第 5 章 二段階熱処理による CVD-Ta 2 O 5 膜の開発と 64 メガビット DRAM への適用
5.2 CVD-Ta 2 O 5 容量絶縁膜形成方法
2.3.2節において、CVDによるTa2O5膜形成方法について示した。本節では、
CVD-Ta2O5膜を形成後の熱処理方法、および、評価方法について示す。
5.2.1 UV-O3処理装置
図5-3はUV-O3,UV-O2,O3処理に用いた装置の模式図である。酸素ガスをオ ゾン生成器に導入し、9体積%濃度のオゾン/酸素混合ガスが生成される。この オゾンガスを熱処理室に導入し、紫外線が照射しながら熱処理を大気圧で行っ た。紫外線は水銀ランプであり、主に185,254 nmの紫外線を発生する。Ta2O5
膜が形成された基板は 300 ℃に加熱した。基板上の光強度は100 mW / cm2であ る。オゾンは紫外線により励起され、活性な酸素原子が発生する。この装置は
図5-2 酸素欠陥に伴うサブバンドの二次元バンド構造概念図
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UV-O2,O3処理プロセスにも適用された。
5.2.2 Ta2O5キャパシタ製造工程
図5-4はTa2O5膜の電気的特性を評価するためのTa2O5キャパシタの製造方法 を示している。高濃度 n 型にドープされた多結晶シリコンによる下部電極をパ ターニングした後、Ta2O5膜形成前に多結晶シリコン表面を RCA 洗浄した。洗 浄時に生成した約1 nmのケミカル酸化膜を残したまま、減圧CVD装置に基板 を導入し、Ta2O5膜を形成した。成膜後に図5-4に示す熱処理を行った。アニー ル方法( a )は高濃度のO3ガス雰囲気に水銀ランプによる紫外線照射しながら 熱処理を300 ℃で行う(以後、UV-O3処理と記載する)。アニール方法( b )は ウィークスポット酸化結晶化熱処理(800 ℃の乾燥酸素熱処理)である。2、3章 においてウィークスポット酸化結晶化熱処理については詳細に報告しているが、
結晶化と酸化が同時に行われる処理といえる。アニール方法( c )はUV-O3処 理後に、更に、ウィークスポット酸化結晶化熱処理を行う二段階熱処理である
(以後、二段階熱処理( 2-step anneal )と記載する)。これらの熱処理以外に、
酸素雰囲気でのUV照射( UV-O2 )熱処理、O3( オゾン )処理等についても 比較評価を行った。Ta2O5の膜厚は7-30 nmについて評価した。膜厚は屈折率2.0 と仮定して、エリプソメトリーにより測定した。これらの熱処理後に、タングス テン電極をスパッター法により形成し、SF6ガスによるドライエッチングにより パターニングした。
図5-3 UV-オゾン処理装置の断面模式図
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5.2.3 Ta2O5膜の評価方法
① 被覆性評価、断面構造評価
Ta2O5膜のトレンチ部への被覆性、メモリ素子の断面構造は走査型電子顕
(以下、断面 SEM: Scanning Electron Microscope )により評価。STC メモリ セルでの容量絶縁膜の被覆性は透過電子顕微鏡(以下、断面TEM:Transmission Electron Microscope )により評価。
② 不純物分析評価
熱処理前後のTa2O5膜中の不純物(炭素、水素)分布はオージェ電子分析法 二次イオン質量分析法 ( SIMS: Secondary Ion Mass Spectroscopy )により評価。
図5-4 CVD-Ta2O5キャパシタ製造方法
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③ 電流-電圧特性評価
リーク電流は電圧ステップ0.1 VのDCステップ法(ホールド時間0.1秒)に より評価。SiO2換算膜厚Toxでの電界強度EOXはリーク電流が10-8 A/cm2と なる電界強度と定義した。評価に用いた容量は平面構造であり、容量の面積は 10-4 ㎝2である。
④ 容量評価
容量メータにより100 KHzの周波数にて測定した。
⑤ 信頼性評価
DRAM 等の素子への適用の可否を判断するために、櫛形の多結晶シリコン電 極であり、ライアン幅 / ライン間隔は1.5 μm / 1.0 μm、プレート電極の面積:
0.5㎝2、25~30ヶの容量の累積不良率を評価。また、10-6 ㎝2の微小面積のキ ャパシタは欠陥密度の影響を除き、真性の絶縁破壊特性の評価に用いた。