END (1bit)
図6.11 Controlフィールド
6.2.2.2.3.1 Sequence
このサブフィールドはデータフレームのシーケンス番号を表す。
6.2.2.2.3.2 EF
このサブフィールドはデータフレームの送信バッファの状態を表す。データフレーム送信時に
次に送るべきデータがない時に1となる。
6.2.2.2.3.3 END
このサブフィールドはデータフレームが上位 PDU の最後のフレームである時1となり、パケ ットを組み立てる際に使用される。
6.2.2.2.4 CRC-16
フレームの正当性を保証する16bitのCRC符号である。なお生成コードは、CCITT-16(生成 多項式X16 + X12 + X5 + 1)で規定されているものを使用する。
6.2.2.2.5 Frame Body
フレームボディは、64 octets、128 octets、256 octetsのいずれの固定長である。データフレ ームの場合はMSDUであり、制御フレームの場合は6.2.2.3 節を参照すること。
6.2.2.3 制御フレームフォーマット
制御フレームはフレームヘッダーとフレームボディから構成される。フレームヘッダーは前節 の定義に依存する。本節は制御フレームのフレームボディのフォーマットを定義する。図6.12に 4種類の制御フレームのフレームボディのフォーマットを示す。
1
0 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31
Protocol Version(01h)
Source MAC Addr
OP-Code Status
Target MAC Addr
Reserved Target IP Addr
ST Default Gateway Addr
Connection Type Polling Period Sub Polling Period Retry Counter
(Source IP Addr)
Source IP Addr
(Target IP Addr)
Reserved Offset
(a)ネットワーク加入要求
1
0 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31
Protocol Version(02h)
Source MAC Addr
OP-Code Status
Target MAC Addr Target IP Addr
(Source IP Addr)
Source IP Addr
(Target IP Addr)
Reserved Offset
(b)ネットワーク加入応答
Reserved Multicast MAC Addr
AP Ethernet Addr
1
0 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31
Protocol Version(03h,04h)
Source MAC Addr
OP-Code Status
Target MAC Addr Target IP Addr
(Source IP Addr)
Source IP Addr
(Target IP Addr)
Offset
(c)ネットワーク脱退要求/応答
Reserved
1
0 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31
Protocol Version(03h,04h)
Source MAC Addr
OP-Code Status
Target MAC Addr Target IP Addr
(Source IP Addr)
Source IP Addr
(Target IP Addr)
Offset
(d)コネクション設定要求/応答 コネクション解放要求/応答
Reserved
図6.12 制御フレームのフレームボディフォーマット 6.2.2.3.1 Protocol
このフィールドはプロトコル識別のために設けられ、デフォルト値は01hである。
6.2.2.3.2 Version
このフィールドはバージョンを表すために設けられ、デフォルト値は02hである。
6.2.2.3.3 OP-Code
このフィールドは制御フレームの識別を表す。識別値と制御フレーム種類の対応を表6.4に示す。
表6.4 OP‑Code対応表
OP-Code 制御フレーム
01h ネットワーク加入要求 02h ネットワーク加入応答 03h ネットワーク脱退要求 04h ネットワーク脱退応答 05h コネクション設定要求 06h コネクション設定応答 07h コネクション解放要求 08h コネクション解放応答
10h STA移動要求※
11h STA移動応答※
※これらの制御フレームは、AP – AP間で使用されるため、EthernetやFDDIのMACフレームで 伝送される。
6.2.2.3.4 Status
このフィールドは応答フレームの応答内容を表す。詳細内容を表6.5に示す。
表6.5 Status対応表
Status 内容
