第4章 雲量に関する各種測定方法のまとめ
H. Malbergは、 ヨーロッパと大西洋の地域について、 極軌道衛星ES
第4章 雲量に関する各種測宗方法のまとめ
4.2 雲量の測定の精度
測定の精度は、 測定値と真の値との差で決まる。 真の値 が分から ない ときは、 一般に、 同一条件の下で測定を繰り返し、 多数の測定値から真 の値を 推定する。 しかし、 気象観測では繰り返して測定することができ ないので、 真の値の精密な推定は困難である。 気象要素は真の値そのも のが暖昧さを持っている。 従って、 気象観測の精度は明確でない場合が ある11)。
雲量の測定基準を定めるということは、 空と雲を何らかの物理的な/。
ラメータで示し、 両者の境界の関値を求めることである。 目視観測 は、
人聞が受け取る視覚的感覚量に基づいている。 空と雲との判別基準 は大
変暖昧である。 従って、 目視観測による雲量は個人によっ て異なる。 絶
対的な真の値ではない。 雲量の測定方法の精度に関する議論には、 どの
方法で、得た雲量値を真の値に近いとするかという仮定が伴う。
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る結果より小さく、 それは雲の垂直方向の厚さが重要な要因であるとし た。 すなわち、 積雲のような雲が地平線近くにあるとき、 地上観測者は その厚い側面を見て、 雲が天空を覆う部分を過大に推定するとした。
また、
D.V.Hoytも、 アメリカ合衆国内の72地点について、 日照から 推定した雲量、 目視観測による雲量、 気象衛星からの画像 による雲量を 比較した48)。 その結果、 日照による雲量と気象衛星の画像による雲量が
ほぼ等しく、 地上の目視観測による値より小さいことを得た。
H. MalbergやD.V.
Hoytは、 このような雲量差が地上観測者の誤差に
よるものであると結論づけたo W. W. Moriartyも、 不透明な雲について地上観測による雲量、 日照から推定した雲量、 気象衛星の画像による雲 量の関係を検討し、 同様の結果を得た49)。
渡透は、 福岡市内の3地点、 すなわち、 福岡管区気象台、 福岡航空測
候所、 九州大学工学部建築学科で測定した雲量を比較し、 雲量に関する 目視観測の適用範囲を検討した50)。 図4に3地点の位置関係を示す。 福 岡管区気象台、 福岡航空測候所、 九州大学工学部建築学科とも平地に位 置する。 ただし、 福岡航空測候所は若干内陸に位置し、 その南東に小高 い丘がある。
渡透による2地点における雲量観測 値の二次元度数分布図に基づいて 雲量差の累積頻度を求めた
。まず、 福岡管区気象台で3 時間毎に観測し た雲量と、 その東方に約6.8km離れ た福岡
航空測候所における対応する雲量を比較した。 1978年8月5日から9月11日までの304個と、 1979 年1月27日か ら2月27日までの256個の合計560個のデータについて、
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-第4章 雲量に関する各種iHiI宏弁法のまとめ
両地点における雲量の値が一致した割合は42.0%であった。 また 、 雲量 差1以内のデータ数は全データ数の70. 2%、 雲量差2以内のデータ数は 全データ数の80.0%であった。 このうち極端な場合、 一方の観測結果が
Oに近くても、 他方においては雲量10と観測されている。
次に、 福岡航空測候所における雲量の観測結果と、 その北西に約
4.0km離れた九州大学工学部建築学科において推定した雲量とを比較した。 こ のときの九州大学における雲量は、 魚眼レンズを用いて撮影した 全天空写真から判読したものである。 1978年11月4日から11月15日ま での59個のデータについて、 両地点における雲量の値が一致した割合は 28.8%であった。 また、 雲量差l以 内のデータ数は全データ数の59.3%、
雲量差2以内のデータ数は全データ数の62.7%であった。
図5は、 福岡管区気象台と福岡航空測候所における1978年8月5日か ら9月11日までの3 04個のデー夕、 及び、 1979年1月27日から2月27 日までの256個のデータについて、 渡濯によ る二次元度数分布図に基づ き、 新たに作成した両地点における観測値のばらつき度合いである。 雲 量が比較的局地性の高い気象データであるとしても、 福岡管区気象台も 福岡航空測候所も共に平地に位置し、 互いに近接していることから、 両 地点における観測値が大きく異なることは考えにくい。 観測者の個人差 の影響も大きいと考える。 この ように目視雲量は暖味で、 必ずしも真の 値ではない。
Fhυ A守
ドキュメント内
雲量の自動測定法の開発に関する研究
(ページ 53-56)