67 (B)
c-Fos 5-HT c-Fos/5-HT
Vehicle A + Vehicle B
Vehicle A + LY341495
NBQX
+
LY341495
68 (C)
Vehicle A + Vehicle C
Vehicle A + Ketamine
NBQX + Ketamine
c-Fos 5-HT c-Fos/5-HT
69 (D)
Vehicle A + Vehicle C
Vehicle A + Ketamine
NBQX + Ketamine
c-Fos 5-HT c-Fos/5-HT
70 (E) mGlu2/3 receptor antagonist
(F) Ketamine
Fig. 41 Effects of microinjection of an AMPA receptor antagonist on LY341495 or Ketamine -induced c -Fos immunoreactivity colocalized with 5 -HT neuron cells in the dorsal raphe nucleus.
(A, B, C, D) Confocal images of c -Fos (red), 5 -HT cells (green) and double (5 -HT-c-Fos, colocalization) immunoreactivities in the DRN at around -4,72 mm from bregma (Scale bar:
(A, C) 100 m, (B, D) 20 m). Arro ws represent the double (5 -HT-c-Fos, colocalization) immunoreactivities. (E, F) Percentages of c -Fos/5-HT colocalization in the DRN at around -4,72 mm from bregma following LY341495 (E) or Ketamine (F) administration. LY341495 (1 mg/kg, i.p.) or Ketamine (30 mg/kg , i.p.) was administered 90 min prior to the test. NB QX (0.03 nmol/side) was administered into the mP FC 95 min prior to the test. Vehicle A: 10%
DMSO in Ringer ’s solution, Vehicle B: 1/15 M phosphate buffer, Vehicle C: Saline. Values indicate the mean ± S.E.M. ((E): n = 6, (F): n = 6). **p < 0.01 compared with Vehicle A-treated Vehicle B, ++p < 0.01 compared with Vehicle A -treated Vehicle C, #p < 0.05 compared with Vehicle A-treated Ketamine, ##p < 0.01 compared with Vehicle A-treated LY341495 (Student’s t-test).
0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100
Vehicle A Vehicle A NBQX (0.03 nmol/side)
Colocalization (%)
**
LY341495 (1 mg/kg, i.p.) Vehicle B
##
0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100
Vehicle A Vehicle A NBQX (0.03 nmol/side)
Colocalization (%)
++
Ketamine (30 mg/kg, i.p.) Vehicle C
#
71 3-4. 考 察
本 章 で は 、FST を 用 い て mGlu2/3 受 容 体 拮 抗 薬 及 び Ketamine の 抗 う つ 作 用 発 現 に お け る 内 側 前 頭 前 皮 質 - 背 側 縫 線 核 回 路 に よ り 調 節 さ れ る セ ロ ト ニ ン 神 経 の 関 与 に つ い て 検 討 し た 。
LY341495及 び Ketamine は 全 身 投 与 に よ り 、運 動 量 に 影 響 を 及 ぼ さ ず に 抗 う つ 作 用 を 示 し た こ と か ら 、こ れ ら の 薬 物 の 抗 う つ 作 用 は 非 特 異 的 な 作 用 で は な い こ と が 示 さ れ た 。 さ ら に 、第 2 章 の NSFT 及 び 本 章 の FST に お い て 、LY341495 及 び Ketamineの 抗 う つ 作 用 は セ ロ ト ニ ン 枯 渇 薬 の PCPAに よ り 拮 抗 さ れ た こ と か ら 、mGlu2/3 受 容 体 拮 抗 薬 及 び Ketamine の 抗 う つ 作 用 発 現 に は セ ロ ト ニ ン 神 経 系 が 関 与 し て い る こ と が 示 唆 さ れ た 。 こ れ ま で に 、mGlu2/3 受 容 体 拮 抗 薬 及 び Ketamine は 内 側 前 頭 前 皮 質 に 作 用 し 、 BDNF-mTOR シ グ ナ ル を 介 し て シ ナ プ ス タ ン パ ク 質 の 合 成 を 促 進 す る こ と で 抗 う つ 作 用 を 発 現 す る と 示 唆 さ れ て い る (27, 73)。 本 研 究 は 、 脳 内 微 量 注 入 法 を 用 い 、mGlu2/3 受 容 体 拮 抗 薬 及 び Ketamine が 内 側 前 頭 前 皮 質 に 作 用 し 、 セ ロ ト ニ ン 神 経 系 の 調 節 を 介 し て 抗 う つ 作 用 を 発 現 す る こ と を 明 ら か に し た 。
