CWG – 相補波形ジェネレータ
動作原理
図2.8に示すように、CWGモジュールは代表的なECCバックエンド以上の事を実行しま すが、最も重要なのは、大きな入力選択マルチプレクサ(ISM)を使って、任意の数の他の 信号生成モジュールと接続できる点です。10/16ビットPWMはもとより、NCO、高速コン パレータ、CLCブロック等と接続できます。つまりCWGは設計者にとってとても便利な多 目的ツールです。言い換えれば、「全体は部分の総和にまさる」という事です。
CWGモジュールで実行できる機能は以下の通りです。
• 立ち上がり/立ち下がりエッジで別々の(デッドバンド)遅延(NチャンネルとPチャ
ンネルのMOSFETデバイスのサイズの違い(およびゲート静電容量)に合わせて
調整できるため、回路効率を最適化可能)
• 自動シャットダウン制御
• 出力ステアリング制御
• ハーフブリッジおよびフルブリッジ出力モード
• プッシュプル出力モード
図2.8: CWGの概略ブロック図(ハーフブリッジ)
• イベント入力は独立しているため、スリープ中でも動作可能(Note: HFIntOSCを COGのメインクロックとして使う場合、CPUがスリープ中でもオシレータは有効の まま)
さらに、COGモジュールは以下の機能を実行できます。
• 入力イベントに「ノイズが多い」場合、入力ブランキング カウンタによって余分の 複数整流動作を防ぐ。
• 位相遅延を追加して制御システムを安定させる。
• 立ち上がり/立ち下がりイベント入力で(複数の)別々の入力を受け入れる。
• レベルまたはエッジセンス入力を受け入れる。
• 通常の同期カウンタの代わりに非同期デッドバンド遅延チェーンを提供する事で 、 きわめて細かい粒度(5 ns)を実現する。
アプリケーション
CWGおよびCOGモジュールを活用できる代表的なアプリケーションを挙げます。
• 一部の電源制御アプリケーションでは、プッシュプル トポロジが使われます。
• ハーフブリッジおよびフルブリッジ モードは、方向制御オプション付きのブラシ付 きDCモータを制御するために使われます。
• 立ち上がり/立ち下がりエッジイベントの入力として接続した高速コンパレータは、
電源(スイッチング)アプリケーション(ヒステリシス制御、ピーク電流モード等)でよく 使われます。
• ハーフブリッジ ドライバに接続したNCO出力は、高輝度放電灯と調光可能な蛍 光灯バラストの設計に使われます。
制限事項
内蔵の自動シャットダウン、ブランキング、複合出力モードを使うと、CWG/COGモジュー ルで電源およびモータ制御アプリケーションの設計を大幅に簡略化できます。各サイクル でのCPUサポートが不要になるため、高速割り込み応答またはその他のCPU負荷の高 い動作も不要です。アプリケーションにおける主な制限事項は、最大PWMクロック源が デバイスの最大クロック速度(通常32 MHz)の制約を受ける点です。それでも、電源制御
アプリケーションが400 kHzを超えるスイッチング周波数を達成しながら、使用可能な CPU性能のごく一部しか使っていない事はよくあります。
より高い分解能が必要な場合、PSMCモジュールの使用を検討すべきです。PSMCモ ジュールは、本書の執筆時点ではPIC16F178xファミリのみ内蔵しており、専用の64 MHzオシレータを使ってPWM動作が可能です。
MCC が生成する API
MCCはCWG/COGの全オプションを、出力ピン設定、イベント制御、自動シャットダウン 、
ステアリング制御の4つのウィンドウに便宜的に分類しています。
MCCは通常のCWGx_Initialize()以外に、以下の3つの関数グループを含む最小限の
APIを生成します。
• 個々のデッドバンド カウンタを最適化する関数
• 自動シャットダウン イベントをセットまたはクリアする関数
• 新しい(全ての)設定を一度に読み込み、モード切り換えを同期する関数を使っ て、高消費電力MOSFETデバイスの駆動時に危険な競合を回避します。
ピン配置
新しいデバイスファミリは全てペリフェラル ピンセレクト機能を備えているため、きわめて柔 軟に最適なピン割り当てが可能です。これに対する唯一の例外は、駆動能力の高い専用 パッドの特長を活かす設計とする場合です(詳細は第3章「HIDRV – 100mA」セクション 参照)。
ホームワーク
• CWG/COGデッドバンド制御を使って、連続したイベントに自動的に短い遅延を
発生させる方法を調べましょう。
• CWG/COGを使って入力信号の周波数を2倍にする方法を調べましょう。
オンライン リソース
『TB3118 – 相補波形ジェネレータの技術概要』
『TB3119 – 相補出力ジェネレータの技術概要』
『TB3120 - PIC®マイクロコントローラの内蔵スロープ補償器』
『AN1660 - 8ビットPIC16マイクロコントローラを使った単相/多相AC誘導モータ向け低 コスト回路の設計と解析』
『AN1779 - PIC16F1613を使ったセンサ付き単相BLDCモータドライバ』