00h 正常
01h ネットワーク未加入/加入済 02h 空きチャネル無
03h コネクション未設定/設定済 10h 識別対象外
11h メモリアロケーション失敗
12h エラー
6.2.2.3.5 Source MAC Address
このフィールドは送信元のMAC Addressを示す。
6.2.2.3.6 Source Ethernet Address
このフィールドは送信元のEthernet Addressを示す。
6.2.2.3.7 Source IP Address
このフィールドは送信元のIP Addressを示す。
6.2.2.3.8 Target MAC Address
このフィールドは送信先のMAC Addressを示す。
6.2.2.3.9 Target Ethernet Address
このフィールドは送信先のEthernet Addressを示す。
6.2.2.3.10 Target IP Address
このフィールドは送信先のIP Addressを示す。
6.2.2.3.11 MAC Address
このフィールドはMulticast用MAC Addressを示す。
6.2.2.3.12 Routing Address
このフィールドは同一BSS内の通信を行う時のルーティングに使用する送信先STAのMAC アドレスを示す。
6.2.2.3.13 Connection Type
このフィールドは伝送モードの識別を示す。詳細値を表6.6に示す。
表6.6 Connection Type対応表 Connection Type 伝送モード
01h Isochronous伝送モード
02h Asynchronous伝送モード
6.2.2.3.14 Polling Period
このフィールドはコネクション時のポーリング周期を示す。
6.2.2.3.15 Retry Counter
このフィールドは再送回数を示す。
6.2.2.3.16 Offset
このフィールドは送信タイミングのオフセット時間を示す。
6.2.3 MACプロトコル機能
BRAINシステムに使用されるMACプロトコルはRS-ISMA (Reservation-based Idle Signal Multiple Access)である。RS-ISMAは、集中制御デマンドアサイン型に分類されるMACプロト コルである。予約時にランダムアクセス、情報通信時にポーリングをベースとしたプロトコルを 使用する。Isochronous伝送モードとAsynchronous伝送モードを備え、マルチメディアトラヒ ックに対応している。
RS-ISMA方式は、6.2 節に示したチャネル構成を用いて、APからダウンリンクタイムスロッ
トの制御情報部で送信した制御情報(表6.1)により、各STAの伝送制御を行う方式である。
6.2.3.1 予約手順
RS-ISMA 方式でのランダムアクセスにおいては、アップリンクチャネルにてデータフレーム
を伝送するためには、その送信タイミングをあらかじめ予約する必要がある。そのために、デー タフレームの送信に先立ち、制御フレーム(CF)をアップリンクチャネルで送信する。図6.13のタ イムチャートに基づいて説明する。AP は、アップリンクチャネルがアイドルで、かつ既にデー タフレーム送信状態に入っている STA に対してポーリングを行わない場合に限り、制御情報が IDLE である制御情報フレームを制御情報フィールドにて周期的に放送する。データフレーム伝 送を希望するSTAは、IDLE情報を確認後、アップリンクチャネルに制御フレームを送信する。
そのフレームが誤ることなく AP で受信されると、AP はダウンリンクチャネルで当該制御フレ ームに対するレスポンス制御フレーム(CFR)をSTAへ向け返送する。自分宛のレスポンス制御フ レームを受信したSTAは、次に述べるデータ伝送手順に従ってデータフレームを送信する。
C F C
F
C F
C F
I D L E I
D L E
I D L E
I D L E
I D L E
I D L E
C F A P R
S T A i (up )
S T A j (up )
c o lli-s io n
C F
図6.13 予約手順のタイムチャート例
一方、STAは制御フレームを送信したものの一定時間内にレスポンスを受信できなければ、そ の制御フレームの送信に失敗したものと判断し、次のIDLE情報が含められた制御情報フレーム を受信した後に確率 p で制御フレームを再送する。この手順をSTA の制御フレームが正しく受 信されるまで繰り返す。APがSTAからの制御フレームを正しく受信できない原因としては、複 数の STA が同一 IDLEに同期して制御フレームを送信したことによる制御フレーム同士の衝突 や、無線伝送路状態の悪化に起因する伝送エラーがある。
6.2.3.2 データ伝送手順
