#1 (キーワード= 糖尿病 or 血糖 or 耐糖能 or 糖代謝 or 糖質代謝) OR (件名= 糖尿病 or 糖質代謝)
#2
(キーワード= 食物繊維 or 食物線維 or ペクチン or グルコマンナン or カルボキシメチル セルロース or ポリデキストロース or カラギーナン or アガロース or グアガム or グアー ガム or 難消化 or 便秘) OR (件名= 食物繊維 or 便秘)
#3 #1 AND #2
#4 #3 AND 資料種別=記事
26 図 3-1. 対象論文の決定フロー
3.2.3 レビューの方法 1)論文の選択
適格基準に基づき、筆者と共同研究者の東京農業大学大学院上岡洋晴教授が独立し て行い、その後に照合した。不一致が生じた論文については、相談の上で決定した。
抄録およびタイトルだけでは区別がつかない論文については、実際にその論文を入手 し精読してから、組み入れるかどうかを判断した。
データベースに基づく論文検索
ヒットした抄録の検索 医中誌Web (n=413,適合率1.2%) CiNii (n=176,適合率1.7%) JDreamⅡ (n=289,適合率1.7%) NDL-OPAC (n=130,適合率0.8%)
論文を入手し詳細な内容の確認(n=9)
除外した理由
・その他の水溶性食物繊維(n=1)
・その他の水溶性食物繊維およびラット(n=1) (n=2)
除外
適格基準に合致した論文 (n=7)
日本透析医学会誌 (n=1) 日本糖尿病学会誌 (n=0) 日本食物繊維学会誌 (n=2) 日本栄養・食糧学会誌 (n=1) 日本食生活学会誌 (n=1)
合致した論文 (n=12)
ハンドサーチの適合
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適格基準として、研究デザインは介入研究で、PD を原料とする食品の摂取の有無を 群分けの対象とし、血糖上昇抑制効果または便秘改善効果をみるために臨床的・生化 学的指標の変化を主要あるいは副次的なアウトカムとして評価していることとした。
該当する論文の全文を精読し、前述の条件に合致する論文を選択した。
2)結果の要約
対象論文における研究内容については、CONSORT2010 によるチェックリスト17-18)を 参照し、構造化抄録の形式20)で付録 3-1 にまとめた。記載不十分で不明の箇所はい ずれも記載なしと記述した。なお、本研究は公表された文献についての二次研究であ るため、倫理面の配慮は特になかった。
3.3 結果
3.3.1 対象論文の特性
データベースからの検索時点では、医中誌 Web413 報、CiNii176 報、JDreamⅡ289 報、NDL-OPAC130 報の潜在的な論文が該当し、これらの論文を前述した手順にて抄録 やタイトルからさらに医中誌 Web6 報、CiNii3 報、JDreamⅡ5 報、NDL-OPAC1 報(重複 含む)9 報に絞り込んだが、適格基準に合致しない PD 以外の食物繊維を使用した論文 及び対象がラットであった 2 報含まれていたため除外論文とした。ヒットした論文の 内訳は、医中誌 Web5 報(適合率 1.2%)21-25)、CiNii3 報(適合率 1.7%)、うち重複 2 報 のため 1 報のみ抽出するも NDL-OPAC1 報(適合率 0.8%)と重複していた26)。また、JDream
28
Ⅱでは 5 報(適合率 1.7%)のうち重複論文が 4 報あり 1 報を採用した27)。最終的に4 データベースより検索で得られた 7 報、ハンドサーチ(日本透析医学会誌 1 報、日本 糖尿病学会誌 0 報、日本食物繊維学会誌 2 報、日本栄養・食糧学会誌 1 報、日本食生 活学会誌 1 報)による 5 報28-32)の計 12 報を採用した(図 3-1)。なお除外した論文を 付録 3-2 に理由とともにリストで示した。
また、この論文検索について、適合率が低いことが分かるが、適合率は,探索対象 であると認識されたデータに対する本来の探索対象データの含有率を示している。論 文の検索性能を検定するために使用するが、今回は網羅性を考慮し、漏れを少なくす るための検索を実施したため、当然ヒット文献数は増えるため適合率が下がり、さら に、PD による血糖及び便秘症に対する論文が少ないことも示唆している。
付録 3-1 の構造化抄録として研究を要約し、結果のまとめを表 3-2 に示した。PD を使用した血糖上昇抑制に関する研究が 7 報、便秘に関する研究が 5 報であった21-32)。 Kurotobi ら21)、下村ら26)小澤ら27)中川ら28)橋本ら29)松生ら30)清水ら31)は PD の みを用い、矢部ら22)と板垣ら24)はマルチトール、Shimomura ら23)はラクチトール、
佐藤ら25)はカラギーナン、近松ら32)はラクチュロースを PD と組み合わせて使用し ていた。
研究デザインについて明確に記述されていたのは 3 報22-23),28)のみで、ブラインド 化について記述されていたのは 4 報22)24)28)31)
であった。統計手法について記述がな かったのは、中川ら28)、松生ら30)、近松ら32)の報告であった。対象を健常人として いたのは Kurotobi ら21)、Shimomura ら23)、下村ら26)、中川ら28)、橋本ら29)、清水ら
29
31)の報告であった。小澤ら27)は入院患者を対象(糖尿病罹患は不明)としており、
