4.6 LCDドライバ
4.6.6 LCDドライバのI/Oメモリ
表4.6.6.1にLCDドライバの制御ビットとそのアドレスを、図4.6.6.1に表示メモリマップを示します。
表4.6.6.1 LCDドライバの制御ビット
アドレス 注 釈
D3 D2
レジスタ
D1 D0 Name Init ∗1 1 0
0 Off [VCCKS1, 0]
周波数
1 2kHz
2, 3 禁止 FLCKS1 FLCKS0 VCCKS1 VCCKS0
R/W
FLCKS1 FLCKS0 VCCKS1 VCCKS0
0 0 0 0
フレーム 周波数選択 VC昇圧 周波数選択 FF12H
FF03H
VCHLMODVDHLMOD General LPWR
R/W
VCHLMOD VDHLMOD General
LPWR 0 0 0 0
On On 1 On
Off Off 0 Off
LCD系定電圧回路重負荷保護モードOn/Off 内部(VD1)定電圧回路重負荷保護モードOn/Off 汎用レジスタ
LCD系定電圧回路On/Off FF02H
VDSEL VCSEL HLON DBON
R/W
VDSEL VCSEL HLON DBON
0 0 0 0
1 VD2
1 On
0 VDD
0 Off
汎用レジスタ
LCD系定電圧回路電源切り換え 汎用レジスタ
電源電圧昇圧回路On/Off
General LPAGE
DSPC1 DSPC0
0 0
0 0
1 F200-F37F
0 F000-F17F
汎用レジスタ
表示メモリ領域選択(1/16デューティ選択時)
1/24、1/32デューティ選択時は汎用レジスタとして機能 LCD表示
モード選択 R/W
FF50H
General LPAGE DSPC1 DSPC0
0 通常
1 反転
2 全点灯
3 全消灯 [DSPC1, 0]
表示モード
0 1/32(32Hz) [LDUTY2~0]
デューティ
1 禁止
2 1/24(42Hz) 3
1/24(21Hz) [LDUTY2~0]
デューティ
4 1/16(32Hz)
5~7 禁止 FF51H
General LDUTY2 LDUTY1 LDUTY0
R/W
General LDUTY2 LDUTY1 LDUTY0
0 0 0 0
1 0 汎用レジスタ
LCD駆動 デューティ 選択
0 淡
〜
〜 15 濃 [LC3~0]
コントラスト FF52H
LC3 LC2 LC1 LC0
R/W
LC3 LC2 LC1 LC0
0 0 0 0
LCDコントラスト調整 0 32Hz
1 24Hz
2 16Hz
3 8Hz [FLCKS1, 0]
周波数
*1 イニシャルリセット時の初期値
*2 回路上設定されない
*3 読み出し時は常時"0"
4 周辺回路と動作(LCDドライバ)
非実装領域 (読み出し/書き込み禁止) F000H
: F05FH F060H F06FH F070H F07FH F080H
: F0FFH
SEG0 : : : : : SEG63 SEG0
: : : SEG55 SEG0
: SEG47
SEG0 : : : : : SEG63 SEG0
: : : SEG55 SEG0
: SEG47
SEG0 : : : : : SEG63 SEG0
: : : SEG55 SEG0
: SEG47
SEG0 : : : : : SEG63 SEG0
: : : SEG55 SEG0
: SEG47 1/32デューティ
非実装領域 (読み出し/書き込み禁止)
1/24デューティ
非実装領域 (読み出し/書き込み禁止)
1/16デューティ 表示データ領域
(COM0〜COM7) 表示データ領域
(COM0〜COM7)
未使用領域
未使用領域
表示データ領域0 (COM0〜COM7)
非実装領域 (読み出し/書き込み禁止) F100H
: F15FH F160H F16FH F170H F17FH F180H
: F1FFH
非実装領域 (読み出し/書き込み禁止)
非実装領域 (読み出し/書き込み禁止) 表示データ領域
(COM8〜COM15) 表示データ領域
(COM8〜COM15)
未使用領域
未使用領域
表示データ領域0 (COM8〜COM15)
