話者 発話内容 発話文末
フヘツジ 113 * YMO3 うちサークルがそんなに、ないんですよ。
114 * YMO3 ないってゆ一か(###)、あることはあるんですけども、(ええ)そんなに活発な Tークル活動はしてない…。
115 * BF12 あ一、そうなんですか。
116 * YMO3 ええ。
117 * BF12 ふ一ん。
118 * YMO3 ま、方針といえば方針なんでLよラね〈笑うような声〉。 ○
119 * BF12 、 ㌔ 」 」
ヲえ.、ええ.。
120 * YMO3 あの、 勉強しなさい (うん)みたいな戚じでてう一ん)。 ○
121 * YMO3 それはかわいそうだなってすごい思うんですよね。
122 * BFI2 昔から一、割と一、「大学名5」って、 厳しい一 っていうふうな(ええ)イメー Wが、〈あったんですけど〉{〈}。
123 * YMO3 ええ〈今もやっぱり〉{〉}厳しい一、と思います、他の大学に比べると。
124 * BF12 そうですか?。
125 * YMO3 ええ、昔に比べると、大分柔らかくなってきたとは思うんですけども(ええ)、
竄チぱり自由、学生の自由一にもっとさせたらいいな一とはすごい思うん
ナすよ(ふ一ん)。
126 * YMO3 押さえちゃってる部分があるかな、って(ええ)すごい思いますし。
127 * BF12 以前は制服もあったんじゃな↓、、かLら、大学生でも。 ○ 128 * YMO3 ああそうですか。
日本語の「発話文末のヘッジ」の使用例を見ると、まず、発話文番号118の場合、
年下の対話相手のJYMO3は、年上に当るべ一スのJBF12に自分の勤めている大学の文 化祭はあまり活気がなく、騒がないというのが学校の方針であることを「方針といえ ば方針なんでしょうね」と発話文末に「でしょう」という推量の意味をもつヘッジを伴 って述べることで、断定を避けている。また、発話文番号120で「 勉強しなさい (うん)
みたいな感じで」と発話文番号118の内容を補っているが、発話文末に「〜みたいな感じ で」とヘッジを使うことで、発話内容をぼかして、和らげている。その際、 「みたい な」と「感じで」が一緒に使われ、ヘッジの機能がより強くなっていると考えられる。
次に、発話文番号127のべ一スの「以前は制服もあったんじゃないかしら、大学生で も。」の発話を見ると、大学の規則がかなり厳しいことから「以前は制服もあったん じゃない」と「じゃない」を付けることでJYMO3に娩曲に質問しているが、さらに
「かしら」も付けることで、断定を避け、発話内容の力を和らげていると考えられる。
以上、日本語における「発話文末のヘッジ」の使用様相を見たが、以下では、韓国 語における「発話文末のヘッジ」の使用様相を見る。
韓国人同士の会話例(女性べ一スと年上の女性との会話)
発話文
ヤ号
発話文
I了
話者 発話内容 発話文末の
@ヘツジ
52 * KOFO1 号る01司剤(¶里入1E},
iネックレスすごくおきれいだね。)
53 * KBFO1 。1オ皇?[↑].[晋{}せ叫{≧司叫]
iこれですか[↑]。[最後の部分をすこしあげながら])
54 * KOFO1 号。1司一司.
iめずらしい。)
55 * KBFO1 ヱ昔音L1叶く妾音〉[午香合昊。u.
(ありがとうございます〈笑い〉。[照れ気味で])
56 * KOFO1 ユ月1司(¶且?=,
iそれ何ですか?=。)
57 * KOFO1 =叫晋。1・刈皇?,
i=白金ですか?。)
58 * KBFO1 ユ里,叫月司ダガ4耳丘.
iあの、いや、何かまざってるらしいですけど。)
O
59 * KBFO1 叫月巳一斗ヱ,田骨,ユ書川日1せフ『叫月干且く晋早甚臭旦曽
n〉.
iいや、銀と何かと、そんなに高いものではないんですけど。<最後の部 ェ、笑いながら〉)
60 * KOFO1 叫里入1司,入1♀1司旦olヱ.
iおきれいだね、すがすがしくみえるし。)
61 * KOFO1 号但王司刃1叫呈}司1,斗一宰ユ.
i首もすごくきれいで白いし。)
62 * KBFO1 〈ooフこ三〉.
