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ドキュメント内 九州大学学術情報リポジトリ (ページ 39-65)

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FITC

Fig.6・5

Flow cytometric analysis of immunized l戸nphocytes in vitro

Humむ11戸nphocytes before (A)ぉ1d

a丘町(B)

irnmunization were stained with PE 1abeled anti-human he1per T cell antibody and F:πC 1abe1ed anti-human suppressor T cell antibody. Populaむon of helper T cells increased from

200/0

to

300/0

over.

101

-第8節 考察

多くの研究者が、 種々 の抗原を用いて マ ウ ス牌臓細胞 の体外免疫法に関する報告をしてきた66)。 しかしなが ら、 ヒ トのリ ン パ球を用いた場合は、 マ ウ スのリ ン パ球 を用いた場合に比較して、 その効率が低く、 有効な体外 免疫法は確立されていない。 この 原因のひと つとして、

体外免疫を鋭敏に、 短時間で検出する ス クリー ニ ン グ法 が確立できなか っ たことであろう。 一般に、 ガ ン細胞 を 抗原として用いたEL 1 S A法 では、 検出可能な抗体価が高 すぎたり、 プラー ク形成法では、 操作に時間がかか っ て

しまう。 そこ で、 著者は抗原として用いた ガ ン細胞に結 合した特異抗体を直接検出可能なDD-EIA法を開発した。

この方法は、 試算したところEL 1 S A法の1 0 0分のl程度の 特異抗体でも検出可能であ っ た。 さらに操作に要する時 間も、 4時間程度である。 このDD-EIA法が、 今回の体外 免疫法の 確立に大きく貢献した。

体外免疫に必要 な免疫賦括剤として、 o K -4 3 2、MDP、

1 L -2、IL-6を用いた。 OK-432は抗腫蕩活性をもち、 細胞

性免疫に作用するこ とが知られていたが、 液性免疫にも

効果があることが示唆された。 MDPは ア ジ ュ パン ト ペプ チ ドで、 抗原感作を促進する因子である。 したが っ て、

o K -4 3 2やMDPは、 IL-2やIL-6の存在下で、 免疫効率の上

昇に役立 っ たと思われる。 とこ ろで、 1 L - 2と1 L -6はリ ン パ球活性化因子であり、 それぞれの因子の作用は広く研 究されている。 しかしながら、 体外免疫に組み合わせて 用いた例は少ない。 Sp 1 a w s k iらは、 1 L - 6による B リ ン パ 球の分化は、 IL-2 の存在に依存していることを示して

る6 7 )。 このことから、 抗原感作、 抗体産生を誘導す

る一連の免疫反応を生じさせるには、 リ ン フ ォ カイ ンの 単独投与ではなく、 組み合わせて用いる必要があること を示唆していた。

体外免疫の研究において、 従来は抗原に可溶性タ ン パ ク質6 8 )や微生物等6 9 )が使用されてきた。 これらは、 抗 原性が高く、 免疫効率も良好である。 しかしながら、 ガ

ン細胞のように、 抗原性が低いと考えられている場合で も、 体外免疫が可能であることを明らかにした。 現在の とこ ろ、 ガ ン免疫の機構は、 まだ詳細には解明されてお らず、 本研究が発展することで、 この分野に新たな知見 を与えるものと思われる。