非実装領域 (読み出し/書き込み禁止) F200H
: F25FH F260H F26FH F270H F27FH F280H
: F2FFH
非実装領域 (読み出し/書き込み禁止)
非実装領域 (読み出し/書き込み禁止) 表示データ領域
(COM16〜COM23) 表示データ領域
(COM16〜COM23)
未使用領域
未使用領域
表示データ領域1 (COM0〜COM7)
非実装領域 (読み出し/書き込み禁止) F300H
: F35FH F360H F36FH F370H F37FH F380H
: F3FFH
非実装領域 (読み出し/書き込み禁止)
非実装領域 (読み出し/書き込み禁止) 表示データ領域
(COM24〜COM31)
未使用領域
未使用領域 表示データ領域1 (COM8〜COM15)
図4.6.6.1 表示メモリマップ
4 周辺回路と動作(LCDドライバ)
● DBON: 電源電圧昇圧回路ON/OFFレジスタ (FF02H・D0)
電源電圧昇圧回路を制御します。
"1"書き込み: ON
"0"書き込み: OFF 読み出し: 可能
DBONに"1"を書き込むと電源電圧昇圧回路がONし、VDDを約2倍に昇圧したVD2を出力します。VD2で LCD系定電圧回路を駆動する場合(VC2基準、VDD=1.8〜2.5V)にONします。
DBONに"0"を書き込むと電源電圧昇圧回路はOFFします。消費電流を低減するため、VDDでLCD系定電 圧回路を駆動する場合はOFFにして使用してください。
イニシャルリセット時、このレジスタは"0"に設定されます。
● VCSEL: LCD系電源回路電源切り換えレジスタ (FF02H・D2)
LCD系定電圧回路の電源電圧を選択します。
"1"書き込み: VD2
"0"書き込み: VDD
読み出し: 可能
VCSELに"1"を書き込むと電源電圧昇圧回路が出力するVD2でLCD系定電圧回路が動作します。この設 定の前に、DBONに"1"を書き込み、電源電圧昇圧回路をONしておく必要があります。なお、電源電圧昇圧 回路をONしてから電圧が安定するまでの約1msecの間はVD2に切り換えないでください。
VCSELに"0"を書き込んだ場合は、VDDでLCD系定電圧回路が動作します。
イニシャルリセット時、このレジスタは"0"に設定されます。
● LPWR: LCD系定電圧回路ON/OFFレジスタ (FF03H・D0)
LCD系定電圧回路をON/OFFします。
"1"書き込み: ON
"0"書き込み: OFF 読み出し: 可能
LPWRに"1"を書き込むことにより、LCD系定電圧回路がONとなりLCD駆動電圧を発生します。"0"を書き込 んだ場合、LCD駆動電圧はすべてVSSとなります。
LPWRに"1"を書き込んだ後、LCD系電圧回路が動作しLCD駆動電圧出力が安定するまで約100msecか かります。
イニシャルリセット時、このレジスタは"0"に設定されます。
● VCHLMOD: LCD系定電圧回路重負荷保護モードON/OFFレジスタ (FF03H・D3)
LCD系定電圧回路の重負荷保護機能をON/OFFします。
"1"書き込み: ON
"0"書き込み: OFF 読み出し: 可能
VCHLMODに"1"を書き込むとLCD系定電圧回路が重負荷保護モードとなり、重負荷駆動時などの電源 電圧変動による表示品質の劣化を抑えます。OSC3発振時、CPUのシステムクロックとしてOSC3使用時、
ブザーやFOUTクロックの出力時などに有効です。ただし、重負荷保護モードでは、通常動作時よりも消費 電流が増加します。したがって、必要なとき以外はソフトウェアで重負荷保護モードに設定しないでくださ い。
イニシャルリセット時、このレジスタは"0"に設定されます。
4 周辺回路と動作(LCDドライバ)
● VCCKS0, VCCKS1: VC昇圧周波数選択レジスタ (FF12H・D0, D1)
LCD系定電圧回路への昇圧クロック供給を制御します。
表4.6.6.2 昇圧クロック周波数選択 VCCKS1
1 0 0
昇圧クロック制御 禁止 ON(2kHz)
OFF VCCKS0
* 1 0
