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ドキュメント内 九州大学学術情報リポジトリ (ページ 40-44)

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5.6 本章のまとめ

半導体型センサのN20検知が可能で、あることを応用して、安定化ジルコニアに金属 酸化物を電極として組み合わせた混成電位方式のセンサによるN20検知の可能性につ いての検討を試みた。検知極に11種類の各種金属酸化物を用いた管型センサ素子につ いて、400-6000Cにおける200ppmN20に対する起電力応答値を測定した。 その結果、

半導体型センサの場合とは異なり、Sn02を検知極材料として用いた素子においてだけ、

比較的良好な感度が得られることを見出した。 Sn02でのみN20 感度を示した理由と しては、 それ以外の金属酸化物がN20分解活性が高い場合、 金属酸化物IYSZ界面に N20が到達する前にN20が分解消費されてしまうことが考えられ、 一方、N20分解活 性が低い場合、N20に対する吸着性や電気化学活性が低いために十分な感度が得られ ない可能性が考えられる。 また、N20検知の最適作動温度は4750Cであった。従って、

Sn02電極の電気化学活性は、半導体型センサとほぼ同様のこの温度付近において適度 に働くと考えられる。 さらに、Sn02を用いた素子について感度のN20濃度依存性を検 討したところ、 75ppm-200ppmの濃度範囲で感度はN20濃度の対数に比例したが、 そ れ以下では比例関係を示さなかった。

そこで次に、N20感度を改善するために、 アルカリ土類酸化物や希土類酸化物など の第二成分をSn02に添加した検知極材料を用いた素子について検討を行った。その結 果、いくつかの第二成分添加の場合において、センサ感度の向上が見られた。従って、

増感効果の見られた検知極材料は、第二成分により適度なN20に対する電気化学活性 を示したと考えられる。特に、 Sm203を添加した素子では、 無添加の場合と比較して 約1.5倍の感度の向上が認められた。 また、 Sm203を添加した素子は、35ppm-200ppm の濃度範囲においてEMF応答値とN20 濃度が比較的良好な直線関係を示しているた め、Sn02 電極よりもさらに低濃度までN20検知が可能となるとともに比較的良好な 応答回復特性を示すことがわかった。また、本素子の応答機構を明らかにするために、

無添加 Sn02検知極を用いた管型素子について空気中および空気希釈のN20中におい て分極曲線の測定を行った結果、N20に対するカソーデイツク分極曲線と酸素に対す るアノーデイツク分極曲線の交点から見積もった混成電位の値とセンサ素子のEMF実 測値は良い一致を示すことがわかった。 このことから、 本素子の応答機構が混成電位 モデルにより説明できることが確かめられた。

以上の結果、 本章では以下のことが明らかとなった。

(1)安定化ジルコニアに金属酸化物を電極として組み合わせた混成電位方式のガスセン サでは、 Sn02を 検知極材料として用いた素子でのみN20検知が可能であり、 最適 作動温度は4750C付近であった。

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参考文献

(2)混成電位型センサでも半導体型センサの場合とほぼ同様、アルカリ土類酸化物や希 土類酸化物なとぐが N20感度の向上に対する有効な増感剤である。

(3) Sn02にSrn203を添加し た場合、特にSn02単独素子と 比較して高い感度が得られ、

35-200ppmの低濃度範囲においてもEMF応答値と N20濃度が比較的良好な直線関 係を示す。

(4)空気中および空気希釈の N20中における分極曲線の測定の結果、 本素子のN20応 答機構が混成電位モデルにより説明できることが確かめられた。

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