4
:小細胞癌(
50
歳代、男性:気管支鏡生検、捺印)NCAM
5
:大細胞神経内分泌癌を示唆する非小細胞癌
(
70
歳代、女性:気管支鏡生検、捺印)細胞観察のポイント 1 小細胞癌の特徴はない。
2 明らかな腺、扁平上皮への分化はない。
3 神経内分泌形態を示している。
鑑別のポイント(本症例)
1 小細胞癌よりも大型で、比較的広い細胞質を有して いる。
2 小型だが1個~複数個の核小体がみられる。
3 壊死物質や、核線、一部で不明瞭ながらロゼット様構 造(矢印)がみられる。
4 細胞診では形態のみから推定し、LCNECを示唆する 非小細胞癌とした。
5 chromogranin A(陰性)、synaptophysin(一部陽性)、
NCAM(陽性)。
6 生検では形態と神経内分泌マーカーより、LCNECを 示唆する非小細胞癌とした。
関連知識
1 神経内分泌形態を有しているときのみ、神経内分泌 マーカーでの確認を行う。
2 神経内分泌マーカーのうち、1つでも10%以上の領域 に染まれば陽性と判定。
3 類基底細胞型扁平上皮癌との鑑別はp40が有用であ る。
4 神経内分泌分化が確認できない場合は神経内分泌形 態をもつ大細胞癌とする。
6
:腺扁平上皮癌が疑われる非小細胞癌(
70
歳代、女性:気管支鏡生検、捺印)細胞観察のポイント 1 小細胞癌の特徴はない。
2 明らかな腺、および扁平上皮へ分化している細胞が混 在している。
鑑別のポイント(本症例)
1腫瘍細胞は腺への分化(小腺腔、繊細クロマチン、
核縁肥厚)がみられる。
2腫瘍細胞は扁平上皮への分化(一部には角化細胞)
がみられる。
3生検、細胞診では腫瘍全体での割合が不明なので、
非小細胞癌 NOSとし、特徴の付記(腺扁平上皮癌 が 疑われる、など)にとどめる。
関連知識
1 手術材料であっても、腺癌、扁平上皮癌の一方の成分 が10 %未満の場合は、所見の記載 にとどめる。
2 充実性部分も免疫染色により(充実)腺癌、(非角化型)
扁平上皮癌と判定できれば、腺扁平上皮癌の範疇にな る。
3 変性した細胞(扁平上皮癌細胞の空胞変性、腺癌細胞 の好酸性変化)の判定を誤らないこと。
biopsy
operation
giant
spindle
7
:肉腫様変化(巨細胞)を伴う非小細胞癌
(
70
歳代、男性:気管支鏡生検、擦過)細胞観察のポイント
1 肉腫あるいは肉腫様成分を含む低分化な非小細胞癌 成分がみられる。
2 肉腫様形態(巨細胞、紡錘形細胞)を示す異型細胞が みられる。
鑑別のポイント(本症例)
1 結合性が低下し、多形性を示す大型異型細胞がみら れる。
2 異型細胞は多核巨細胞が目立つ。
3 生検、細胞診では巨細胞癌成分のみがみられたが、
腫瘍全体でその他の成分との関係が不明なので、
非小細胞癌 NOSとし、特徴の付記にとどめる。
4 手術材料では巨細胞癌、紡錘細胞癌の両成分がみら れ、多形癌と診断された。
関連知識
1 肉腫様癌とは多形癌、紡錘細胞癌、巨細胞癌、癌肉腫、
肺芽腫の総称である。
2多形癌は紡錘細胞あるいは巨細胞を含む扁平上皮癌、
腺癌、未分化小細胞癌、あるいは紡錘細胞癌と巨細胞 癌のみからなる癌である。
3 多形癌とするには紡錘細胞、巨細胞の成分は腫瘍全体 の10 %以上を占めること。
4多形癌の中に扁平上皮癌、腺癌成分がみられるときは、
その旨記載する。
5癌肉腫の肉腫成分は異所性であり、異所性成分を認め ない場合は多形癌とする。
緒言より
非小細胞癌 non-small cell carcinoma(NSCC)・分化が明確であれば腺癌、扁平上皮癌と推定組織型を記載
・肉腫様成分がみられた場合、非小細胞癌とし、付記として紡錘細胞や巨細胞が混在すること、
また腺癌や扁平上皮癌が混在する場合はその旨を記載
非小細胞癌、特定不能 non-small cell carcinoma, not otherwise specified(NSCC-NOS) ・必要最小限の使用とする
非扁平上皮癌 non-squamous cell carcinoma(non-SQCC) ・使用しない
大細胞癌、腺扁平上皮癌、肉腫様癌 ・使用しない
上皮内腺癌 adenocarcinoma in situ(AIS)・使用しない 疑い所見
→ 腺癌、置換型成分を有数する可能性あり
微少浸潤性腺癌 minimally invasive adenocarcinoma(MIA)・使用しない 疑い所見