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O 0 2 2 0 2 2 2 2 0 56
17エンの・行こ こ
全体考察
1.行動コンサルテーションによる劾果
本研究の目的は,高齢者介護現場におけるBPSDのみられる認知症高齢者に対する 支援方略として,介護施設の管理者に対する行動コンサルテーションによって,介 護士の支援行動が変化するか否か,また,機能的アセスメントに基づく介護士によ るPBSによって,認畑症高齢者のBPSDを減少させることができるか否かを検討する
ことであつた。
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その結果,3事例ともに,介護士の支援行動は,管理者に対する行動コンサルテ]シ ョンによって立案した支援計画に従って変化した。また,機能的アセスメントに基づ く社会的に望ましい行動の生起を促すといった,介護士によるPBSによって,クライ エントのBPSDの生起率が減少することが示された。さらに,DBDスケールによる評価 からも,クライエントのBPSDの出現頻度が,介入によって減少するといった結果が得
られた。なお,本研究では,クライエントの認知症の程度に関わらず,標的行動の減 少効果がみられた介入は,先行子操作であった。また,先行子操作は,本研究に参加
した全ての介護士が実行することが可能であった。
これらの結果は,高齢者介護現場におけるBPSDのみられる認知症高齢者に対する支 援方略として,管理者に対する行動コンサノレテーションという一つの方向性を示すも のであったと考えられる。
2.介入に関する受容性
介入に関する受容性アンケート結果からは,介入を行ったクライエントの違いに関 わらず,介入前の全碩因における合計得点が,介護士よりもコンサルティのほうが高 いといった,共通する特徴がみられた。これは,本研究において,:コンサルタントが 直接行動コンサルテーションを行ったのはコ1/サルティである管理者であり,介護士 にはニコンサルティを通した間接的な行動コンサルテーションになっていたからであ ると考えられる。つまり,本研究における支援計画は,主にコンサルタントとコンサ ルティの協働によって立案され,介入実施者である介護土の意見は,スタッフドレー ニング後の質疑応答の際に聴取し,介入計画の修正としてわずかに加える程度であっ た。そのため,介護士よりもコンサルティの価値観が強く反映され,コンサルティの 受容性の得点が介護士に比較して高かったと考えられる。しかし,このような状況に も関わらず,介入朝閥申は,一貫して,介護士による介入計画の実行がなされていた。
これは,介護士に対する直接的な行動コンサルテーションでなくとも,介護士の代表 である管理者を通した間接的な行動1コンサルテーションによって,クライエントの行 動随伴性だけでなく,介護士の行動随伴性や介護士の好みやリソースを考慮した,介 51
護士が実行しすい支援計画の立案が可能となったからでと考えられる。つまり,「文 脈における適合性」が高かった結果,介護士が支援計画を実行し,それに伴いクライ エントの標的行動が減少するといった成果が得られたと言えるのではないだろうか。
また,クライエントCに対する介入を行った,コンサルティと介護士C(介護士達の 平均値)では,介入前よりも介入後に得点が高くなる項目が複数あった。このような 変化がみられた項目は,介入を行ったクライエントごと,そしてコンサルティと介護 土間で,異なってはいたが,複数の項同においてみられた。また,介護士個人の得点 では,『今回の支援後すぐに,対象者様の「気になる行動」の肯定的な変化を感じる ことができると思いますか?』の質問に対して,ネガティブな評価である「思わない」
から,ポジティブな評価である「かなり思う」への変化がみられた。このことから,
介入に関する知識のみで実際に介入を行っていない状態よりも,実際に介入を行った 状態の方が,介入を実行する過程で生じる心理的・物理的な負担や困難さが軽減され
ることがあることが示唆された。
一方,介入前よりも介入後に得点が低くなる項目も,介護士C(介護士達の平均値)
で複数みられ,介護士個人の得点では,『今回の支援は,回数に関係なく,援助方法 自体の負担度が大きそうだと思いますか?』の質問に対して,ポジティブな評価であ る「思わない」から,ネガティブな評価である「かなり思う」への変化がみられた。
このことから,介入前に予想していた以上に,実際の介入が,心理的・物理的な負担 や困難さを与えることがあることが示唆された。
また,介入に関する受容性評価の不備については,本研究において,クライエン トAやクライエントBに対する介入では,複数の手続きを行っているにもかかわら ず,受容牲の評価が介入の前と後のみの実施となっていたために生じたものである。
つまり,介入前の受容牲の評価では,介入1についての評価であるにもかかわらず,
