スポットした。移動相には Suc、SucNAc、及び SucAm にはアセトニトリル/ イオン交換水 [5 : 1 (v/v) 3回展開] を、SucA、及びSucNには酢酸エチル / 酢酸 / イオン交換水 [3 : 2 : 1 (v/v) 2回展開] を使用した。乾燥後、リンモリブデン酸発色液 [2.4% (w/v) リンモリ ブデン酸, 5% (v/v) 硫酸, 1.5% (v/v) リン酸] を噴霧し、ヒートガン (HEATING GUN、
HAKKO) で加熱してスポットを発色させた。
2-2. スクロース分解酵素の抽出
培養液を回収し、遠心分離 (9,500 rpm, 7,470×g, 10 min) し菌体を回収した。回 収した菌体を、20 mM リン酸ナトリウム緩衝液 (pH 7.0) に懸濁し遠心分離(9,500
rpm, 7,470×g, 10 min)することで菌体の洗浄を行った。なお、洗浄の操作は2回行
った。洗浄した菌体を20 mMリン酸ナトリウム緩衝液 (pH 7.0) 100 mLを用いて懸 濁し、フレンチプレス (研究用ホモジナイザー; SPX Flow Technology) を用いて、
菌体破砕を行った (菌体破砕操作は3回行った)。菌体破砕液に終濃度0.5%となる ように調整したTriton X-100を添加し、4°Cで1時間撹拌した。それにより、界面 活性剤処理を行うことで酵素の抽出を行った。酵素抽出液を遠心分離 (4°C, 9,500 rpm, 8,200×g, 10 min) し上清を酵素抽出液として回収した。
2-3. カラムクロマトグラフィーを用いたSuc分解酵素の探索
2-3-1. タンパク質測定
タンパク質の測定は、分光光度計 (SHIMADZU UV-1800)を用いて OD280を測定 した。
2-3-2. 酵素活性測定
酵素の分解活性は、酵素の加水分解反応によって生成される還元糖を
Somogyi-Nelson法を用いて測定した。酵素反応は、20 mMリン酸ナトリウム緩衝液 (pH 6.0)
で溶解した0.4% (w/v) Sucまたは0.4% (w/v) SucNAc溶液を50 µLを基質とし、酵
素液を50 µLを加え、撹拌した。反応は37°Cで1時間行った。発色操作は、反応
液0.1 mL にSomogyi試薬 0.1 mLを添加し撹拌した。撹拌後、沸騰湯浴中にて10
分間加熱し、氷上にて急冷した。急冷後、Nelson試薬0.2 mLを加え撹拌、イオン
交換水を1.6 mL加え撹拌した。15分室温で静置した後、分光光度計 (SHIMADZU
UV-1800) を用いて OD500を測定した。なお、発色試薬は下記の組成で調整したも
のを使用した。
・発色試薬組成 (Somogyi試薬*)
・Somogyi A液
硫酸銅5水和物 (CuSO4・H2O) 15 g をイオン交換水で100 mLに溶解。
・Somogyi B液
炭酸ナトリウム (Na2CO3) 25 g、炭酸水素ナトリウム (NaHCO3) 20 g、無水硫酸ナトリウ ム (Na2SO4) 200 g、をイオン交換水に溶解し、1 L にFill upする。
*使用直前にSomogyi A液1 mLとSomogyi B液 25 mLを混合する。
(Nelson試薬)
ヒ素水素2ナトリウム7水和物 (Na2HAsO4・7H2O) 3 gを50 mLのイオン交換水 で溶解する (A液)。七モリブデン酸六アンモニウム四水和物[(NH4)6Mo7O24・4H2O]
25 gを900 mLのイオン交換水で溶解し、これに濃硫酸23 mLを加える。調整した
A液を加え、イオン交換水で1 Lにメスアップする。
2-3-3. 陰イオン交換カラムクロマトグラフィー(TOYOPEARL Super Q-650 S)を用
いた酵素の精製
20 mM リン酸ナ トリウム緩衝液(pH 7.0)で平衡化した陰イオン交 換カラム
[TOYOPEARL Super Q-650 S (TOSOH)](φ3.0×15.0 cm)に得られた酵素抽出液を供 し、流速2.5 mL/minで同緩衝液により溶出した。非吸着画分を30本(5 mL/本)回収 した。吸着画分は0-0.35 M塩化ナトリウム/20 mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH 7.0) の直線濃度勾配(各350 mL)により溶出し、回収した(5 mL/本)。
