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2-Po2-4

遊離期肘離断性骨軟骨炎における遊離体固定術の治療成績

Free Fragment Fixation for Advanced Lesions of Osteochondritis Dissecans of the Elbow 角  光宏(貞松病院整形外科)

本田 祐造 遊離体固定術を施行した、遊離期肘OCD9例(平均年令13.4歳)の術後成績を調査し、遊離体再利 用の是非を検討した。術後平均2年6ヵ月の追跡調査で、臨床成績は概ね良好で、全例野球に復帰 していた。画像上、良好な形態での癒合は3例、一部不整での癒合が5例であり、遊離体の癒合率 は88.9%、良好な形態までの修復率は33.3%であった。低侵襲の遊離体固定術は、遊離期肘OCD に対する関節面再建の一手段となり得る。

9:00〜9:45 ポスター発表

34

:炎症

座長:鈴木正孝(あいせい紀年病院整形外科)

2-Po2-5

右小指に傍骨性筋膜炎を発症した

1

例 Parosteal fasciitis of right little finger: A case report

赤嶺 良幸(大浜第一病院整形外科)

金谷 文則 52歳、男性。右小指の打撃後に末節部の腫脹を来たし、近医にて腫瘍様病変に対して切除術を施 行されたが、その半年後に再発し当院へ紹介となった。切除後の病理学的検査では傍骨性筋膜炎 と診断され、腫瘍性病変は認めなかった。傍骨性筋膜炎は非常にまれな疾患で、本症例のような 外傷との因果関係を示唆する文献もある。画像所見が悪性腫瘍に類似しており、再発を来す報告 も見られ慎重な経過観察が必要である。

2-Po2-6

手関節偽痛風の臨床像の検討

clininal feature of pseudogout of the wrist

多田  博(函館協会病院)

戸嶋  潤 偽痛風は、CPPD結晶沈着症患者に発症する急性痛風様の炎症発作で膝関節に多く発生することが 知られているが、まれに手関節の発生例もみられる。手関節偽痛風の症例の臨床像、頻度の検索 を行うために過去5年間の偽痛風患者を登録し、分析を行った。手関節の発症は全患者の18 %で、

他の部位に比較し、短期間で治癒し、再発率も低い傾向がみらた。

Poster Area 2

2-Po2-7

手術を行った二頭筋橈骨滑液包炎の検討

Study of Bicipitoradial Bursitis with Surgical Treatment

依田 拓也(新潟手の外科研究所)

森谷 浩治,今尾 貫太,原   敬,坪川 直人 手術を行った二頭筋橈骨滑液包炎を対象に、その発生機序を検討した。男性2例、女性6例で、年 齢は平均71.5歳であった。画像および術中所見で橈骨粗面の形状は辺縁が隆起し、アワビ状となっ ていた。本研究では上肢の使用頻度が低い高齢の女性に多く、滑液包炎の原因として橈尺骨の形 態が考えられた。回内時に滑液包の圧が上昇することで橈骨粗面の骨変化が生じ、滑液包炎、最 終的には上腕二頭筋腱断裂に至ると考えられた。

2-Po2-8

テニス肘における前腕肢位による

Thomsen

テストの陽性率と橈骨神経麻痺

Positive Rate of Thomsen Test Changing Forearm Position and Relation of Radial Nerve Palsy Associated with Tennis Elbow

佐竹 寛史(山形大学医学部整形外科)

本間 龍介,高木 理彰 テニス肘26例に対し前腕肢位の違いによるThomsen テストの陽性率と橈骨神経知覚障害の有無 を調査した。Thomsenテストの陽性率は肘伸展かつ前腕回内;100%、肘屈曲かつ前腕回内;

77%、肘伸展かつ前腕回外;31%、肘屈曲かつ前腕回外;8%であった。特に肘伸展かつ前腕回 内で強い放散痛がみられ、前腕回外で放散痛が軽減、あるいは消失した。また、橈骨神経固有支 配域に痛覚低下がみられたのは69%で、健側より平均45%低下していた。

