山本氏、彦坂氏、吉冨先生、学生企画委員(加藤、伊 藤、岡崎、志賀)
加藤:河川再生活動が生み出す環境学習ということで、
河川再生活動がどのように「学習」に繋げていくのか ということに焦点を当てまして、短い時間の討論会で はありますけれども、皆さんに参加していただきながら 行っていきたいと思います。それに先立ちまして、今 回企画しているのは多摩川エコモーションの学生企画 委員といいまして、このツアー自体も学生が中心となっ て企画したのですが、それとはまた別にもう一つ企画
がありまして、「野川の生きもの調査」というものを 行っています。資料の中にも報告があると思いますが、
その報告をこちらの伊藤から、簡単にではありますが、
行いたいと思います。
伊藤:先ほど、旧芝川で魚とりをさせて頂いた伊藤と 申します。普段は、先ほど紹介があったとおり「野川 生き物調査隊」という名前で、野川で同じように生物 調査を行っております。この「野川生き物調査隊」で すけれども、目的は「身近な自然環境を把握するとい うことと、もう一つは、私たち大学生がこういう自然の 中で学ぶっていう活動を周りの皆様に見てもらうとい うことがありますので、この2つの目的で行っておりま す。具体的に、今日のような感じで大学から近くの野 川までタモとかバケツとかを持って胴長履いたりして 行って、昆虫とか魚とかあと季節の植物とかを観察す る。そして、その他に写真、このような写真を撮った りですね、また調査区間を決めて行きますので、そこ に落ちているゴミを拾ったりして野川の環境ってもの を総合的に見ようとしています。
岡崎:私も今、写真のようなことをやっていたんです けど、その時に地域住民の方が私たちの周りにきてい ろいろ話してくれて、その内容的には「もうちょっと下 流に行ったら、カモがいるよ」とか、「この川にこんな に魚がいたんだ」とかいろいろな意見が聞けて、川に 親しみを持っている住民の方がいたり、これから私た ちの活動している姿を見て川に興味を持ってくれる方 が増えるのではないかなと、思って嬉しくなりながら やったんです。けど、この時に、子どもたちが来て「何 で大人なのに川に入って魚捕ってるの?」って言われ たんですね。子どもたちに。(それに)ビックリして何 も言えなくて、その時に。「えっ、なんでだろう?」と か思って、その時は「川の調査をしているから入って いるんだよ」って言ったんですけど。きっと多分その 子たちにとっては大人が川に入って調査したりするっ てことが、すごい多分不自然に思えたんだと思いま す。なんか、川は、子どもが遊ぶ所で、大人が入って なんかやるところではないっていう。それは多分、大 人たちのそういう活動を子どもたちが今、見たことが ないからそういうことを言ったと思うんですね。皆さん は、活動されているので、子どもたちと一緒に活動を していてこの辺の子どもたちとかも川に親しみを持っ て、大人がやっているってことを見ながら立場が違う と思っていると思うんですけど、私たちが会った子ど もたちはそういうことをまだ全然知らないので。子ど もって言うのは、大人の姿を見て成長していくものだ
と思うので、これから私たちがもっと活動をしていけ ば、川に親しみを持ってそして環境学習へと繋がると 思うのです。なので、その辺のことを皆さんと話せた らいいと思うのですが。
伊藤:この(野川調査隊の)経験から私たちが話せる のは、先ほども岡崎さんに言ってもらったように、子 どもって言うのは大人の姿を見て、環境への意識なり、
自然環境への興味関心っていうのを増していくのでは ないかなと思います。子どもたちに環境学習をさせよ う、させようというように思うのも分かるんですけども、
大人の方がもっともっと環境活動に参加してですね、
「カッコいい姿」っていうものを子どもたちに見せてい くっていうのが大事なんじゃないかなと思うようになり ました。以上です。
加藤:今のような問題提起ではありませんが、学生の 側から子どもの環境学習には大人の環境活動を見せる ことが大事なのではないのかというのが我々学生の提 案です。この件に関してお二方中心に答えて頂こうか なという感じでこの部はやらせて頂きたいというように 思います。と、いうことで、コーディネーターの吉冨先 生にこれからの進行はお願いしたいと思います。
コーディネーター・吉冨友恭先生
野川生きもの調査隊による野川の紹介
吉冨:どうもありがとございました。学生の皆さんか ら、野川に出かけていろいろな生き物の採捕活動をす ることで、だんだんと野川のことが見えてきたという話 がありました。講師のお二人の先生方のお話をこれか ら聞くんですが、その前に一つ、学生の皆さんは、生 き物の調査ということで野川を見てきたんですけれど も、生き物以外で、例えば川の形のこととか、先ほど 講師の方のお話にもありましたけれども水量のことと か、普段調査しているところがどんな風につながって いるのか、下流にどんな場所があるのかな、上流がど うかな、など、考えたりはしましたか?
