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ラジオメトリックモデルの解析により以下のことが明らかになった。

(1) 全球を 15 分で観測することと 1000×1000kmの領域を 10 秒で観測すること とは、ほぼ同じパラメータのセンサで可能である。 従って、全球を 15 分で 観測するセンサを作ることができれば、そのセンサの走査領域を変えるだけ で、1000×1000kmの領域を 10 秒で観測することができる。

(2) ラジオメトリック分解能 0.1Kと地表分解能と地表分解能 500mを実現するた めには、シーンショットノイズリミットなイメージャを開発する必要がある。

このケースでは、約 1mの口径の光学系と 1000 素子のリニアアレイが必要に なる。

(3) 500m以下の地表分解能を得るためには、さらに大きな素子数が必要であり、

リニアアレイの実現が必須である。

2.2.1.2 MTF

熱赤外領域では、光の波長が長くなるため回折によって空間 解能が制約される ことが多くなる。

図 2.2.1-21 に、光学系の口径とエアリディスクによって決まる地表分解能を示す。

エアリディスクの半径は、角度で、

D θ = 1 . 22 λ

とあらわせる。 一方、光学系の MTF は、空間周波数で

D

また、一般的にはオーバーサンプルを行う場合、MTF がかなり低下した空間周波数 で行われることから、後処理で高空間周波数の強調処理を行うことが多い。 この 際には、当然S/N が低下し、ラジオメトリック分解能が低下することを考慮しな ければならず、MTF と S/N のトレードオフが必要になる。

10 100 100 10000

12 3.8 m) 0

10 100 1000

口径(cm)

地表分解能(

図2.2.1-21 望遠鏡のエアリディスクで決まる分解能

10 100 1000 10000

10 100 1000

口径(cm)

地表分 解能 (m )

12 3.8

図2.2.1-22 光学系口径によって決まる限界空間分解能

図2.2.1-23 収差がある場合のMTFの例

3 開発課題の検討

衛星搭載サーマルイメージングセンサにおいては、検出器の高性能化によるイメージャ 性能の向上と光学系の大型化を実現しなければならないため、これら検出器と大型光学 系が最も重要な開発課題になると考えられる。

(1)検出器 (1-1)冷却検出器

熱赤外領域(3~15μm)では、最も高性能と考えられているのが、化合物半導体を用 いた半導体検出器である。 下記にその主なものを示す。

z InSb PV Detector

¾ 5μm 以下では、最も性能が安定している高性能検出素子。

¾ PV フォトダイオードは国産が可能(例えば、浜松ホトニクス)

¾

z HgCdTe PC Detector

¾ ~20μm

¾ PV に比べ製造が容易

¾ PV に比べ高い検出器温度で使用可能

¾ PV に比べ性能が低い

¾ バイアス電流が必要で大規模アレイに不向き

¾ 供給業者: 浜松ホトニックス、Judson Technologies, SELEX 等)

z HgCdTe PV Detector

¾ カット 用化されている。

¾ 短波長赤外から熱赤外まで、最もよく使用される検出器である。

¾ 多くのサプライヤーがある。(BAE SYSTEMS, DRS, SCD, SOFRADIR, AIM 等)

¾ 多くの場合、検出器メーカが結晶を自製している。 多くは、CdTe サブ ストレートに液相エピタキシャル成長を使用

¾ CdTe-HgCdTe の格子定数のミスマッチからある程度の密度でディフェク トが発生するため、これを許容するシステム設計が必要。

InSb + Si ROIC

オフ~15μm 程度までが宇宙用として実

¾ MBE-エピタキシャルによる高性能基板を用いたプロセスに移行しつつ

z QWIP (Quantum Well Infrared Photodetector)

バンドギャップの異なる半導体の超格子素子による赤外線検出素子。

波長に合わせて超格子を制作する(比較的狭い、波長感度特製)

¾ サプライヤーは比較的少数(AIM, SOFRADIR, FUJITSU)

も宇宙用の 態も検 ROIC をワイヤーボンドで接合していた第2世代から、

ンジウムバンプを用いたフリップチップ接合を採用した第3世代となり、

アアレイの開発も進んでいる。 また、リニアアレイで されている。 しかし、読み出しが CMOS の ROIC であることか 段の転送することができないため ROIC 内での演 TDI の段数は 10 段以下であるこ だけでなく、格子欠陥による不良画素の字除去を

