注意: 部分的なデータベースのバックアップの内容はユーザーが定義したものであるた め、これらのバックアップの内容は、NetBackup for SQL Server によるリカバリが実行さ れる際に必要なバックアップとして使用されません。このため、NetBackup でデータベー スのリカバリを実行する場合、部分的なバックアップは適切でない場合があります。
SQL Server のレガシーバックアップポリシーの場合は、データベースの部分的なバック アップも実行できます。 この場合、データベースバックアップには、ユーザーがファイル グループをその場で選択して含めることができます。 個々のデータベースを選択し、「部 分的データベースのテンプレート作成」形式のバックアップを選択した場合、部分的デー タベースバックアップのテンプレートを作成できます。 テンプレートは、すべてのファイル グループがコメントアウトされた状態で作成されます。ファイルグループからコメントを削除 することによって、部分的なバックアップに含めるファイルグループを選択できます。
SQL Server の差分バックアップについて
差分バックアップはファイルグループのバックアップの単位および完全なデータベースで 作成できます。 差分バックアップには、完全バックアップでオブジェクトが最後に取得さ れてから、このオブジェクトの内容に加えられた変更が含まれます。
メモ: SQL Server では、データベースファイルに差分バックアップを作成することはでき ません。
これらのコンポーネントは、NetBackup for SQL Server を NetBackup サーバーに接続 する共通 NetBackup クライアントモジュールである VxBSA.dll とも連動します。
図 10-1 に、NetBackup for SQL Server とその他のソフトウェアコンポーネントとの関係 を示します。
図 10-1 NetBackup for SQL Server コンポーネント NetBackup
クライアント
NetBackup サーバー
NetBackup Media Manager NetBackup
サーバー bphdb.exe
dbbackex.exe
dbbackmain.dll
SQL Server DBMS dbbackup.exe
VxBSA.dll 2 1
3
4
8
5
6
7
9
NetBackup for SQL Server と他のソフトウェアコンポーネントの間で、次の相互作用が 発生します。
■ すべてのバックアップまたはリストア操作は、dbbackex.exe を介して次のいずれかの 方法で開始されます。
■ スケジュールバックアップ
NetBackup スケジューラによって bphdb (1) が呼び出され、さらに bphdb (1) によって dbbackex (2) が呼び出されます。
■ GUI によって開始されるバックアップ
dbbackup.exe によって dbbackex.exe (3) が起動されます。
■ コマンドライン (Command line)
dbbackex.exe は、コマンドラインまたはサードパーティツールから直接起動され ます。
第 10 章 バックアップおよびリカバリの概念 163 NetBackup for SQL Server のコンポーネント
■ dbbackex.exe は、dbbackmain.dll (4) への関数呼び出しによって、バックアップま たはリストア操作を行います。操作は、dbbackmain.dll が SQL Server と NetBackup サーバー間で 1 つ以上のデータストリームを実行するときに行われます。データスト リーム (7) は、VDI (5) と XBSA インターフェース (6) を介して接続されます。VDI は SQL Server と通信し、XBSA は NetBackup データベースクライアントと通信します。
■ (レガシー SQL Server ポリシー) NetBackup for SQL Server GUI (dbbackup.exe) では、SQL Server オブジェクト (通常は、データベース、ファイルグループ、データ ベースファイルなど) を参照できます。 dbbackup.exe は dbbackmain.dll (8) を起動 して、SQL Server のマスターデータベースにアクセスします。 NetBackup for SQL Server では、ODBC 経由で SQL Server に関する情報にアクセスします。
■ NetBackup for SQL Server GUI (dbbackup.exe) では、SQL Server バックアップ イメージを参照することもできます。 参照できるイメージは、NetBackup カタログに含 まれています。カタログの内容にアクセスするには、GUI で dbbackmain.dll を起動 します。dbbackmain.dll は VxBSA 関数呼び出しを使用して、NetBackup サーバー のデータベースマネージャにアクセスします。
NetBackup での SQL Server ホストおよびインスタン ス名の解決方法
通常、SQL Server のインストールは、インストールが存在するホストの名前とインスタン ス名の組み合わせによって識別されます。インスタンス名を省略した場合、NetBackup では、そのインストールは、ホスト上のデフォルトインストールであると想定されます。たと えば、1 つのホストには、TIGER、TIGER¥ACCOUNTING、TIGER¥WAREHOUSE な どの複数の SQL Server インストールが含まれている場合があります。SQL Server のク ラスタインスタンスは複数のホストに同時に存在し、仮想名で識別されます。
ホスト名および SQL Server インテリジェントポリシー
SQL Server インテリジェントポリシーを使うと、バックアップは次のようにカタログ登録され
ます。
例 カタログ名
環境
sqlhost1 インスタンス管理に登録されているホスト名
通常 NetBackup はインスタンスを自動的に検 出し、NetBackup クライアント名を用いてそのイ ンスタンスを登録します。
インスタンスまたはデー タベース
virtsql SQL Server の仮想名
SQL Server クラスタ
sqlhost1-NB SQL Server ホストのプライベートインターフェー
ス名 複数 NIC
第 10 章 バックアップおよびリカバリの概念 164 NetBackup での SQL Server ホストおよびインスタンス名の解決方法
例 カタログ名
環境
virtsql-NB 仮想 SQL Server のプライベートインターフェー
ス名 複数 NIC 環境の SQL Server クラスタ
ホスト名およびレガシー SQL Server ポリシー
例 カタログ名
環境
sqlhost1 NetBackup クライアント名
通常、SQL Server が存在するホスト名またはそ のホストの NetBIOS 名。 IP 名 (たとえば、
