第 5 章 ; 0 スペクト ラル関数 測定
2: Gounaris and Sakurai モデル (G&S モデル )
Gounaris and Sakuraiモデルは、
e
+e
;!+;の散乱断面積を記述するために、用い られてきた。より広い領域の共鳴状態に対する散乱振幅を精密に取り扱うのに有効である という特徴がある。Gounaris and Sakuraiモデルにおいても、(
M
0)2分布(dNds)はK & Sモデルと同様、式5.16で表される。また、スペクトラル関数、パイオンの構造因子(
F
(s
))に関しても K&Sモデルと同じ形式であり、式5.17,5.18で書き表せる。しかしながら、Breit-Wigner関数の形が違い、
BW
GS =M
2(1 +d
;(s))(
M
2;s
) +f
(s
);i
ps
;(s
) (5.23)となる。G&SモデルのBreit-Wigner関数には 、K&Sモデルに加え 、分子に
M
(d
M;)、分母に
f
(s
)が付け足されていることが特徴である。ここで、f
(s
),h
(s
)はf
(s
) = ;M
2k
3(M
2)
k
2(s
);h
(s
);h
(M
2)+ (M
2;s
)k
2(M
2)dh ds
s=M2
(5.24)
h
(s
) = 2k
(s
)p
s ln s
+ 2k
(s
)2
m
(5.25)dh ds
M2 =
h
(M
2)h;8k
2(M
2);1;(2M
2);1i+ (2M
2);1 (5.26)で表される。そして、
d
は、F
(0) = 1、つまりBW
GS(0) = 1を満たすように規格化する ことが要求されており、d
=f
(0);
M
= 3
m
2k
2(M
2)lnM
+ 2k
(M
2)2
m
+M
2
k
(M
2) ;m
2M
k
3(M
2)(5.27)
と決められる。
パイオンの構造因子に対するK&Sモデルと、G&Sモデルでの相違点を考えると、この
2つのBreit-Wignerモデルには
8
<
:
(1) ど ちらも
F
(0) = 1になるように規格化されている。(2) ど ちらのモデルも、
のピーク付近においては同じような形をとる。といった一致点があげられる。しかしながら、同じ
M
、;を値として用いた場合、s
=M
2においてG&Sモデルのパイオン構造因子
F
の値はK&Sモデルの値よりも大きくなる傾 向が見られる。また、K&Sモデルと、G&Sモデルの両方で用いられている定数
,は、それぞれ0,00が支配的な共鳴状態である
に対してどれぐらいの割合なのかを示す値である。これまで 書いた式においては、これらの値を実数として扱っていたが 、実際には複素数であること が知られている7。複素数としてこれらを取り扱うには 、複素成分を表す係数として
を導入し !e
iと置き換えることで行う。
00に対する値についても同様にして複素数として取り扱うこ とができる。7,0,00 間の位相差を考慮すると一般的には複素数で記述される
5.3.3 unfolding
の結果得られた(M0) 分布とBreit-Wigner
によるt
小節5.3.1で述べたデータをunfoldingプログラムの入力としてunfoldingを実行した結
果、図5.14にもあるように 、rankは8となり、これをcuto 変数として用いて結果を得 た。ただし 、unfoldingに用いたのは以下の範囲に入ったデータのみである。
threshold
(M
0)2 2:
55(GeV
)2 (5.28)ここで、
threshold
は、(M
0)2がとり得る最小値であり、本解析に用いた !0 崩壊の場合
と0の質量を合わせた値よりthreshold
= (M
+M
0)2 = (0:
140+0:
135)2 w 0:
076(GeV
)2 となる。また 、最大値は の質量となり(M
0)2max =M
2 = (1:
777)2 w 3:
16(GeV
)2 となるが 、図4.18を見ても明らかなように(M
0)2 2:
55(GeV
)2 の範囲のデータは統計量が少ない上にバックグラウンド も多いことから、この範囲のデータは使用 しないこととした。
unfoldingした結果得られた分布に対して、前節で記述した2つのBreit-Wigner(K&S
モデル , G&Sモデル)を用いてtしたものが図5.15と図5.16である。また、このtで
得られた結果を表5.3.3に示した。ttingに用いた(
M
0)2の範囲はunfoldingしたときと同様に式5.28の範囲である。よって、本解析のttingには
(1700)共鳴状態は考慮しないものとし 、
(1700)に対する定数であるはゼロに固定した8。一方、
(1450)共鳴状態は考慮し 、これに対する定数は8
>
>
>
>
>
<
>
>
>
>
>
:
を実数として扱う
パイオン構造因子:
F
(s
) = 1+1(BW
+BW
0)を
e
iと置き換えることで複素数として扱うパイオン構造因子:
F
(s
) = 1+e1 i(BW
+e
iBW
0)の2つの場合を用いた。
これらの図と表から以下のことが言える。
だけを考慮してtした時よりも+0としてtした時の方が、明らかに分布を再 現できる。ここからも !0 崩壊の中には、 ! 崩壊だけでなく !0
も含まれているという事が確かめられた。
得られた値は2つのBreit-Wignerモデルの間で誤差の範囲で一致している。
+0としてtした時、を実数として扱った場合と複素数成分を入れてtした
場合では、
180 となり、一致した結果を示している。さらに 、以前に行われた他の実験結果との比較を表5.3.3で行った。他の実験において は 、いずれも
を実数として扱っており、複素数成分は扱っていない。8(1700) : (1:7GeV)2= 2:89(GeV)2
10-4 10-3 10-2 10-1 1 10 102 103
0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 50
i
di / σdi di / σdi
diτ / σdiτ , τ=s82
図5.14:
log
jddii j図。 横軸にi、縦軸にlog
jddii jをとった図。図中の矢印は「rank」を示しており、今の場合rank=8となっている。ヒストグラムは実際の
log
jddii j分布であり、点線のヒストグラムはrankを考慮した場合の分布である。
1 10 10 2 10 3 10 4 10 5
0 0.5 1 1.5 2 2.5
(Mππ0)2 (GeV)2