなる。手がかりの外観へ の割り当ては被験者間でカウンターバランスし,試行の呈示順序は被験者間で
無作為化した。各フェイズの終了後には評定試行と数分間の休憩を挿入した。
(5)課題 Waldman and Holyoak (1992) の実験2を参考に作成した。具体的 には,被験者は PC 上のディスプレイに表示される外観の異常と,感情反応の 有無の関係を観察した。実験課題はコンピュータを用いたビデオゲームの形態 であり,観察試行と評定試行の2種類の試行からなっていた。実験開始後,画 面上では外観の異常に引き続き,感情反応の有無,あるいはウイルスの有無な どの結果を呈示した。被験者はこのような試行を何回か観察した後,外観の異 常が感情反応の有無やウイルスの有無を予測するか否かについて評定を行った。
外観の異常は全部で4種類あり,それぞれ単独で呈示,あるいは 2種類の組み 合わせで呈示した。
観察試行では最初,画面中央に 1 本の水平線が引かれており,その水平線 より上半分をAルームの区画とした(Figure 2-5,65頁)。区画内には,緑また は青で塗り潰されたテキストボックス(縦3.3 cm,横 6.0 cm)を三つ等間隔に 配置した。ボックスの内側には発汗・皮膚・姿勢の文字を左から順に表示した。
フェイズ 2 ではこれらに加えて,画面の下半分に B ルームの区画を加え,体 重という文字を表示したボックスを一つ配置した。この時点で被験者は開始ボ タンをクリックして,実験を開始した。実験の開始後,外観を示すボックスが 緑(i.e., 異常あり)または青(i.e., 異常なし)に点灯し,その後には画面中央 に結果の有無が書かれた画面を呈示した。手がかりと結果はそれぞれ 2秒ずつ 呈示し,試行間間隔は特に設けなかった。手がかりの呈示から結果の呈示が終 了するまでを1試行とし,各フェイズ 48試行行った。
評定試行では画面中央に外観の異常の評価を指示するメッセージを表示し,
被験者に評定用紙を手渡した。評定用紙には“先ほど行った観察をもとに,そ れぞれの外観が感情反応の有無を予測する程度を評価してください”,あるいは
「先ほど行った観察をもとに,それぞれの外観がウイルスの有無を予測する程 度を評価してください」という文章と具体的な評定の例,評定尺度を示した。
評定尺度は約 10cm の水平な直線で,左端,右端のそれぞれに短い垂直線が 示し,それぞれに0,10とラベルをつけた。左端の下には「全く予測しない」
という文字を,右端の下には「完全に予測する」という文字を記した。評定用 紙の中央にはその対象となる外観の種類を示しており,被験者は外観 1種類に つき1 枚,フェイズ1では 3枚,フェイズ2では 4枚の評定用紙にそれぞれの 外観が結果を予測する程度を記入することを求めた。外観についての評定は被 験者が鉛筆で尺度に縦線を記入することで実施した。被験者が発汗から皮膚,
あるいは発汗から体重までの順番で,全ての尺度に縦線を記入することによっ て評定値が確定し,評定試行が終了した 。
予測学習群 診断学習群
Figure 2-5. 実験課題の一例(実験 1).手がかりは予測学習群と診断学習群で共通だが,
結果は群間で異なっている.被験者は課題実施前に,あらかじめ因果の方向性を教示 される.