■LEAFのはじまり
この協会は略してLEAFと言いますが、その活動つ いてご紹介したいと思います。私たちの協会は1998年
に西宮市役所が呼びかけて、市民と、事業者と、行政 のパートナーシップで子どもの環境教育を支援しよう ということで設立した団体です。平成14年にNPO法 人の認証を取りまして今現在に至っております。当時 はまだ、NPOというものがどのような性格のものかよ くわからない、また社会でもあまり認められていなかっ たということがありました。私たちは、NPO法ができ たり、ボランティアというものが日本社会に広がったの は、1995年の阪神淡路大震災が大きな原因だったと理 解しております。西宮市というのは神戸市の隣にある 街です。西宮市もすごく大きな被害がありまして、そ の当時1100名の方が亡くなりましたし、家屋の倒壊も 約三分の一の家屋が、全壊、半壊をしたということで、
非常に大きな打撃を受けた街のひとつです。その当時 から復興をずっとやってきていますが、いまだに当時 の借金がまだ返せないような状態です。阪神淡路大震 災を受けて、社会全体としてはボランティアやNPOな どいろいろなきっかけができました。私たちの地域の 中でもやはり大震災を経て人と人とのつながりや、人 と自然のつながりといったものをいろいろ考えるきっか けがありました。
この協会は西宮市が立ち上げたのですが、決して西 宮市の下部機関のようなものではありません。市はお 金も人も出しませんが、立ち上がって自立するまでの 間事務所を貸してくれて、運営はすべて主体的、自主 的に行うことができました。基本的には、当時、市民 と行政というのはどちらかというとすぐに対立構造と なってしまうような嫌いもありましたし、企業と市民の 中でも環境問題をめぐっては、「企業は悪いことするん 違うか?」というような意識があったり、なかなか市民 と行政、市民と企業、また企業と行政がうまく連携で きないということもありました。私たちは行政の中でい ろいろ仕事をしているとついつい市民目線を忘れて行 政の思い込みで仕事をしてしまう嫌いもあります。そ ういうことに歯止めをかけて、市民の目線で行政をす るにはどうしたらいいか、ということも私たちの悩む問 題としてありました。ただ、ずいぶん時がたってこの 阪神淡路大震災を超えた時ぐらいから、やはり市民と 事業者と行政というのは対立軸ではなくて、対話をし ていく、協調していく、共にお互いの利点を生かして 街づくりをしていくという、そういう「つながり」を意 識した事業展開を考えていくようになりました。
この協会は、そういったことから、地域の中で市民 と事業者と行政とをつないでいく役割を担おうという ことで運営していて、理事の中にも企業の方や行政の
方や市民の方、いろいろな団体に入って頂いておりま す。
また、2年前から小澤紀美子さんに代表理事をして 頂いて運営している団体です。だいたい、個人会員、
企業会員等ありますが、特徴的なのは企業会員が約70 社入って頂いております。企業と連携した環境教育と か、地域ベースの環境養育を柱に掲げて進めています。
1998年に作ったときに、「環境教育」という言葉と同時 に「持続可能性教育」ということを柱の中に入れて持 続可能な社会に向けていったい私たちは何をすべきか ということを考えて作った団体です。
西宮市は山があり川があり海があり、ということで自 然環境に恵まれていて、自然をベースにした環境学習 のフィールドはたくさんあります。これをいかに市民の 方に上手く活用して頂くのか、子どもの教育の中にこ れを活かしていくのかが大きな課題でもあり、こういっ た地域の特性を使った環境教育事業を、私がちょうど 係員としてここに配属されてから、約20年間かけてい ろいろなプログラムや施設整備をしてきました。今は もう山の拠点、川の拠点、海の拠点、もう三つ拠点が できまして、これをネットワークしながら、いろんな自 然体験をベースにした環境教育を推進しております。
いま私たちがいるのは、赤丸で書いてあるところで すが、これはもともとコープこうべさんが店舗をやって いたところなのです。右側の写真は西宮の淡水魚を飼っ ているところです。約30種類くらいいます。ここはも ともとコープのフードコートをやっていたところで、カ ウンターがあったところに水槽を置きました。カウン ターの上にふたをして、水族館にリニューアルさせて、
そこに私たちの事務所や、西宮市の環境学習のサポー トセンターを置いて、市民の環境学習の拠点にしてい ます。総工費約180万円で全てができました。もともと、
震災の前までは使っていたのですが、震災の後使われ ずに倉庫になっていたところを改修しました。フード コートというところは給排水の両方が整っていまして、
水族館を作るにはちょうど良かったのです。こういう アイディアを使いながら、安く市民の学習支援をして います。この間いろいろと賞を頂きました。行政として の環境政策であったり、子どもの環境教育に関するこ とであったり、企業とNPOの連携ということであった り、あと、森林保全の取り組みに対する賞をいただい たり、ということで、LEAFが四本柱にしているいろい ろな活動のジャンルで、10年間かけて賞をいただくと いうことができた時期です。
