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Bifidobacterium pseudocatenulatum のスクロースアナログ二糖分解に関わる酵素 の抽出・精製

2-10. Bifidobacterium pseudocatenulatum由来のSuc 分解に関わる酵素の酵素化学 的性質 (至適pH) の調査

酵素の至適pHの検討は基質に0.4%(w/v)Sucを用いて、酵素反応はそれぞれ 100 mM Mcllvaine Buffer (pH 3.0-6.0)、リン酸ナトリウム緩衝液 (pH 6.0-8.0) を使 用した。方法としては、反応によって生成した還元糖を測定するSomogyi-Nelson 法を用いて至適pHを求めた。尚、反応時間は30 min、反応温度は37°C、3連で 行った。

3. Bifidobacterium pseudocatenulatumのスクロースアナログ二糖分解に関わる酵素

3-2. スクロースアナログ二糖分解酵素の抽出

培養液を回収し、遠心分離 (9,500 rpm, 7,470×g, 10 min) し菌体を回収した。回 収した菌体を、20 mM リン酸ナトリウム緩衝液 (pH 7.0) に懸濁し遠心分離(9,500

rpm, 7,470×g, 10 min)することで菌体の洗浄を行った。なお、洗浄の操作は2回行

った。洗浄した菌体を20 mMリン酸ナトリウム緩衝液 (pH 7.0) 100 mLを用いて懸 濁し、フレンチプレス (研究用ホモジナイザー; SPX Flow Technology) を用いて、

菌体破砕を行った (菌体破砕操作は3回行った)。菌体破砕液に終濃度0.5%となる ように調整したTriton X-100を添加し、4°Cで1時間撹拌した。それにより、界面 活性剤処理を行うことで酵素の抽出を行った。酵素抽出液を遠心分離 (4°C, 9,500 rpm, 8,200×g, 10 min) し上清を酵素抽出液として回収した。

3-3. カラムクロマトグラフィーを用いたスクロースアナログ二糖分解酵素の探索

3-3-1. タンパク質測定

タンパク質の測定は、分光光度計 (SHIMADZU UV-1800)を用いて OD280を測定 した。

3-3-2. 酵素活性測定

酵素の分解活性は、酵素の加水分解反応によって生成される還元糖を

Somogyi-Nelson法を用いて測定した。酵素反応は、20 mMリン酸ナトリウム緩衝液 (pH 6.0)

で溶解した0.4% (w/v) Sucまたは0.4% (w/v) SucNAc溶液50 µLを基質とし、酵素

液50 µLを加え、撹拌した。反応は37°Cで1時間行った。発色操作は、反応液0.1

mLにSomogyi試薬0.1 mLを添加し撹拌した。撹拌後、沸騰湯浴中にて10分間加

熱し、氷上にて急冷した。急冷後、Nelson試薬0.2 mLを加え撹拌、イオン交換水

を 1.6 mL 加え撹拌した。15 分室温で静置した後、分光光度計 (SHIMADZU

UV-1800) を用いてOD500を測定した。なお、発色液は 2-3-2で記載した方法に従って

調整した。

3-3-3. 陰イオン交換カラムクロマトグラフィー(TOYOPEARL Super Q-650 S)を用 いた酵素の精製

20 mM リン酸ナトリウム緩 衝液(pH 7.0)で 平衡化した 陰イオン 交換カラム

[TOYOPEARL Super Q-650 S (TOSOH)](φ3.0×15.0 cm)に得られた酵素抽出液を供 し、流速2.5 mL/minで同緩衝液により溶出した。非吸着画分を30本(5 mL/本)回収 した。吸着画分は0-0.35 M塩化ナトリウム/20 mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH 7.0) の直線濃度勾配(各350 mL)により溶出し、回収した(5 mL/本)。

3-3-4. 陰イオン交換カラムクロマトグラフィー(DEAE-Sepharose)を用いた酵素の

精製

3-3-3で得られたSucNAc分解活性を示すフラクションを回収し、セルロースチュー

ブ (エーディア)を用いて、100倍量の20 mMリン酸ナトリウム緩衝液 (pH 7.0) で一晩 透析を行った。この際、緩衝液の交換は2回行った。その後、得られた粗酵素液を20 mMリン酸ナトリウム緩衝液 (pH 7.0) で平衡化した陰イオン交換カラム [DEAE-Sepharose Fast Flow (GE Healthcare) ] (φ1.8×18 cm) に供し、流速 2.5 mL/min で同緩衝 液により溶出した。非吸着画分を10本(5mL/本)回収し、吸着画分は同溶液を用いた 0-0.4 M塩化ナトリウム/20 mMリン酸ナトリウム緩衝液 (pH 7.0) の直線濃度勾配(各 200 mL)により溶出し、5 mLずつ回収した。