i〈笑い〉。)
63 * KOFO1 壮ユ迅叫姓音△叫誓昊司神書昊曽〈≡司…〉{〈}.
i私はそのような色は似合わないのであまり着〈ないけど…〉{〈}。)
64 * KBFO1 〈oト〉{〉},01迅オ且[↑].
i〈ああ一〉{〉にんな色ですか[↑]。)
65 * KOFO1 甚菩硯芒。國,ユ甘司早升司神甚計月舛,甚菩碑剤吾芒く叫
i…〉{〈}.
iピンク色はもう、ただ肌が汚いから、ピンク系は〈もう…〉{〈}。)
66 * KBFO1 〈司早≡〉{〉}袖契司一但司,香召旦但習¢1ダ召書印….[晋早 rz}芒△司呈]
i〈肌は〉{〉}おきれいだが、ちょっと黒いほうのようだが…。)[最後に小さ ネ声で]
○
韓国語の「発話文末のヘッジ」の使用例を見ると、まず、発話文番号58の場合、女 性べ一スのKBFO 1は、自分のネックレスが銀と他の何かが混ざっていることが分かっ ているにも関わらず、 「叫舌゜1司1且?(白金ですか)」という年上の対話相手のKOFO1の 問いに対し、「司苓銀司皇(何かまざっています)」と確実に言えるところを「判苓改叶
叫皇.(何かまざってるらしいです)」と「〜}叫皇(〜らしいです)」とヘッジ表現を使うこ とで、発話内容の力を和らげている。次に、発話文番号66を見ると、年上の対話相手 のKOFO 1の皮膚色が黒いことに対し、「召巳入1亡}(黒い)」と断定的に言えるところを、「る巳 但週剋奏巷叶(黒いほうのようだ)」と「〜週゜1叶(〜ほうである)」と「〜契巷叶
(〜のようだ/みたいだ/そうだ/らしい)」のヘッジ表現を使うことで、発話内容の力 を和らげており、対話相手のKOFO1を配慮していると判断される。さらに、 「〜週01叫
(〜ほうである)」と「〜須蒼し}(〜のようだ/みたいだ/そうだ/らしい)」が一緒に使 われ、ヘッジの機能がより強くなっていると考えられる。
以上、日本語と韓国語における「発話文末のヘッジ」の使用について例を挙げ、説 明した。以下では、 「発話文末のヘッジ」について、話し手の性別、対話者の年齢・
性別という要因に応じて、話し手がどのようにヘッジを使用するかを見るが、まず、
話し手、つまり、べ一スの性別による「発話文末のヘッジ」の使用について見る。
(1)ベースの性別による「発話文末のヘッジ」の比較
以下では、べ一スの性別ごとに、 「発話文末のヘッジ」の使用割合と使用頻度を表 69と図52に示す。
表69ベースの性別ごとの発話文末のヘッジの使用割合と使用頻度
話者 ェ析項目
JBF
JBM KBF KBM
発話文末のヘッジ 8.5(134) 11.4(176) 8.4(159) 7.9(150)
*()内は、頻度
図52ベースの性別ごとの発話文末のヘッジの使用割合
べ一スの性別ごとの「発話文末におけるヘッジ」の使用割合は、前節の「1発話文 当りのヘッジ」、 「発話文全体のヘッジ」の傾向と同じく、日本語は女性べ一スより 男性べ一スの方が高く、韓国語は男性べ一スより女性べ一スの方が高い。有意差は見 られなかったが、この結果からは、日本語においては女性より男性の方が、韓国語に おいては男性より女性の方が断定などを避け、発話の内容を和らげるヘッジを多く使
うことによって発話をポライトにする傾向にあると言えよう。
(2)対話相手の年齢による「発話文末のヘッジ」の比較
それでは、 「発話文末のヘッジ」の使用について、対話相手の年齢に応じてどのよ うな分布を示しているかを、べ一スの性別の要因と合わせて調べてみる。
以下では、べ一スの性別ごとに、対話相手の年齢に応じた「発話文末のヘッジ」の 使用割合と使用頻度を表70と図53に示す。
表70日本語と韓国語における対話相手の年齢に応じた発話文末のヘッジの使用割合と使用頻度
会話
ェ析項目
JBF
JBM KBF KBM
0
SY
0 SY
0 SY
0 SY
発話文末の
@ 、
@ヘツソ
7.7
i4ユ)
8.2
i40)
9.4
i53)
10.0 i52)
10.2 i51)
13.7 i73)
8.2
i44)
9.6
i67)
7.3
i48)
11.6 i65)
5.6
