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MM2 と MMFF94

ドキュメント内 Chem3D v19.0 ユーザーズ ガイド (ページ 102-121)

MM2 と MMFF94 は、力場計算法を適用します。これらのエンジンは、立体エネルギー、熱エネルギーなどの値を 計算するために設計されています。計算結果は、原子特性の一部として保存されます。

MM2 と MMFF94 の 2 つがあることから、同じような結果を得るために複数の計算手法が用意されていると思われ るかもしれません。どの計算法を使うかは、モデルのタイプと計算する特性によって決まります。

MM2

MM2 は、小さな有機モデルの特性を計算するためによく推奨されます。MM2 手順は、ポテンシャル エネルギー曲 面とモデルの立体配座の関係に関する知識を前提としています。これらの概念の詳細については、"MM2 の参考文 献" ページ 275を参照してください。

MM2 パラメータ

MM2 パラメータは、MM2 Atom Types テーブルにあります。テーブルを表示するには、View、Parameter

Tables、MM2 Atom Types の順に選択します。元の MM2 パラメータには、有機化合物に通常使用される、炭素、

水素、窒素、酸素、硫黄、ハロゲンなどの元素が含まれています。これらの原子タイプの番号は、1 ~ 50 の範囲 内です。

その他のパラメータは、オリジナルの MM2 力場には含まれていない金属などの原子タイプや周期表の元素です。

これらの原子タイプの番号は、111 ~ 851 の範囲内です。MM2 Atom Type Parameters テーブル内の各非 MM2 原子タイプの原子タイプ番号は、元素の原子番号と、その原子タイプの幾何学的構造内の配位子数に基づいて決め られます。原子タイプ番号を求めるには、原子番号を 10 倍して、これに配位子数を加えます。たとえば、「Co Octahedral」の場合、原子番号は 27、配位子数は 6 です。したがって、原子タイプ番号は 276 ということにな ります。

同じ元素の複数の原子タイプが同じ配位子数を持つ場合は、2 番目の幾何学的構造に「9」を使用します (例: 原 子タイプ番号 774 の「Iridium Tetrahedral」と、原子タイプ番号 779 の「Iridium Square Planar」な ど)。

Chem3D Parameter テーブル内の、すべての非 MM2 原子タイプの結合調整タイプは水素 (H) です。結合調整タ イプの詳細は、"構築タイプ" ページ 146を参照してください。

MM2 パラメータの表示

MM2 計算を実行するために Chem3D で使用されるパラメータを表示するには、View、Parameter Tables、MM2 Atom Type Parameters の順に選択します。

MM2 パラメータの編集

Chem3D のデフォルトのパラメータは編集が可能です。追加や変更するパラメータは、推定や概算によるものや、

文献から得た値に基づいたものでもかまいません。

また、MM2 Constants テーブルには調整可能なパラメータがいくつかあります。

注意: 編集を行う前に、C3DTable ディレクトリ内にあるパラメータ ファイルをバックアップしてください。

たとえば、Torsional Parameters テーブルに新しいパラメータを追加するには、次の操作を行ってください。

1. View、Parameter Tables、Torsional Parameters の順に選択します。

2. パラメータ テーブルの各フィールドに、適切なデータを入力します。パラメータ テーブルの中でパラメータ名 が重複していないことを確認してください。

3. テーブルを閉じて、保存します。

使用されたパラメータの表示

MM2 計算で使用するすべてのパラメータを出力ウィンドウに表示できます。使用されたパラメータを表示するに は、Calculations、MM2、Show Used Parameters の順に選択します。各パラメータの評価が載っています。経験 的に得られた (最も質の高い) パラメータには 4 の評価がついています。「最善の推測」である (最も質の低い) パラメータは 1 と評価されます。

計算の再実行

1. Calculations、MM2、Repeat MM2 Job の順に選択します。

2. 必要に応じてパラメータを変更し、Run をクリックします。計算が実行されます。

MMFF94

MMFF94 は、タンパク質やその他の生物学的構造のエネルギー最小化計算に使用されます。

複数のプロセッサ

分子モデリングの力場計算は時間がかかるため、巨大分子には不向きです。この問題は、マルチプロセッサの利用 によって克服できます。

複数のプロセッサが使われていることを確認するには、次の操作を行ってください。

Calculations、MMFF94、Perform MMFF94 minimization の順に選択します。

Preferences タブで、Enable Multiprocessor support を選択します。

MMFF94 原子タイプの表示

モデルの MMFF94 原子タイプを、計算を実行することなく表示できます。Atom Property テーブルには、各原子 の名前、原子タイプ、および電荷が表示されます。

モデルの MMFF94 原子タイプのリストを表示するには、次の操作を行ってください。

1. View メニューの Atom Property Table をクリックします。

2. Calculations、MMFF94、Set Up MMFF94 Atom Types and Charges の順に選択します。

ポテンシャル エネルギーの計算

モデルのポテンシャル エネルギーを MMFF94 で計算できます。事前にエネルギー最小化を実行する必要はありま せん。

1. Calculations、MMFF94、Calculate MMFF94 Energy and Gradient の順に選択します。

1. ダイアログ ボックスで Run をクリックします。

2. 結果を表示するには、View メニューの Atom Property Table をクリックします。

非結合エネルギーは、相互作用を起こしうるすべての非結合原子対のエネルギーの和です。具体的には、それら原 子のすべてについてファンデルワールス相互作用と静電相互作用を足し合わせたものになります。

