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週後において、1 日血糖測定を実施、昼食に同一試験食を 摂取した結果の比較

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食物繊維ゼリー摂取前と摂取 4 週後において、1 日血糖測定を実施、昼食に同一試験食を 摂取した結果の比較

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性、総合評価のいずれの項目においても、平均点は 3 点以上の高い評価であった。

図 6-1. 試験食摂取前と摂取 2 時間後における血糖値の変化(短期試験)

平均値±標準偏差 *; p<0.05 vs. 介入前

食物繊維ゼリー摂取前と摂取 4 週後において、1 日血糖測定を実施、昼食に同一試験食を

69 図 6-2. 平均随時血糖値の推移(長期試験)

図 6-3. 1 日当たりの排便回数の変化

平均値±標準偏差 *; p<0.05 vs. 摂取前

対象者の透析開始時に測定した血糖値の平均値を示した

平均値±標準偏差 **; p<0.01 vs. 摂取前、#;P<0.01 vs. 摂取中

透析毎に排便状況を聞き取り、摂取前、摂取中、摂取後において 1 日あたりの平均値で示した

0 50 100 150 200 250 300

摂取前 摂取中 摂取後

*

213

± 73

184

± 66

205

± 80

血糖値 ( m g/ dL )

0 0.5 1 1.5 2 2.5 3

介入前 摂取中 介入終了後

1日当たりの排便回数(回)

**

#

70

表 6-5. 血液学的検査値および血液生化学検査値(長期試験)

検査項目 介入前 4週 12週 終了4週後

HbA1c (%) 7.3±1.2 7.3±1.3 6.7±1.2* 7.1±1.0 ヘマトクリット (%) 33.4±3.2 31.7±2.2 32.5±3.4 31.4±2.1 血色素量 (g/dL) 10.5±1.0 10.0±0.7 10.3±0.9 10.0±0.6 白血球数 (/μL) 6170±1175 6594±1613 6837±1214 6613±1046 赤血球数 (104/μL) 348±40 331±37* 333±48 327±40 MCV (fL) 96.2±7.6 96.2±6.9 98.0±7.2 96.7±6.6 MCH (pg) 30.3±2.9 30.4±3.0 31.3±3.2** 30.9±3.2 MCHC (%) 31.5±0.9 31.6±1.3 31.8±1.0 31.9±1.3 血小板数 (104/μL) 22.0±3.5 22.0±4.7 23.2+5.4 23.8±6.0 BUN (mg/dL) 62.1±18.9 68.3±14.1 61.8±14.3 61.8±19.2 クレアチニン

(mg/dL) 8.4±3.6 9.0±3.5* 8.6±3.1 8.3±3.1*

尿酸 (mg/dL) 7.2±0.9 8.0±1.3* 7.2±1.0 7.2±0.5 Na (mEq/L) 138.6±1.7 136.5±1.7** 136.1±1.9** 137.3±2.5 Cl (mEq/L) 104.9±3.3 102.0±3.2** 101.5±3.0** 103.1±4.9 K (mEq/L) 5.3±0.7 5.4±0.6 5.3±0.7 5.2±0.7 Ca (mg/dL) 8.6±0.8 8.5±0.9 8.6±0.9 8.7±0.8 P (mg/dL) 4.5±1.4 5.5±1.4* 5.1±1.5 4.8±1.2 TP (g/dL) 6.6±0.4 6.6±0.3 6.7±0.4 6.5±0.4 Alb (g/dL) 3.6±0.3 3.7±0.3 3.8±0.4* 3.6±0.3 AST (IU/L) 13.3±4.3 13.2±3.9 12.3±3.0 12.7±3.8 ALT (IU/L) 11.2±3.1 11.5±5.3 10.0±4.2 11.0±4.3 T-BiLL (mg/dL) 0.2±0.1 0.2±0.1 0.2±0.1 0.2±0.1 LDH (IU/L) 192.3±30.6 188.9±39.0 177.9±30.0 185.1±39.8 ChE (IU/L) 254.0±50.6 258.3±61.1 252.9±63.4 246.6±52.1 ALP (IU/L) 255.9±69.3 268.8±84.8 274.4±75.5 276.1±79.5 γ-GTP (IU/L) 24.4±33.8 24.1±30.8 20.1±13.2 21.5±18.4 CRP (mg/dL) 0.25±0.41 0.27±0.43 0.98±2.1 0.52±0.78