10 3

-第9節 小括

健常人由来の ヒ ト リ ン パ球を、 ヒ ト ガ ン細胞株を抗原 として、 体外免疫する方法を確立した。 ヒ ト リ ン パ球を

ガン細胞株とともに、 種々 の免疫賦括剤を含む培地中で 4 日間培養した。 体外免疫は、 OK-432もしくはMDPと

IL-2 、 IL-6を組み合わせて用いた時、 効果的に生じた。

感作リ ン パ球の産 生する特異抗体ク ラ ス は、 1 g Gと1 g M

の両方を産生していたが、 その存在比はI g GがIgMの2倍

以上であ っ た。 また、 提供者の異なるリ ンパ球を体外免

疫に供したと こ ろ、 その効率の低い場合と高い場合で3

倍程度の差が認められたものの、 いずれも免疫が生じて

いた。 さらに、 種々 の ヒ トガ ン細胞株を抗原として免疫

したとこ ろ、 ほとんどの場合、 免疫が生じるけれども 、

そうでない場合も若干認められた。 また、 こ うした体外

免疫には、 ヘルパー T細胞の活性化が重要な役割を担 っ

ている こ とが示唆された。

第7章 体外免疫リ ン パ球を用いた肺ガ ン特異的モ ノ ク ロ ー ナ ル 抗体産生ハ イ ブリ ドー マ の取得

第1節 緒言

肺カ。 ン特異的ヒ ト型モ ノ ク ロ ー ナ ル抗体として、 1 9

8 5年、 HB4C5抗体が我々 の研究室から報告された。 この 抗体は、 現在、 肺ガ ン の診断 ・ 治療に向けて、 R 1イ メー

ジ ン グ8 )や血清診断70 )、 7 1 )への応用研究が続けられて い る。 これら の抗体の特徴は、 いずれ もIgMク ラ ス に属

している こ とである。 これ は、 第2章、 第3章で述べて

きた。 著者 は、 抗体をより幅広く有効に用いるには、 さ

らに種々 の特異性をもち、 様々 なク ラ ス の抗体を豊富に

取得することが重要であると考えた。 そ こ で、 著者の確

立した体外免疫法を用いて、 肺ガ ンに対して抗原感作を

受けた リ ンパ球を融合パート ナー細胞と細胞融合させ、

肺ガ ン特異的ヒ ト型モ ノ ク ロ ー ナ ル抗体を取得する こ と

にした。 体外免疫は、 確実に抗原感作を行うことが可能

であるため、 効率的にガ ン特異的なモ ノ ク ロ ー ナ ル抗体

を取得できると思われる。 さらに、 第6章第4節のデー

105

-タから、 感作リ ン パ球の産生する抗 体ク ラ ス は、 1 g M"

IgGの両ク ラ スが検出されていた。 こ の こ とは、 体外免

疫した リ ン パ球を用いてハイブリ ドー マを作製すれば、

IgG、 IgM両ク ラ スの肺ガ ン特異的モ ノ ク ロ ー ナ ル抗体が

取得可能に な る こ とを示唆してい る。

著者は、 健常人末梢血由来のリ ン パ球を ヒ ト肺腺ガ ン

細胞株A5 4 9で体外免疫し、 得られたリ ン パ球を用いてハ

イブリ ド ー マの作製を試み た。

第2節 リ ンパ球の体外免疫

第1 項 リ ンパ球の調製

体外免疫に供するリ ンパ球は、 4人の健常人提供者の 末梢血から分離した。 簡単に述べると、 へパリ ン加真空 採血管(テ ルモ社) に1人につき50 m 1ずつ採血した。 そ れらを、 リ ンパ球分離液(L S M )に重層して、 400 gで3 0分 間遠心した。 LSMと血し ょ うの境界付近lこ層をなして分 離しているリ ンパ球を分取し、 基本合成培地ERDFで3回 洗浄した。 この時点、 で回収された リ ンパ球数は、 1 -3 x

107細胞であり、 生存率は95%以上であ っ た。 これらを、

ERDF培地で1x 106細胞Imlになるよう懸濁した。 さらに 、 分離した リ ンパ球の中から、 免疫抑制的に働くサ プレ ッ サー T (s-T)細胞を除去するため、 L- ロ イ シ ル ーLーロ イ シ ン メ チルエ ス テ ル(LeuLeu-OMe)を終濃度O.25mMになるよ うに懸濁液に添加して、 3 7 ocで40分間保温した。 体外免 疫に供した リ ンパ球は、 全てs-T細胞の存在しないリ ン バ球集団を用いた。

107

-第2 項 体外免疫

第6章で検討した結果として、 最も効率よく体外免疫 を生じる 免疫賦括剤の組合せとして、 ム ラ ミ ルペプチ ド

( M D P、 10μ g/ml :カ ル ビ オケ ム社) ヒ ト イ ン ター ロ イキ ン2 (IL-2, 100U/ml :ゼン ザイ ム社) 、 ヒ ト イ ン タ