介入後の評価では,全ての介入を含めた評価になっていた可能性があり,どの支援 介入に対してコンサルティ及び介護士が評価しているのかが曖昧であったと考えら れる。複数の介入を行う場合には,どの介入に対しての評価を行うのかを,評価す る者に対して明確に示しておく必要があった。
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3.本研究の課題
本研究のような,高齢者介護施設の管理者を対象として行動コンサルテーションを 行い,介護士の行動変容と認知症高齢者の行動変容を図る試みは,まだ始まったばか りである。そのため,今後,このような試みを高齢者介護現場で展開していくために は,複数の課題も残されている。
まず,1点目は,記録についてである。本研究では,介護士がクライエントヘの介 入とともに,クライエントの標的行動及び介護士の支援行動の記録を行った。なお,
記録に用いた記録用紙は,コンサルタントとコンサルティの協働により,現場で負担 が大き過ぎず客観的なデータが得られることを重視して作成し,チェックリスト方式 も取り入れた。しかし,介入に関する受容性アンケートの自由記述欄には,グル㎞プ ホ㎞ムIのコンサルティがクライエントBへの介入に関して「記録面で負担が大きい
と思った」と記述し,同じくグループホームIの介護士Bが「記録面で負担がやや大 きいと思い,今後,支援を続けていくことは難しいと感じた」と記述していた。この ことから,本研究で使用した記録の方法は,介護士Bの負担になっていたことが示唆 された。さらに,グループホーム皿の介護士Cによる介入に関する受容性アンケ㎞ト の自由記述欄には,「記録用紙への記入が,他の介助等でおろそかになってしまう事 があった」との書き込みがあり,コンサルティからは「記録が大変」との声が,介護 士Cからあがっているとの報告をうけた。このことから,介護士Cにとっても,本研究 の記録はやや負担になっていた可能性が示唆された。以上のことから,今後,多忙な 介護現場で,介護土が記録を行うためには,記録に関するインタビューの実施(藤原 ら,2010)や,行動の頻度や時間を簡単に記録できる方法の開発といった,より簡便 な記録方法の検討が必要であると考えられる。
2点目は,クライエントの標的行動についてである。本研究では,「他入所者の居室 扉を開ける」「他入所者の飲物に手を近付ける」「摂食を拒否する発言」が各クライエ
ントの標的行動であった。しかし,大西ら(2004)によると,グループホームにおい て対応が困難とされていたBPSDは,「異常な性行動」や「暴言・暴行」であり,本研
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究で取り上げられた行動とは異なるものもあった。本研究では,比較的軽微な行動を 標的行動としていたが,今後は対応が困難な行動に対しても介入を試みる必要がある
と考えられる。
3点肩は,誰を績ンサルティとするかについてである。本研究では,コンサルティ の役割を介護施設の管理者が担っており,クライエントヘの直接の介入者は介護士達 であった。つまり,コンサルタントは,間接的に,介護士達に行動コンサルテーショ ンを行ったことになる。まず,このような形式をとった理出は,多忙な介護現場で,
複数の介護士に対して行動コンサルテーションを実施するのは困難であるが,管理者 であれば打ち合わせ時間が比較的確保しやすく,実施が可能であると予想したためで あった。そして,介入期間中に,介護士が一貫して支援計画を実行し,そしてクライ エントの標的行動が減少するといった結果が得られた。しかし,この結果は,管理者 に対する行動:コンサルテ}ンヨンであったから得られたものなのか,それとも,介入 実施者である介護士に対して,直接的に行動コンサルテーションを行っても同様の結 果が得られていたのかはわからない。すなわち,介護士達ではなく管理者に対する行 動コンサルテ旧ションが,介護士達への直接的な行動コンサルテーションよりも有効 であることは明らかになっていない。そのため,管理者に対する行動コンサルテーシ ョン群と,介護士達に対する行動コンサルテーション群を比較する研究デザインを適 用し,両群における効果(クライエントの行動改善効果やコスト等)の違いを検討す
ることは,今後の課題である。
謝辞
本論文を書き終えることができたのは,多くの方々の支援や力添えがあったからこ そと,心から感謝申し上げます。まず,指導教員として多大なご協力とご支援をいた だきました大野裕史先生には,心より感謝の意を述べたいと思います。また,研究脇 力者としてご支援をいただきましたグル㎞プホームI及びグループホーム1Iの皆様 には,とても感謝しております。論文を終えるにあたり,ご協力いただいたすべての
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