-化物添加量については、添加量の最適値はO.5wt%付近で、あることが明らかとなり、い ずれの酸化物も添加量を1.0wt%よりも増加させると、空気中のベース抵抗値が高くな るとともに感度が低下するため、 過剰添加はセンサ特性に対しては好ましくないこと が考えられた。添加量に最適値が存在するのは、添加量がN20分解活性に影響するた めと考えられるが、 この点については詳細な検討が必要である。 また、 センサ特性へ の湿度の影響について検討した結果、Sn02系素子のセンサ感度は、特に低濃度のN20 に対しては水蒸気により妨害されることが明らかとなった。この原因として、 センサ 素子への水蒸気(表面水酸基)の吸着によりN20吸着が阻害されること、 およびセン サ材料のN20分解活性が共存水蒸気により低下することが考えられた。また、N20検 知機構の検討から、センサ材料のN20分解活性が適度な状態の時に良好なN20検知を 示すことがわかった。すなわち、 高活性な材料あるいは分解活性の低すぎる材料を用 いると素子内部へのガス拡散が起こりにくいためあるいはガス拡散のみが進行して N20分解が進行しないために感度が低下すると考えられた。このことより、 センサ材 料のN20分解活性がセンサ感度に大きく影響を及ぼしていることが示唆された。
第5章では、半導体型センサによるN20検知が可能で、あるという第2章、3章の結果 から、安定化ジルコニアに金属酸化物を電極として組み合わせた混成電位方式のガス センサによるN20検知の可能性についての検討を行った。検知極材料として、11種類 の各種金属酸化物を用いた管型センサ素子について検討した結果、Sn02を検知極材料 として用いた素子でのみ、 比較的高いN20感度が得られることを見出した。また、半 導体型センサの場合と同様にアルカリ土類酸化物や希土類酸化物などの第二成分添加 による増感効果について検討したところ、 特に、 Sm203を添加した素子が、 無添加の 場合と比較して約l.5倍感度が向上することがわかった。また、本素子の 空気中および N20中における分極曲線を調べることにより、応答機構が混成電位モデルで説明でき
ることが確かめられた。
今後の展望
本研究では、高感度N20センサの開発を目指してN20検知のための金属酸化物の探 索を行ったところ、半導体型素子および混成電位型素子のどちらの場合においても Sn02を用いた場合に比較的良好な N20応答特性が得られることを明らかにしたが、単 独素子が示す低濃度のN20に対する感度は十分な値ではなかった。そこで、表面添加 物によるN20検知特性の改善を目指した結果、Sn02に対するアルカリ土類酸化物、希 土類酸化物等の第二成分添加により増感効果が見られ、比較的低濃度のN20検知を可 能にさせた。また、Sn02系素子は水蒸気存在下において特に低濃度のN20に対してセ
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-ンサ感度が妨害されることが明らかとなった。このことは、 第二成分添加素子でも水 蒸気の共存した状態にあると N20 感度はまだ十分な値ではないことを示した。 一方、
本研究において、酸化物の結晶子径を大きくすることおよびガス拡散に有利な構造に することがセンサ感度の向上に対して効果的な条件であることが示唆されたO従って、
このような素子設計の指針に基づいてさらにN20感度を向上させることにより、 水蒸 気の影響を受けてもN20感度が妨害されないセンサ素子を構築する 必要がある。また、
Sn02への第二成分の表面添加で、はなく、Sn02に価数の異なる異種元素をドーピングす
ることによりSn02の特性を変化させ、N20感度の改善が可能で、あるかについて検討を 行う必要性も 今後重要な課題であると考えられる。最後に、 本研究においてセンサ素 子の N20検知機構については、 センサ材料の分解活性からの考察のみで、行ったため、
応答機構に関するさらなる検討を行わなければならない。すなわち、 N20ガスとセン サ材料問の吸着特性等のような相互的な作用に関する詳細な検討を加えることが今後
さらに必要で、ある。
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-謝 辞
本研究の遂行および本論文の作成に際しまして、 終始懇切な御指導、 御鞭援を賜 りました九州大学大学院総合理工学研究院教授山添 昇先生に心より感謝の意を表 します。
本論文の作成に際しまして、 九州大学大学院総合理工学研究院教授 栃原 浩先 生、 九州大学大学院総合理工学研究院教授 森永健次先生には大変有益な御助言を 頂きました。 ここに厚く御礼申し上げます。
本研究の遂行および本論文の作成に際しまして、 数々の有益な御指導、 御助言を 頂きました九州大学先端科学技術共同研究センター教授三浦則雄先生に厚く御礼申 し上げます。
本研究に関する数々の御助言、 御協力を頂きました長崎大学工学部応用化学科教 授寺岡靖剛先生、 鹿児島大学医学部教授上村裕一先生に厚く御礼申し上げます。
九州大学大学院総合理工学研究院助教授島ノ江憲剛先生には本研究を行うにあた り、 熱心な御指導および数々の有益な御助言を頂きました。 ここに厚く御礼申し上 げます。
本研究を進めるにあたり、 直接の御指導および適切なる御助言を頂き、 大変御世 話になりました九州大学大学院総合理工学研究院助手酒井 剛先生に深く感謝致し ます。
最後に、 本研究を進めるにあたり、 御協力を頂きました山浦弘之氏、 白 南錫氏、
元岡功一氏、 釘島裕洋氏ならびに山添研究室でともに実験および生活した皆様に感 謝の意を表します。
平成13年1月