BELLE
4.3.1 の再構成
組み合わせることで、
0を再構成する。 0を再構成するために用いる光子として、以下の条件を課した。光子のエネルギー補正
E
80:
0MeV
24
138カロリーメーターで観測されたshowerが光子らし いもの(
E
9=E
25 0:
75 12、また、そのクラスターがCDCからの外挿と一致していないこと。)
カロリーメーターのbarrelとendcapの境界で観測された光子を除く これは 、光子が検出器で正しく測定されるための条件である。
ここでは 、緩い
0選別の条件として、S
(m
;m
0)(4.2)
と定義した
S
が-9から9の範囲に入っていることを要求した(;9:
0< S
9:
0)。ここで、m
は2つの光子の不変質量、m
0は0の質量(= 134:
98MeV
)、m
は はm
の分解能である。
また、光子2つの不変質量の分解能、 と
0の運動量P
0 の関係を調べるために 、を
P
0の関数として図4.7に示した。この図からわかるように 、運動量の低いところ でデータとモンテカルロに違いがみるられる。この関係をtし 、得られた関数からモン テカルロを補正した。4.3.2
!0 崩壊の選別この節で、 !
0 崩壊を選別するために行うのは、以下のことである。(1)
!0 崩壊条件を要求する。(2)
本解析で目的としている ! 0 崩壊以外の 崩壊から来るバックグラウンド(feed across B.G.)を除く。
(3)
前小節で得た0候補から、サイド バンド を除く4 5 6 7 8 9 10 11 12 13
1 2 3 4 5
DATA MC
π0 momentum (GeV)
45° ≤ Θ ≤ 100°
σπ°(MeV)
図 4.7: 各運動量における光子2つの分解能. を
p
0の関数としてplotしている。ただし 、この図には45
<
0<
100という条件が入っている。黒丸はデータを白の丸はモ ンテカルロを示している。図4.8: 事象の半球図
(1) !
崩壊の条件として、
半球中に、荷電飛跡が1本、
0粒子が1つある。という条件を要求した。 !
0 崩壊事象はこの条件により基本的に選別できる。また、(2)feed acrossバックグラウンド を除く条件としては 、
0から崩壊した2つの光子以外に、そのエネルギー(
E
max)が200MeV以上のものがあればその事象を除く(
E
max<
200MeV)。これにより、 !
00 といった(multi-0 mode13) を除去することができる。
P
0=E
beam>
0:
04を要求した。
次に 、
0について考える。これは条件の(3)に相当する。前小節で選別したものを
0とし 、2つの光子(0)の不変質量分布を 、4.2式で定義したS
の形で図4.9, 4.10に示す。これらからわかるように、データとモンテカルロは非常によく合っている。しかしなが ら 、j
S
jの大きいところでは、少し 違いが見られる。よって、図4.9にあるように 、シグナル領域 ;6
< S
<
5 (図4.9中の黄色の矢印)サイド バンド 領域
(
左)
;9< S
<
;7 (図4.9中の水色の矢印)サイド バンド 領域
(
右)
7< S
<
9 (図4.9中の水色の矢印)とし 、二つの光子の組合わせを誤ったり、
0からではない光子を用いた事によるの寄与と 考えられる'サイド バンド'を引くこととする。方法としては 、
S
全領域において、この寄与は一様な分布をすると仮定し 、シグナル領 域に含まれるこの寄与(BG
signal;region)をサイド バンド 領域を用いてBG
signal;regin= (N
sideleft;band+N
sideright;band)11 4と見積もりシグナル領域に入った全事象数(
N
signaltotal ;region)から引いた。N
signal =N
signaltotal ;region;BG
signal;region12カロリーメーターのクラスターにおいてshowerのピーク辺りの 、E9はクリスタル9本の、E25は25
本のエネルギーの和。E9/E25はこの2つの数の比であり、この数からshowerの広がりがわかる。一般にハ ド ロンが作るshowerは広がりが大きい事が知られている。
13終状態に複数個の0を含むような崩壊モード
ここで、
N
sideleft;bandとN
sideright;bandはサイドバンド 領域の左と右に入ったそれぞれの事象を、N
signalはシグナル領域に入った事象の中での、本物と思われる事象を示している。また、シグナル領域が11 に対して、サイド バンド 領域が左と右と合わせて 4 なので、規格化
定数として
BG
signal;reginを見積もる際、(N
sidelow;band+N
sidehigh;band)に11/4をかけた。データにおいてサイドバンド 領域に入った事象数のシグナル領域に入った事象数に対す る割合は、約9.5% 14である。シグナル領域とサイド バンド 領域に分け、(
M
0)2分布として図4.11に示した。また、モンテカルロについても同様の図を -pair、feed acrossバッ
クグラウンド、
e
+e
;!q q
反応によるバックグラウンド、e
+e
;!c c
反応によるバックグラウンド、
e
+e
; !e
+e
;u u
反応によるバックグラウンド に分けてそれぞれ 図4.12に示した。ここで、 -pair事象以外の反応からのバックグラウンド をまとめて、non- バック
グラウンド と呼ぶこととする。
以上のようにして、 !