3-3-5. 疎水性相互作用カラムクロマトグラフィー(Phenyl-Sepharose)を用いた酵素

の精製

3-3-4で得られたSucNAc分解活性を示すフラクションを回収し、セルロースチュ

ーブ (エーディア) を用いて、100倍量の0.5 M硫酸アンモニウム含有20 mMリン 酸ナトリウム緩衝液(pH 7.0) で一晩透析を行った。この際、緩衝液の交換は2回行 った。その後、得られた粗酵素液を0.5 M硫酸アンモニウム含有20 mMリン酸ナ トリウム緩衝液(pH 7.0)で平衡化した疎水性相互作用カラ [Phenyl-Sepharose High Performance (GE Healthcare) ] (φ1.8×18 cm) に供し、流速2.5 mL/min で同緩衝液に

より溶出した。非吸着画分を10本 (5 mL/本) 回収た。吸着画分は同溶液を用いた 0-0.5 M硫酸アンモニウム/20 mMリン酸ナトリウム緩衝液 (pH 7.0) の直線濃度勾 配 (各200 mL) により溶出し、5 mLずつ回収した。

3-3-6. ゲルろ過カラムクロマトグラフィーを用いた酵素の精製

3-3-5で得られたSucNAc分解活性を示すフラクションをまとめて回収し、Amicon

Ultra-15 10K (MILLIPORE) を用いて約1 mLになるまで濃縮した。その後、得られ た粗酵素液を20 mMリン酸ナトリウム緩衝液 (pH 7.0) で平衡化したゲルろ過カラ ム [Sephacryl S-100 High Resolution (GE Healthcare)] (φ1.8×75 cm) に供し、流速1.2 mL/hで溶出し、1.5 mLずつ回収した。

3-3-7. タンパク質の純度確認

得られた精製酵素液をAmicon Ultra-0.5 10K (MILLIPORE) を用いて約10倍濃縮 した後、電気泳動を行った。SDS-PAGE及びNative-PAGEは、全てLaemmli法を 用いて実施した。純度検定に用いた泳動槽、ゲル板、スタビライザーは、 AE-7300/5型コンパクトPAGE基本A/B/C/Dセット (ATTO) を用いて行った。分離ゲ ル混合液6 mL [30%アクリルアミド溶液1.5 mL、分離ゲル用緩衝液 (0.4% (w/v) ドデシル硫酸ナトリウム (SDS)、1.5 Mトリス塩酸緩衝液 (pH 8.8)) 1.5 mL、イオ ン交換水3 mL] にN, N, N’, N’-テトラメチルエチレンジアミン (TEMED) 3.5 μLと 10% (w/v) 過硫酸アンモニウム (APS) 25 μLを加えてゲル板に流し込み重合させ た。さらに、濃縮ゲル混合液2 mL [30%アクリルアミド溶液0.30 mL、濃縮ゲル用 緩衝液 (0.4%(w/v)SDS、0.5 Mトリス塩酸緩衝液 (pH 6.8)) 0.50 mL、イオン交換水 1.2 mL] にTEMEDを4.0 μL、10%(w/v)過硫酸アンモニウム8.0 μLを加え、ゲル 板に流し込んだ。そこにコームを差し込み、重合させた。泳動用サンプルは、酵 素液に等量の2×サンプルバッファー [62.5 mMトリス塩酸緩衝液 (pH6.8)、2% (w/v)SDS、10%(w/v)グリセロール、0.1 Mジチオスレイトール(DTT)、0.01%(w/v) ブロモフェノールブルー] を混合し、95°Cで5分間加熱し調製した。分子量マー

カーにはExcelBand All Blue Regular Range Protein Marker PM1500 (SmoBio)を用い た。泳動用緩衝液 (25 mMトリス、192 mMグリシン、0.1%(w/v) SDS) を泳動槽 に加え、泳動を行った。泳動終了後、ゲルをワンステップCBB染色液 (バイオク ラフト) で30分間染色を行った。Native-PAGEは分離ゲル混合液、濃縮ゲル混合 液、2×サンプルバッファー、泳動用緩衝液からSDSを全て除いた物を調製し、そ れらを用いて同じ操作で行った。

3-3-8. N末端アミノ酸分析による酵素の同定

SDS-PAGEを行い、酵素液から目的タンパク質を分離した。ゲル板はミニ・スラ

ブゲル作製キット (ATTO)、泳動槽はラピダス・ミニスラブ電気泳動槽(ATTO)、ス タビライザーはmyPower500 (ATTO) を使用した。4-3-2-8で用いたものと同じ割合 で分離ゲル混合液12 mにTEMED 7 μLと10%(w/v)APS 50 μLを加えてゲル板に流 し込み重合させた。さらに濃縮ゲル混合液 4 mL に TEMED を 8.0 μL、10%

