5. 慢性肝炎・肝硬変への対応 5‐1 抗ウイルス療法の基本方針
※1 HBe抗原セロコンバージョン率やHBV‐DNA陰性化率が必ずしも高くはないこと、個々の症例における治療前の効果予測が困難であること、
予想される
副反応などを十分に説明すること。
※2 長期継続投与が必要なこと、耐性変異のリスクがあることを十分に説明すること。挙児希望がある場合には、妊娠中の投与のリスクにつ いて説明すること。
※3 ALT正常化、HBV‐DNA量低下(HBs抗原量低下)、さらにHBe抗原陽性例ではHBe抗原陰性化を参考とし、治療終了後24~48週時点で判 定する。
※4 ETV中止後再燃時の再治療基準:HBV‐DNA 5.8Log copies/mL以上、またはALT 80U/L以上。
慢性肝炎
肝硬変
<治療開始基準>
HBV-DNA4.0 Log copies/mL
B
型慢性活動性肝炎におけるウイルス血症の改善国内第Ⅱ
/
Ⅲ相試験HBe
抗原陽性例における検討(非劣性試験)複合評価の有効率
24
週投与(
2/41
)0
(4/41
) (7/41
) (8/41
) (3/43
)48
週投与24
週投与ペガシス
90
μg
ペガシス180
μg
ペガシス90
μg
ペガシス180
μg HLBI
4.9 50
#複合評価の有効率
30 20 10 40
9.8
17.1
7.0 19.5
(%)
ペガシス皮下注90μg・180μg製品情報概要
# 複合評価:HBeセロコンバージョンかつHBV-DNA 陰性化(5.0Logコピー/mL未満)かつALT 正常化(40U/L以下)
※ B型慢性活動性肝炎におけるウイルス血症の改善において、承認された用法・用量は「1回90μgを週1回、皮下に投与する。なお、年齢、
HBV‐DNA量等に応じて、1回の投与量を180μgとすることができる。」です。
e+
中央登録法による多施設共同、無作為化、部分盲検(ペガシス90μgとペガシス180μg)、並行群間比較試験
対 象 :HBe抗原陽性のB型慢性活動性肝炎患者207例(ペガシス90μg・24週群:41例、ペガシス180μg・24週群:41例、ペガシス90μg・ 48週群:41例、
ペガシス180μg・48週群:41例、HLBI・24週群:43例)
投与方法 :ペガシスは週1回皮下投与し、HLBIは週3回皮下または筋肉内に投与しました。
非 劣 性 :ペガシス群とHLBI群の有効率の差の両側95%信頼区間の下限値が非劣性マージンー7%を下回らないこと を非劣性と定義しました。
ERADICATE‐B study
HBe
抗原陰性例におけるHBs
抗原量と累積発癌率:低ウイルス量例0 20
(%)
0 10
(年)
HBV‐DNA
量<2,000IU/mL
(N=1,097
)<
1,000 HBs
抗原量(IU/mL)
≧
1,000
6 12 18
2 4 8 10 14 16
追跡期間
2
6 8
4
累積発癌率
Logrank p
<0.001
対象・方法:HBs抗原陽性かつHCV抗体陰性患者の自然経過における肝硬変、肝細胞癌の発現を検討した前向きコホート研究(平均追跡 期間14.7年)。
TSENG TC, et al: Gastroenterology 2012;142: 1140‐1149
海外
e-データ
ウイルスを排除する治療方法(抗ウイルス療法)②
•
核酸アナログ製剤核酸アナログ製剤は、ウイルスの増殖を防ぐ飲み薬です。
高い効果が期待できる反面、ウイルスを体内から完全に消す わけ
ではないため、服用をやめると、肝炎が急激に進むことがあり ます。そのため、長期にわたっての服用が基本となります。
抗ウイルス療法の治療目標
•
治療の目標は、肝炎の活動性と線維化の進行を抑えることで、肝不全や肝がんを防止し、生活の質を下げることなく日常生 活を