透析患者を対象としたものが近松ら32)、常習性便秘症を対象としたものが松生ら30)、 それ以外 3 報は 2 型糖尿病患者を対象としたものであった。
表 3-2.有効性の要約
kurotobi
ら 下村ら 小澤ら 中川ら 橋本ら 松生ら 清水ら 矢部ら Shimom
uraら 板垣ら 佐藤ら 近松ら
PDのみ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
血糖上昇
抑制効果 + + + + + + +
HbA1c改
善効果 +
排便改善
効果 + + + + +
研究デザ
イン ○ ○ ○
コントロー
ル群 ○ ○ ○
参加者の
特性 健常人 健常人 CAD,CV
D,DHF 健常人 健常人 便秘 健常人 糖尿病 健常人 糖尿病 糖尿病 血液 透析 主要なア
ウトカム
統計手法 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
解析対象
者 ○ ○ ○
解析され た人数
(人)
試験1:30
試験2:8 10 17 22 27 92 試験1:10
試験2:45 17 5 18 11 6 有害事象
(ありな し)
○(なし) ○(あり) ○(あり) ○(なし) ○(あり)
脂質改善
効果 + +
血圧上昇
抑制効果 +
PD
のみ単独使用した論文、また血糖上昇抑制効果と排便効果を中心にまとめた。
PD:ポリデキストロース
+:効果や影響があった記載あり
○:記載あり
CAD:脳血管障害 ,CVD:虚血性心疾患 ,DHF
慢性心不全
30 3.3.2 PD の効果(PD 単独使用)
PD 以外との併用がなかった対象論文 7 報21,26-31)において、血糖上昇抑制効果が 3 報、便秘改善が 4 報であった。PD のみ単独使用による効果にて、血清血糖上昇抑制や AUC(血糖上昇曲線面積)において統計学的に有意な低下が得られた論文は Kurotobi ら
21)と下村ら26)の報告であった。小澤ら27)は血清インスリン値が有意に低下したと報 告している。便秘に対する効果においては、中川ら28)、清水ら31)の 2 報において、
排便の硬度など性状に有意な改善がみられていた。橋本ら29)は下剤や浣腸の使用回 数が有意に減少したと報告されていた。松生ら30)は、アンケート集計のみで解析を 行っていなかった。
3.3.3 その他の効果(血清脂質・血圧など)
矢部ら22)、Shimomura ら23)では中性脂肪の有意な低下がみられた。小澤ら27)によ ると血圧の改善がみられた。
3.3.4 有害事象
記述がされていたのは 5 報、うち 1 報は PD と併用した内容であった。そのうち小 澤ら27)は有害事象はなし、中川ら28)、橋本ら29)、近松ら32)では下痢や腹部不快感が 認められ、清水ら31)は、同様の症状があったが、有害事象ではないと判断されてい た。しかし、ほとんどの研究で有害事象について詳細に記述がされていなかった。
31 3.4 考察
本研究は、PD による血糖上昇抑制と便秘改善効果を目的とした介入研究の効果を評 価した論文に関してレビューを行った。チェックリストで記述の確認を行ったところ、
主要アウトカム、ブラインディング、募集方法、試験登録、資金においてはほとんど 記載がなかった。設定した項目に該当する記述がない論文が多数存在することがわか り、報告の質を改善する必要性があると考える。
介入研究におけるエビデンスグレーディングでは、RCT、non-RCT、前後比較試験の 順番で低くなるが、今回実施したレビューの傾向から、PD における血糖上昇抑制効果 や便秘改善効果に対して RCT はなく、コントロール群のない前後比較研究が主であっ た。効果をみる項目は十分設定されているが、結果に曖昧な点が多かったことも指摘 できる。
論文の質を上げるためには、著名なチェックリストに基づくことで標準化された情 報を掲示することができる。CONSORT201017-18)および TREND 声明19)において、論文の 要約が必要な場合には、構造化抄録を用いることが推奨されており、構造化抄録を有 することでより質が高い論文となることはすでに知られている。本研究における構造 化抄録は RCT の報告をする際に含まれるべき項目を参考に作成した。介入試験には該 当しない「ランダム化」の項目やどこに当てはめて良いかわかりにくい「募集」項目 が含まれ、判定に迷うケースが多くなるため、臨床上必要な項目数を加えたものを用 いた。「期間」などオリジナルの項目を設定することでよりわかりやすくまとめること ができた。個々の項目および構成については様々な案があると考えられるが、本研究
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で使用した構造化抄録の項目設定に関しては、研究内容を理解しやすくしたと考えら れる。
介入プログラムの評価として、目標症例数をあらかじめ設定し解析対象とした症例 数が統計学的に十分かを検討し記載すること、また仮説をしっかりと記載することは 望まれるところである。また、参加者のリクルートメント、決定、解析に至るまでど の程度の脱落があったかなど記載および、フローチャートで示されているものはなか った。
主要アウトカムを定義している報告もなく、解析対象者を改めて記載した論文は 3
報24,28-29)のみであった。このような記載を十分に記述することにより、前後比較試
験などエビデンスが低い研究であっても、一定の価値を把握することができると考え られる。
表 3-3. 今後の PD における臨床研究の課題