2)
平成28
年度に製造事業場で採取した飼料(102 検体)を用いて飼料公定法と減量化法のサル モネラ検出状況を比較した結果,いずれの試験法とも4
検体はサルモネラ検出,98
検体はサル モネラ不検出と判定され,この結果は両試験法で一致した.謝 辞
本試験の実施に当たり,ご助言いただいた国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構動 物衛生研究部門,秋庭正人博士に感謝の意を表します.
文 献
1)
中澤 宗生:微生物の辞典,東京,朝倉書店,252 (2008) (ISBN: 978-4254171365) .
2)
農林水産省消費・安全局長通知:飼料分析基準の制定について,平成20
年4
月1
日,19
消安第
14729
号 (2008).3)
農林水産消費安全技術センター理事長通知:愛玩動物用飼料等の検査法の制定について,平成21
年9
月1
日,21
消技第1764
号(2009).
4)
厚生労働省医薬食品局食品安全部長通知:食品,添加物等の規格基準に定めるサルモネラ属菌及び黄色ブドウ球菌の試験法の改正について,平成
27
年7
月29
日,食安発0729
第4
号 (2015).5)
厚生労働省医薬・生活衛生局長通知:第十七改正日本薬局方の制定等について,平成28
年3
月
7
日,食安発0307
第3
号(2016).
6) ISO 6579: Microbiology of food and animal feeding stuffs-Horizontal method for the detection of Salmonella spp. (2002)/ Amd (2007).
7)
日本工業規格:培地の試験方法-サルモネラ属菌用培地-サルモネラ属菌の検出,15)
千原 哲夫,田中 里美,八木 寿治:飼料中のサルモネラ検査に用いる選択増菌培地の検討,日本食品微生物学会雑誌,28,
175-185 (2011).
16)
内閣府食品安全委員長通知:MG
およびLMG
の食品健康影響評価について別添,平成
17
年
11
月24
日,府食第1140
号 (2005).17)
厚生労働省医薬食品局食品安全部長通知:食品,添加物等の規格基準の一部を改正する件について,平成
18
年5
月30
日,食安発0530001
号(2006).
精度管理
1 平成 28 年度飼料等の共通試料による分析鑑定について
Proficiency Test (in the Fiscal Year 2016)
鈴木 知華*1,船水 悦子*2,新井 詠子*3, 加藤 まどか*4,安田 紗紀恵*5,矢野 愛子*6
1 目 的
飼料検査指導機関,飼料・飼料添加物製造等業者,民間分析機関等を対象に,飼料等の共通試料 による分析鑑定を行うことにより,分析及び鑑定技術の維持向上を図り,併せて分析誤差を把握し,
飼料等の適正な製造及び品質管理の実施に資する.
2 共通試料の内容
A
試料 肉用牛肥育用配合飼料B
試料 魚粉
C
試料 鑑定用飼料原料混合試料D
試料 ほ乳期子豚育成用プレミックス3 共通試料の調製
3.1
調製年月日平成
28
年6
月23
日及び6
月24
日3.2
調製場所独立行政法人農林水産消費安全技術センター肥飼料安全検査部
3.3
調製方法1) A
試料1 mm
のスクリーンを装着した粉砕器で粉砕した肉用牛肥育用配合飼料80 kg
を用い,以下の手順により試料を調製した.