i38)
7.0
i47)
*()内は、頻度
図53日本語と韓国語における対話相手の年齢に応じた発話文末のヘッジの使用割合
べ一スの性別ごとに、対話相手の年齢に応じた「発話文末のヘッジ」の使用を見る と、日本語においては、ベースの性別と関係なく、発話文末におけるヘッジの使用割
合は相手の年齢に反比例している。発話文末のスピーチレベルの結果と合わせて考え てみる57と、日本語の場合、実質的発話文から丁寧度を示すマーカーのない発話
(NM)を除いた発話文末のスピーチレベルの敬体(P)は対話相手の年齢に比例している が、ヘッジは敬体(P)とは反対の傾向を示している。つまり、日本語においては敬体
(P)とヘッジが相互補完的な関係にあり、発話文をバランスよくポライトにしている と解釈できよう。
それに対して、韓国語においては、女性べ一スの場合、同年齢の対話相手に対して 使用割合がもっとも高く、男性ベースの場合は、年上の対話相手に対して使用割合が もっとも高い。分散分析の結果、韓国人男性の「発話文末のヘッジ」の使用において は、年上と同年齢の間、また、年上と年下の間に有意差も見られた(年上と同年齢:F 値=7.856、p<0.05、年上と年下:F値=7.856、 p<0.05)。つまり、韓国人男性は、年上 にヘッジを多く使うことで対話相手の年齢から生じる上下関係をマークしていると言
える。
(3)対話相手の性別による「発話文末のヘッジ」の比較
次に、 「発話文末のヘッジ」の使用について、対話相手の性別に応じてどのような 分布を示しているかをベースの性別という要因と合わせて調べてみる。
以下では、べ一スの性別ごとに、対話相手の性別に応じた「発話文末のヘッジ」の 使用割合と使用頻度を表71と図54に示す。
表71対話相手の性別に応じた発話文末のヘッジの使用割合と使用頻度
会話 ェ析項目
JBF
JBM KBF KBM
F
M
FM
FM
FM
発話文末の
@ヘツジ
8.5
i68)
8.4 i66)
11.5 i98)
11.1 i78)
8.8 i83)
8.0 i76)
7.5 i76)
8.2 i74)
*()内は、頻度
57スピーチレベルとヘッジの関連性にっいては、第7章で詳しく述べる。
30
1:
%1:
:
宴♂ 〆〆 〆φ÷
ロヘツジ
ぷバ
会話
図54対話相手の性別に応じた発話文末のヘッジの使用割合
べ一スの性別ごとに、対話相手の性別に応じた「発話文末のヘッジ」の使用を見 ると、日本語の場合は、べ一スの性別を問わず、女性の対話相手に対して使用割合 がやや高い。発話文末のスピーチレベルの敬体(P)が、女性の対話相手に比べ男性 の対話相手に対し、使用割合がやや高くなっていることと関連付けて考えると、敬 体(P)とヘッジが相互補完的な関係にあり、発話文をバランスよくポライトにして いると解釈できよう。一方、韓国語の場合は、べ一スの性別を問わず、同性の対話 相手に対して使用割合が高い。
6.4 まとめ
本章では、 「1発話文当りのヘッジ」、 「発話文全体のヘッジ」、 「発話文末のヘ ッジ」 について、日本語と韓国語それぞれにおける使用割合を、べ一スの性別、対 話相手の性別・年齢の要因別に分析した。主な結果は以下の通りである。
ヘッジは、韓国語に比べ日本語の方が「1発話文当りのヘッジ」、 「発話文全体の ヘッジ」、 「発話文末のヘッジ」の全ての項目において有意により多く用いられてい た。今回の結果からは、日本語の方が韓国語に比べ、ヘッジを多用することで、話し 手と聞き手との間の緊張を和らげる程度が高いことが明らかになった。また、断定を 避け、発話の内容を柔らかくするヘッジを多く使うことで、発話をポライトにしてい ることも明らかになった。日本語におけるヘッジはポライトネス・ストラテジーとし ての機能をよりよく果たしていると言えよう。
対話相手の年齢に応じたヘッジの使用を見ると、韓国人男性は、年上に有意にヘッ ジを多く使っており、ヘッジが対話相手の年齢から生じる上下関係をマークしている と言える。つまり、韓国人男性においては、ヘッジが対話相手の年齢から生じる上下