検査項目 介入前 8週 終了8週後

総コレステロール

(mg/dL) 154.4±21.5 159.6±18.4 149.7±22.4 HDLコレステロール

(mg/dL) 41.6±13.7 45.0±14.9 42.9±14.3 LDLコレステロール

(mg/dL) 89.6±17.0 91.2±12.7 83.4±16.4 中性脂肪 (mg/dL) 104.6±64.8 99.1±59.7 102.9±55.4

平均値±標準偏差 *;p<0.05、**;p<0.01 vs. 介入前

反復測定一元配置分散分析、群間比較は対応ある t 検定を実施した

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表 6-6. 体重、心胸比、BMI の推移(長期試験)

表 6-7. 食物繊維ゼリーの嗜好性調査アンケート結果

介入前 4週 8週 12週 終了4週

ドライウェイト

(体重) (kg) 60.9±10.5 60.9±10.5 61.1±10.6 61.1±10.7 61.1±10.7 心胸比 (%) 49.2±4.4 50.1±5.2 50.0±5.3 49.6±4.2 49.1±4.4 BMI (kg/m 2 ) 21.1±3.6 21.1±3.6 21.1±3.7 21.1±3.7 21.1±3.7 ESA製剤 (μg/day) 28.0±19.2 27.0±13.2 30.5±16.1 28.0±15.5 27.0±18.3

評価項目 点

量 3.8±0.8

味 3.5±1.4

食感 3.6±1.3

形態 3.4±1.0

継続性 3.5±1.2

総合 3.9±0.9

平均値±標準偏差 すべてにおいて有意差なし

ゼリー摂取後、対象者に量、味、食感、形態、継続性、総合評価について 5 段階のリッカートスケールで記入

させた(1 点;悪い、2 点;やや悪い、3 点;普通、4 点;良い、5 点;とても良い)

72 6.4 考察

健常者に比べて DM 患者では、食後の血糖値上昇の程度が著しいのが特徴である。

この食後高血糖を抑制する目的で、オリヒロプランデュ㈱と共同で食物繊維ゼリーを 開発した。原料の食物繊維は、風味や食感を損なうことなく、無臭、高溶解性、低粘 度、低価格、大量供給が可能で、かつ食品加工に利用しやすいという特性を有する PD を使用した。PD をゼリー状にすることで、水分とともに摂取することは不要となるた め、透析間体重増加率を小さくすることが可能となり、かつ食事の一環として摂取し やすい規格が実現できた。その結果、ゼリーの摂取率が 97%と高くなったものと考え られる。また、嗜好調査では、内容量、味、食感、形態に一定の満足度が得られてい ることが示された。12 週間にわたる長期試験の結果においては、検査項目の基準値範 囲を逸脱する変動は認められず、ゼリーに起因すると考えられる異常所見は認められ なかった。本結果は、対象者の食事摂取量や生活状況に大きな変化がなかったことに 加え、臨床検査上、ゼリーの長期間摂取の安全性に問題がなかったことを示すもので ある。本ゼリーは、利便性が高く、美味しさを損なわないという基本要件を満たし、

かつ長期間にわたり摂取できるものと判断される。

食事摂取基準(2005 年版)では、食物繊維を“ヒトの消化酵素で消化されない食物 中の難消化性成分の総体”と広範囲に定義している59)。対象成分は、植物性由来の主 成分である難消化性多糖類、オリゴ糖や合成多糖類である PD など多岐にわたる。ま た、「日本糖尿病学会報 糖尿病治療ガイド 2010」が定める食物繊維の摂取量は、“食 物繊維を多く食べるように努める(1 日 20~25g 以上)”と記載されているが3)、DM-HD

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患者では、カリウム制限など食事が制限されているため、食物繊維摂取量が少なくな らざるを得ないのが現状である49)

本研究において、ゼリー摂取により、短期試験においては、昼食 2 時間後平均血糖 値で、摂取前 193 ± 75 mg/dL から摂取 4 週後 156 ± 38 mg/dL と有意に低下し、長 期試験においては、随時血糖平均値が摂取前 213±73mg/dL に対し摂取中 184±

66mg/dL と有意に低下し、HbA1c が摂取前の 7.3 ± 1.2%に対し、摂取開始 12 週後に は 6.7 ± 1.2%と低下が認められた。本研究における対象者の食事由来の食物繊維摂 取量は 11.5 g/日であり、今回のゼリー2 個分の食物繊維 14g が付加されることによ り、「日本人の食事摂取基準 2015 年版」の食物繊維推奨量である成人の男性 20g/日、