試料をよく混合した後,
9
等分した.その中の4
区画を一つに合わせてよく混合した後,4
等分して元に戻した.この操作を表1
の混合区画表により7
回繰り返した後,各区画より一定量(約
20 g)ずつとり,1
袋当たり約180 g
入りの試料380
個を調製した.*1 独立行政法人農林水産消費安全技術センター肥飼料安全検査部
*2 独立行政法人農林水産消費安全技術センター札幌センター
*3 独立行政法人農林水産消費安全技術センター仙台センター
*4 独立行政法人農林水産消費安全技術センター名古屋センター
*5 独立行政法人農林水産消費安全技術センター神戸センター,現 肥飼料安全検査部
*6 独立行政法人農林水産消費安全技術センター福岡センター
表
1
混合区画表回 数
I II III IV V VI VII
8 7 4 8 7 7 5
1 6 8 2 9 6 4
6 3 5 1 5 3 2
9 4 1 3 2 9 6
区画番号
2) B
試料1 mm
の網ふるいを通過した魚粉80 kg
を用い,A
試料と同様に試料380
個を調製した.3) C
試料各原料中の夾雑物を除去した後,必要に応じて粉砕し,表
2
に示した10
種類の原料を同表 の混合割合で混ぜ合わせた試料(総量80 kg)を用い,A
試料と同様に試料380
個を調製した.表
2 C
試料の原料及びその混合割合混合割合 混合割合
(%) (%)
とうもろこし
35
なたね油かす7
マイロ
17
魚粉3
小麦
10
アルファルファミール3
米ぬか油かす
10
炭酸カルシウム3
ごま油かす
10
食塩2
原 料 名 原 料 名
4) D
試料ほ乳期子豚育成用プレミックス
80 kg
を用い,A試料と同様に試料380
個を調製した.4 分析鑑定項目及び実施要領
4.1
分析鑑定項目A
試料・・・水分,粗たん白質,粗脂肪,粗繊維,粗灰分,カルシウム,リン及びモネンシン ナトリウムB
試料・・・水分,粗たん白質,粗灰分,カドミウム及びエトキシキンC
試料・・・飼料原料の検出及びその混合割合の推定D
試料・・・銅,亜鉛及びクエン酸モランテル4.2
実施要領「平成
28
年度 飼料等の共通試料による分析鑑定実施要領」(135ページ)による.5 共通試料の均質性確認
A
及びB
試料では粗たん白質及び粗灰分,D
試料では銅及び亜鉛の分析によって,Thompson
らの
harmonized protocol
1)に基づき,各試料の均質性を確認した.ランダムに抜き取った
10
袋で各2
点併行分析した結果を表3
に,また,その結果に基づく一元 配置の分散分析結果を表4
に示した.いずれの試料においても,分散比
F
0はF
境界値を下回り,有意水準5 %において試料間に有意
な差は認められず,試料の均質性に問題はないと判断した.
表
3 A,B
及びD
試料の分析結果No. run1 run2 run1 run2 run1 run2 run1 run2 run1 run2 run1 run2
1 12.78 12.61 3.16 3.12 66.51 66.50 16.14 16.01 31.35 31.18 29.78 29.44 2 12.51 12.56 3.16 3.16 66.40 65.70 16.11 16.11 31.56 31.76 29.46 29.76 3 12.93 12.66 3.16 3.10 66.19 66.01 15.96 15.97 31.31 31.34 29.28 29.56 4 13.23 12.49 3.13 3.12 66.18 65.99 16.08 15.97 31.12 31.28 29.77 29.84 5 12.78 12.94 3.19 3.15 66.81 66.41 16.08 16.03 31.48 31.34 29.63 29.42 6 12.66 12.54 3.12 3.12 66.84 66.08 16.01 15.96 31.29 31.47 29.55 29.68 7 12.51 12.88 3.19 3.18 66.00 66.97 16.23 15.95 31.17 31.19 28.80 29.33 8 12.78 12.55 3.16 3.15 66.05 65.98 15.91 15.90 31.40 31.09 29.73 29.73 9 12.53 12.82 3.19 3.12 66.43 66.48 16.03 16.11 30.76 31.42 28.65 29.44 10 12.59 12.56 3.11 3.17 66.19 66.68 15.95 16.02 31.20 31.23 29.37 29.13
A試料
試料
銅 亜鉛
(g/kg) (g/kg)
B試料 D試料
(%)
ドキュメント内
全体版 (Full version) PDF
(ページ 118-122)