• 検索結果がありません。

本節では、PZT素子が貼り付けられる方式についての考察を行う。これまで、PZT素子 をアルミ板の上側に貼り付ける場合の発電特性を考察した。これから、下側にPZT素子を 貼り付ける場合は出力特性がどのように変化するかを検討する。上側は引っ張り荷重であ り、下側は圧縮荷重である。そして、上側と下側の場合の出力特性を比較する。

図2.30 三角の上側と下側の出力エネルギーの比較

図2.31 四角の上側と下側の出力エネルギーの比較

0 5 10 15 20 25 30 35 40

0 1 2 3 4 5 6 7 8

Mass [g]

Output Energy [J]

0 5 10 15 20 25 30 35 40

0 0.5 1 1.5 2 2.5 3 3.5 4

Mass [g]

Output Energy [J]

37

図2.30と図2.31に三角と四角形状のPZTデバイスの上側と下側にPZT素子を貼り付け た場合の出力特性を示す。この二つの図からわかるように三角でも四角でもそのPZTデバ イスに対して、出力エネルギーが上側にPZT素子を貼り付けたほう(引っ張り荷重)が大きい ということがわかった。図2.32と図2.33は三角と四角形状のPZTデバイスの上側と下側に PZT素子を貼り付けた場合の共振周波数を示している。この二つの図から明らかなように、

共振周波数がほぼ変わらないと考えられる。

図2.32 三角の上側と下側の共振周波数の比較

図2.33 四角の上側と下側の共振周波数の比較

0 50 100 150 200 250 300 350 400 450 500

-90 -80 -70 -60 -50 -40 -30 -20 -10 0

Frequency [Hz]

Power Spectrum Magnitude (dB)

0 50 100 150 200 250 300 350 400 450 500

-80 -70 -60 -50 -40 -30 -20 -10 0 10

Frequency [Hz]

Power Spectrum Magnitude (dB)

38

次は35gが加重される場合の自由端変位と出力電圧を取り上げて検討し、上側と下側の 出力エネルギーが違う原因を調べる。図2.34と図2.35に示しているのは三角と四角形状の 上側と下側にPZT素子を貼り付けた場合のPZTデバイスの自由端変位と出力電圧の波形図 である。三角については、変位の行き過ぎる量が下側(圧縮荷重)のほうが大きい。上側と下 側の最大出力電圧はほぼ同じだが、下側のほうが減衰早いので、出力エネルギーが小さい ということが推測できる。四角に対しては、上側と下側の場合、最大変位がほぼ同じだが、

上側の出力電圧が下側より大きいので、上側の出力エネルギーが下側より大きいというこ とになった。

図2.34 三角の上側と下側の変位と出力電圧の比較

4.1 4.15 4.2 4.25 4.3 4.35 4.4 4.45 4.5

-5 0 5 10

Time [s]

Distance [mm]

4.1 4.15 4.2 4.25 4.3 4.35 4.4 4.45 4.5

-2 -1 0 1 2

Time [s]

Voltage [V]

上 下

39

図2.35 四角の上側と下側の変位と出力電圧の比較

3 3.05 3.1 3.15 3.2 3.25 3.3 3.35 3.4 3.45 3.5

-3 -2 -1 0 1

Time [s]

Distance [mm]

3 3.05 3.1 3.15 3.2 3.25 3.3 3.35 3.4 3.45 3.5

-2 -1 0 1 2 3

Time [s]

Voltage [V]

下 上

40 e-4

第 3 章

振動発電デバイスの配線方式に関する研究

前章で形状が違う三角と四角形状の PZTデバイスの発電特性を考察し、比較した。比較 の結果として、三角のPZTデバイスの発電特性が四角より向上したということを確認した。

本章では、三角形状のPZTデバイスを利用し、効率を高めるために、両面ともにPZT素子 を貼り付けた場合の発電特性を検討する。特に、両面のPZTデバイスに対し、配線方法を 比較し、効率の向上を目指す。また、デバイスの両面全部分にPZT素子を貼り付けたPZT デバイスを試作し、発電特性を考察する。

3.1 両面の PZT デバイスの考察

まず、実験の条件を紹介する。効率の測定が目的であるため、前章と同様に重り吊り下 げ実験を行い、考察した。このPZTデバイスは別々に負荷抵抗を接続する。つまり、上側

に4kΩ(負荷整合抵抗)の抵抗を繋いだ同時に下側も4 kΩの抵抗を繋いでいる。重りの重量

が5gから40gまで加重した。

図3.1と図3.2に両面と一面の三角PZTデバイスの入力エネルギーと出力エネルギーを示 す。この二つの曲線図に示されるように、入力と出力エネルギーが重りの重量が増加して いくにつれて二次オーダーで増加して行くことがわかった。入力エネルギーでも出力エネ ルギーでも一面のほうが大きいということが明らかである。平均発電効率には、一面の平

均効率は0.93%であり、二面の平均効率は0.52%であるという結果が図3.3に示されている。

次に35g加重した際に変位と電圧の時間応答波形によって説明する。

図3.1 両面と一面の入力エネルギーの比較

0 5 10 15 20 25 30 35 40

-2 0 2 4 6 8

Mass [g]

Input Energy [J]

一面 両面

41 e-6

図3.2 両面と一面の出力エネルギーの比較

図3.3 一面と両面の効率比較

5 10 15 20 25 30 35 40

0 1 2 3 4 5 6 7 8

Mass [g]

Output Energy [J]

両面 一面

5 10 15 20 25 30 35 40

0 0.5 1 1.5

Mass [g]

Efficiency [%]

両面 一面

一面:平均 0.93%

両面:平均 0.52%

42

表3.1両面の三角PZTデバイスのパラメータ 重りの重量[g] 変位[mm] 入力エネルギー

[J]

出力エネルギー [J]

効率[%]

5 0.6 2.54e-005 1.88e-007 0.48

10 0.9 5.88e-005 2.76e-007 0.47

15 1.4 1.13e-004 5.04e-007 0.48

20 1.9 1.57e-004 8.15e-006 0.52

25 2.2 2.11e-004 1.00e-006 0.50

30 2.9 2.75e-004 1.52e-006 0.55

35 3.1 3.77e-004 2.10e-006 0.56

40 3.7 4.71e-004 2.54e-006 0.54

図3.5は35gの重りが加重される際の時間応答波形である。上の図は変位、下の図は出力 電圧の時間応答である。同様に加重した場合、一面の最大変位が二面より大きく、両面の ほうが減衰早い。両面PZTデバイスには、二つのPZT素子が貼り付けられて厚くなること に起因する。つまり、デバイスが硬くなったので、同じ重りを吊り下げた場合の変位が小 さくなる。両面の電圧は上側の出力電圧を選択した。両面の振幅が小さいので、電圧も小 さく、また、減衰が早いため、出力エネルギーも小さくなった。図3.4に共振周波数を示す。

図3.4 一面と両面の共振周波数の比較

0 50 100 150 200 250 300 350 400 450 500

-80 -70 -60 -50 -40 -30 -20 -10 0 10 20

Frequency

Power Spectrum Magnitude (dB)

両面 一面

43

図3.5 35g加重した場合の応答比較

4.1 4.15 4.2 4.25 4.3 4.35 4.4 4.45 4.5

-2 0 2 4 6

Time [s]

Distance [mm]

4.1 4.15 4.2 4.25 4.3 4.35 4.4 4.45 4.5

-2 -1 0 1 2

Time [s]

Power [w]

一面

両面

44

関連したドキュメント