2.3.1 反応性スパッター法によるTa2O5膜の形成
Ta2O5膜の形成は、金属のTaターゲットを用い、アルゴンと酸素の混合雰
囲気中で反応性スパッターを行った。図2-3は反応性スパッター装置の断面模式 図である。Taターゲットの純度は99.9 %であった。スパッター室はクライオポ ンプ、オイルフリーターボ分子ポンプ、メカニカルブースタポンプにより排気さ れる。シリコン基板をRCA洗浄した後、シリコン基板をスパッター装置の基板 ホルダー上に設置する。基板の加熱、冷却は行わない。6.8×10-5 Pa ( 5×10-7 torr ) となるまで真空排気を行い、次に、Ar /10%O2 混合ガスを導入し、0.68 Pa
( 5×10-3 torr )となるように導入する。次に、高周波電源を印加して、約1分間プ
レ放電を行った後、基板を遮蔽するシャッターを開き、Ta2O5膜の成膜を行った 後、6.8×10-5 Pa ( 5×10-7 torr )となるまで真空排気を行い、窒素ガスによりチャ
図2-3 反応性スパッター装置
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ンバをリークして基板を取り出した。Ta2O5膜の成長速度は6 nm / 分とした。Si 基板の抵抗率は0.03 Ω・cm以下のものを用い、Si基板をフッ酸洗浄により自然 酸化膜を除去した後、Ta2O5膜を成膜した。図2-4はプレ放電の際に形成するSiO2
膜の膜厚の時間依存性である。プレ放電時間とともに、酸化膜厚は増加する。30 秒から100秒に増加すると、酸化膜厚は15 Åから20 Åと5 Å増加する。本研 究ではプレ放電時間は60秒と一定とし、界面に形成されるSiO2膜の膜厚は 18-19 Å 程度となる
2.3.2 CVD法によるTa2O5膜の形成
図2-5は減圧CVD装置の概略を示す。Ta2O5膜はテルサムコ製減圧CVD装
図2-4 プレ放電による酸化膜の成長
図2-5 CVD-Ta2O5膜減圧CVD装置の断面模式図
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置を用いて形成した[10]。均熱炉中の石英管の両端をOリングシールによるフ ランジにより真空を保持している。真空排気は回転ポンプとルーツポンプによ り排気している。圧力はバラトロン圧力センサーからの圧力をモニターし、自動 圧力制御バルブを駆動することにより制御している。温度制御は炉体と石英管 の間に設置された熱電対を用いて制御した。制御は 3 領域に分割されたヒータ ーを独立に制御することにより行った。また、成膜前に予め、石英管内に直接熱 電対を導入することにより測定した温度を基準としてそれぞれのヒーター出力 を決定している。基板はシリコン基板であり、石英治具に斜めに立てて置き、膜 を形成する面を下方に向けてあり、真空排気、真空リークの際の微小なパーティ クルの付着を防止した。酸化タンタル膜の原料としては、被覆性に優れた酸化タ ンタル膜が形成できることと、常温、常圧で液体であり、アルコキシドとしては 蒸気圧が高く、取り扱いが容易という理由から Ta(OC2H5)5(純度 99.9999 %)
(Penta-ethoxy-tantalum)を選択した。図2-6はTa(OC2H5)5の蒸気圧曲線を示す。
図2-6 Ta(OC2H5)5の蒸気圧曲線
図2-7 CVD-Ta2O5成膜速度のアウレニウスプロット
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蒸気圧は継続的に高温に保持していると、次第に低下する傾向があった。これは 原料が単量体から多量体に変化するためとわかり、140 ℃で安定して窒素ガス により気化供給することにより、安定して供給が可能となった。その後、気化装 置を用いることにより、液体原料タンク自体を加熱する必要がなくなり、140 ℃ 以上の気化温度も使用できるようになった。気化ガスは 180 ℃に加熱されたガ ス配管を通じて反応管に供給された。同時に酸素ガスを供給し、熱分解により膜 形成を行う。図2-7は成膜速度のアウレニウスプロットを示している(成膜速度 の1/T依存性、T:成膜温度(K))。成膜温度は420 ℃とした。420 ℃は表面 反応律速領域であって、良好な被覆性を得るためには有利である。全ガス圧力は 80 Paとした。
2.3.3 Ta2O5キャパシタの形成方法
Ta2O5膜を容量絶縁膜とするキャパシタ(容量素子)をTa2O5キャパシタと 記載する。電気的特性評価に用いた Ta2O5 キャパシタの形成行程を図 2-8 に示 す。まず、① 通常の MOS 製造工程により LOCOS 分離絶縁層を形成し、RCA 洗浄を施した後、② 反応性スパッター法、CVD法でTa2O5膜を形成し、③ 石 英加熱炉により、乾燥酸素雰囲気で熱処理する。熱処理温度は400-1000 ℃であ った。④ W ( 100 nm )、Al ( 0.9 μm )の順でスパッター法により形成し、⑤ウエ ットエッチングにより電極加工を行った。
図2-8 Ta2O5キャパシタ形成工程
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