ホームワーク
• SPIモジュールを、非同期モードのEUSARTモジュールと比較してみましょう。
• Microchipアプリケーション ライブラリを参照し、ファイルシステム ライブラリ(レガ
シー エディションではMDDファイルシステム)で、例えばMMC/SDカード上の データにアクセスするためのSPIポートの使用例を確認してみましょう。
• SPIバス上の信号が全て一方向である事を確認します。これにより、電気的絶縁 の必要なシステムの設計がどう簡略化されるかを考察してみましょう。
• Microwireインターフェイスの定義を調べ、PPSモジュールを使ってこのインター
フェイスをサポートする方法を検討してみましょう。
オンライン リソース
『AN1029 - マイクロチップ社製MicrowireシリアルEEPROMデバイスの推奨使用法』
『AN1040 - マイクロチップ社製SPIシリアルEEPROMデバイスの推奨使用法』
『AN1245 - Recommended Usage of SPI Serial SRAM Devices』
『AN767 - Interfacing Microchip’s Fan Speed Controllers to a SPI』
動作原理
シリアルポートが持つ非同期という性質は、前のセクションで説明したI2CおよびSPIプロ トコルには存在するクロック信号が存在しない事を意味します。これにはピン/ワイヤの数 が減るという利点がありますが、別の面では接続される両端でビットタイミング(baudレート) が正確に一致する事が前提であるため、オシレータコストが上昇するという欠点がありま す。
一度このbaudレートに達すると(固定のまま、またはbaudレート自動検出メカニズムを適 用する事で)、後続の8ビット タイムスロットに対してレシーバとトランスミッタを同期させる ために必要なのはSTARTビットの立ち下がりエッジだけです。STOPビット(最終的に2 つ)は、個々の文字列送信を終了させデータ整合性の最初の関数チェックをします。9番 目のデータビットは、データ整合性をチェックするための第2の手段としてプロトコルに 元々含まれおり、パリティを提供する事でそれぞれの文字送信に偶数個の1または0が 含まれるようにしていました。
しかし、最近のアプリケーションではしばしば、9番目のビットは別の、より適切な目的に使 われています。例えば、2点間接続であったものをバスに変換するRS485プロトコルでは、
(マスタが送信した新規メッセージの宛先アドレスを含む)1バイト目を後続のデータから区 別するために9番目のビットを使います。
アプリケーション
従来型のRS232規格通信(信号を± 12Vに変換するトランシーバが必要)は、SPIとI2C では対応できない長距離のモジュール間通信に今でも時々使われています。
RS232規格の通信は今なお、シリアル-USBアダプタを使って組み込み機器とパソコンを
接続するために使われており、場合によっては2つのシリアル インターフェイス間のブリッ ジ機能を備えたデバイス(PIC16F145xファミリのデバイス等)を使って実装されています。
RS422規格の通信(より複雑な完全平衡型信号トランシーバが必要)を使うと、さらに長い
距離(最大数百m)に対応できますが、使われる事は次第になくなってきています。
RS485規格のバス接続は従来産業用制御アプリケーションで多く使われた実績があり、
マルチドロップの長いデバイスチェーンを構築するために使われました。LINバス規格の 通信も専用トランシーバが必要であり、接続速度とデータ整合性よりも低コストが重視され る非クリティカル システムの車載アプリケーションで使われています。
照明アプリケーションではUARTSを使ってDMX512プロトコルを実装できます。
制限事項
レシーバとトランスミッタが同期できるのはSTARTビットのみで、最初のSTOPビット以降 は1ビットの半分を超えるタイミングの違いは許されないため、各デバイスのオシレータ許 容誤差は10ビットの時(STARTビット+ 8ビットデータ+ STOPビット)で±2.5%、11ビットの 時(STARTビット+ 9ビットデータ+ STOPビット)で±2.27%です。2つのデバイスのうちどち らかが正確だと既知のオシレータで、システムクロックの総誤差が抑制されている場合、2 倍の誤差(±5%と±4.55%)まで許容できます。
PIC16F1デバイスの内部オシレータは工場校正されているため、室温ではこのレベルの
精度を達成できますが、標準的な動作温度レンジ(-40~+125˚C)全体では精度を維持で きません。さらに、電源電圧が正確にレギュレートされていない場合はさらに誤差は広がり ます。動作温度と電圧のどちらかが大きく変動する事が予測される場合、外部のセラミック/ 水晶振動子またはEUSARTのbaudレート自動検出機能を使う事を推奨します。
非同期シリアル インターフェイスの最大データ転送速度は、通常距離とケーブル品質に 依存します。短距離でも115k baudを超える事はまれです。おそらくDMX512通信が最 も顕著な例外(250k baud)でしょう。
MCC が生成する API
MCC は EUSART モ ジ ュ ー ル を サ ポ ー ト す る た め に 、基本 的 な設定関数 の EUSARTx_Initialize()に加えて、EUSART_Read()とEUSART_Write()という単純な 2つの関数を提供しています。STDIOリダイレクト オプションが選択されている場合、これ ら の関数 はgetch()とputch()内 に ラ ッ プされ 、XC8コ ン パ イ ラ が こ れ ら を 使 っ て printf()の全機能を実装します。
また、割り込みサポート オプションを選択した場合、割り込みモジュールが自動的にプ ロジェクトに追加され、読み書き両方の関数が完全にバッファリングされます。
例
STDIOリダイレクト オプションを選択したEUSARTを使って、シリアル コンソールと通信
する例を以下に示します。
/* Project:Console
* Device:PIC16F1709 */
#include "mcc_generated_files/mcc.h"
main() {
char c;
SYSTEM_Initialize();
while ( 1) {
// 1. text prompt
printf( "Is this Rocket Science?:(y/n)");
// 2. read a character c = getch();
puts("");
if ( c == 'y')
puts( "No, this is too easy!");
else
puts( "That's what I am saying!");
} // main loop }// main
ピン配置
当初、EUSARTはPPSのないデバイスで提供されていたため、限られたピンしか選択で きませんでした(TX-RC5、RX-RC4)。最近の製品はPPSを備えているため、任意のデジ タルI/Oに割り当てる事ができます。
ホームワーク
• 同期(Synchronous)モードが機能する原理を調べてみましょう(EUSARTのS)。
• CRCとEUSARTを組み合わせてLINバスプロトコルのサポートを検討してみま
しょう。
• EUSARTの入出力データストリームにマンチェスタ 符号化/復号を実装する方法
を検討してみましょう(ヒント: CLCを使います)。
• EUSARTの出力データストリームに38 kHz (typ.)のIR変調を適用する方法を検
討してみましょう(ヒント: CLCまたはDSMモジュールを使います)。
オンライン リソース
『TB3069 - Use of Auto-Baud for Reception of LIN Serial Communications』
『AN1659 - DMX512A』
『AN1099 - LIN 2.0 Compliant Driver Using the PIC16 Microcontrollers』
『AN1310 - PIC16/PIC18 デバイス用高速シリアル ブートローダ』
『AN1465 - DALI (Digitally Addressable Lighting Interface)通信』