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提出された資料から、本剤の

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型糖尿病に対する有効性は示され、認められたベネフィットを踏まえ ると安全性は許容可能と考える。なお、機構は、低血糖、尿路感染症、性器感染症、多尿症、体液量減 少、体重減少、ケトン体増加、骨代謝、心血管系リスク、悪性腫瘍、腎機能障害患者(中等度以上の腎 機能障害患者への本剤の適応を含む)、肝機能障害患者、高齢者における安全性等については、さらに 検討が必要と考える。

専門協議での検討を踏まえて特に問題がないと判断できる場合には、本剤を承認して差し支えないと 考える。

審査報告(2)

平成

26

1

23

I.申請品目

[販 売 名] ①デベルザ錠

20 mg、②アプルウェイ錠 20 mg

[一 般 名] トホグリフロジン水和物

[申 請 者 名] ①興和株式会社、②サノフィ株式会社

[申請年月日] 平成

25

4

26

II.審査内容

専門協議及びその後の医薬品医療機器総合機構(以下、「機構」)における審査の概略は、以下のと おりである。なお、本専門協議の専門委員は、本申請品目についての専門委員からの申し出等に基づき、

「医薬品医療機器総合機構における専門協議等の実施に関する達」(平成

20

12

25

日付

20

達第

8

号)の規定により、指名した。

(1)有効性について

1)単独療法の有効性について

機構は、国際共同第

II

相試験(BC21587試験)成績から日本人集団における本剤の有効性が示唆 されたこと、

CSG003JP

試験において単独療法における本剤

1

1

20 mg

投与時の有効性が検証さ れたこと、CSG004JP 試験において投与

52

週までの血糖降下作用の持続が確認されたことから、単 独療法における有効性は示されていると考えた。

以上の機構の判断は専門委員に支持された。

2)併用療法の有効性について

機構は、各併用療法により

HbA1c

変化量に相違があるものの、併用療法長期投与試験(CSG005JP 試験)の結果から、各併用療法の有効性は示されていると考えた。

以上の機構の判断は専門委員に支持された。

(2)安全性について

機構は、以下のように考えた。単独療法及び各併用療法における有害事象及び副作用の発現状況か ら適切な注意喚起がなされることを前提とすれば安全性は許容可能と考えた。併用する経口血糖降下 薬の用量及び種類による安全性への影響は特段認められていないが、検討例数が少なかった用量又は 種類の薬剤がある点を踏まえ、製造販売後調査において引き続き安全性に関して情報収集する必要が あると考えた。また、安全性を評価する上で注目すべき事象(低血糖、尿路感染症及び性器感染症関 連の有害事象、多尿症関連の有害事象、体液量及び電解質への影響等)については、製造販売後調査 において引き続き情報収集する必要があると考えた。

以上の機構の判断は専門委員に支持された。

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以上を踏まえ、機構は添付文書における注意喚起について申請者に対応を求め、適切な対応がなさ れたことを確認した(製造販売後の検討事項については、「(6)医薬品リスク管理計画(案)につい て」の項を参照)。

(3)効能・効果について

機構は、単独療法及び併用療法の有効性は示されたこと、単独療法及び併用療法の安全性は許容可 能と考えたことから、『「経口血糖降下薬の臨床評価方法に関するガイドライン」について』(平成

22

7

9

日付 薬食審査発

0709

1

号)に準じ、本剤の効能・効果を「2型糖尿病」とすることに 大きな問題はないと考えた。

以上の機構の判断は専門委員に支持された。

(4)用法・用量について

機構は、以下のように考えた。本剤の用法を

1

1

回経口投与とすること、本剤の用量を

1

1

20 mg

とすることに大きな問題はないと考えた。ただし、投与タイミング(朝、昼又は夕)を規定し

ないことについては、昼又は夕投与の経験はなく、本剤の作用機序から昼又は夕に投与した場合に、

朝投与した場合と同程度の有効性が得られるかが不明であること、夕投与では就寝中に本剤の効果が 最大となり安全性の観点等から留意が必要と考えられたことから、臨床試験において検討された用法 である

1

1

回朝投与とすることが適切と考えた。

以上の機構の判断は専門委員に支持された。

以上を踏まえ、機構は以下のように用法・用量を修正するよう申請者に求めた。

【用法・用量】

通常、成人にはトホグリフロジンとして

20 mg

1

1

回朝食前又は朝食後に経口投与する。

(下線部追加)

申請者は、上記の用法・用量に修正すると回答した。

(5)特別な患者集団について

1)腎機能障害患者

機構は、以下のように考えた。有効性について、重度腎機能障害患者では本剤の有効性は期待でき ず、投与を推奨することはできないと考えた。安全性について、本剤投与により腎機能障害関連の臨 床検査値が著しく悪化する、又は腎機能障害患者で有害事象が増加する等の傾向は認められていない が、有効性が大きく減弱することを踏まえ、中等度腎機能障害患者においては、投与の可否を慎重に 判断する必要があると考えた。なお、臨床試験における検討例数は限られていることから、製造販売 後調査において引き続き腎機能への影響及び腎機能障害患者における安全性及び有効性に関して情報 収集する必要があると考えた。

以上の機構の判断は専門委員に支持された。

以上を踏まえ、機構は効能・効果に関連する使用上の注意の項に中等度以上の腎機能障害を有する 患者に対する投与について注意喚起するよう申請者に求め、適切な対応がなされたことを確認した(製 造販売後の検討事項については、「(6)医薬品リスク管理計画(案)について」の項を参照)。

2)肝機能障害患者

機構は、以下のように考えた。国内臨床試験において

AST

又は

ALT

が臨床検査中央測定機関の基 準値上限の

2.5

倍以上の被験者が除外されたことから、製造販売後調査において引き続き肝機能障害 患者における安全性に関して情報収集する必要があると考えた。また、中等度肝機能障害者において 肝機能正常者と比べて

AUC

は約

70 %増加することが認められていることも踏まえ、重度肝機能障害

患者は慎重投与とすることが適切と考えた。

以上の機構の判断は専門委員に支持された。

以上を踏まえ、機構は重度肝機能障害患者を慎重投与とするよう申請者に求め、適切な対応がなさ れたことを確認した(製造販売後の検討事項については、「(6)医薬品リスク管理計画(案)につ いて」の項を参照)。