20.81.74.123) または完全修飾ドメイン名 (sqlhost1.mycompany.com) の場合もあり ます。
インスタンスまたはデー タベース
virtsql SQL Server の仮想名
SQL Server クラスタ
sqlhost1-NB SQL Server ホストのプライベートインターフェー
ス名 複数 NIC
virtsql-NB 仮想 SQL Server のプライベートインターフェー
ス名 複数 NIC 環境の SQL Server クラスタ
sql-ag-cluster mycompany.com Windows Server フェールオーバークラスタ
(WSFC) の完全修飾ドメイン名 (FQDN) SQL Server 可用性グ
ループ (AG)
例
ほとんどの場合、NetBackup Microsoft SQL Client を使用してバックアップイメージを参 照するときは、[SQL ホスト (SQL host)]名を指定するだけですみます。 この設定は、
[バックアップ履歴のオプション (Backup History Options)]ダイアログボックスに表示さ れます。
NetBackup によって、そのホスト上のすべてのインスタンスのバックアップイメージが表示
されます。ただし、NetBackup で必要なバックアップイメージを表示するには、次の特殊 な場合を考慮してください。
■ ホスト名 (tiger1、tiger.apexworks.com など) とは異なる名前のネットワークインター フェース上のバックアップ。
この場合、バックアップイメージは、NetBIOS 名ではなく、ネットワークインターフェー ス名で格納されます。これらのイメージを取得するには、次の指示を参照してくださ い。
p.180 の 「複数の NIC を備えている場合に SQL Server のリストアを実行する」 を参 照してください。
■ UNIX (または Linux) サーバーからのバックアップ。
第 10 章 バックアップおよびリカバリの概念 165 NetBackup での SQL Server ホストおよびインスタンス名の解決方法
UNIX 名では大文字と小文字の区別があり、Windows 名ではその区別がないため、
この処理で問題が発生する可能性があります。 この場合、NetBackup は、すべての 文字を大文字または小文字で統一してクライアント名を指定し、バックアップイメージ を取得しようとします。UNIX クライアント名に大文字と小文字が混在している場合は、
クライアント名を[ソースクライアント (Source Client)]フィールドで指定する必要があ ります。
SQL ホスト: TIGER ソースクライアント: Tiger
■ NetBackup クライアント名が修飾されたドメイン名である。SQL Server のホスト名ま
たは登録済みのホスト名 (インテリジェントポリシー) は NetBIOS 名です。
バックアップイメージを取得するには、[SQL ホスト (SQL Host)]に NetBIOS 名を指 定し、[ソースクライアント (Source Client)]に完全修飾ドメイン名を指定します。
SQL ホスト: Tiger
ソースクライアント: tiger.apexworks.com
■ NetBackup クライアント名が IP アドレスである。SQL Server のホスト名または登録
済みのホスト名 (インテリジェントポリシー) は NetBIOS 名です。
バックアップイメージを取得するには、[SQL ホスト (SQL Host)]に NetBIOS 名を指 定し、[ソースクライアント (Source Client)]に IP アドレスを指定します。
SQL ホスト: Tiger
ソースクライアント (Source Client): 10.80.136.68
■ SQL Server クラスタのバックアップ
イメージはクラスタ名で格納されるため、この処理では問題は発生しません。 [SQL ホスト名 (SQL Host name)]に SQL Server の仮想名を指定して[ソースクライアント (Source Client)]のデフォルト値を使います。
NetBackup for SQL Server でのデータベースのバッ クアップ方法
バックアップが実行されると、NetBackup for SQL Server は、バックアップスクリプトを作 成し、SQL Server バックアップ文を生成し、SQL Server にログインして ODBC 経由で SQL Server に SQL 文を配信します。 次に、データベースエージェントは、1 つ以上の VDI オブジェクトを使用して SQL Server に接続します。バックアップストライプごとに 1 つの仮想デバイスが作成されます。また、ストライプごとに VxBSA セッションが開始され ます。これらの個別のセッションにより、NetBackup は、SQL Server から生成されたスト リームごとにバックアップジョブを開始できます。
バックアップが完了すると、データベースエージェントは、バックアップされたオブジェクト の詳細なプロパティ (他のオブジェクトとの関係など) を取得します。エージェントは、この 情報を NetBackup カタログに書き込み、バックアップイメージと関連付けます。複数のス 第 10 章 バックアップおよびリカバリの概念 166 NetBackup for SQL Server でのデータベースのバックアップ方法
トライプがある場合は、メタデータが最初のバックアップイメージと関連付けられます。付 属のストライプは、共通の命名規則に従って相互に関連付けられます。
NetBackup for SQL Server でのデータベースのリカ バリ方法
NetBackup MS SQL Client では、データベースの構成を反映した論理階層でバックアッ
プイメージが表示されます。 トランザクションログまたは差分イメージを選択すると、選択 したデータベースのイメージとともに格納されているメタデータが NetBackup によって確 認されます。その後、最も効率的なリカバリセットが決定されます。次に、エージェントに よって、リストアを一連のスクリプトにしたものが含まれるバッチファイルが生成されます。
スクリプトが実行されると、データベースがリカバリされます。
個々のリストア操作は、バックアップと同じように行われます。SQL Server リストア文が生 成されて、ODBC によって SQL Server に提供されます。 VDI 接続が行われます。その 後、Media Manager と SQL Server 間のデータフローを開始する VxBSA セッションが 開始されます。バックアップ時に生成されたストライプの数に応じて、ストリーム数 (および 対応する仮想デバイスと VxBSA セッションの数) が決定されます。
すべてのリカバリ操作が完了すると、SQL Server エージェントは、データベースをリカバ リ済みの状態に設定する最後の手順を実行します。 データベースは再びオンラインにな り、利用可能になります。