■NPOとは
みなさんはこれから学校の先生になられたり行政に 進まれたりという方が多いと思うのですが、NPOとか NGOとかっていう言葉を聞かれて、頭の中で整理がで きていますか?少しだけ紹介しておきます。NPOとい うのは、非営利の組織です。ノンプロフィットの組織と いうことでNPOです。NGOは非政府です。非政府な ので政府関係者は入らないということですから、NPO は非営利なので行政も入ってもいいし、企業も入って もいいし、個人も入ってもいいのですが、「営利を目的 としない」というところがすごく誤解を生んでいる部分 があります。一般の市民の方とか行政の方はNPOとい うのはボランティアの組織と思っておられるのです。と ころが、これは、非営利という、営利にあらず、利益 を求めないとは言っているのですが、この利益とは何 かというと、たとえば株式会社がその対極にあり、こ れは利益を求めています。たくさん儲けて、たくさん お金を生み出す。生み出したお金どうするかというと、
それを役員や株主に返していくのです。NPOと株式会 社が違うのは、この余ったお金を、株主や役員に配分 するかしないかなのです。NPOは配分したらだめなの です。余ったお金は次の年の事業費に回す。それさえ すれば、利益をあげるのは問題ないのです。利益の中 から職員に給料払う、これは当然の事なのです。とこ ろが今、一般の行政も含めて、NPOと契約をした方が 安いからや、アルバイト賃金で雇えるからというところ で契約をしようという意識があったりとか、市民の方 の中にも、NPOがお金を稼いでどうするのとか、そこ で働いている方の賃金保障などはあまり考えてもらえ ないという実状があります。私たちのNPOは、できる だけそこで働く人の現場を作りたい。ですから、大学 や高校を出て、このNPOで社会のために働く、そして 収入も得る、つまり食べていけるというわけです。そ ういう職場を目指して今やっております。
全国で見てみても、NPOの数はすごく増えているの です。全国で35000、東京が1位で5900です。兵庫県 は6位で1290のNPOが認定されています。西宮市も県 内では二位です。104の団体があります。ここには福祉 や街づくりや教育や環境などいろいろありますが、大 体全国的にみて同じような割合だと思うのですが、環 境保全は21%くらいです。一番多いのは福祉のNPO です。これは11年前に介護保険のことを想定してNPO 法ができたので、国からお金がたくさん動きました。
その受け皿としてNPO法人がたくさんできたというの があります。環境はなかなかお金が下りないので、団
体の数も少ないのかもしれませんが、NPOの中には、
大学のサークルの延長や、地域の研究会のようなもの の延長でできているNPOもあれば、私たちのように、
職場として運用していくような団体もあります。まだま だNPOと一言で言ってもいろんなパターンがあるとい うのが現状です。
■LEAFの活動「システム」
ここからちょっと西宮市のLEAFの活動の紹介をし ます。一番メインになっているのは、この地域に根ざ した持続可能な社会ということを想定して環境教育を どう進めていくのかということがあります。西宮市を ホームグラウンドにして、ここでいろいろなシステム開 発を行っております。
西宮市の特徴がどこにあるかというと、「システムを 組んだ」というところにあります。今までの環境教育 というのは、どちらかというと副読本を作ったり、環境 教育のプログラムを開発したり、あとは施設を作った り、フィールドづくりです。そういった個別の分野で環 境教育を進めていました。これは主に行政が中心になっ て進めてやっていました。市民団体の中では、自然観 察会を作ったりとか、資源回収のグループを作ったり して、個別の活動もあります。地域社会全体を変えて いくためには何が必要かというと、地域を全部動かさ ないといけないのです。市民も企業も行政も、全部動 かさないといけない。そういう地域社会全体を動かし ていくために必要なものは何かというと、システムが 要ります。そのシステム開発を軸に置きながらいろい ろな学びの場を作ったり、いろいろな社会をつないで 行ったり、いろいろな人達を支援する場づくりをして います。こういったグラウンドデザインがきちんとでき ているかできていないかで、その地域の環境教育が市 民の生活の中に根付いたり、それから社会を変えてい く、地域を変えていく原動力になるかならないか、こう いったことを決定づけていきます。今日本の環境教育 は、ほぼすべてのところでシステムという概念があり ません。ですから、例えば役所の担当者が変わったり、
地域の方の活動がちょっと弱くなったりすると、そのま まスーッと環境教育のレベルが切れていくのです。そ ういったところが多くあります。そういったところを西 宮ではケアしようということでこんな活動をやっており ます。
■LEAFの活動「自然環境体験の推進」
二つ目は、「自然環境体験の推進」です。自然豊か