。 長波長用の検出素子は、結晶の良否に依存するところであり、PV検出器 の結晶成長技術(エピタキシャル結晶成長)を保有して キシ 用い

他のメーカとは異なり、この結晶は、Rockwell Sientific社が製造したものである あり、DRS が宇宙用として実用に供している。

¾ Si-ROIC(Read Out IC)を flip-chip 接合してアレイ化する

¾

特定の

¾ Si-ROIC を flip-chip 接合してアレイ化する

¾ 代表的な波長帯は、4~5μm、 8~10μm

混晶比を選ぶことで、カットオフ波長を選べる HgCdTe の PV 検出器が最 リモートセンシング用途として適していると考えられる。 Si-ROIC の使用形 出器ダイオードアレイと

Si-現在の、イ

多画素化と高信頼性化とエリ は、TDI もすでに開発

ら、CCD の様に電荷を検出器内で多

算によって実現していると見られる。 このため、

とが多く、TDI による感度の向上 目的としていると考えられる。

カットオフが 10μmを超えるPV検出器は、SOFRADIR7)8)とDRS6)が宇宙用として開 している

のサプライヤーの多くは自前

いる。 結晶の特性改良として多くのメーカが進めているMBE(分子ビームエピタ ャル法)の採用を目指し開発を行っている。 実際に、宇宙用としてMBE結晶を た検出素子としては、DRS社がCrIs用として宇宙用に開発を進めているものがあるが、

6)。 また、SOFRADIR社はCEA結晶を用いたプロセス開発中である7)

(

アレイが開発されてい

入射赤外線輻射量に依存して検出素子温度が変わることを利用し、素子

能は低い。

、検出器性能(D*)の悪さを長 のラジオメトリ ック分解能を実現している。

(2

ヘリウム冷却 Be 鏡, 2003 年

宙利用が開始された 1960 年代後半から、宇宙用の大型光学系のニーズがあり開発 進められてきた。 初期には、石英ガラスのソリッド鏡(非軽量化鏡)が使用された 1-2)非冷却検出器

¾ マイクロマシンの技術の応用で、大規模な 2 次元 る(640×400Pixel 以上)

¾

温度を測定している。

¾ 素子のサイズ/熱容量が有限であるため通常周波数応答が悪い。

¾ 常温動作が可能であるが、常温動作であるがゆえにパッケージや素子自 体の輻射のために、冷却検出器に比べ検出器性

¾ 大規模なエリアセンサである利点を生かし

い蓄積時間(応答周波数を下げ)で半導体検出器と同等

非冷却検出器は冷却検出器に比べ検出器性能が低いため、高性能検出器の代替と はなりえないが、常温動作が可能なため、使用に際し冷却機が不要ということか ら、低コストの民生市場への応用が先行している。

)大型光学系

下記に、主な宇宙用大型光学系の開発実績を示す。

¾ OAO-B9): 96cm 石英ガラス鏡 (1970 打ち上げ失敗)

¾ OAO-310): (Copernicus): 80cm 石英ガラス鏡、1972 年

¾ HST: 2.4m ULE 軽量化鏡 1990 年

¾ Spitzer11): 85cm 液体

¾ FORMOSAT(ROCSat) RSI12): 60cm 軽量化 SiC 鏡, 2004 年

¾ AKARI: 65cm 液体ヘリウム冷却 SiC 鏡, 2006 年

¾ HINODE OTA: 50cm ULE 軽量化鏡、2006 年

¾ HERSCHEL13): 3.5m 冷却 SiC 軽量化鏡, (2008 年)

¾ ALADIN12): 1.5m 軽量化 SiC 鏡(2008)

¾ Pleiades-HR16): 65cm Zerodure 軽量化鏡、(2010 年)

¾ GAIA14): 1.45×0.55m 軽量化 SiC 鏡(2011)

¾ JWST15): 6.5m (2.4m×18) 冷却 Be 軽量化鏡(2013 年)