LCD系定電圧回路は昇降圧動作に、クロックマネージャから送られる昇圧クロックを使用します。このクロッ ク供給をこのレジスタによって制御します。LPWRに"1"を書き込む前にVCCKSを"01B"に設定してくださ い。LCDを使用しない場合は消費電力を低減するため、VCCKSを"00B"に設定し、クロック供給を停止し てください。
イニシャルリセット時、このレジスタは"00B"に設定されます。
● FLCKS0, FLCKS1: フレーム周波数選択レジスタ (FF12H・D2, D3)
クロックマネージャから供給するフレームクロックの周波数を選択します。
表4.6.6.3 フレーム周波数の選択 FLCKS1
1 1 0 0
フレーム周波数 8Hz 16Hz 24Hz 32Hz FLCKS0
1 0 1 0
(fOSC1=32.768Hzの場合)
LDUTY0〜LDUTY2で1/24デューティを選択した場合のフレーム周波数については、表4.6.6.5を参照して ください。
イニシャルリセット時、このレジスタは"00B"に設定されます。
● DSPC0, DSPC1: 表示モード選択レジスタ (FF50H・D0, D1)
表示モードを設定します。
表4.6.6.4 表示モード DSPC1
1 1 0 0
表示モード 全白モード 全黒モード 反転モード 通常モード DSPC0
1 0 1 0
通常モードは表示RAMに書き込まれている画像をそのまま出力します。
反転モードは表示RAMに書き込まれている画像を白黒反転して表示します。
全黒モードはLCDをスタティック駆動で全点灯(全体を黒く表示)します(LCDがノーマルホワイトの場合)。 全白モードはLCDをダイナミック駆動で全消灯(全体を白く表示)します(LCDがノーマルホワイトの場合)。 このレジスタの操作によって、表示RAMの内容は変更されません。
イニシャルリセット時、このレジスタは"00B"に設定されます。
● LPAGE: 表示メモリ領域選択レジスタ (FF50H・D2)
4 周辺回路と動作(LCDドライバ)
● LDUTY0〜LDUTY2: LCD駆動デューティ切り換えレジスタ (FF51H・D0〜D2)
LCD駆動デューティを選択します。
表4.6.6.5 駆動デューティの設定
駆動バイアス (マスクオプション)
– – – 1/4バイアス 1/5バイアス 1/5バイアス
– 1/5バイアス LDUTY2
1 1 1 1 0 0 0 0
LDUTY1 1 1 0 0 1 1 0 0
LDUTY0 1 0 1 0 1 0 1 0
デューティ 設定禁止 設定禁止 設定禁止
1/16 1/24 1/24 設定禁止
1/32
FLCKS = 11B – – – 8Hz 5.333Hz 10.666Hz
– 8Hz
FLCKS = 10B – – – 16Hz 10.666Hz 21.333Hz
– 16Hz
FLCKS = 01B – – – 21.333Hz
14.22Hz 28.44Hz
– 21.333Hz
FLCKS = 00B – – – 32Hz 21.333Hz 42.666Hz
– 32Hz フレーム周波数
イニシャルリセット時、このレジスタは"000B"に設定されます。
● LC3〜LC0: LCDコントラスト調整レジスタ (FF52H)
LCDのコントラストを調整します。
表4.6.6.6 LCDのコントラスト調整 No.
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15
LC3 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1 1 1 1 1 1 1
LC2 0 0 0 0 1 1 1 1 0 0 0 0 1 1 1 1
LC1 0 0 1 1 0 0 1 1 0 0 1 1 0 0 1 1
LC0 0 1 0 1 0 1 0 1 0 1 0 1 0 1 0 1
コントラスト 淡
濃 この設定によってLCD駆動電圧VC1〜VC5が変化します。
イニシャルリセット時、このレジスタは"0000B"に設定されます。
4 周辺回路と動作(LCDドライバ)