予約成功の後、STAはAPが送信する制御情報POLLx (x=1, 2)に基づいてデータフレームの送 信を制御する。制御情報POLLx (x=1, 2)を送信するタイミングはAPに設けられているポーリン グスケジューラにより管理される。ポーリングスケジューラは、予約に成功した各STAのポーリ ング周期、優先順位、次のポーリング時刻などの情報を把握している。
ポーリングには、2つ以上の POLL タイミングが重なる場合に高い優先度で処理される Isochronousポーリング(伝送)モードと、優先度の低いAsynchronousポーリング(伝送)モードの 2つがあり、STAは送信する情報に応じてこれらを使い分ける。同じ優先度である場合には、ラ ウンドロビンで処理する。以下では、各ポーリングモードについて説明する。
6.2.3.2.1 Isochronous伝送モード
Isochronous 伝送モードは、音声・動画像伝送のようなリアルタイム性を有するデータ伝送に
おいて使用する。本伝送モードでは、伝送速度に応じて割当てる帯域を保証する伝送方式である。
図6.14にIsochronous伝送におけるシーケンスを示す。自分宛のPOLL1を受信したSTAは、
直ちにデータフレームを送信する。1回のポーリングを終えると、AP は所定のポーリング周期 に基づいて次のポーリング時刻を計算し、スケジューラを更新する。本モードはポーリング周期 を一定にすることにより、割当てる帯域を保証することで、リアルタイム性を実現している。
STA AP
Data Frame POLL1
Data Frame POLL1
Data Frame POLL1
POLL1
ポーリング周期
[T1]
ポーリング周期
[T1]
POLL1
ポーリング周期
[T1]
ポーリング周期
[T1]
図6.14 Isochronus伝送シーケンス
6.2.3.2.2 Asynchronous伝送モード
Asynchronous 伝送モードは、ファイル転送のような非等時性データ伝送において使用する。
ファイル転送等のコンピュータ間で行われる通信は通信の偏りが激しく、バースト性を有してい
ることが知られている。このようなトラヒック特性を有するデータを効率的に伝送するためには、
データの発生状態に応じて動的な帯域割当を行う必要がある。以下にAsynchronous伝送モード におけるスロット割当て制御方式を示す。
STA AP
Data Frame POLL2
Data Frame POLL2
Data Frame POLL2 Data Frame(EF=1)
POLL2 POLL2
Data Frame
POLL2
ポーリング周期 [T2]
ポーリング周期 [T2]
ポーリング周期 [T3]
ポーリング周期 [T3×2]
ポーリング周期 [T2]
POLL2
ポーリング周期 [T2]
POLL2
ポーリング周期 [T3×4]
図6.15 Asynchronous伝送シーケンス
データの発生状態を通知する手段として、フレームの制御情報部(データフレームヘッダ部)
のEFフィールドを利用する。これは送信バッファの状態を示すフィールドであり、送信バッフ ァ空の時に1をセットする。図6.15にAsynchronous伝送モードにおけるシーケンスを示す。STA がデータフレームを送信する際に、先に示したEFフィールドを用いて送信バッファの状態を通 知する。APでは、フレーム受信の際これを参照し、EFフィールドが0の時、次のポーリング周
期をT2とし、EFフィールドが1の時、次のポーリング周期をT3 (T3 > T2)とする制御を行う。
表6.7で示す設定条件の下におけるスロット割当結果例を図6.16に、その時の各STAに割当て
られた帯域のグラフを図6.17に示す。STA1に対しては、スロットを一定の周期で割当てられて いる。また STA2、STA3 に対しては、両者ともに送信すべきデータがある時には、残りの通信
帯域を STA2、STA3 で等分されて使用し、どちらか一方が送信すべきデータが無い時、もう一
方のSTAに対して多くの通信帯域を割当てる。
このようにIsochronous伝送モードではスロットを周期的に割当て、またAsynchronous伝送 モードでは、STAの送信バッファの状態を通知し、データが無い時にはその端末局に割当てるス ロットを減らして、他のSTAにスロットを割当てることにより、効率的なスロット割当を実現す ることで、マルチメディア通信に適した帯域割当制御を実現している。
表6.7 Asynchronous伝送モード設定条件 装置 伝送モード 周期 STA1 Isochronous伝送 T1=7
STA2 Asynchronous伝送 T2=1 、 T3=7
STA3 Asynchronous伝送 T2=1 、 T3=7
STA 1 STA 2 STA 3
時刻
割当てられた帯域
STA2 EF=1通知 STA2 EF=1通知STA2 EF=1通知
STA2 EF=1通知 STA2 EF=0通知STA2 EF=0通知STA2 EF=0通知STA2 EF=0通知
STA3 EF=1通知 STA3 EF=1通知 STA3 EF=1通知 STA3 EF=1通知
図6.16 Asynchronous伝送スロット割当例