静電計算

静電エネルギーは、分子の非結合原子の電荷、非結合原子間の距離、分子の誘電率の関数で表され、環境による静 電相互作用の減衰を説明します。これにより、空間的に近接した粒子や原子間の相互作用と、離れた位置にある原 子間の相互作用が考慮されます。厳密な方法、高速多重極展開法 (FMM)、および適応型ツリー法 (ATC) の 3 方 式がサポートされています。こうして静電相互作用が近似されるため、カットオフ手法は計算に必要ではありませ ん。

静電エネルギーを計算するには、次の操作を行ってください。

1. Calculations、MMFF94、Perform MMFF94 minimization の順に選択します。Perform MMFF94 Minimization ダイアログ ボックスが表示されます。

2. Electrostatic Calculations タブをクリックします。

3. 計算手法を選択します。

厳密な計算法では、誘電率および誘電指数の値を設定します。誘電指数の値は 1 または 2 となります。

高速多重極展開法では、精度および展開レベルの値を設定します。

適応型ツリー法では、テイラー展開の次数、BMAX MAC 許容パラメータ、ノードあたりの最大粒子数を設定し ます。

4. Run をクリックします。出力ウィンドウに計算結果が表示されます。

注意: FMM または ATC の使用時には、ファンデルワールスのカットオフ手法の 1 つを使用することを強くお 勧めします。そうしないと、原子の数 N に対してファンデルワールス項の数が N の 2 乗の規模になってしま います。

ファンデルワールス計算

ファンデルワールス計算は、非結合エネルギーに関する計算です。引力は近距離で発生し、作用し合う原子どうし が数オングストローム離れただけで急速に減衰します。相互に作用する原子間の距離が各原子の接触半径の和より も少しでも小さくなると、斥力が生じます。原子の数が増えるほど、ファンデルワールス計算にかかる時間は延び ます。Chem3D には、原子の増加に伴うファンデルワールス計算の所要時間増大を回避するために、次の 3 つの カットオフ手法が導入されています。

シフト関数 スイッチング関数 トランケーション関数

ファンデルワールス計算を実行するには、次の操作を行ってください。

1. Calculations、MMFF94、Perform MMFF94 minimization の順に選択します。Perform MMFF94 Minimization ダイアログ ボックスが表示されます。

2. van der Waals Calculations タブをクリックします。

3. カットオフ手法を使って計算を行うには、Exact calculation をオフにします。

4. カットオフ手法を選択し、対応するパラメータの値を設定します。

5. Run をクリックします。出力ウィンドウに計算結果が表示されます。

エネルギー最小化

モデルを作成したときに、各原子の位置が実際の分子中の原子の位置を正確に表していない場合があります。モデ ルでは、さまざまな結合に高い歪エネルギーが示されたり、原子間に立体配座の歪みが生じることがあります。そ の結果、モデルが分子を正確に表していない可能性があります。

モデルを修正するには、MM2 または MMFF94 のエネルギー最小化計算を実行します。計算を実行すると、Chem3D はモデルを検査し、各種の原子タイプを識別します。次に、モデルのポテンシャル エネルギーの累積値が最小に なるように各原子の新しい位置が計算されます。新しい位置の計算後、Chem3D は、総エネルギーが最小になるよ うにモデル内の各原子を移動します。

二重結合を含むリン酸基を作画したモデルではエネルギーを最小化できません。リン酸基を含み、最小化が可能な モデルの作成の詳細については、Chem3D Drawing FAQ ページを参照してください。

立体配座サンプリング

確率的立体配座サンプリングは、初期状態における構造や原子の座標、確定済みの結合から、分子の妥当な立体構 造を決定します。

原子の X、Y、Z 初期座標のそれぞれは乱数との組み合わせによって変更され、新たなランダム座標位置が生成さ れます。

こうして歪められた立体配座は、MMFF94 計算を使った最小化の処理を経て保存されます。その後、また別の乱数 群が生成され、それらを用いて新たな構造の原子の座標や立体エネルギーが計算されます。

立体配座サンプリングを実行するには、次の操作を行います。

1. Calculations、MMFF94、MMFF94 Stochastic Conformation Sampling の順に選択します。ダイアログ ボッ クスが表示されます。

2. 最大のランダム オフセット値を nm で指定します。

3. 表示する立体配座の数を指定します。

4. 最小化の最大ステップ数を指定します。

5. Run をクリックします。結果が出力ウィンドウに表示されます。

注意: 立体配座サンプリングの確率的方法は、マクロ分子には適用できません。

ドキュメント内 Chem3D v19.0 ユーザーズ ガイド (ページ 102-121)

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