0 事象を選び 、約32万事象観測した。ここで !
0 事象を選ぶために用いた条件とそれによる効果、詳しい事象数を表4.3に示した。
表4.3: !
0 事象選別item 事象数 E#ciency 各条件の相対的な
(Exp9) E#ciency
荷電飛跡1本 2,308,877 97.1 % 97.1 %
01つ 495,739 51.0 % 52.5 %E
max<
200の光子の除去 390,652 47.1 % 89.7 %P
0=E
beam>
0:
04 376,877 46.5 % 98.7 % 0 シグナル領域 (;6< S
<
5) 353,355 43.9 % 94.2% 0 サイド バンド 領域 12,238 0.9 % (;9< S
<
;7) 8,227(7
< S
<
9) 3,961また、このようにして !
0 事象を選んだ時の0の運動量を図4.13に 、荷電粒子(荷電飛跡)の運動量分布を図4.15に示す。
0の運動量を図4.13に示す。ここで、R
=N
Data;N
MCN
MC=
Data MC
;1(4.3)
と定義した、
R
を用いて図4.3.2, 4.3.2に示し 、データとモンテカルロの一致を確かめた。(mγγ - mπ0)/σγγ
number of entries / 0.19
DATA MC(signal) MC(non-τ B.G.)
Normalization:
# of entries
0 5000 10000 15000 20000 25000
-8 -6 -4 -2 0 2 4 6 8
図4.9:
0シグナル分布(S
= (m
;m
0)=
). 赤の点はデータを、ヒストグラムはMCによるシグナルを、色(青)のついたヒストグラムは 以外から来るバックグラウン ド をそれぞれ示す。黄色の矢印はシグナルの範囲 ;6
< S
<
5を、水色の矢印はサイド バンド の範囲 ;9< S
<
;7 , 7< S
<
9を表している。(また、この0の事象には 01;C fit
が要求されている。)102 103 104
-8 -6 -4 -2 0 2 4 6 8
(mγγ - mπ0)/σγγ
number of entries (log) / 0.19
DATA MC(τ+τ-) MC(non-τ B.G.) Normalization:
No. of entries
図4.10:
0 シグナル 分布(log). ヒストグラムなど の意味は図4.9と同じである。また、運動量ごとの
0分布を調べるために、P
0=E
beam の範囲ごとのS
分布を図4.17に示した。
4.3.3
;0 の不変質量分布(
M2 0)
前小節4.3.2のように選んだ !
0 事象での、;0 の不変質量分布を図4.18に示す15。
ここで、モンテカルロの値としては表4.3.3にある値を使っている。通常モンテカルロ を発生させる際の値としては、PDG(Particle Data Group)の値を使うが 、今回は
中間子の質量(
m
)の値として、PDGの値(769.3 MeV)ではなく、775.3 MeVを用いた。この理由は、「本解析では のデータを扱っているから」である。
m
は、基となるデータの違いにより値が異なっていることが知られており、PDGの値769.3 MeVは、
8
<
:
m
= 766:
5MeV
ハド ロン反応の場合m
= 776:
0MeV
とe
+e
;実験の場合の2つの値の平均値である。よって、今回のように のデータを扱う場合は、
m
= 776:
0MeV
を用いた方が適切と言える。
1412238(4=11)
353355 = 0:095
152章でふれたように本解析の目的であるスペクトラル関数の測定においては 、その式の中に(;0)2の
不変質量があることから;0の不変質量分布を質量の2乗を横軸に取る形で示した。
0 10000 20000 30000 40000 50000
0.5 1 1.5 2 2.5 3
(Mπ±π0)2 (GeV)2
number of entries /0.05(GeV)2
signal region side band
Data (exp.9)
図4.11: シグナル領域とサイド バンド 領域における(
M
0)2分布。 ヒストグラムはシグ ナル領域に入った事象を、色(青)のついたヒストグラムはサイド バンド 領域に入った事象 を示している。次の節からは、サイド バンド 領域に入った事象(色(青)のついたヒストグラム)を引いたデータを使用する。
0 200 400 600 800 1000 1200 1400 x 102
0.5 1 1.5 2 2.5 3
(Mπ±π0)2 (GeV)2
number of entries /0.05(GeV)2
signal region side band region tautau MC
0 1000 2000 3000 4000 5000 6000 7000
0.5 1 1.5 2 2.5 3
(Mπ±π0)2 (GeV)2
number of entries /0.05(GeV)2
signal region side band region tautau MC ( feed across )
0 250 500 750 1000 1250 1500 1750 2000 2250
0.5 1 1.5 2 2.5 3
(Mπ±π0)2 (GeV)2
number of entries /0.05(GeV)2
signal region side band region tautau MC ( Kpi )
0 20 40 60 80 100 120 140 160
0.5 1 1.5 2 2.5 3
(Mπ±π0)2 (GeV)2
number of entries /0.05(GeV)2
signal region side band MC ( qq )
0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 50
0.5 1 1.5 2 2.5 3
(Mπ±π0)2 (GeV)2
number of entries /0.05(GeV)2
signal region side band MC (charm)
0 10 20 30 40 50
0.5 1 1.5 2 2.5 3
(Mπ±π0)2 (GeV)2
number of entries /0.05(GeV)2
signal region side band MC (eeuu)
図 4.12: モンテカルロにおける、シグナル領域とサイド バンド 領域の(
M
0)2分布。 図は順に 、 -pair、feed acrossバックグラウンド、 !