背 側 縫 線 核 に 神 経 核 を 有 す る セ ロ ト ニ ン 神 経 は 、前 頭 前 皮 質 を 含 む 様 々 な 領 域 か ら の 神 経 投 射 に よ り そ の 活 性 が 制 御 さ れ て い る (9 7)。 こ の 中 で 、 内 側 前 頭 前 皮 質 の 錐 体 細 胞 に 発 現 す る AMPA 受 容 体 を 活 性 化 す る と 、 投 射 先 の 背 側 縫 線 核 に 存 在 す る セ ロ ト ニ ン 神 経 が 活 性 化 さ れ る と 示 唆 さ れ て い る(103)。ま た 、AMPA 受 容 体 の 活 性 化 は mGlu2/3 受 容 体 拮 抗 薬 及 び Ketamine に よ り 惹 起 さ れ る 内 側 前 頭 前 皮 質 に お け る セ ロ ト ニ ン 遊 離 の 促 進 及 び 抗 う つ 作 用 発 現 に 関 与 す る こ と が 報 告 さ れ て い る(26, 29, 53, 55)。さ ら に 、 LY341495 は グ ル タ ミ ン 酸 神 経 末 端 の 自 己 受 容 体 を 抑 制 し 、Ketamineは 前 頭 前 皮 質 に お け る 錐 体 細 胞 を 脱 抑 制 す る こ と に よ り 、そ れ ぞ れ 前 頭 前 皮 質 に お け る グ ル タ ミ ン 酸 遊 離 を 促 進 す る こ と が 報 告 さ れ て い る(24, 72)。こ れ ら の こ と か ら 、mGlu2/3受 容 体 拮 抗 薬 及 び Ketamine は グ ル タ ミ ン 酸 遊 離 の 促 進 を 介 し て 、 内 側 前 頭 前 皮 質 の AMPA受 容 体 を 刺 激 し セ ロ ト ニ ン 神 経 を 活 性 化 す る こ と で 、抗 う つ 作 用 を 発 現 す る 可 能 性 が 考 え ら れ た 。 本 研 究 で 、LY341495及 び Ketamine の 抗 う つ 作 用 は NBQXの 内 側 前 頭 前 皮 質 内 投 与 に よ り 拮 抗 さ れ た こ と は 、 こ の 可 能 性 を 支 持 す る も の で あ る 。
さ ら に 、mGlu2/3 受 容 体 拮 抗 薬 及 び Ketamine が 内 側 前 頭 前 皮 質 の AMPA 受 容 体 の 活 性 化 を 介 し て 背 側 縫 線 核 の セ ロ ト ニ ン 神 経 を 活 性 化 す る か 否 か に つ い て 、神 経 活 動 の 指 標 と し て c-Fos の 発 現 を 利 用 し た 二 重 蛍 光 免 疫 染 色 法 を 用 い 検 討 し た 。 そ の 結 果 、 mGlu2/3 受 容 体 拮 抗 薬 及 び Ketamine は 内 側 前 頭 前 皮 質 に 作 用 し て 背 側 縫 線 核 の セ ロ ト ニ ン 神 経 を 活 性 化 し た 。加 え て 、こ の 背 側 縫 線 核 の セ ロ ト ニ ン 神 経 活 性 化 は 内 側 前 頭 前 皮 質 の AMPA 受 容 体 活 性 化 を 介 し て い る こ と が 示 さ れ た 。 こ こ ま で の 結 果 と 先 行 研 究 の 結 果 を 総 合 す る と 、 内 側 前 頭 前 皮 質 の AMPA 受 容 体 活 性 化 に よ り 調 節 さ れ る 背 側 縫 線 核 の セ ロ ト ニ ン 神 経 の 活 性 化 が 、mGlu2/3 受 容 体 拮 抗 薬 及 び Ketamine の 抗 う つ 作 用
72
発 現 に 関 与 す る こ と が 考 え ら れ た(98, 99)。最 近 、単 シ ナ プ ス の グ ル タ ミ ン 酸 神 経 が 前 頭 前 皮 質 か ら 背 側 縫 線 核 の セ ロ ト ニ ン 神 経 に 直 接 入 力 し て い る こ と が 報 告 さ れ た(97)。
ま た 、 前 頭 前 皮 質 の 特 定 の 部 位 か ら 投 射 す る グ ル タ ミ ン 酸 神 経 は 背 側 縫 線 核 の GAB A 神 経 よ り も セ ロ ト ニ ン 神 経 を 主 に 制 御 し て い る こ と が 報 告 さ れ た(104)。さ ら に 、前 頭 前 皮 質 の 特 定 部 位 か ら 背 側 縫 線 核 に 投 射 し て い る グ ル タ ミ ン 酸 神 経 終 末 を オ プ ト ジ ェ ネ テ ィ ク ス に よ り 活 性 化 す る と 、背 側 縫 線 核 の セ ロ ト ニ ン 神 経 に お い て 興 奮 性 シ ナ プ ス 後 電 流 が GAB A 神 経 の そ れ と 比 較 し て 約 2 倍 惹 起 さ れ る こ と が 報 告 さ れ た (104)。 こ れ ら の こ と か ら も 、内 側 前 頭 前 皮 質 か ら の 神 経 投 射 に よ り 選 択 的 に 活 性 化 さ れ る 背 側 縫 線 核 の セ ロ ト ニ ン 神 経 が mGlu2/3 受 容 体 拮 抗 薬 及 び Ketamine の 抗 う つ 作 用 発 現 に お い て 重 要 な 役 割 を 果 た し て い る と 考 え ら れ る 。
本 研 究 の 結 果 か ら 、mGlu2/3 受 容 体 拮 抗 薬 及 び Ketamine の 抗 う つ 作 用 発 現 に は 内 側 前 頭 前 皮 質 に お け る AMPA 受 容 体 の 活 性 化 を 介 し た 背 側 縫 線 核 の セ ロ ト ニ ン 神 経 の 活 性 化 が 関 与 す る 可 能 性 が 初 め て 示 さ れ た (Fig. 42)。
Fig. 42 Proposed neural mechanisms of the antidepressant effect s of Ketamine and mGlu2/3 receptor antagonist in the FST.
Ketamine and mGlu2/3 receptor antagonist induce the antidepressant effect s through the activation of a subset of 5 -HT neurons in the DRN modulated by AMPA receptor stimulation in the mPFC.