2-3-4. 陰イオン交換カラムクロマトグラフィー(DEAE-Sepharose)を用いた酵素の
精製
2-3-3で得られたSuc分解活性を示すフラクションを回収し、セルロースチューブ
(エーディア)を用いて、100倍量の20 mMリン酸ナトリウム緩衝液 (pH 7.0) で一晩透
析を行った。この際、緩衝液の交換は2回行った。その後、得られた粗酵素液を20 mMリン酸ナトリウム緩衝液 (pH 7.0) で平衡化した陰イオン交換カラム [DEAE-Sepharose Fast Flow (GE Healthcare) ] (φ1.8×18 cm) に供し、流速 2.5 mL/min で同緩衝 液により溶出した。非吸着画分を10本(5mL/本)回収し、吸着画分は同溶液を用いた 0-0.4 M塩化ナトリウム/20 mMリン酸ナトリウム緩衝液 (pH 7.0) の直線濃度勾配(各 200 mL)により溶出し、5 mLずつ回収した。
2-3-5. 疎水性相互作用カラムクロマトグラフィー(Phenyl-Sepharose)を用いた酵素
の精製
2-3-4で得られたSuc分解活性を示すフラクションを回収し、セルロースチュー
ブ (エーディア) を用いて、100倍量の0.5 M硫酸アンモニウム含有20 mMリン 酸ナトリウム緩衝液(pH 7.0) で一晩透析を行った。この際、緩衝液の交換は2回 行った。その後、得られた粗酵素液を0.5 M硫酸アンモニウム含有20 mMリン酸 ナトリウム緩衝液(pH 7.0)で平衡化した疎水性相互作用カラ [Phenyl-Sepharose High Performance (GE Healthcare) ] (φ1.8×18 cm) に供し、流速2.5 mL/min で同緩 衝液により溶出した。非吸着画分を10本 (5 mL/本) 回収た。吸着画分は同溶液を 用いた0-0.5 M硫酸アンモニウム/20 mMリン酸ナトリウム緩衝液 (pH 7.0) の直線 濃度勾配 (各200 mL) により溶出し、5 mLずつ回収した。
2-3-6. ハイドロキシアパタイトクロマトグラフィーを用いた酵素の精製
2-3-5で得られたSuc分解活性を示すフラクションを回収し、セルロースチュー
ブ (エーディア) を用いて、100倍量の20 mMリン酸ナトリウム緩衝液 (pH 7.0) で一晩透析を行った。この際、緩衝液の交換は2回行った。その後、得られた粗
酵素液を20 mMリン酸ナトリウム緩衝液 (pH 7.0) で平衡化したハイドロキシア
パタイトカラム (Bio-Rad) (φ1.8×8.0 cm) に供し、流速2.5 mL/minで同緩衝液に
より溶出した。非吸着画分を10本 (5 mL/本) 回収した。吸着画分は同溶液を用い た0.02-0.35 Mリン酸ナトリウム緩衝液 (pH 7.0) の直線濃度勾配 (各100 mL) に より溶出し、5 mLずつ回収した。
2-3-7. ゲルろ過カラムクロマトグラフィーを用いた酵素の精製
2-3-6で得られたSuc分解活性を示すフラクションをまとめて回収し、Amicon
Ultra-15 10K (MILLIPORE) を用いて約1 mLになるまで濃縮した。その後、得ら れた粗酵素液を20 mMリン酸ナトリウム緩衝液 (pH 7.0) で平衡化したゲルろ過 カラム [Sephacryl S-100 High Resolution (GE Healthcare)] (φ1.8×75 cm) に供し、流 速1.2 mL/hで溶出し、1.5 mLずつ回収した。
2-8. タンパク質の純度確認
2-3-7で得られた精製酵素液をAmicon Ultra-0.5 10K (MILLIPORE) を用いて約 10倍濃縮した後、電気泳動を行った。SDS-PAGE及びNative-PAGEは、全て
Laemmli法を用いて実施した。純度検定に用いた泳動槽、ゲル板、スタビライザ