宇 が

が、次第に Zerodure や ULE といった低膨張ガラスの採用と、軽量化が進められてき

2.4 ッブル望遠鏡以降もガラス鏡の軽量化の努力

一方、 ベリリウム(Be)鏡が使用されてきた。 金属

ので

レー 要ない)や、

が、

係数と高熱伝導率による高い熱的な安定性、高い剛性、強度を生かし、大型の望遠 鏡

3.1 回高分解能センサ

ルイメージャの目的、開発方針、前提条件、予算制約等により千差

万 じて開発課題が明確となる。

、ロードマップ案 象の解明や、各

分時間を延ばすことは可能 衛星への要求を緩和 が必要である。また、多画素化

ら、露光時間が 少ない状況で使用することになるので、検出器単体としては,1m 程度まで性能実現の 可

た。 それでも、ULE のハニカム軽量化構造を採用したハッブル宇宙望遠鏡(HST)の m 主鏡は 840kg の質量がある。 ハ

は続けられているが、1mクラスの主鏡の質量は、100kg を超えると考えられている。

軽量化が重要な応用においては、

ベリリウムの表面に無電解ニッケルめっきの層を作り、その表面を研磨するも あるが、熱膨張係数が大きく、高精度化には限界があると考えられていて、レーザ

ダの受信光学系(光のコレクターとして使用するため、高分解能は必

冷却の必要な赤外線天文様の望遠鏡に採用されている。 近年、注目を集めているの シリコンカーバイド(SiC)セラミックスの反射鏡である。 比較的小さい熱膨張

鏡面素材として使用され始めており。 すでに、1mを超える高精度鏡や 3.5mの 外用冷却光学系用として実用化されている。

想定するサーマ

別の構想立案と仕様設定が可能であり、その内容に応

高分解能化に着目すると、10m以下の高分解能化実現の可能性と が存在し、この規模のセンサが実現できれば、ヒートアイランド現 種情報収集に有効となる。

● 開発課題 (1)非冷却検出器

時定数が分解能を決定してしまう。Staring 撮像により積 である、一方衛星に対して高機動性能を要求することになる。

するためには多画素化(エリア型での画素数増加)

はマルチ化する場合にも有効な方策となる。

(2)冷却検出器

HgCdTe を用いる場合は、感度が高くかつ飽和電子量が少ない関係か

能性がある。ただし、この場合は検出器後段の読み出し回路の高速化、大型光学 の実現が課題となる。

( セ の の 補 い れ

同時に、フェアリングの制限を考慮して、目標の開口径を設定していく必要もある。

( )信号処理電気回路

分解能化に伴い、高速な検出器駆動/信号処理が求められている。ま 高速化が不十分であると、検出器の Ch 分割が必要となり、電気

があるため、それほど高速な信号処 されない。

却/非冷却検出器の想定仕様を以下に示す。

表 検出器目標仕様

3)大型軽量化ミラー

ンサの高分解能化を考えるとレーリの関係式で分解能と関係ずけられる、光学系 有効開口の拡大は必須である。現状では低膨張ガラスであれば、φ1.5m 程度まで ミラー母材の入手は可能と考えられる。これ以上の大きさでかつ軽量化ミラー候 としてはに SiC の適用が考えられるが、常温近くなると熱変形の影響が大きいと う問題があり、開発段階初期に母材選定、ミラー試作/評価の実施が必要と考えら る。

冷却検出器 非冷却検出器 画素数 1024(ライン) 1024*1024(エリア)

NEΔT 10mk以下 50mK以下

画素数 15μm 17μm

(4)鏡筒

光学系開口径が大きくなるに従い、打上時の機械環境条件や軌道上での熱変形を抑 えられる鏡筒構造についても開発課題となりうる。開発段階初期に方式選定、試作/

評価の実施が必要と考えられる。

5

光学センサの高 た、信号処理回路の

コンポーネントの大型化してしまうデメリットがある。HgCdTe では staring 撮像方 式を採用しなくとも高分解能化が可能であるが、高速な検出器駆動/信号処理回路が ないと性能が未達となる可能性がある。

一方、非冷却検出器では、方式上時定数の問題 理は今後も必要と

使用する検出器種類の選定とともに、高速な検出器駆動/信号処理のための回路試作 /評価が必要と考えている。

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