K
0 反応からのfeed acrossバックグラウンド、
e
+e
;!q q
反応によるバックグラウンド、e
+e
;!c c
反応によるバックグラウンド、
e
+e
; !e
+e
;u u
反応によるバックグラウンド である。0 2000 4000 6000 8000 10000
0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1
Pπ0 (CM) / EBeam (GeV)
number of entries / 0.01
DATA MC(signal) non-tau B.G.
Normalization:
number of entries
図 4.13:
0の運動量分布.(P
0=E
beam). ここでは 、0の運動量(P
0)をビームのエネルギー(
E
beam)で割った形になっている。赤の点はデータを 、ヒスト グラムはMCのシグナルを、色つきのヒストグラムはnon
; からのバックグラウンド をそれぞれ示す。
-0.6 -0.4 -0.2 0 0.2 0.4 0.6
0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1 DATA --- MC -1/ 0.01
Pπ0 (CM) / EBeam (GeV)
図4.14:
0の運動量分布のR
= DataMC ;1 plot. 横軸に 0の運動量を、縦軸に
R
= DataMC ;1をとった図。ここでの0の運動量は、図4.13と同じである。0 1000 2000 3000 4000 5000 6000 7000 8000 9000
0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1
Ph±(CM) / EBeam (GeV)
number of entries / 0.01
DATA MC(signal) non-tau B.G.
Normalization:
number of entries
図4.15:
;の運動量分布図(P
;=E
beam). ここでも、0の運動量と同じく;の運動量(
P
;)をビームのエネルギー(E
beam)で割った形になっている。点や ヒストグラムの意味は 、図4.13と同じである。-0.3 -0.2 -0.1 0 0.1 0.2 0.3
0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1 DATA --- MC -1/ 0.01
Ph±(CM) / EBeam (GeV)
図4.16:
0の運動量分布のR
= DataMC ;1 plot. 横軸に ;の運動量を、縦軸に
R
= DataMC ;1をとった図。ここでの;の運動量は、図4.15と同じである。(mγγ - mπ0)/σγγ
number of entry / 0.2
[ 0.04-0.1 ]
10 102 103
-8 -6 -4 -2 0 2 4 6 8
(mγγ - mπ0)/σγγ
number of entry / 0.2
[ 0.1-0.2 ]
102 103
-8 -6 -4 -2 0 2 4 6 8
(mγγ - mπ0)/σγγ
number of entry / 0.2
[ 0.2-0.4 ]
102 103 104
-8 -6 -4 -2 0 2 4 6 8
(mγγ - mπ0)/σγγ
number of entry / 0.2
[ 0.4-0.6 ]
102 103
-8 -6 -4 -2 0 2 4 6 8
(mγγ - mπ0)/σγγ
number of entry / 0.2
[ 0.6-1.0 ]
10 102 103
-8 -6 -4 -2 0 2 4 6 8
図4.17:
0運動量ごとのS
図. ここで、図中の - ]は、Epbeam0 の範囲を示している。表4.4: MC (TAUOLA / KORALB)における
, 0 の値。 ,0 parameters in MCM
775.3 MeV (c.f. 769.3 MeV in PDG); 150.2 MeV
M
0 1370 MeV;0 510 MeV
-0.110この裏付けとして、
m
の値に 「m
= 766:
5MeV
を使った場合の(;0)2分布」を付録 Aに示した。図4.18において、きれいな
(770)共鳴状態のピークを見ることができる。このことは、
!
0 崩壊において、 ! 崩壊が支配的であることを示している。しかし 、図4.18をよく見ると、質量の高い範囲でわずかながら肩が見られる。これは
(770)共鳴状態の励起状態である
0(1400)共鳴状態であり、 !0 崩壊には 、 !0崩壊も含まれていることがわかる。
さらに 、(
M
0)2分布の範囲により、0 の分布に違いが現れないか確かめるために 、(
M
0)2 分布の範囲をいくつかに分け、この範囲ごとのS
(m;m0)分布を図4.19
に示し た。
0による寄与はど の質量の範囲でも同じであり、質量の大きい範囲(2:
5<
(
M
0)2 3:
0)では、事象のほとんどがnon
; からのバックグラウンドだということが 確かめられた。次の章では、ここで得た(
M
0)2分布から、「(M
0)2分布のunfolding」と、本解析の目的である「 スペクトラル関数の測定」を行う。
10 10 2 10 3 10 4
0.5 1 1.5 2 2.5 3
(Mπ±π0)2 (GeV)2