おくることです。
抗ウイルス療法の目標
•
長期目標• HBs
抗原の消失•
短期目標• ALT
値の持続正常(ALT30U/L
以下)• HBe
抗原の陰性化• HBe
抗原陽性の場合:セロコンバージョン• HBe
抗原陰性の場合:持続陰性• HBV‐DNA
の増殖抑制•
核酸アナログ製剤持続治療中の場合:陰性化•
インターフェロン治療終了または核酸アナログ製剤治療中止の場合:低値の 持続日本肝臓学会 B型肝炎治療ガイドライン[第2版]: 肝臓. 54(6): 402-472(2013)
日常生活で気をつけること
食事
•
適切なエネルギー、タンパク質、脂肪をバランスよく摂取し、塩分や 鉄分は控えめにします。日常生活で気をつけること
家族やまわりの方へ感染させないために
•
カミソリ、ひげそり、歯ブラシの共用は控えてください。•
食器の共用や入浴では感染しません。•
乳幼児への飲食物の口うつしは控えてください。•B
型肝炎ウイルスは、性交渉で感染するおそれがあります。パートナーが未感染の場合、
B
型肝炎ワクチンの事前 接種により、感染を防ぐことができます。•
出血のあるケガをした場合、できるだけ自分で手当てを しましょう。未感染の方が手当てをする場合は、血液など に触れないように心がけてください。日常生活で気をつけること
安静について
• B
型慢性活動性肝炎の方は安静にする必要はなく、運動制限もあり ません。特に体調が悪くなければ、ウォーキングなどの有酸素運動をおこなっ てみましょう。
気分転換にもなります。
【運動のめやす】
有酸素運動を心がけましょう。有酸素運動とは、呼吸して酸素を十分 に
取り込みながらおこなう運動です。
ウォーキング
プールでの歩行
水泳
サイクリング
縄跳び など
どの程度の運動をするのでしょうか?
少し汗をかき、心地よい疲れを感じられる 程度で、翌日に疲れを残さないようにしま しょう。 1
回の運動は30
分程度が目安です。週末だけでなく、できるだけ毎日おこない ましょう。
体調のすぐれない日は、ストレッチ程度に しましょう。医療費助成制度
B 型慢性肝炎における、インターフェロン治療・核酸アナ ログ製剤治療に伴う医療費が助成されます。
• B
型慢性肝炎治療に対する助成対象•
ウイルスの排除を目的とするインターフェロン治療の薬剤 費•
ペグインターフェロン単独療法•
インターフェロン単独療法•
核酸アナログ製剤治療の薬剤費•
その治療における検査料や副作用に対する治療費(ただし、治療を中止した場合を除く)
•
保険外の診療は対象となりません。•
助成回数は原則1
回までですが、過去にインターフェロン単 独療法で助成を受けたことがある方がペグインターフェロン 単 独 療 法 を 受 け る 場 合 は 、2
回目の助成を受けることができます。厚生労働省ホームページ「肝炎総合対策の推進」より
階層区分
世帯あたり
市町村民税(所得割)課 税年額
自己負担額の上限(月 額)
甲
235,000
円以上20,000
円乙
235,000
円未満10,000
円※住民票上の世帯の収入が原則ですが、患者さんと同一生計にない方(税制上および医療保険上の扶養関係にな
い と 認 め
られた方)については、課税年額を合算せずに区分けされます。
助成額
厚生労働省ホームページ「新しい肝炎総合対策の推進」
平成26年10月現在
申請に必要な書類・手続き
肝炎治療受給者証交付申請書
(発行:お住まいの都道府県)
医師の診断書
(発行:肝疾患の専門医療機関など)
患者さんの氏名が書かれた被保険者証などの写し
(発行:各保険者)
患者さんの属する世帯全員について記載のある住 民票の写し
(発行:お住まいの市町村)
市町村民税課税年額を証明する書類
(発行:お住まいの市町村)
厚生労働省ホームページ「新しい肝炎総合対策の推進」