⑪ Functional Task Test 実 験 (Physiological Factors Contributing to Postflight Changes in Functional Performance)
4.2 ISS の定期的な点検・メンテナンス作業
「きぼう」サブシステムのメンテナンス及び点検作業
「きぼう」システムの保守・点検
火災検知器、消火器などの点検を行います。
「きぼう」内の機器や実験装置などから排出される熱を循環させる熱制御系 システムの維持・管理や、環境制御システムの保守・点検を行います。
「きぼう」内の整理
「きぼう」船内実験室や船内保管庫に配置されている機材や物品を確認し、
不用品の整理や元の場所へ収納するなど、定期的に整理作業を行います。
実験装置の保守・点検、確認
各実験装置のメンテナンスや、故障原因の究明・修理などを行います。
米国システムのメンテナンス及び点検作業 エクササイズ装置のメンテナンス
米のトレッドミル (T2) 、改良型エクササイズ装置 (ARED) 、サイクルエルゴメー
タ (CEVIS) 等の定期点検を行い、使用に問題がないことを確認します。故障
が見つかれば修理を行います。
ISSのトイレ(WHC)のメンテナンス
汚物タンクやホースの交換、フィルタの交換、コントロールパネルの表示状態 の確認、清掃などを行います。
空気成分分析器、空気循環装置、煙検知器等各種装置の点検
二酸化炭素モニタ装置などの電源を投入して表示や動作を確認し、故障がな いことを確認します。また空気循環用のフィルタの清掃も行います。
水再生システム( WRS )の点検
水再生システム( WRS )の稼働状況の確認や、処理された水のサンプリング、
および有機炭素分析器(TOCA-II)によるサンプリングした水の水質分析を行 います。
補給物資の移送・整理、在庫管理
ロシアシステムのメンテナンス 空調システムのメンテナンス
フィルタの交換や配管の清掃などを行います。
生命維持装置(クルー・サポート・システム)のメンテナンス
凝縮水再生装置のフィルタの交換や配管の清掃、トイレの清掃などを行いま す。
【参考】
ISS滞在クルーの日々の作業状況は、以下のNASAのサイトで定期的に公開されて います。
ISS Daily Summary Report
https://blogs.nasa.gov/stationreport/2016/
図4.2-3 「きぼう」の船内で掃除機をかける若田宇宙飛行士(中央の白い円筒が掃除機本体、
右手に持っているのが吸い込みノズル)
http://iss.jaxa.jp/library/photo/iss019e007589.php
図4.2-4 ノード3内で騒音の計測を行う若田宇宙飛行士(右手に持っているのが騒音計)
http://iss.jaxa.jp/library/photo/iss019e007128.php
ISS
で利用されるロボットアームISSに滞在する日本人宇宙飛行士は、以下に示すISSの3台のロボットアームを使います (クルー操作ではなく、地上から操作する場合もあります)。その他、SSRMSの先端に「デクス ター」を装着してのロボット運用も地上から行われています。
国際宇宙ステーションのフライトエンジニア
ISS長期滞在宇宙飛行士は、フライトエンジニア(FE)と呼ばれ、ISSのシステムと実験装 置を正常な状態に維持すると共に、宇宙実験の運用を行うことが主な任務となります。
ISS長期滞在宇宙飛行士は、長期滞在のための専門の訓練を受けてISS長期滞在宇宙 飛行士と認定されます。
現在、ISSクルーは、コマンダー(船長)1名とフライトエンジニア5名の6名体制です。
ISSクルーは、常に実験ができるようにISSのシステムや実験装置の定期点検、保守、修理 し、宇宙実験に関わる操作を行うため、ISSのシステム、実験装置や、宇宙実験の内容に精 通している必要があります。また、日米の補給船がISSに到着/分離するときにはその運用 を行うほか、ソユーズ宇宙船やプログレス補給船等がドッキングする際にはドッキングのた めのバックアップ機器の準備や、必要に応じて手動でドッキング操作を行います。ISSのロ ボットアームを操作して、ISSの組立てやメンテナンス、船外活動の支援も行います。ISSか ら宇宙授業を行う教育活動や軌道上記者会見などの広報活動、人の目で地球を観察して 写真やビデオ撮影を行う地球映像の記録も、宇宙に長期滞在している宇宙飛行士ならでは の仕事です。
自らが被験者となって、宇宙環境における精神心理や肉体的な変化を記録することで、
さらなる宇宙進出に向けた技術の蓄積を行うとともに、得られた知見は地上での疾病の予 防や治療に利用できると期待されています。
実験を行う際には、地上から直接操作できない実験試料の設置や交換、実験終了後の 試料の固定*1、装置の後片付けを行います。また地上の実験テーマ提案者の目となり手と なって実験状況を正確に捉え、地上に伝えるという重要な役割を持ちます。
フライトエンジニアは、技術者であり研究者であり教育者であり、人類の宇宙進出への代 表としてあらゆる要素を含んでいるのです。
*1:実験終了後に反応が進まないように凍結させたり、化学的に安定化させたりといった、帰還 に備えた収納作業を指します。
コラム 1-2
② ③ コラム 1-3
③