志賀:野川は上流が完全に護岸工事されていて、途中 から護岸の工事をされていないところに子どもたちが 入ったりできるんですけど。国分寺駅の前のあたりが 完全に護岸工事されているので、そこら辺の工事を壊 して自然のままの状態にすれば、普通にいろんな人が 接することができると思うので今後そういうところから 取り組んで変えていければいいと思いました。
吉冨:ありがとうございました。最初に彦坂さんから
「ドジョウ池」を作った話がありましたが、実際に僕も 総合学習で小金井や国分寺の小学校の出前授業を担当 した時に行ったことがあるんですけど、すごく子ども が近づきやすいようないい場所になっているんですね。
先ほどお話を聞いてその経緯が分かりましたけれども、
そういう場所や機会を作ることは重要だと思うんです。
今言ってくれたような、川にアクセスしにくいという問 題、そして、チャンスがないという問題はあると思いま す。その辺のところを確保していくことは重要だと思 いました。それでは、野川の話からになりましたので、
まず彦坂さんの方から。学生の意見では「大人が環境 活動をしている姿を子どもに見せるというのが重要」
と言っていますが、現場でどのようなことを意識され ているかを少し伺いたいと思います。
彦坂:最高齢者かもしれない、そういうところで「孫」
が自然を学ばなければいけない。そういう意味では、
さっき子どもに端的に質問された「子どもが川で遊ぶ んだ」っていう概念が子どもたちにあって、大人が入 るのはなぜだろうって質問が出て、これは面白いこと ですね。でもこれはかつては親子でドジョウすくいし て、子どもに教えたものなんですね。私らが泳ぐのを 教えてもらったのも大人が教えてくれましたね。川と か池とかで。そういう大人と子どもの関わり合いがな いっていうのは、これは一つ教育論の原点でもある生 涯学習・・・大人が子どもを見て学ぶ、(逆に大人が)子 どもの質問に答える。これも学習なんですね。当たり
前だと思ったことを子どもに質問されると、ドギマギし ちゃってね、当たり前のことが語れない、つまりは大 人と子どものコミュニケーションの場が浅いんですね。
人間と人間の関わり合いは教育論の原点だから、まず 大人と子どもの接点を。大人の背中を見て育つという より、おじいちゃんの背中を見て孫が育つような時代 ですけど、そのことが一つ、学習の問題。もう一つ川 の国分寺の問題ね。20年、30年前頃まではずっとフェ ンスが野川にしてあったんですよ。で、親水公園或い は親水護岸とか水に親しむことができる時代が来たん です。最初は危ないから入るなと、川と人間を隔てて いたんです。もともと人間が川に関わる自然に関わる ようなのが原点なんですね。人が入りやすいところを 作るっていうことは基本的にはそういう概念です。但 し三面護岸になっていますよね、国分寺は。ピシッと コンクリでこうなっちゃって。それで小金井に来ると開 けてきますね。本当に地域によって川の顔が違う。で、
それを国分寺の現状だったら、(野川に)降りられるよ うにしたいっていう市民の声があるならば、(会場に振 る)国分寺の下島さん、何か一言。
下島:本当に国分寺市もね、あそこの野川を見ていた だければわかると思いますけどやっぱり小金井とか下 流の姿よりね、人工の川になっているので、直してい くような働きかけをしていきたいと思います。
彦坂:それで私らは、ドジョウ池を作らせる運動を長 いことやってきて実現できましたけれども、河川法改 正になったとたんに、東京都が、私らが言っているこ ういうところ=湿地帯に池作って、やろうと動いてくれ ました。時代を遡りますと、その時私らがドジョウ池を 造ってできましたっていうと、ほたる村以外の新しい 組織の会議では、「あれはしちゃいけない」「これはし ちゃいけない」っていう「いけないこと」ばかり言って いるんですよ。そうでない、自由に入れるんだってい う、池に。
この間、トトロの森の事務局長に来ていただいたら、
自由に自然に入れる、但し、ケガは自分持ちだよって
(と聞いた)。そこまで責任が持てない。自分で自覚し て持ちなさいっていう、のも教育論になる。危ないか らって柵をしちゃったら、自分の危険度を知れません よね。そういう意味での危険なところだと知らせるの が環境教育論の一つの道ではないかなと思います。池 地は危ないですから、私らが池を作る時も論議があり ました。この池で事故があったらどうするのか。市民 側が言い出したんだけど、市民側が責任持つかってい うと、やっぱり製造者責任で東京都が最終的には責任