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赤外放射測定の利用

ドキュメント内 雲量の自動測定法の開発に関する研究 (ページ 38-50)

第3章 機 器による雲量の 測 定

3.4 赤外放射測定の利用

第3章 機器による雲量の測宏

3.1 機器による雲量測定の提案

現在、 気圧、 気温、 湿度、 風向・ 風速、 日射量等の多くの気象要素が 観測器械を用いて自動的に測定され ている。 これに対して、 雲量の 測定 には適切な観測機器 が存在しない。 雲の高さの測定には、 航空測候所に おいてシーロメーターを利用している。 しかし 、 雲の水平の広がり、 す なわち、 雲量の測定は目視観測によっている。

機器 による雲量の測定は、 既に1960年代の後半から試みられているよ うであるo

WMO-No.232 IInstrument Development Inquiry

Jに、 そ

の報告がある21)。 ここに記載されて いるもののほとんどは、 気象衛星カ らの観測に関す るものである。 唯一、 本邦の気象庁が赤外放射計を 利用 した雲量の測定 方法を提案している。 しかし、 具体的な測定方法やその 後の進展は不明である。

現在までに、 機器を使用して雲量を測定する 方法 の提案が若干ある。

それら は、 (

1

)全天空写真 の利用、

( 2

)ビデオ ・ カメラ画像の利用

( 3

)赤外放射測定の利用の3通りに大別できる。全天空写真とビデオ ・

カメラ画像の利用は、 昼間の雲量のみを対象としている。 赤外放射測定 を利用すれば、 理論的には夜間の雲量の測定も可能で、ある。

しかし、 い

ずれも 、 機械的に測定する可能性の ある方法として、 その試みが示され ている に過ぎな い。 また、 雲量の推定から記録までが完全に自動化 され ているものは少なく、 実用化には至っていない。

本章では、 次項より、 これら3通りの方法 に関する提案について、}II貢 に述べる。

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第3章機器による雲量の泊u宗

3.2 全天空写真の利用

魚眼レンズを用いた全天空写真から、 雲量を推定する方法がある。 利 用する写真は、 白黒でもカラーでもよい。 画像のコントラストを強調す

るため 、 撮影時にフィルタをかける場合がある。 また、 像を鮮明にし 雲と空の判別を容易にするため、 いわゆるアミカケという格子あるいは 点模様のオーバーレイをかける場合もある。

R.

McCluneyは、 アメリカ合衆国のフロリダ太陽エネルギー ・ センタ ー に設置したIDMPの測定所において、 全天空 のカラー写真を撮影し、

雲量の推定に利用した22)。魚眼レンズ、 モータードライブ付きカメラ 250枚のフィルム ・ マガジンで構成する装置をコンビュータで制御し、

スライド写真を自動的に取得する。 これより雲量の推定を試みた。 しか し、 (

1

)単調 な手作業による処理

(

2

)担当者の賃金、 (

3

)フィ

ルム代や現像代などの経費、 (

4

)フィルムを使い切って現像に出すま での時間、 現像にかかる時間、 その後の雲量算出にかかる 時間を含め、

データ 取得からデータ処理までに時間がかかるとの理由から、 この 方法 による日常的な雲量測定はあきらめている。 その結果、 ビデ オ ・システ ムの開発に取り組むことになる。

G.B.

Davis等は、 天空写真から雲量を推定する方法にコンビュータの 画像処理を応用した23)。 まず、 天空のカラー ・ スライド写真の画像情報 をコンピュータでディジタル化し、 赤色、 青色、 緑色のフィルタにかけ る。 分析には、 コントラストが最も高い赤フィルタ画像を選んでい る。

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第3章機器による雲量の測宕

これより、 Marr-Hildreth演算子注22の単純形を用いて画像内のエッジを

検出し、 主な境界線を決定する。 次に、 境界線で囲まれた各領域が空か 雲かを判別する。 判別の特性には飽和度と明度を選んで、いる。

これを様々な天空状態の画像で検討した結果、

( 1

)色の再現性が首 尾一貫しないために生じる問題、 ( 2 )雲のエッジが弱い場合に輪郭を たどるのが不正確になる問題を挙げている。 この方法は色を空と雲の判 別のパラメータとしているため、 スライド処理とディジタル化の処理が 不十分な場合に問題となる。 露出の違いも飽和度と明度に影響し、 判別 が不正確になることを確認している。

H.G.