女性 18g/日ならびに日本糖尿病学会の推奨する食物繊維摂取量の充足が可能となっ た。今回観察された血糖値低下の機序として、PD の十二指腸や空腸において糖質の拡 散速度と吸収速度を遅延させ、グルコースの腸管吸収を緩除にすることが関与すると 考えられる51-52)

中国上海大学の Zhong 教授らのもとで行われたグリセミックインデックス(GI)に 関する試験35)では、120 人の学生被検者に対し、50g グルコースに 12g の PD を同時摂 取することで、血糖上昇を緩やかにし GI 値を 12%低下させる効果を確認した。また、

吉村ら26)によると 50g のグルコースを溶解した溶液 100ml と同濃度の溶液+PD14g を 溶解した溶液で比較したところ、血漿グルコース濃度のピークは摂取後 45 分と同等 であったが、ピークの平均値はコントロールが 153±6mg/dL に対し、PD のピークの平 均値は 142±38mg/dL と低下傾向を示した。また、2 時間後までの各時点の値も PD 摂

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取によりコントロールのいずれの地点よりも低い傾向であった。血清インスリンレベ ルにおいては、コントロールが 45~60 分でピークになったのに対し、PD 摂取は 45 分でピークになり、いずれの時点でもコントロールより低い傾向にあった。血漿グル コースと血清インスリン濃度の上昇カーブの AUC の平均値も PD 摂取によりそれぞれ 28±12%、26±10%の有意な低下を示した。以上の先行研究の所見より、本研究にお いても PD による炭水化物の GI 値の低下させる作用により血糖上昇抑制効果がみられ た結果に繋がった可能性が考えられる。

また、本研究ではゼリーを食前摂取としたことにより、食事にかける時間や食事内 容の影響を受ける血糖値の上昇が抑制されたと考えられる。これは、食事由来の糖分 が腸管で吸収される段階で、PD の血糖値上昇を緩やかにし、インスリンの過剰分泌(必 要量)を軽減する作用や GI 値を低下させる作用が35)より有効に発揮したと考えられ る。本研究におけるゼリー摂取のタイミングは、摂取忘れ防止のためにインスリン注 射と同時とし、個人の食事にかける時間の影響を少なくするために食前摂取とした。

今後、摂取タイミングならびに摂取至適容量の検討が課題である。

今回認められたゼリー摂取による排便回数増加の機序は、通常の食事で不足してい る食物繊維総量を 25g/日にすることで、糞便量は増大し、腸内移動時間は短縮したこ とが、排便状況の改善に繋がったものと考えられる。性状においては、軟便は普通便 へ、硬便は普通便への変化が見られたものの、今回の試験では対象者の下剤服用の調 整を行わなかったこともあり、ゼリーの効果が出現しにくかったことが推測される。

特定保健用食品(規格基準型)制度の規格基準における、摂取上の注意事項において、

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“摂り過ぎあるいは体質・体調により、お腹がゆるくなる”旨ならびに“PD の 1 日摂 取目安量は食物繊維として 7g-8g”と記載されている60)。また、浜中らは 8 週間に渡 り PD を最終的に 50g/日まで増量させたところ、臨床上変化は認められなかったと報 告している61)。今回の対象者においても 14g/日の摂取量では下痢の出現は認められ なかった。

DM-HD 患者における HbA1c 値は、腎性貧血病態で赤血球寿命が短縮していることや、

ESA による治療により造血の状態が変動することにより、一般の DM 患者よりも低値で あることが示されている62-63)。今回の対象者において、ゼリー摂取期間中に ESA 投与 量が増量された例が 2 例、減量された例が 2 例あったものの、その他の対象者では変 更はなく、かつ、介入前後で Hb に差異は認められなかった。今後、新たな血糖コン トロールの指標である、赤血球寿命に影響されないグリコアルブミン(GA)の測定を 併せて評価することも課題として残された。本研究におけるその他の限界として以下 の4点が挙げられる。1)対象症例数が少ないこと。2)コントロール群を設けてい ない研究方法のため、得られた結果がゼリーだけの効果であると断言できないこと。

3)対象者の評価においてプロトコール通りに実施された症例のみを解析したこと。

4)随時血糖値は透析日のみの測定であるため、非透析日を含めて測定回数を増やす 必要があることなどである。DM に合併する網膜症、神経障害、心血管障害の発症・進 展ならびに QOL および ADL に対し、ゼリー摂取がどの程度の予防・抑制・改善効果が 期待できるかの臨床的意義を検証するには、より多くの対象者における摂取量の検討 と長期間の調査が不可欠であり、今後の課題として残された。

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