(w/v)APS16 μLを加え、ゲル板に流し込んだ。そこにコームを差し込み、重合させ

た。泳動用サンプルは、酵素液に等量の2×サンプルバッファーを混合し、95°Cで 5 分間加熱し調製した。分子量マーカーには ExcelBand All Blue Regular Range

Protein Marker PM1500 を用いた。泳動用緩衝液を泳動槽に加え、ゲル 1 枚当たり

20 mAの定電流を流し、泳動を行った。泳動終了後、ゲルをワンステップCBB染

色液で60 分間染色を行った。その後、泳動したゲルからメタノールに浸して前処 理した PVDF 膜 (クリアブロット・P 膜, ATTO)にタンパク質を転写した。本操作 は、ホライズブロット4M-R (ATTO) を用い、144 mAの定電流で30 分間行った。

転写終了後、目的のタンパク質バンドに相当する部分を切りとり、マイクロチュー ブに入れ、70%(v/v)メタノールで洗浄し、真空乾燥した。これをアミノ酸配列解析 用試料として(株)ニッピ バイオケミカル事業部に提出し、分析を依頼した。

3-3-9. Bifidobacterium pseudocatenulatum由来のSuc 分解に関わる酵素の酵素化学 的性質 (至適pH) の調査

酵素の至適pH の検討は基質に0.4%(w/v)Suc、SucNAcを用いて、酵素反応は

それぞれ100 mMクエン酸ナトリウム緩衝液 (pH 3.0-6.0)、リン酸ナトリウム緩衝

液 (pH 6.0-8.0) を使用した。方法としては、反応によって生成した還元糖を測定

するSomogyi-Nelson法を用いて至適pHを求めた。反応時間は30 min、反応温度

は37°C、3 連で行った。

3-3-10. 糖の分解性調査 (TLC分析)

精製酵素を1%(w/v)Suc、1%(w/v)SucNAc、1%(w/v)Kes、1%(w/v)Malを基質とし て用いて、20 mMリン酸ナトリウム緩衝液 (pH 6.0) 中で 37°C でそれぞれの時間 (0, 1, 2, 3 h) 反応させ、95°C、10分間ホットドライバスを用いて加熱し、反応を停 止させた。反応停止後、薄層クロマトグラフィー (Silica Gel 60 ; 0.25 mm,Merck) を 用いて反応液中の糖の様子を確認した。Silica Gel 60 プレート (縦10cm×横5 cm) に1 μmずつ、各時間の反応液を、7 mm間隔でスポットし、アセトニトリル / 水 [5:1(v/v)]で3回展開した。乾燥後、リンモリブデン酸発色液[2.4%(w/v)リンモリブ デン酸、5%(v/v)硫酸、1.5%(v/v)リン酸]を噴霧し、ヒートガン (HEATING GUN,

HAKKO) で加熱してスポットを発色させた。マーカーには、1%(w/v)Suc、1%

(w/v)SucNAc、1%(w/v)ケストース、1%(w/v)マルトース、1%(w/v)グルコース、1%

(w/v)フルクトースを用いた。

3-3-11. SucSucNAc を基質とした比活性の測定

精製酵素液のタンパク質量はウシ血清アルブミン (BSA, Sigma) を標準タンパ ク質としたLowry 法を用いて求めた。本精製酵素 (0.06 mg/mL) 500 μLに基質と して100 mM Suc、SucNAc溶液500 μLを30分間作用させて、HPLCを用いて生 成物を確認した (反応液中の酵素濃度は0.03 mg/mL)。酵素反応は、20 mMリン酸 ナトリウム緩衝液 (pH 6.0) の条件で、37°Cで行った。その後、200 μLずつ反応

液を各時間 (0, 20, 40, 60 min) でサンプリングし、クエン酸ナトリウム緩衝液 (pH 3.0) 800 μLを加え、酵素を失活させた後、Amicon Ultra-0.5 10K (MILLIPORE) を

用いて14,000×gで遠心を行い、ろ液を回収した。そのろ液3 μLをインジェクシ

ョンした。1分間に1 μmolの基質を分解する酵素量を1 unitとした。HPLC分析 のカラムはCOSMOSIL Sugar-D (φ4.6 mm×250mm) を使用した。分析は、流速 0.8 mL/min、カラム温度35°C、移動相としてC2H3N:H2O=77:23(v/v)を用い、

検出器はRI-101 (Shodex) を用いた。