Beyer等は、 魚眼レンズを用いた全天空写真からの雲の分布の抽

出法を示した25)。 全天空を撮影したカラー ・ スライドは、 画像処理シス テムに接続したビデオ ・ カメラを通してディジタル化する。 このとき 繭像を赤フィルタと青フィルタにかけ、 ディジタル化の作業を2回行う。

これは、 天空要素と太陽との位置関係によって、 雲が周囲の空より暗く

も明るくも見えるため、 l回のディジタル化によるグレイスケール注23 で

は雲を抽出できないことによる。 赤フィルタにかけた画像と青フィ ルタ にかけた画像を、 それぞれ赤チャンネル画像、 青チャンネル画像とする。

注12 Marr-Hildreth演算子とは、 D.MarrとE. Hildrethがコンピュータ画像処理について提案し た演算子であ る(参考文献24)。 一般に、 画像処理では、 画像中の 線や縁を強調するため に 差分フィルタにかける。 差分フィルタは、 注目画素の近傍の階調値の微分または差分を用い た演算によって、 画像中の線や縁を強調するフィルタである。 ここでは、 2次微分の一種で あるラプラシアンにかけてい る。 しかし、 ラプラシアンはノイズに 強く反応して強調するた め、 ラプラシアンにかける前にノイズ除去を施す必要がある。 ここでは、 ガウス関数を用い

て平滑化し、 画像をぼかしている。

加 グレースケールとは、 白から黒までの色票を、 その目的に応じた方式に従って並べた無彩色 の色票系列である。 例えば、 白黒テレビジョンの場合、 このグレイスケールを使って 、 ある 色合いが白 黒画面ではどのように表されるかを知る。 J 1 Sでは色票の段階を感覚的に等し い歩度にとっている。 テレビジョン用は一般に10段階である。 (参考文献26)

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第3章 機器による雲量のi�lj�

赤チャンネルの数と青チャンネルの数との差の赤チャンネルの数に対す る比を、 画素の階調値の相対差の値と定義する。 雲に相当する画素は、

空に相当する画素より相対差の値が大きい。 よって、 関値による単純な 画像の領域分割注24を行い、 雲の部分と空の部分を決定して、 2値画像を 作成する注ヘ2値画像において、 ノイズはメディアン ・ フィルタ注26によ り除去している。

全天空写真の利用で注意すべきことは、 露出の問題である。 写真撮影 の際に露出過多によって雲の像が飛ぶことがある。 特に、 薄い雲、 ある いは、 地平線近くや太陽付近の雲の推定には注意を要する。 また、 写真 を現像した後、 雲量を算定するための処理に時間がかかる。 よって、 現 場で測定結果を得ることができず、 即時性がない。 加えて、 頻繁にフィ ルムを交換する手間など、 人手を必要とするこ の方法は、 長期間の連続 測定には不適当で、ある。

更に、 ディジタル画像はサンプリング画像の一種である。 撮像装置に

凶画像の領域分割は、 画像をある一定の特徴を持つ 小領域ごとに分割する処理である。 画像を 領域分割す る際の単位として 画素を用いる場合は、 ある一定の特徴 を持つ画素を連結したも のとして領 域を構成する。 よって、 各領域の境界線を詳細に決定す ることができるが 、 領域 の境界線付近の処理に長い処理時間を要する場合が多い。 (参考文献27、 pp.128.136) 注お 2値画像とは、 階調値がOまたはlの画像である。 階調値とは各画素の位置における 画像の

明るさである。 階調画像とは 、 画素の階調値が数段階の明るさを表す画像である。 ( 参考文 献27、 p.8)

階調画像を2値画像に変換する処理を2値 化と呼ぶ。 2値化は、 ある関値よりも小さい階調 値を持つ画素をo (黒)、 大 きい階調値を持つ画素を1 (白)にする処理である。 ( 参考文 献27、 pp.14-17)

注26 メディアン ・ フィルタは中央値フィルタといい、 画像中の線や縁をぼかさずに、 ノイズ、 特 に注目画素 と近傍の中で階調 値が大きく異なる孤立点を除去する機 能を持つ非線形平 滑化フ ィルタである。 平滑化フィル タは、 注目画素における積分演算によって、 主として画 像中の ノイズを除去する機能を持つようにしたフィルタである。 平滑化フィルタには、 線形 平滑化 フィルタと非線形平滑化フィ ルタがある。 メディアン ・ フィルタを構成するには、 注 目画素 の近傍の階調値について、 値 の小さいj眠、 または大きい順への並び、換えを必要とするため 線形平滑化フィルタに比較して一般に長い処理時間を要する。 (参考文献27、 pp_41-43)

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第3章機器による雲量の測宏

よって得たアナログ映像信号は、 x及びy方向に空間サンプリングされ た後、 A/D変換によってディジタル信号に変換される。 画像処理では、

実画像 を取り込む処理系内において、 外界の像が完全にそのま まの形で 入力されることは期待できない。 入力される画像の解像度、 及び、、 階調 数は、 撮像装置の光電変換素子の大きさと密度、 サンプリング幅、 A/D 変換の性能などに依存する注270 また、 分析する画像はフィルタの特性に 依存する。

一般に、 画像は膨大な データ量になる注28ので、 その処理と認識を行う ためには大きな処理能力を持った計算機が必要と なる場合が多い。 画像 処理にかかる時間も一般に長く、 雲量の算定と記録を、 他の昼光と日射 のデータ取得と同時に行うことは期待できない。

言27 参考文献27、p.12

加画像のデータ数は、 その画像の解像度と1画素当たりの階調数から、 次式で計算する。 階調 数は、 階調値の取り得る値の範囲あるいは個数である。 (参考文献27、p.8、p.ll)

〔画像のデータ量J = (横の画素数J x (縦の画素数J x (階調数〕

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