第 7 章 Light-Cone String Field Theory 60
7.5 pp-wave Nuemann 係数
7.5.4 Large µ での漸近的振舞い
それでは、ここまでで得たY, F の形からΓ−+1,k, Y の漸近展開に表われる定数aR,ak,x を 求めよう。まず、(7.294)に(7.208) を代入すると、
F(µ, y) =−ln
πµy(1−y) ak
+· · ·, (7.308) よって、∂F∂µ のleading termは−µ1 となる。これと(7.209)を(7.293) に代入すると、
x= 1
16, (7.309)
が得られる。
次にak を考える。まず、F(µ, y) からleading termを取り除いた F#(µ, y) =F(µ, y) + ln
πµy(1−y) ak
, (7.310)
を定義する。(7.297)より、
∞
0 (m2+µ2)−3/2F#(µ, y)dµ=G(m, y) + 1 m2 ln
mπy(1−y) 2ak
. (7.311)
m=λn,µ=λν とリスケールする。すると、
∞
0 (n2+ν2)−3/2F#(λν, y)dν =λ2
G(λn, y) + 1 λ2n2 ln
λnπy(1−y) 2ak
, (7.312)
λ→ ∞ で左辺はゼロとなる。右辺はG(m, y) の表式(7.298)を代入して、stirling の公式を用い ると、n12 ln(4ak) となる。従って、
ak= 1
4, (7.313)
と求まる。(7.210)より、
ar= 1
16, (7.314)
も求まる。
さて、subleading termの定数は求まったが、より話を先に進めよう。まず、φ(x) の2階微分 を行うと、
φ(x) =−x ∞ n=1
1
(x2+n2)3/2 ≈ −1 x + 1
2x2, (7.315)
ここで、≈ はe−2πµ|αr| に比例する項を無視することを示す。µ1 のpower に関しては全て order の項を残している。無視したe−2πµ|αr| の項は、dual なCFT 側ではnon-perturbativeな効果を 表わしていると考えられる。2回µで積分すると、
φ(x)≈ −(x+12) lnx+c1x+c2. (7.316)
c1,c2 は積分定数である。c1 は3
r=1αr = 0により、F(µ, y)の中では効いてこない。F(µ, y)を 上記の量で書くと、
F(µ, y) ≈ −ln[µy(1−y)] + 2c2, (7.317) (7.308)とak= 14 より、c2 = 12ln(4π) と求まる。従って、
F(µ, y)≈ −ln[4πµy(1−y)]. (7.318)
となる。ここで注意すべきことは、この式はµのpowerに関してはall orderであることである。
省いているのは指数的に小さいe−2πµ|αr| に比例する項だけである。従って、(7.318)は(7.308)よ りも強い条件である。(7.294), (7.318)から、
k(µ, y)≈ 1
µy(1−y)− 1
4πµ2y2(1−y)2, (7.319) と求まる。
Ym(µ, y) に関してもφmr を(7.315)のような展開を求めることで、≈のレベルで漸近的振舞い が求められる。しかし、(7.295) を
Ym(µ, y) = m ωm
exp 1
2 ∞
0
∂F
∂µ
1− µ ωm
dµ−
∞
µ
∂F
∂µ
1− µ ωm
dµ
Ym(0, y), (7.320) と分離することでも求められる。第1項は(7.296)であり、第2項は ∂F∂µ ≈ −µ1 を代入することで 計算できる。そして、
Ym(µ, y)≈
µ+ωm 2µ
m
2ωmBm, (7.321)
と求まる。
第 8 章 g 2 = 0 への BMN 対応の拡張
BMN が提唱したstate-operator mapping は、string theory 側がfree 理論で CFT 側がplanar 近似のときには正確に成立することが分かった。しかしAdS/CF T 対応の極限として得られる 双対性は、free string とplanar CFT との間だけの双対性ではなく、full string theory つまり interacting string theoryとnon-planarも含めたCFTの間の双対性であることが期待される。そ こで、この広い意味のBMN対応についてこれから見ていく。
interacting stringに対するBMN対応の拡張はいくつかのグループにより異なった見解が述べ
られている。ここでは、Gross, Mikhailov, Roiban [29]らによるものを採用する。これは、BMN 対応のg2 = 0 への自然な拡張と思われる。彼らの主張は、g2 = 0の場合にも(5.5), (5.6) の対応 は成り立っているというものである。特に、(5.5) を書き直しておく。
P−(gs)
µ = ∆−J. (8.1)
string側のoperator Pµ− とCFT側のoperator ∆−J の間の等価性を確かめるには、それぞれの演 算子が作用する空間の間の写像を求め、その対応関係のもとで演算子のmatrix elementが一致する ことを見ればよい。もちろん、それぞれのHilbert空間には内積が定義されており、これらの空間の 間の写像はその構造を壊さないようなものでなくてはならない。このmatrix elementの一致は、固 有値の一致と同じことである。この観点から、free stringとplanar CFTでどのようにこの対応がつ いていたのかをおさらいしておく。まず、string側ではHilbert空間はH= vacuum⊕H1⊕H2⊕· · · であった。ここで、H1 は一つのstringのみがある状態で第一量子化のHilbert空間である。Hm
はm 個のstringがある状態でH1 のm個の直積である。H1 は4章でoscillator 表示されている が、それぞれの状態は直交していた。また、Hm の状態とHn (m=n) の状態は直交している。
そして、oscillator表示された各状態は、Pµ− の固有状態である。一方、CFT 側のHilbert空間は single trace operator であるBMN operator とそれらの積で作られるmulti trace operator から 成っている。内積はfree (λ = 0) SYMの2点関数から位置依存のfactor を取り除いた係数であ る。この2点関数の係数はg2= 0 ではBMN operator 同士で直交していた。また、single trace operator とmulti trace operatorの間でもこの近似では直交していた。multi trace operator 同士 でも同様である。そして、これらのoperatorは∆−J の固有operatorであった。これら2つの空 間の間の対応は、H1 の状態とsingle trace BMN operator が対応し、H2 の状態とdouble trace
BMN operatorが対応するといったものだった。具体的な対応関係は前の章で書いた通りである。
そして、実際にこれらの対応のもとでstring側 の状態のmass Pµ− とCFT側の状態のconformal dimension と角運動量の差∆−J の固有値が一致することを見た。ここからは、g2 = 0 の場合 の対応について考えていく。