ーは、AE-7300/5型コンパクトPAGE基本A/B/C/Dセット (ATTO) を用いて行っ た。分離ゲル混合液6 mL [30%アクリルアミド溶液1.5 mL、分離ゲル用緩衝液 (0.4% (w/v) ドデシル硫酸ナトリウム (SDS)、1.5 Mトリス塩酸緩衝液 (pH 8.8)) 1.5 mL、イオン交換水3 mL] にN, N, N’, N’-テトラメチルエチレンジアミン
(TEMED) 3.5 μLと10% (w/v) 過硫酸アンモニウム (APS) 25 μLを加えてゲル板に 流し込み重合させた。さらに、濃縮ゲル混合液2 mL [30%アクリルアミド溶液 0.30 mL、濃縮ゲル用緩衝液 (0.4%(w/v)SDS、0.5 Mトリス塩酸緩衝液 (pH 6.8)) 0.50 mL、イオン交換水1.2 mL] にTEMEDを4.0 μL、10%(w/v)過硫酸アンモニウ
ム8.0 μLを加え、ゲル板に流し込んだ。そこにコームを差し込み、重合させた。
泳動用サンプルは、酵素液に等量の2×サンプルバッファー [62.5 mMトリス塩酸 緩衝液 (pH6.8)、2%(w/v)SDS、10%(w/v)グリセロール、0.1 Mジチオスレイトー ル(DTT)、0.01%(w/v)ブロモフェノールブルー] を混合し、95°Cで5分間加熱し調
製した。分子量マーカーにはExcelBand All Blue Regular Range Protein Marker PM1500 (SmoBio)を用いた。泳動用緩衝液 (25 mMトリス、192 mMグリシン、
0.1%(w/v) SDS) を泳動槽に加え、泳動を行った。泳動終了後、ゲルをワンステッ
プCBB染色液 (バイオクラフト) で30分間染色を行った。Native-PAGEは分離ゲ ル混合液、濃縮ゲル混合液、2×サンプルバッファー、泳動用緩衝液からSDSを全 て除いた物を調製し、それらを用いて同じ操作で行った。
2-9. N末端アミノ酸分析による酵素の同定
SDS-PAGEを行い、酵素液から目的タンパク質を分離した。ゲル板はミニ・ス
ラブゲル作製キット (ATTO)、泳動槽はラピダス・ミニスラブ電気泳動槽
(ATTO)、スタビライザーはmyPower500 (ATTO) を使用した。4-3-2-8で用いたも のと同じ割合で分離ゲル混合液12 mにTEMED 7 μLと10%(w/v)APS 50 μLを加 えてゲル板に流し込み重合させた。さらに濃縮ゲル混合液4 mLにTEMEDを8.0
μL、10%(w/v)APS16 μLを加え、ゲル板に流し込んだ。そこにコームを差し込
み、重合させた。泳動用サンプルは、酵素液に等量の2×サンプルバッファーを混 合し、95°Cで5分間加熱し調製した。分子量マーカーには ExcelBand All Blue Regular Range Protein Marker PM1500を用いた。泳動用緩衝液を泳動槽に加え、ゲ
ル1枚当たり20 mAの定電流を流し、泳動を行った。泳動終了後、ゲルをワンス
テップCBB染色液で60 分間染色を行った。その後、泳動したゲルからメタノー ルに浸して前処理したPVDF膜 (クリアブロット・P膜, ATTO)にタンパク質を転 写した。本操作は、ホライズブロット4M-R (ATTO) を用い、144 mAの定電流で 30 分間行った。転写終了後、目的のタンパク質バンドに相当する部分を切りと り、マイクロチューブに入れ、70%(v/v)メタノールで洗浄し、真空乾燥した。こ れをアミノ酸配列解析用試料として(株)ニッピ バイオケミカル事業部に提出 し、分析を依頼した。
2-10. Bifidobacterium pseudocatenulatum由来のSuc 分解に関わる酵素の酵素化学 的性質 (至適pH) の調査
酵素の至適pHの検討は基質に0.4%(w/v)Sucを用いて、酵素反応はそれぞれ 100 mM Mcllvaine Buffer (pH 3.0-6.0)、リン酸ナトリウム緩衝液 (pH 6.0-8.0) を使 用した。方法としては、反応によって生成した還元糖を測定するSomogyi-Nelson 法を用いて至適pHを求めた。尚、反応時間は30 min、反応温度は37°C、3連で 行った。
3. Bifidobacterium pseudocatenulatumのスクロースアナログ二糖分解に関わる酵素