第 3 章 肺腫瘍における体内マーカを用いた位置誤差の検討
3.2 使用機器および方法
3.2.2 BH および RTT 技術の位置誤差
金球マーカの位置座標を,CT装置のアプリケーションソフトウェアである,CTポート
(東芝メディカルシステムズ社製)を用いて,多断面再構成(MPR)画像によって分析し た. それらの座標は,マーカ画像の中央を手動で設定した. 金球マーカの位置誤差は,
BH および RTT技術における 2 つの測定基準によって分析した. 両技術の位置誤差は,
以下に示す,三次元誤差,および二乗平均平方根(RMS)値によって解析した.
3.2.2.1 BH 技術
BHについては,位置誤差は,最初のCT画像とその後のCT画像における金マーカの座 標間の幾何学的な差として定義され,以下のように計算された:
𝐸𝑟𝑟𝑗,𝑘𝐵𝐻(𝑥, 𝑦, 𝑧) = |𝑚𝑗,𝑘(𝑥, 𝑦, 𝑧) − 𝑚1,𝑘(𝑥, 𝑦, 𝑧)| (1a) ここで,j はスキャン回数(j = 1〜3),k は金マーカ(k = 1〜3)の数,𝐸𝑟𝑟𝑗,𝑘𝐵𝐻(𝑥, 𝑦, 𝑧) は,
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各CT 撮影時における,金マーカの位置誤差,𝑚𝑗,𝑘(𝑥, 𝑦, 𝑧) は,毎回のCT画像における金 マーカの座標を表し,𝑚1,𝑘(𝑥, 𝑦, 𝑧) は,第1回目のCT画像内の金マーカの座標を表す. x,
y,z の座標はそれぞれ,左右方向(LR),前後方向(AP),上下方向(SI)に対応する.
図3-1(a)は,BH法を用いた位置誤差解析のための 3つのマーカを用いた3つのCTス
キャンの座標を示している.式(1a)から,三次元位置誤差は以下のように与えられる.
𝐸𝑟𝑟𝑗,𝑘𝐵𝐻(3𝐷) = √(𝑚𝑗,𝑘(𝑥) − 𝑚1,𝑘(𝑥))2+ (𝑚𝑗,𝑘(𝑦) − 𝑚1,𝑘(𝑦))2+ (𝑚𝑗,𝑘(𝑧) − 𝑚1,𝑘(𝑧))2 (1b)
ここで,𝐸𝑟𝑟𝑗,𝑘𝐵𝐻(3𝐷) は,金マーカの三次元位置誤差を示す.加えて,
𝑅𝑀𝑆𝑗,𝑘𝐵𝐻(𝑥, 𝑦, 𝑧) = √16∑3𝑗=1∑3𝑘=1(𝐸𝑟𝑟𝑗,𝑘𝐵𝐻(𝑥, 𝑦, 𝑧))2 (2a)
ここで,𝑅𝑀𝑆𝑗,𝑘𝐵𝐻(𝑥, 𝑦, 𝑧) は,二乗平均平方根(RMS)値を示す.
𝑅𝑀𝑆𝑗,𝑘𝐵𝐻(3𝐷) = √1
6∑3𝑗=1∑3𝑘=1(𝐸𝑟𝑟𝑗,𝑘𝐵𝐻(3𝐷))2 (2b) ここで,𝑅𝑀𝑆𝑗,𝑘𝐵𝐻(3𝐷) は,3次元RMS値を示している.
3.2.2.2 RTT技術
RTTについては,マーカの位置が CT画像で計画されたマーカ位置の許容範囲内に存在 するときのみに,放射線治療ビームを照射するように設定したので,金マーカの各座標は,
CT画像の基準マーカ位置に対して正規化した.したがって,位置誤差は,最初のCT画像 とその後の CT 画像における金マーカの座標間の幾何学的な差として定義され,以下のよ うに計算された:
𝐸𝑟𝑟𝑗,𝑘𝑅𝑇𝑇(𝑥, 𝑦, 𝑧) = |(𝑚𝑗,𝑘(𝑥, 𝑦, 𝑧) − 𝑚𝑗,1(𝑥, 𝑦, 𝑧)) − (𝑚1,𝑘(𝑥, 𝑦, 𝑧) − 𝑚1,1(𝑥, 𝑦, 𝑧))| (3a)
ここで,𝐸𝑟𝑟𝑗,𝑘𝑅𝑇𝑇(𝑥, 𝑦, 𝑧) は,金マーカの位置誤差を示す.図3-1(b)は,RTT技術におけ る位置誤差解析に 3つのマーカを用いた 3 つのCTスキャンの座標を示す.方程式の右辺 の第1項は,各走査における基準マーカに対する各金マーカの位置誤差を表し,第2項は,
第 1 走査における基準マーカに対する各金マーカの誤差である(これは,座標の補正は基 準マーカに基づく).式(3a)から,三次元位置誤差は以下のように与えられる.
𝐸𝑟𝑟𝑗,𝑘𝑅𝑇𝑇(3𝐷) =
√
((𝑚𝑗,𝑘(𝑥) − 𝑚𝑗,1(𝑥)) − (𝑚1,𝑘(𝑥) − 𝑚1,1(𝑥)))2 + ((𝑚𝑗,𝑘(𝑦) − 𝑚𝑗,1(𝑦)) − (𝑚1,𝑘(𝑦) − 𝑚1,1(𝑦)))2
+ ((𝑚𝑗,𝑘(𝑧) − 𝑚𝑗,1(𝑧)) − (𝑚1,𝑘(𝑧) − 𝑚1,1(𝑧)))2
(3b)
ここで,𝐸𝑟𝑟𝑗,𝑘𝑅𝑇𝑇(3𝐷) は,金マーカの三次元位置誤差を示す.加えて,
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𝑅𝑀𝑆𝑗,𝑘𝑅𝑇𝑇(𝑥, 𝑦, 𝑧) = √16∑3𝑗=1∑3𝑘=1(𝐸𝑟𝑟𝑗,𝑘𝑅𝑇𝑇(𝑥, 𝑦, 𝑧))2 (4a)
ここで,𝑅𝑀𝑆𝑗,𝑘𝑅𝑇𝑇(𝑥, 𝑦, 𝑧) は,RMS値を示す.
𝑅𝑀𝑆𝑗,𝑘𝑅𝑇𝑇(3𝐷) = √16∑3𝑗=1∑3𝑘=1(𝐸𝑟𝑟𝑗,𝑘𝑅𝑇𝑇(3𝐷))2 (4b)
ここで,𝑅𝑀𝑆𝑗,𝑘𝑅𝑇𝑇(3𝐷) は,3次元RMS値を示す.マーカ位置誤差は,LR,AP,およびSI 方向の平均位置の差を計算することによって決定した.
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2nd 1st 3rd
LR direction
AP direction
1st 2nd 3rd
LR direction
AP direction
marker 1
marker 2
marker 3
marker 1
marker 2
marker 3
(a) BH technique (b) RTT technique
●: marker 1
▲: marker 2 ■: marker 3
図 3-1 呼吸停止(BH)技術およびリアルタイム腫瘍追跡(RTT )技術のための 3
個の金球マーカを使用した位置誤差分析の方法.RTT 技術では,3 回の CT 撮
影すべてにおいて,マーカ 2 および 3 の位置(座標)が,マーカ 1 の位置に基づい
て再配置される.SI : 頭尾方向,AP : 前後方向, LR : 左右方向.
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