2-Po2-9

難治性上腕骨外側上顆炎関節鏡視所見での関節内変性所見の検討

−変形性肘関節症の初期病変としての可能性について−

The degenerative changes of arthroscopic findings of in refractory lateral epicondylitis 新井  猛(聖マリアンナ医科大学整形外科学講座)

田中 雅尋,西村  敏,清水 弘之,別府 諸兄 難治性上腕骨外側上顆炎に関節鏡視下手術を施行してきたが,鏡視所見では関節内所見が多彩で あることに注目してきた。関節内には滑膜炎が存在し,腕橈関節後方の滑膜ひだや滑膜ひだに一 致した腕橈関節に退行性変化がみられている。したがって上腕骨外側上顆炎の発症とその長期化 に伴い,滑膜ひだが関与し,腕橈関節の退行性変化が惹起されることが示唆された。

2-Po2-10

手外科領域(肩を除く)における石灰沈着性腱炎に対する治療経験

Treatment of Crystal-induced Tendinitis in the Hand

光安 廣倫(光安整形外科)

菊池 克彦,光安 元夫 手外科領域での石灰沈着性腱炎の報告は少ない。今回肘以遠に生じた9例、男性4例、女性5例、平 均年齢は49歳について報告する。手術施行例は、慢性疼痛の発症後3か月以上経過した尺側手根屈 筋腱に生じた1例であり、炭酸カルシウムの沈着であった。急性疼痛症例については、超音波ガイ ド下にステロイドを局注することで著効しており、治療については急性期に超音波を用いて的確 にステロイドの局注を行うことが重要と考えている。

Poster Area 2

9:45〜10:20 ポスター発表

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:ばね指

1

座長:外間 浩(那覇市立病院)

2-Po2-11

ばね指に対する腱鞘内注射におけるトリアムシノロン投与量の検討

Intrasheath injection for idiopathic trigger finger using variable dosage of triamcinolone 成田 裕一郎(中通総合病院整形外科)

千馬 誠悦 トリアムシノロンの投与量を2mg,4mg,8mgの3群に設定して腱鞘内注射を行い,効果の持続を 投与後1か月,4か月で検討した.対象は60例87指で,平均年齢は61.8歳,罹患指は母指と中指 が多かった.投与後1か月では,2,4,8mg群いずれも97 %以上の例で著明な改善がみられたが,

4か月では,効果が持続している例は2mg群24 %,4mg群50 %,8mg群69 %で,投与量が多い ほど効果が持続する傾向が見られた.

2-Po2-12

ばね指に対する超音波測定の妥当性の検討

〜検者内および検者間信頼性について〜

Validation study of intra and inter class reliability about ultrasonographic measurement of trigger finger

速水 直生(東大阪市立総合病院整形外科)

重松 浩司,井川 真依子,面川 庄平,田中 康仁 ばね指に対する超音波測定の妥当性について検者内及び検者間信頼性を調査した。ばね指患者22 人の罹患指と健側についてpulleyの掌側壁、両側側壁、腱の縦径、横径の4点を2検者が測定し級 内相関係数を算出した。結果、腱では高い信頼性が得られたが腱鞘では十分な信頼性が得られな かった。画像からの患側診断率を調査したが、腱測定の信頼性が高いのに関わらず正答率に差が あり、腱の測定値以外に診断要素があることが示唆される。

2-Po2-13

指節間関節拘縮を伴うばね指における

pulley

と屈筋腱の超音波解析 Sonographic Analyses Of Pulley And Flexor Tendon In Idiopathic Trigger Finger With Interphalangeal Joint Contracture

佐藤 潤香(葦の会石井クリニック)

石井 義則,野口 英雄,武田 光宏 特発性ばね指患者128人、177指を対象に本疾患に合併するIP(PIP)関節拘縮がpulley、屈筋 腱の肥厚と関係するのか超音波画像を用いて検討した。母指のA1 pulley、他指のA1およびA2 pulley、屈筋腱厚で拘縮指、非拘縮指間に優位差を認めた。また母指のA1 pulley、他指のA1 pulley、屈筋腱肥厚が拘縮の要因であることが示唆された。母指以外では拘縮改善のため報告され ている屈筋腱の容積を小さくする手術は理にかなっていた。

Poster Area 2