ー ロ イキ ン6 (IL-6, 10U/ml :ゼン ザイ ム社) を用いた。

まず、 ヒ ト肺腺ガ ン細胞株A 5 4 9を1x 1 0 4細胞/mlの密度に

1 0完FBS-ERDF培地で調製し、 5 m 1の培養デ ィ ッ シ ュ にまき こ んで培養した。 翌日、 こ の培養上清を除去した後、

FBSを2 5 0μl添加して、 上記の免疫賦括部jをそれぞれ添 加した。 こ の添加順序は正確に守 っ た。 なぜならば、

1 L - 2やIL -6は、 培養器や ピ ペ ッ ト等に非特異的に結合し

たり、 温度によ っ て 分子の分解が生じる傾向があるため である。 つづい て、 ロ イ シ ン処理をしたリ ン パ球をER

DF培地で懸濁して、 最終的に1x 1 0 6細胞/mlになるように 調製し、 培養ガ ン細胞に添加した。 Fi g. 7 -1にガ ン細胞 とリ ン パ球の共存培養の様子を示した。 抗原で刺激され たリ ン パ球が、 活性化して増殖してい る状態が、 認めら れ る。 体外免疫のための培 養は、 4 日間行 っ た。

(A) (B)

Fig.7・1

Activation promes of human lymphocvtes cocultured with the human lung candr cell

line, A549

(A);

Normal human 1戸nphocytes treated with LeuLeu-OMe

mャ cocultured on出e sheet of lung cancer, A549. Culture medium consisted of 50/0 FBS-ERDF medium contain泊g MDP,IL-2and IL-6.Magnineauon xloo-(B);Control

��eriment was perfoロned by culturing lymphocytes without A549 cells. Magñifìcation x ì'OO.

- 109

-第3節 細 胞 融合とハイブリ ド ー マ の スク リー ニ ン グ

体外免疫したリ ン パ球は、 ヒ ト融合パー ト ナ ー細胞株

A 4 H 1 2細胞と ポリ エ チ レ ン グ リ コ ー ル(P E G )法に より、 融

合した。 体外免疫した リ ン パ球は、 よく懸濁して回収し

た。 細胞間相互作用に より活性化しているリ ン パ球は、

ガン細胞と強く結合しているため、 ピ ペ ッ テ イ ン グを十 分行い、 取り残しがない よう、 検鏡に より観察した。 細

胞融合法は、 第2章に記した方法と同じである。 融合し

た後、 得られるハイプリ ドー マの培養上清を、 ヒ ト肺ガ

ン細胞株A5 4 9を抗原としたELISA法に より スク リー ニ ン

グした。 なお、 A5 4 9細胞 に反応する抗体が検出された培

養上清は、 その抗体ク ラ スを検討するため、 2次抗体iこ

抗ヒ トIgGと抗 ヒ ト1 g Mを用いたEL 1 S A法を行 っ た。

Table 7-1に、 融合結果を示した。 実験には 4人の提

供者由来のリ ン パ球を用い、 さらに、 その内3人は体外 免疫の コ ン ト ロ ールとして、 免疫していない リ ン パ球も

同時に融合した。 4回の融合で、 いずれも高率でハイブ

リドー マが取得されたo 特に 1例目では、 1 00%の融合効 率であり、 体外免疫に よるリ ン パ球の損傷は認められな

か った。 また、 免疫して得られたハイブリ ドー マの内、

少なくとも1 ク ロ ー ン は、 抗原であるA 5 4 9細胞に反応す

る陽性株であ っ た。 一方、 コ ン ト ロ ールである免疫して

いない リ ン パ球を用いた場合は、 ハイブリ ドー マは得ら

れるものの、 陽性株は全く得られなか っ た。 さらに、 得

られた5株の陽性ハイブリドー マは、 1 g G産生株が2株、

IgM産生株が3株であ っ た。

以上の結果から、 体外免疫法は、 抗原特異的な ヒ ト型

モ ノ ク ロ ー ナ ル抗体取得に有効である こ とが明らかとな

っ た。

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